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発明の名称 移植機の苗取出方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−28127
公開日 平成9年(1997)2月4日
出願番号 特願平7−187589
出願日 平成7年(1995)7月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
発明者 河瀬 宗之 / 米田 豊
要約 目的


構成
特許請求の範囲
【請求項1】 苗トレイ(2)におけるポット部(3)内の土付き苗(5)に対して、苗取出爪(4)を前進させて土付き苗(5)に突入し、退出させて突き刺した土付き苗(5)を取出し、前記苗取出爪(4)を苗トレイ(2)に対向する姿勢から植付筒(43)に対向する略下向き姿勢に移行した後に、苗取出爪(4)から土付き苗(5)を離脱して植付筒(43)へ落下供給する移植機の苗取出方法であって、前記苗取出爪(4)を苗トレイ対向姿勢から植付筒対向姿勢までの移行時に、前半を高速移行させ、後半を低速移行させることを特徴とする移植機の苗取出方法。
【請求項2】 前記後半低速移行から土付き苗(5)の離脱まで、苗取出爪(4)の増速を極小になるように抑えていることを特徴とする請求項1に記載の移植機の苗取出方法。
【請求項3】 苗トレイ(2)におけるポット部(3)内の土付き苗(5)に対して、互いに離れて位置する一対の苗取出爪(4)を葉の下側からすくい上げながら前進させて苗土に突入する(A)行程と;突き刺した土付き苗(5)を苗取出爪(4)の後退移動で取出す(B)行程と;苗取出爪(4)を苗トレイ(2)に対向する姿勢から比較的高速で移動して略下向き姿勢に移行する(C)行程と;この(C)行程に続いて苗取出爪(4)を比較的低速でかつ略増速することなく移動して植付筒(43)に対向する略下向き姿勢に移行し、かつその最終位置で苗取出爪(4)とそれを案内している爪ガイド(6)との相対移動で、苗取出爪(4)から土付き苗(5)を離脱して植付筒(43)へ落下供給するすると共に苗取出爪(4)を後退させる(D)行程と;土付き苗(5)離脱後の苗取出爪(4)を比較的高速で復動させる(E)行程と;この(E)行程に続いて(A)行程まで苗取出爪(4)を略下向き姿勢から苗トレイ(2)に向く姿勢へ変更しながら比較的高速で復動させる(F)行程と;を有することを特徴とする移植機の苗取出方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、キャベツ、レタス、白菜、ブロッコリー等の野菜を移植するための移植機の苗取出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】縦横格子状の配列でポット部を有する苗トレイに苗を育苗させておき、前記ポット部から土付き苗を取出して移植する野菜移植機は公知であり、農作業の機械化を図っている。この種の野菜移植機は、特開平4−330211号公報に開示されているように、主要構成が、苗トレイにおけるポット部の土付き苗に突入可能な一対の苗取出爪と、この一対の苗取出爪を互いに離して先端に設けた爪支持体と、一対の苗取出爪の進退を案内する一対の爪ガイドと、前記爪支持体及び爪ガイドをそれぞれ往復動自在に支持する保持体と、爪支持体及び爪ガイドを往復動させる爪動作機構とを有している。
【0003】そして、ポット部の開口側から苗取出爪を土付き苗に突入しかつ退出することでポット部の開口から土付き苗を取出し、この取出した土付き苗を植付装置の上方まで移送し、爪支持体及び爪ガイドを植付筒に対応した略下向き姿勢にした後、爪ガイドを苗取出爪先端側へ移動して、苗取出爪で取出した土付き苗を苗取出爪から離脱して植付装置に落下供給するようになっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記移植機では、移植速度を高速化することが要求されており、苗取出を高速化するには、土付き苗を離脱した後の苗取出爪の戻り動作を高速にすることが考えられているが、それだけでは限界があり、十分な高速化は得られない。そこで、ポット部から土付き苗を取り出して植付筒に供給するまでの行程でも高速化することが考えられるが、この供給行程で苗取出爪を動きを高速にすると、植付筒に対向する位置まで移動した時に慣性力が作用するため、土付き苗を正常に受渡しするのが困難になる。
【0005】特に、カム作用の溝カムを用いて苗取出爪の戻り行程を高速化していると、受渡し行程では停止する寸前で大きく増速され、土付き苗の受渡し姿勢を慣性力で悪化させることがある。例えば、図15の比較例で示すように、(a)の揺動アーム54’はカム作用をする溝カム55’を有し、溝カム55’の中途部が円弧に形成されており、この揺動アーム54’を図1に示す苗取出装置1に採用すると、戻り行程(復行程)を受渡し行程(往行程)よりも高速化し、苗取出爪の先端の軌跡を略8の字状にして移行させることができる。
【0006】即ち、苗トレイにおけるポット部内の土付き苗に対して、互いに離れて位置する一対の苗取出爪を葉の下側からすくい上げながら前進させて苗土に突入するA’行程と、突き刺した土付き苗を苗取出爪の後退移動で取出すB’行程と、苗取出爪を苗トレイに対向する姿勢から移動して略下向き姿勢に移行するC’行程と、このC’行程に続いて苗取出爪を移動して植付筒に対向する略下向き姿勢に移行移行し、かつその最終位置で苗取出爪とそれを案内している爪ガイドとの相対移動で、苗取出爪から土付き苗を離脱して植付筒へ落下供給するすると共に苗取出爪を後退させるD’行程と;土付き苗離脱後の苗取出爪を復動させるE’行程と;このE’行程に続いてA’行程まで苗取出爪4を略下向き姿勢から苗トレイ2に向く姿勢へ変更しながら復動させるF’行程と;を有する。
【0007】そして、B’行程の若干前からD’行程の中途までの苗取出爪の先端の速度変化を見ると、図3に点線で示すように、C’行程では高速で作業速度を高くできているが、そのまま減速してD’行程に移行するのではなく、一端極めて大きな増速が生じることになり、土付き苗に大きな慣性力を与える。これは溝カム55’のC’行程の直線部からD’行程の円弧部にポイントP3で切り替わるため、揺動アーム54’が大きく揺動されることに起因すると推測される。
【0008】本発明は、このような種々の要望及び問題点に鑑み、苗取出爪を苗トレイ対向姿勢から植付筒対向姿勢までの往行程の移行時に、前半を高速移行させ、後半を低速移行させることにより、土付き苗の受渡し時の慣性力を小さくしながら、作業速度を高くできるようにした移植機の苗取出方法をを提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明における課題解決のための第1の具体的手段は、苗トレイ2におけるポット部3内の土付き苗5に対して、苗取出爪4を前進させて土付き苗5に突入し、退出させて突き刺した土付き苗5を取出し、前記苗取出爪4を苗トレイ2に対向する姿勢から植付筒43に対向する略下向き姿勢に移行した後に、苗取出爪4から土付き苗5を離脱して植付筒43へ落下供給する移植機の苗取出方法であって、前記苗取出爪4を苗トレイ対向姿勢から植付筒対向姿勢までの移行時に、前半を高速移行させ、後半を低速移行させることである。
【0010】これにより、苗取出爪4を後半で低速状態にして、受渡し時に土付き苗5に大きな慣性力を作用させず、従って植付筒43へ姿勢が悪化されることなく供給される。本発明における課題解決のための第2の具体的手段は、第1の具体的手段に加えて、前記後半低速移行から土付き苗5の離脱まで、苗取出爪4の増速を極小になるように抑えていることである。
【0011】これにより、苗取出爪4を円滑に減速して、土付き苗5に加わる慣性力を十二分に減少させる。本発明における課題解決のための第3の具体的手段は、苗トレイ2におけるポット部3内の土付き苗5に対して、互いに離れて位置する一対の苗取出爪4を葉の下側からすくい上げながら前進させて苗土に突入するA行程と;突き刺した土付き苗5を苗取出爪4の後退移動で取出すB行程と;苗取出爪4を苗トレイ2に対向する姿勢から比較的高速で移動して略下向き姿勢に移行するC行程と;このC行程に続いて苗取出爪4を比較的低速でかつ略増速することなく移動して植付筒43に対向する略下向き姿勢に移行し、かつその最終位置で苗取出爪4とそれを案内している爪ガイド6との相対移動で、苗取出爪4から土付き苗5を離脱して植付筒43へ落下供給するすると共に苗取出爪4を後退させるD行程と;土付き苗5離脱後の苗取出爪4を比較的高速で復動させるE行程と;このE行程に続いてA行程まで苗取出爪4を略下向き姿勢から苗トレイ2に向く姿勢へ変更しながら比較的高速で復動させるF行程と;を有することである。
【0012】これにより、土付き苗5を植付筒43に供給するときに苗取出爪4を低速状態から停止して、土付き苗5には大きな慣性力を作用させることがなく、復行程の苗取出爪4の移行を高速化して、苗取出動作全体を高速化することができるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。図14において、野菜移植機21は、走行車両(走行体)22の後部に操縦ハンドル20を有する歩行型であって、畝を跨いでその長手方向に走行しつつ、土付き苗5をマルチフィルムで覆われた畝に所定間隔をおいて植付けるものである。
【0014】走行車両22は、装置フレーム23と、この装置フレーム23の前端部に設けられた架台24等とを備え、装置フレーム23の前部は下向きに曲がっていて架台24の側部に固定されており、後部は上向きに曲がっていてこの後部に操縦ハンドル20が取着されている。架台24上にはエンジン25が搭載され、このエンジン25はボンネット26で覆われており、架台24の後部にはミッションケース27が固定され、このミッションケース27内の動力伝達機構にエンジン25の動力が伝動される。
【0015】ミッションケース27内に入力された動力は、左右側方に突出する車輪伝動軸28に伝達されると共に、この車輪伝動軸28よりも後方に設けられて左右側方に突出する第1PTO軸29と、後上方に突出する第2PTO軸30とから取出せるようになっている。車輪伝動軸28の左右両端部にはその軸心回りに上下揺動自在な伝動ケース31を介して左右の後輪32が支持され、この後輪32には車輪伝動軸28から伝動ケース31内の動力伝達機構を介してエンジン25の動力が伝達される。また、走行車両22の前部には、左右一対の前輪33、畝高さ検出ローラ36が備えられている。
【0016】走行車両22の後部には、移植作業部37が設けられている。この移植作業部37は、苗供給装置39と、この苗供給装置39から供給される土付き苗5を植付筒43によって畝4に植付ける植付装置35と、苗が植付けられる位置に予めマルチフィルムに移植用の孔を穿けるマルチフィルム穿孔装置38等を有している。なお、苗供給装置39は第2PTO軸30の回転動力により駆動され、植付装置35及びマルチ穿孔装置38は第1PTO軸29の回転動力により駆動される。
【0017】前記植付筒43は、下部に開閉自在なオープナを備えており、オープナは楕円軌跡の下端側にて畝に突入したときに前後に開き、植え穴を形成すると共に、この植え穴に軌跡の上端側で供給される土付き苗5を植付け得るようになっている。前記植付装置35及びマルチフィルム穿孔装置38は、ミッションケース27の第1PTO軸29に上下揺動自在に支持された可動フレーム41上に備えられている。この可動フレーム41の後端部は装置フレーム23に上下方向位置調整可能に吊持されており、可動フレーム41の後部には覆土・鎮圧ローラ42が設けられている。
【0018】図1〜14において、苗供給装置39は、装置フレーム23上に装着されており、土付き苗5が育苗されたポット部3が縦横に多数配設された苗トレイ2を横方向及び縦方向に移送する搬送装置34と、この搬送装置34上の苗トレイ2から、所定の苗取出位置にて苗取出爪4により土付き苗5を一つずつ取り出して、この土付き苗5を植付装置35上方まで移送した後に植付筒43内に落とし込む苗取出装置1とを有して構成されている。
【0019】なお、苗トレイ2は樹脂製で可撓性を有し、縦横に多数配列したポット部3が前面に開口して背面に突出して形成されており、各ポット部3に土付き苗5が育苗されている。前記苗取出装置1は、一対の針(箸)形状の苗取出爪4と、この一対の苗取出爪4を先端に設けた爪支持体8と、一対の苗取出爪4の進退を案内する爪ガイド6と、前記爪支持体8及び爪ガイド6をそれぞれ長手方向往復動自在に支持する保持体9と、爪支持体8及び爪ガイド6を適正に動作させる爪動作機構10とを有している。
【0020】前記爪動作機構10は、苗トレイ2と植付筒43との間で苗取出爪4を姿勢変更しながら往復動作させるものであり、装置フレーム23上に固定された支持フレーム14を備え、この支持フレーム14には、第2PTO軸30からの回転動力によって、図4〜8において反時計回りに回転駆動されるクランク体52が回動軸51に設けられている。このクランク体52にはクランクピン53が側方に突設されていると共に、クランク体52と同軸心として駆動カム62が備えられている。
【0021】また、支持フレーム14には、クランク体52の下方で揺動アーム54の下部が揺動軸54Aにより枢結されていて、この揺動アーム54の中途部には上下方向(アーム長手方向)に延びる溝カム55が形成され、この溝カム55にクランク体52のクランクピン53が挿通係合されている。前記溝カム55は中央の円弧部の両端に、逆円弧部と直線部とを連続形成した形状であり、前記円弧部と逆円弧部とは角ばった境目がない円滑な曲線で接続されており、クランクピン53は図2(a)に示すように、溝カム55の内周面にA→B→C→D→E→Fの順に当接していく。
【0022】前記A〜Fの各部に対応して苗取出爪4の先端の移動行程が決定されており、F行程とA行程の境目をポイントP1、A行程とB行程の境目をポイントP2、C行程とD行程の境目をポイントP3、D行程とE行程の境目をポイントP4と符号を付けている。溝カム55は搬送装置34へ土付き苗5を取るために揺動アーム54を揺動するE〜F行程の距離が短く、一方、植付装置35へ土付き苗5を供給するために揺動アーム54を揺動するC〜D行程の距離が長く設定されており、早戻り機構が構成されている。
【0023】すなわち、往復速度を比較すると、苗取出爪4によってポット部3から土付き苗5を取出すための復行程Yのときはその移動を早くし、ポット部3から土付き苗5を取出して植付筒43に受渡す往行程Xのときは遅速移動するようにして、土付き苗5の移送途中の落下を防止しながら早戻りさせて、苗取出・供給の効率化を図っている。
【0024】揺動アーム54の上部には保持体9がピン54Bを介して枢結されている。この保持体9はピン54Bを設けた部位が筒形状に形成されており、この筒状部には、軸方向移動自在にパイプ製の爪支持体8が挿通案内されて、この爪支持体8は搬送装置34の苗トレイ2に向かって出退可能とされている。この爪支持体8の先端部に、ポット部3内の土付き苗5に斜め方向から突き刺される一対の苗取出爪4が取付けられている。
【0025】また、保持体9にはブラケット56を介して遊転自在にローラ57が取付けられ、このローラ57は、支持フレーム14の上部にピン58を介して揺動自在に取付けられたガイド板59に形成されたカム溝60に係合されている。前記ガイド板59は突出腕の先端に転動ローラ61を有し、この転動ローラ61は駆動カム62上に当接されていて、駆動カム62の反時計方向の回転によりガイド板59をピン58を中心として揺動可能にしている。
【0026】ピン58を中心とするガイド板59の揺動は、苗取出爪4がポット部3に向って進出するときは、突入開始点(図4参照)の手前から、土付き苗5の葉を下側からすくい込むように、苗取出爪4の先端をピン54Bの廻りで首振りするようにしていると共に、揺動アーム54の揺動角度に応じた保持体9の姿勢(特に、揺動アーム54に対する保持体9の相対角度)を規制している。
【0027】また、ポット部3から取出された土付き苗5を植付筒43の上方に移送させるとき(図5に示す状態から図6に示す状態まで)には、苗取出爪4を大きく後下方へ移動させると共に略下向き姿勢に変更し、土付き苗5を略鉛直姿勢にする。そのために、カム溝60の後部側(図5左側)は、ローラ57を揺動アーム54の揺動軸54Aから離れる方向に移動させる形状とされている。
【0028】爪支持体8の外周には、図9〜12に示すように、その基端部に設けた基体65と保持体9の筒状部との間に、爪支持体8を後退する方向に付勢するコイルスプリング66が介装されており、爪支持体8の前端部には爪取り付け具67が嵌合固定されている。この爪取り付け具67に一対の苗取出爪4の基部がそれぞれ軸4aを介して又は苗取出爪4の基部を直角に折曲して軸として枢支されており、一対の苗取出爪4は爪取り付け具67に対して先端が遠近移動するように揺動可能になっている。
【0029】前記保持体9の下端部には、押出リンク68がピン69を介して回動自在に枢結されている。この押出リンク68の先端部には長溝(又は長孔)70が形成され、爪取り付け具67の突出腕に設けたピン71と係合されている。この押出リンク68には略円弧状のカム板73が設けられ、このカム板73はクランク体52のクランクピン53と当接可能である。クランクピン53がF行程の後期に対応して、揺動アーム54が搬送装置34側の揺動端に達するときに(図4参照)、回動してくるクランクピン53によってカム板73を介して押出リンク68が揺動され、保持体9に対して爪取り付け具67及び爪支持体8を搬送装置34側へ向けて押動し、コイルスプリング66を圧縮する。これにより、苗取出爪4は突出し、かつ爪支持体8が後退するための復元力が保有されることになる。
【0030】6は前記爪支持体8、基体65及び爪取り付け具67に長手方向摺動自在に挿入された爪ガイドであり、丸棒等で形成されていて、その前端にガイド部11を形成する部材が両苗取出爪4に跨がって装着され、後端に側面視L字板状の作動部材76が装着され、中途部に止め具77が固着され、この止め具77と基体65との間にスプリング78が嵌装されている。
【0031】図11、12、14に示すように、爪ガイド6は2本の苗取出爪4に対して三角配置されており、ガイド部11には2つの爪挿通孔11aが形成され、この左右爪挿通孔11aの間隔は、左右苗取出爪4の枢支部間隔K(枢支部である軸4aの間隔)より狭く設定されている。従って、苗取出爪4と爪ガイド6とが相対移動すると苗取出爪4の爪先端間距離Lが変化する。即ち、ガイド部11が苗取出爪4の先端側に位置するとき、爪先端間距離Lは最も広く、この状態からガイド部11を不動にしておいて苗取出爪4を突出していくと、苗取出爪4の基部側はガイド部11に近づき、爪先端間距離Lは次第に狭くなる。
【0032】そのため、土付き苗5をポット部3から取出すため、前進させていくと、左右の苗取出爪4の先端は突き進みながら互いに近づき、土付き苗5の左右の中心線Sに対して傾斜した略直線状の軌道上を移動することになる。また、前記苗取出爪4で土付き苗5を取出した状態で、爪ガイド6のガイド部11を苗取出爪4の基部側に位置する状態から先端側へ移動すると、爪先端間距離Lは狭い状態から広くなり、これと平行にガイド部11が土付き苗5と当接して苗取出爪4から押し出す作用をする。このとき、土付き苗5に対して苗取出爪4の先端は、突入した軌道と略同一軌道で抜けることになり、突入時も離脱時も土付き苗5の損傷を最小限に抑える。
【0033】前記苗取出爪4は図9等に示す正面視において、ポット部3内の土付き苗5の中心線Sに対して、表面側(ポット部3の開口縁側)で遠くかつ底面側で近づくように突入すべく傾斜配置されており、従って、土付き苗5は略截頭四角錐形状であるので、その表面下2隅から底面中央へ2本の苗取出爪4を突き刺すようになり、土付き苗5の葉及び根を突き刺すことがなく、またそれに加えて左右苗取出爪4の先端が狭くなるので、ポット部3の底近傍に衝突しないようになっている。
【0034】図9〜12において、前記保持体9には作動片81が軸82を介して枢支され、スプリングによって図9時計方向に付勢されており、この作動片81は1本の足と左右両腕とを有する略T字形状であり、左腕にはロック部81Aが、右腕には解除部81Bが、足には押動部81Cが形成されている。前記爪ガイド6に固着の作動部材76は爪ガイド6と平行な部分76Aを有し、この部分76Aは保持体9によって回り止め状態で摺動が案内されており、その摺動面に突出した前記作動片81のロック部81Aと係合して、爪ガイド6の突出方向の移動が規制されている。
【0035】前記爪支持体8の後端の基体65にはロックアーム83が枢支されており、このロックアーム83はスプリングによって時計方向に付勢されており、前部側に保持体9の係合部9aと係合可能な被係合部83aと、傾斜面83bと、前方に突出した突起83cとが形成されている。爪支持体8は突出した状態でロックアーム83の被係合部83aが保持体9の係合部9aと係合することによりその状態が保持され、作動片81が回動することによりロック部81Aによる作動部材76の部分76Aに対するロックが解除され、爪ガイド6が突出して部分76Aが傾斜面83bと当接することにより、被係合部83aが係合部9aから離脱され、この離脱が不完全であっても、作動片81が更に回動することにより解除部81Bが突起83cを突き上げて、被係合部83aを係合部9aから強制離脱させる。
【0036】前記作動片81の押動部81Cは、ガイド板59に位置調整自在に設けたロック解除部材84と当接することにより回動されるようになっており、保持体9が苗取出爪4を略下向き姿勢にする図6の状態に移動してきたときにロック解除部材84と当接して、爪ガイド6を突出させ、その後に爪ガイド6を伴って爪支持体8を後退させる。なお、ロック解除部材84はボルト又はピン等で形成されている。
【0037】前記保持体9、クランク体52、駆動カム62、揺動アーム54、ガイド板59及び押出リンク68等から爪ガイド6及び爪支持体8等を支持し、苗トレイ2のポット部3に向く苗土取出し姿勢から植付筒43に向く略下向きの苗土離脱姿勢まで姿勢変更しながら移動し、苗土取出し姿勢で土付き苗5を取出し、苗土離脱姿勢で土付き苗5を落下する動作を行わせる爪動作機構10が構成されている。
【0038】また、ロック部81Aを有する作動片81、作動部材76及びロックアーム83等で、爪ガイド6を爪先端側へ移動したときに爪支持体8と爪ガイド6とを同時に後退させる戻し連動手段12が構成され、解除部81Bを有する作動片81及びロックアーム83等で、戻し連動手段12作動後に爪支持体8の戻り動作を保障する戻し保障手段13が構成されている。
【0039】図4、6において、15は上下及び前方が開放した丸めた舌形状の離脱案内体であり、支持フレーム14から突出したブラケット87に位置調整自在に取り付けられており、植付装置35の植付筒43の上方に配置されている。なお、これらは他部材に比して小さく図示されている。この離脱案内体15は、苗取出爪4が略下向き(若干傾斜している)姿勢になったとき、その苗取出爪4及び爪ガイド6を包囲し、爪ガイド6によって苗取出爪4から離脱される土付き苗5と接触してその落下を案内し、土付き苗5を適正な姿勢に保持又は不適正な姿勢を修正する。
【0040】前記離脱案内体15は、金属、合成樹脂、バネ材等で、平板状、半割りカップ形状又は棒状等に形成することができ、土付き苗5との当接面は、土付き苗5を適正姿勢で案内できる形状に形成されている。搬送装置34は、装置フレーム23に固定されたサポートフレームにガイドレール等を介して左右方向移動支持された可動枠(図示せず)を備えている。この可動枠は前下向き傾斜状に配置され、前記苗トレイ2は、ポット部3の開口が前上方を向くように可動枠の上部側から可動枠後面に沿って装填され、可動枠の横移動で左右方向に横送りされると共に、可動枠内で下方に縦送りされるように構成されている。
【0041】可動枠には、図8に示すように、苗トレイ2の底部(すなわちポット部3の底部)を横一列のポット部3に亘って支持案内する支持板93が取付けられている。この支持板93は、苗取出爪4によって土付き苗5が取出される位置のポット部3にまで延設されており、この支持板93の先端部が、苗取出爪4を土付き苗5に突き刺したときの苗トレイ2の撓みを阻止し、苗取出爪4による安定した土付き苗5の取出しをするための裏当て部材89となっている。
【0042】サポートフレームには、エンドレスの螺旋溝を有する横送り軸102が回転自在に支持され、この横送り軸102に苗取出装置1側からの動力が伝達可能になっており、この横送り軸102と可動枠との間に可動枠を横送りする横送り機構103が設けられており、この横送り機構103で可動枠を、苗トレイ2の略全幅だけ左右方向に往復横送り可能にしている。
【0043】また、可動枠下部には、横軸94が回動自在に取付けられており、この横軸94には左右一対の縦送りホイール95がワンウエイクラッチを介して設けられ、このホイール95には、可動枠の上部に設けられた従動ホイールとにわたってチェーン97が掛装され、このチェーン97に、縦方向のポット部3間の間隙に係合する搬送ピン98が取付けられている。
【0044】前記横送り軸102と横軸94との間には、横送りされてきた可動枠がその左右移動終端に達したときに、苗トレイ2の1つのポット部間ピッチに相当する距離だけ、縦送りホイール95を介してチェーン97を間欠移動する間欠送り手段99が設けられ、前記縦送りホイール95、チェーン97、搬送ピン98及び間欠送り手段99等によって、苗トレイ2を横送り後に1ピッチだけ縦送りする間欠縦送り機構100が構成されている。
【0045】次に、前記爪動作機構10による苗取出爪4の苗取出動作を説明する。なお、図4〜7には、土付き苗5に苗取出爪4を突き刺したときから植付筒37の上方で土付き苗5を落下させるときまでの苗取出過程(往行程)の苗取出爪4の先端部の軌跡Xを1点鎖線で、復行程の苗取出爪4の先端部の軌跡Yを2点鎖線で示している。
【0046】苗取出動作は図1〜7に示すように、苗トレイ2におけるポット部3内の土付き苗5に対して、互いに離れて位置する一対の苗取出爪4を葉の下側からすくい上げながら前進させて苗土に突入するA行程と;突き刺した土付き苗5を苗取出爪4の後退移動で取出すB行程と;苗取出爪4を苗トレイ2に対向する姿勢から比較的高速で移動して略下向き姿勢に移行するC行程と;このC行程に続いて苗取出爪4を比較的低速でかつ略増速することなく移動して植付筒43に対向する略下向き姿勢に移行し、かつその最終位置で苗取出爪4とそれを案内している爪ガイド6との相対移動で、苗取出爪4から土付き苗5を離脱して植付筒43へ落下供給するすると共に苗取出爪4を後退させるD行程と;土付き苗5離脱後の苗取出爪4を比較的高速で復動させるE行程と;このE行程に続いてA行程まで苗取出爪4を略下向き姿勢から苗トレイ2に向く姿勢へ変更しながら比較的高速で復動させるF行程と;;を有する。なお、図3ではA行程からF行程までの1サイクルだけで計測した苗取出爪4の先端部の速度変化を示している。
【0047】図4、11の状態で、保持体9は苗トレイ2に略最接近した位置、即ち、ガイド部11の先端が土付き苗5の葉を下側からすくい上げながら苗トレイ2に近づいて最接近した位置(ポイントP1)であり、この状態になるまで苗取出爪4を上昇させる揺動アーム54の揺動は減速してきて、F行程の後期(ポイントP1の若干手前)からクランクピン53がカム板73と当接を開始している。
【0048】ポイントP1からクランクピン53が揺動アーム54の溝カム55の中央円弧部内で回動する(A行程)と、揺動アーム54は揺動しなく静止状態を維持し、クランクピン53がカム板73を介して押動リンク68をピン69を中心に揺動し、爪取り付け具67を介して爪支持体8及び苗取出爪4をポット部3内の土付き苗5に向けて前進させる。
【0049】このため苗取出爪4の上昇後期と前進移動初期とはオーバラップしており、ポイントP1での軌跡は円弧状となり、上昇した後に前進する場合と比して、ポイントP1では苗取出爪4は土付き苗5の葉から若干離れ、移動速度は余り低下することがなく、円滑な動きとなる。このとき、図9に示すように、爪ガイド6は作動部材76が作動片81に当接していて不動であり、基体65が前進することにより、スプリング66、78が圧縮され、ロックアーム83の被係合部83aは保持体9の係合部9aに係合して戻り動作が阻止される。
【0050】また、不動のガイド部11に対して苗取出爪4が前進するため、左右一対の苗取出爪4は枢支部間隔Kより狭いガイド部11の爪挿通孔11aに規制されて、苗取出爪4の先端が前進しながらかつ爪先端間距離Lを狭めながら土付き苗5に突き刺さる。側面視において、土付き苗5の中心線Sに対して苗取出爪4の突き刺し方向は傾斜し、苗の茎及び根に突き刺さることはない。
【0051】この突き刺さり状態では左右苗取出爪4は、図12の2点鎖線状態から実線状態となって、広いV字状から狭いV字状に変化する。この苗取出爪4のV字状態は、平行状の場合よりも土付き苗5の抜けが少なく、ポット部3から強力に取出すことができ、しかも変化時に土付き苗5を挟み付けるようにしたものでないので、土付き苗5を破損することもない。
【0052】またこのとき、裏当て部材89によって苗取出位置のポット部3の底部が支持されて、苗トレイ2の変形が阻止され、苗取出爪4による安定した土付き苗5の取出しが保障されている。苗取出爪4による土付き苗5の突き刺し完了後に、クランク体52が回転すると、クランクピン53を介して揺動アーム54が左方向に揺動し、苗取出爪4及び爪ガイド6を共に苗トレイ2から引き離し(B行程)、図5の状態を経て、往動軌跡X上を移動する。溝カム55はこのB行程でA行程の円弧と逆向きになっているため、比較例の場合よりも高速で揺動アーム54を揺動することになり、B行程はB’行程よりも短時間で終了する。
【0053】往動軌跡X上の移動では、保持体9はそれに設けたローラ57がガイド板59のカム溝60に案内され、これにより苗取出爪4及び爪ガイド6は、略水平の取出し姿勢から図6に示す略下向きの離脱姿勢に変更され、ローラ57がカム溝60の後端近傍まで移動してくると(C〜D行程)、作動片81の押動部81Cがロック解除部材84に当接し始める。
【0054】C行程でも溝カム55はA行程の円弧と逆向きになっており、C行程は比較例のC’行程より早くから始まりかつ長く、速度ピークは早くかつ低くなっている。そのため、C行程の移行当初は高速で揺動アーム54を揺動するが、後半ではその円弧の中心が回転軸51と同側になって、揺動アーム54の揺動速度は時間をかけて低速まで減速される。
【0055】C行程とD行程との間のポイントP3は互いに逆向きの円弧が段差なく連続しており、D行程の初期までがC行程のようになっているので、揺動アーム54の揺動は加速されることはなく、クランク体52と揺動アーム54とが略直角になる状態であるので、苗取出爪4の先端は減速されて略停止状態になり、この状態のときに戻し連動手段12が作動することになる。
【0056】このD行程に入って減速されて略停止状態になる時期が、苗取出爪4を苗トレイ対向姿勢から植付筒対向姿勢までの移行の後半部分であり、比較例の場合に比して十分低速になっており、苗取出爪4の慣性力も減衰されている。作動片81がロック解除部材84に当接して回動を開始(戻し連動手段12の作動)すると、ロック部81Aが作動部材76のロックを解除し、爪ガイド6はそれまで圧縮されていたスプリング78によって弾発的に突出され、図6の2点鎖線及び図10に示すように、不動の苗取出爪4に対して爪先端側へ前進し、突き刺していた土付き苗5を押し出して離脱させる。
【0057】このとき、爪ガイド6のガイド部11は土付き苗5を損傷することがない大きな面で当接され、離脱された土付き苗5は離脱案内体15に案内されてその姿勢が適正にされ、また植付装置35の植付筒43に向けて落下し、受渡しが行われる。前記爪ガイド6が突出されるとロックを解除された作動部材76は一体的に移動し、図10に示すように、部分76Aがロックアーム83の傾斜面83bに当接して被係合部83aと係合部9aの係合を解除する。そのため突出状態に保持されていた爪支持体8は、圧縮状態にあったスプリング66によって弾発的に後退される(D行程の後半)。
【0058】このとき、爪ガイド6の後端の作動部材76は基体65の背面にクッション88を介して当接しているので、爪支持体8の後退に伴って爪ガイド6も後退され、両者はスプリング66で素早く後退するので、落下する土付き苗5の葉との爪ガイド6の接触が可及的に回避される。また、爪ガイド6の移動抵抗が大き過ぎる等の何らかの理由で、部分76Aがロックアーム83の傾斜面83bを持ち上げられなかった場合は、ローラ57がカム溝60の後端に移動したとき、ロック解除部材84によって作動片81が更に回動して、解除部81Bで突起83cを介してロックアーム83を回動(保障手段13の作動)し、被係合部83aを係合部9aから強制的に離脱させ、苗取出爪4の後退を保障する。これにより、苗取出爪4上の土付き苗5を爪ガイド6で離脱できなくとも、苗取出爪4が後退することにより、土付き苗5から爪ガイド6に当たりにいって離脱されることになる。
【0059】これで図7に示すように、苗取出爪4及び爪ガイド6は共に後退位置に戻り、作動部材76はロック可能状態になる。この状態からのクランク体52の回転は、揺動アーム54を右方向に揺動し(E〜F行程)、図4の状態まで保持体9を姿勢変更しながら移動して、苗取出爪4を復動軌跡Y上で早戻りさせる。この復動軌跡Y上の移動では、苗取出爪4及び爪ガイド6が苗トレイ2に近づく手前(復動後期)から、駆動カム62の突部がガイド板59のローラ61に作用し、下向き姿勢から急激に略水平の姿勢に変更され、これにより土付き苗5の葉をすくい上げるように、又は葉の下側にすくい込むように突入開始位置に進出し、苗取出爪4の突出軌道上に葉がないようにする。
【0060】なお、本発明は前記実施例に限定されるものではなく、種々変形することができる。例えば、移植機21の移植装置23は、自走式歩行型に構成しているが走行車輛に装着した乗用型にいたり、1条植えの他2条以上の多条植えに構成したりすることができる。また、揺動アーム54の溝カム55の形状を変更することによりD行程中に苗取出爪4の増速を生じることなく、土付き苗5を離脱させるようにすることも可能である。
【0061】
【発明の効果】以上詳述した本発明によれば、苗取出爪4を苗トレイ対向姿勢から植付筒対向姿勢までの移行時に、前半を高速移行させ、後半を低速移行させるので、苗取出爪4を低速状態から停止したときに、土付き苗5に大きな慣性力は作用させることがなく、植付筒43へ正常な姿勢で供給することができる。
【0062】また、前記後半低速移行から土付き苗5の離脱まで、苗取出爪4の増速を極小になるように抑えているので、苗取出爪4を略停止まで円滑に減速でき、土付き苗5に加わる慣性力を十二分に減少できる。さらに、苗トレイ2におけるポット部3内の土付き苗5に対して、互いに離れて位置する一対の苗取出爪4を葉の下側からすくい上げながら前進させて苗土に突入するA行程と;突き刺した土付き苗5を苗取出爪4の後退移動で取出すB行程と;苗取出爪4を苗トレイ2に対向する姿勢から比較的高速で移動して略下向き姿勢に移行するC行程と;このC行程に続いて苗取出爪4を比較的低速でかつ略増速することなく移動して植付筒43に対向する略下向き姿勢に移行し、かつその最終位置で苗取出爪4とそれを案内している爪ガイド6との相対移動で、苗取出爪4から土付き苗5を離脱して植付筒43へ落下供給するすると共に苗取出爪4を後退させるD行程と;土付き苗5離脱後の苗取出爪4を比較的高速で復動させるE行程と;このE行程に続いてA行程まで苗取出爪4を略下向き姿勢から苗トレイ2に向く姿勢へ変更しながら比較的高速で復動させるF行程と;を有するので、土付き苗5を植付筒43に供給するときに苗取出爪4を低速状態から停止して、土付き苗5に大きな慣性力を作用させることなく受渡しでき、復行程の苗取出爪4の移行を高速化して、苗取出動作全体を高速化することができる。




 

 


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