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発明の名称 農作業機の変速操作装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−9749
公開日 平成9年(1997)1月14日
出願番号 特願平7−166424
出願日 平成7年(1995)6月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 窪津 誠
要約 目的
廉価機種にも適用できるよう、比較的軽く、かつ、コスト安に前後進の切換操作が行える変速操作装置を提供するとともに、その装置を、後進に伴う作業装置の強制上昇作動に合理的に連係させる。

構成
シンクロ式の前後進切換機構と、これの伝動上手側の油圧クラッチとを備え、クラッチ制御弁のスプール17にシフトフォークを外嵌し、かつ、切換レバー40を連動させる。前後進切換機構が前進又は後進位置F,Rと中立位置Nとのいずれか一方から他方への移動に伴って油圧クラッチが一時的に切りとなるように、スプール17とシフトフォークとを連動連結するとともに、シフト開始に先立って油圧クラッチEが切りとなる融通Uを設ける。前後進切換機構が後進操作されたことに伴う油圧クラッチへの供給圧油を、昇降用油圧シリンダ8へ導き、植付装置Aを迅速に上昇させる。
特許請求の範囲
【請求項1】 ギヤ式の走行用変速機構(C)と、これの伝動上手側に配置される油圧クラッチ(E)と、前記走行用変速機構(C)のシフター(23)と、該シフター(23)を人為操作でシフト操作する人為操作系(M)とを備え、前記シフター(23)のギヤ咬合位置とギヤ非咬合位置とのいずれか一方から他方への移動に伴って入り状態にある前記油圧クラッチ(E)が一時的に切りとなるように、前記油圧クラッチ(E)のクラッチ制御弁(V)と前記シフター(23)とを連動連係する連係操作系(J)を設け、かつ、前記シフター(23)のシフト開始に先立って前記油圧クラッチ(E)が切り作動されるように、前記人為操作系(M)又は前記連係操作系(J)における連動部分に融通(U)を設けるととともに、前記走行用変速機構(C)が後進側へ切換えられたことに伴う前記油圧クラッチ(E)への供給圧油を、機体後部に連結した作業装置(A)昇降用の油圧シリンダ(8)へ導くことで前記作業装置(A)が上昇するように、前記クラッチ制御弁(V)と前記油圧シリンダ(8)とを連係させてある農作業機の変速操作装置。
【請求項2】 前記走行用変速機構(C)が後進側へ切換えられたことに伴って、前記油圧シリンダ(8)の昇降制御弁(44)を上昇側に切換えるように、この昇降制御弁(44)と前記人為操作系(M)とを連係させてある請求項1に記載の農作業機の変速操作装置。
【請求項3】 前記走行用変速機構(C)が後進側へ切換えられたことに伴って、前記油圧クラッチ(E)及び前記油圧シリンダ(8)以外の油圧アクチュエータ(49)への供給圧油が前記油圧シリンダ(8)に導かれて前記作業装置(A)の上昇作動が行われるように、前記油圧アクチュエータ(49)の油圧回路(Z)と前記クラッチ制御弁(E)とが連係されている請求項1又は2に記載の農作業機の変速操作装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、田植機やトラクタ等の農作業機の変速操作装置に係り、詳しくは、ギヤ式の走行用変速操作の容易化と後進操作に伴う作業装置の強制上昇とを有機的に結合させる技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、一般に作業機の走行用変速機構の変速操作手順としては、先ずクラッチペダルを踏んで主クラッチを切りにしてから変速レバーを操作して変速段を切換え、その切換完了後にクラッチペダルの踏み込みを解除して主クラッチを入りにするというものが主である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記操作構造では、変速レバーとクラッチペダルとの2種の操作が必要であって煩わしいときもあるため、特開平7‐52671号公報に示された田植機のように、変速段毎の油圧クラッチと制御弁を備えることにより、制御弁操作で択一的に油圧クラッチを操作して変速するもの、すなわち、単一操作で、かつ、操作軽く変速操作が行える、所謂パワーシフト構造を採るものがある。しかしながら、この手段では、変速段毎に油圧クラッチが必要で、比較的高価なシステムになるため、廉価機種には採用し難いといった面があった。
【0004】又、田植機では後進で植付装置を畝に衝突させるといった具合に、農作業機での後進に伴う作業装置の他物との接当を避けるために、後進操作に伴って作業装置を強制上昇させる手段が装備されており、例えば、特開平6‐237611号公報に示される田植機等のように、変速レバーの後進操作をスイッチ検出して作業装置昇降用の制御弁を上昇側に切換える技術が知られている。そこで本発明は、廉価機種にも適用できるよう、比較的軽く、かつ、コスト安に前後進の切換操作が行える変速操作装置を提供するとともに、その装置を、後進に伴う作業装置の強制上昇作動に合理的に連係させる点にある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的達成のための第1発明は、ギヤ式の走行用変速機構と、これの伝動上手側に配置される油圧クラッチと、走行用変速機構のシフターと、シフターを人為操作でシフト操作する人為操作系とを備え、シフターのギヤ咬合位置とギヤ非咬合位置とのいずれか一方から他方への移動に伴って入り状態にある油圧クラッチが一時的に切りとなるように、油圧クラッチのクラッチ制御弁とシフターとを連動連係する連係操作系を設け、かつ、シフターのシフト開始に先立って油圧クラッチが切り作動されるように、人為操作系又は連係操作系における連動部分に融通を設けるとともに、走行用変速機構が後進側へ切換えられたことに伴う油圧クラッチへの供給圧油を、機体後部に連結した作業装置昇降用の油圧シリンダへ導くことで作業装置が上昇するように、クラッチ制御弁と油圧シリンダとを連係させてあることを特徴とするものである。
【0006】そして、第2発明は、上記構成において、走行用変速機構が後進側へ切換えられたことに伴って、油圧シリンダの昇降制御弁を上昇側に切換えるように、この昇降制御弁と人為操作系とを連係させたことにある。
【0007】第3発明は、第1発明又は第2発明において、走行用変速機構が後進側へ切換えられたことに伴って、油圧クラッチ及び油圧シリンダ以外の油圧アクチュエータへの供給圧油が油圧シリンダに導かれて作業装置の上昇作動が行われるように、油圧アクチュエータの油圧回路とクラッチ制御弁とを連係した点にある。
【0008】
【作用】請求項1〜3のいずれの構成でも、変速操作自体は人力で行い、その操作に連係して自動的に油圧クラッチを入切り制御させるもの、所謂ノークラッチ変速操作手段とするものである。変速操作とクラッチ操作の双方共に人為操作で行う手動操作手段と、前述した公報のようにアクチュエータで変速させる自動操作手段とに比べて、本願のものは言わば半自動的なものであり、これによって変速段数の多少に拘らず油圧クラッチは1個で済むようになる。そして、人為操作系又は連係操作系における連動部分に設けられた融通により、シフターのシフト開始に先立って油圧クラッチが切り作動されるように連係されるから、実際にギヤの咬合あるいは咬合解除が行われるときには、既にクラッチが切りになっており、駆動負荷のない状態での軽いシフト操作が現出されるようになる。
【0009】又、上記ノークラッチ変速手段を用いたことでクラッチ制御弁と油圧シリンダとの連係が可能であり、それによって、走行用変速機構が後進側へ切換えられたときの油圧クラッチへの供給圧油が作業装置昇降用の油圧シリンダへも供給されるから、従来のように、レバーの後進作動をスイッチ検出してから昇降用制御弁を上昇側に切換える手段に比べて、レバー操作から作業装置の上昇開始に至る迄の必要時間を短縮させることが可能であり、応答性が改善されるようになる。すなわち、実際には作業装置の上昇作動が開始されてから機体が後進するものであるから、後進操作から機体後進開始までの時間が短くなるのである。
【0010】請求項2の構成では、昇降制御弁も上昇側に切換えるものであるから、油圧シリンダには油圧クラッチ操作用の圧油に加えて、本来の上昇用供給圧油も合流されることになり、迅速に作業装置を上昇させることができる。従って、後進操作から機体後進開始までの時間をさらに短縮化することが可能である。
【0011】請求項3の構成では、例えば、パワーステアリング機構といった変速用油圧クラッチ及び昇降用油圧シリンダ以外の油圧機器への供給圧油を、油圧クラッチ操作用の圧油に加えて作業装置昇降用の油圧シリンダに供給するから、圧油の合流によって迅速に作業装置を上昇させることができる。従って、後進操作から機体後進開始までの時間を請求項1の構成に因る場合に比べてさらに短縮化することが可能であるとともに、請求項2の構成に因る場合に比べて短縮化させることも可能である。
【0012】
【発明の効果】その結果、請求項1〜3のいずれに記載された変速操作装置でも、油圧クラッチ作動の後に変速シフトが行われるという作動順序設定により、軽快なシフト操作が行えながら比較的コスト安く構成でき、廉価機種にも採用できる有用なものを、そのクラッチ圧利用によって後進に伴う作業装置の強制上昇作動の応答性が改善される状態で提供することができた。
【0013】請求項2又は請求項3に記載の変速操作装置では、上記応答性がより一層改善される利点が追加される。
【0014】
【実施例】以下に、本発明の実施例を、農作業機の一例である田植機に採用した場合について図面に基づいて説明する。図1に乗用型田植機が示され、1は前輪、2は後輪、3は走行機体、4はエンジン、5はベルト無段変速機構、6はミッション、7は運転座席、8は昇降シリンダ、9は昇降リンク機構、10は操縦ハンドル、11は主変速レバー、Aは植付装置である。
【0015】図2、図3にミッション6の構造が示され、ベルト無段変速機構5の従動軸である入力軸12と第1伝動軸13とに亘る高低2段の副変速機構B、第1伝動軸13と第2伝動軸14とに亘る前後進切換機構C、前輪デフ装置D、及び後輪駆動用の縦伝動軸15等を備えている。
【0016】前後進切換機構Cは同期噛合式に構成され、その切換操作に連動して、第1伝動軸13上に配備された油圧クラッチEが自動的に入切りされる、所謂、ノークラッチ切換えが行えるように構成されている。第1伝動軸13には、前進駆動ギヤ16と後進駆動ギヤ18とがスプライン外嵌されるとともに、シフトフォーク19が相対回転自在に外嵌されている。第2伝動軸14には、前進用従動ギヤ20と後進用従動ギヤ21とが相対回転自在に外嵌されるとともに、シンクロナイザー22がスプライン外嵌され、これにスリーブ(シフターに相当)23がスプライン外嵌されている。
【0017】又、後進用従動ギヤ21に咬合する中間駆動ギヤ24と、後進駆動ギヤ18に咬合する中間従動ギヤ25とをスプライン外嵌するバック軸26が配置されている。従って、シフトフォーク19を図3中右にシフトすると、前進駆動ギヤ16→前進用従動ギヤ20→シンクロナイザー22の順で動力伝達されて前進状態が現出されるとともに、シフトフォーク19を図3中左にシフトすると、後進駆動ギヤ18→中間従動ギヤ25→中間駆動ギヤ24→後進用従動ギヤ21→シンクロナイザー22の順で動力伝達されて後進状態が現出される。
【0018】油圧クラッチEは、後進駆動ギヤ18に一体形成されたインナボディー27と、第1伝動軸13にスプライン外嵌されたアウターボディー28と、第1伝動軸13にスライド自在に外嵌されるピストン29とを備えた多板摩擦クラッチに構成されるとともに、ピストン29移動用のデリバリ油路30と、潤滑・冷却用油路31とが第1伝動軸13に穿孔されている。この油圧クラッチEの制御弁Vは、ミッションケース6aに一体取付けされた弁ケース32内に構成されるとともに、そのスプール17で前後進の切換操作が行われる構造であり、次に詳述する。
【0019】図3に示すように、第1伝動軸13の軸端が弁ケース32に突入されるとともに、直線移動式のスプール17がミッションケース6aを横断貫通する状態で支持されている。そして、2箇所のスナップリング34,34によって所定範囲で相対摺動可能にシフトフォーク19をスプール17に外嵌してあるとともに、シフトフォーク19と両脇のスナップリング34,34との間に介装させた戻しバネ33,33により、所定摺動範囲(一対のスナップリング34,34間)における中央位置にシフトフォーク19をスプール17に対して復帰付勢するようにしてある。戻しバネ33は、人為操作によるスプール17の移動に連動して戻しバネ33が限界まで圧縮変形され、かつ、前後進切換機構Cの中立操作に伴って圧縮変形された戻しバネ33が自由状態に戻るように、そのバネ強さが設定されている。
【0020】ところで、図11に示すように、植付装置A昇降用の油圧シリンダ8の制御弁44と、切換レバー40が後進位置Rに操作されたことを検出する後進検出スイッチ45とを制御装置46に接続して後進上昇手段47を構成している。つまり、切換レバー40を後進位置Rに操作すると後進検出スイッチ45が作動して制御弁44を上昇位置に切換え、植付装置Aを上限まで上昇させるのである。
【0021】図3〜図6に示すように、スプール17の制御弁V側端には、径の小さな第1、第2ランド36,37と、油の流通を阻止する第1、第2弁体38,39が形成されるとともに、ポンプポートP、タンクポートT、及びデリバリ油路30に連通する給排ポートK、及び合流ポートQが夫々形成されている。タンクポートTは弁ケース32のミッションケース6a側面に連通されて、ミッションケース6a内部に排油させてあり、ポンプポートPは反ミッションケース6a側面に導かれているとともに、給排ポートKは第1伝動軸13のランド13aに導かれてデリバリ油路30に連通されている。
【0022】合流ポートQは、昇降用油圧シリンダ8に対する給排油路8aにチェック弁48を介して連通される(図11参照)とともに、弁ケース32には、ポンプポートPと第2タンクポートT2 とに跨がるリリーフ弁35が内装されている。図示しないが、第2タンクポートT2 もミッションケース6a内部に排油させる構造である。尚、31は潤滑・冷却用油路であり、リリーフ弁35がリリーフ作動したときに油が噴出するようにしてある。
【0023】スプール17の他端には手動操作用の切換レバー40が連動連結されており、この切換レバー40の人為操作によって前後進切換機構(ギヤ変速機構の一例)Cを切換えて前進(F)、中立(N)、後進(R)の各状態を現出できるとともに、切換レバー40の操作によってスリーブ23が動き出す前に油圧クラッチEが切りとなるように連係されている。次に、切換作動と共にその一連の作動を説明する。
【0024】図7(イ)には、切換レバー40が中立位置Nに操作されて前後進切換機構Cの中立状態が示され、この状態では3箇所の各ポートP,T,Kが第2ランド37に開通し、油圧クラッチEは切りになっているとともに、合流ポートQは閉じられている。このときには、左右一対の戻しバネ33,33の作用により、シフトフォーク19は、その第1伝動軸13に外嵌するボス部分19aが一対のスナップリング34,34で囲まれた領域Sにおける左右中央に位置しており、スリーブ23が丁度シンクロナイザー22の左右幅内に位置している。
【0025】■ 中立位置から前進位置への切換中立位置Nにある切換レバー40を前進位置Fに向けて操作すると、スプール17とシフトフォーク19との相対スライド自在嵌合構造により、先ず、スプール17が右方へのストロークd1 で第1弁体38がポンプポートPを閉じる〔図7(ロ)参照〕。そして、左戻しバネ33が圧縮されて密着状態となるまで、すなわち、ストロークd2 まではスプール17のみが右方に移動し、シフトフォーク19は動かない〔図7(ハ)参照〕。d2 ストローク状態では、第1弁体38は未だ給排ポートKの左方に位置しており、油圧クラッチEは引き続き切り状態にある。
【0026】スプール17がストロークd3 まで右方移動した時点で第2ランド37と給排ポートKとの連通が第1弁体38で阻止されるとともに、このときにはシフトフォーク19が距離(d3 −d2 )右方に移動しており、スリーブ23の前進用従動ギヤ20への同期咬合作動が既に開始された状態にある〔図7(ニ)参照〕。又、この状態からスプール17がさらに右方に動くと給排ポートKが第1ランド36に開き始め、油圧クラッチEへの圧油供給が開始される。
【0027】そして、スプール17が前進位置Fに到達すると、ポンプポートPと給排ポートKとが第1ランド36を介して連通するとともに、第1弁体38によって給排ポートKとタンクポートTとが仕切られ、油圧クラッチEが入りとなり、かつ、シフトフォーク19は、スプール17のシフトストロークL−d2 移動し、ギヤ咬合作動が完了している〔図7(ホ)参照〕。
【0028】つまり、中立位置Nから前進位置Fへの切換では、油圧クラッチEが切りの状態で先ず前後進切換機構Cのギヤ咬合作動が行われ、その後に油圧クラッチEが入りとなるように作動順序が付けられており、ショック少なく円滑に、かつ、軽くシフト操作が行える。尚、中立位置Nと前進位置F間では合流ポートQはいずれも閉じである。
【0029】■ 中立位置から後進位置への切換図8(イ)に示す中立位置Nにある切換レバー40を後進位置Rに向けて操作すると、先ず、右戻しバネ33が圧縮されて密着状態となるまで、すなわち、ストロークd2 迄はスプール17のみが左方に移動し、シフトフォーク19は戻しバネ33の圧縮変形によって動かない〔図8(ロ)参照〕。そのd2 ストローク状態では、第2弁体39が未だタンクポートTの右方に位置して、各ポートP,T,Kが共に第2ランド37に開通されており、油圧クラッチEは引き続き切り状態にある。
【0030】そして、スプール17がストロークd3 まで左方移動した時点で第2弁体39がタンクポートTを閉じ、油圧クラッチEの入り状態に切り換わるとともに、このときにはシフトフォーク19が距離(d3 −d2 )左方に移動しており、スリーブ23の後進用従動ギヤ21への同期咬合作動が既に開始された状態にある〔図8(ハ)参照〕。又、この状態の手前から合流ポートQが開き始める。
【0031】スプール17が後進位置Rに到達すると、ポンプポートPと給排ポートKとが第2ランド37を介して連通するとともに、第1弁体38が給排ポートKとタンクポートTとを仕切り、油圧クラッチEは入りとなり、かつ、シフトフォーク19はL−d2 移動し、ギヤ咬合作動が完了している〔図8(ニ)参照〕。よって、中立位置Nから後進位置Rへの切換でも、前進位置Fへの切換と同様に、油圧クラッチEが切りの状態で先ず前後進切換機構Cのギヤ咬合作動が行われ、その後に油圧クラッチEが入りとなるように作動順序が付けられている。
【0032】又、後進状態では、合流ポートQも第2ランド37を介してポンプポートPに連通しており、その結果、昇降シリンダ8には後進上昇手段47による昇降用制御弁44の圧油に、クラッチ制御弁Vの圧油が合流され、植付装置Aが迅速に上昇するのである。
【0033】■ 前進位置Fから中立位置Nへの切換図9(イ)に示す前進位置F状態から、切換レバー40を操作してスプール17を左方へ動かすと、先ず、ストロークd1 で第1弁体38が給排ポートKを閉じて圧油供給状態を終了させ〔図9(ロ)参照〕、この位置からさらに左方に移動すると給排ポートKとタンクポートTとが第2ランド37を介して開通するようになる。このとき、シフトフォーク19はまだ動かず、前進状態にある。
【0034】そして、左戻しバネ33が自由状態に戻るストロークd2 まではシフトフォーク19は動かず、スプール17のみが左方に移動するとともに、この状態では第1弁体38でポンプポートPと給排ポートKとが仕切られ、かつ、給排ポートKがタンクポートTに連通しており、油圧クラッチEは切りに換わっている〔図9(ハ)参照〕。このとき、ボス部分19aは領域Sの左右中央位置にある。
【0035】さらにスプール17が左方に移動すると、シフトフォーク19も移動し始め、スリーブ23と前進用従動ギヤ20との咬合解除作動が開始されるのであり、スプール17のストロークL移動でボス部分19aが領域Sの左右中央に位置し、完全な非咬合状態、すなわち図9(ホ)に示す中立状態が現出される。
【0036】このとき、シフト部の摺動抵抗等によってシフトフォーク19が動けずに右戻しバネ33が最圧縮される状態〔図9(ニ)参照〕になっても、スプール17のシフト完了時点では少なくとも(L−2d2 )ストローク分は強制移動されて、ギヤ咬合の離脱作動が既に開始されているとともに、油圧クラッチEが引き続き切り状態であって、スリーブ23には殆ど噛合圧が作用していない。従って、圧縮された右戻しバネ33の圧縮状態から自由状態への戻り付勢力によって、やはり、ボス部19aは自動的に領域Sの左右中央に戻るようになるのである。
【0037】つまり、前進位置から中立位置への切換では、シフトフォーク19が動かない状態、すなわち、前進用従動ギヤ20とスリーブ23とが咬合している状態において、先ず、油圧クラッチEが切れて噛合圧が解消され、その後に、ギヤの咬合離脱作動が開始されるように作動順序が付けられている。従って、ギヤ咬合解除に伴うショック少なく円滑に、かつ、軽くシフト操作が行えるのである。
【0038】■ 後進位置から中立位置への切換図10(イ)に示す後進位置R状態から、切換レバー40を操作してスプール17を右方へ動かすと、先ず、ストロークd1 までは給排ポートKとタンクポートPとが第2ランド37を介して連通しており、引き続き油圧クラッチEは入り状態であり、シフトフォーク19は未だ動かない〔図10(ロ)参照〕。このd1 ストローク状態からスプール17がさらに右方に動くと第2ランド37がタンクポートTにも開通し始め、油圧クラッチEが切りに切り換わる。
【0039】そして、右戻しバネ33が自由状態に戻るストロークd2 まではシフトフォーク19は動かず、スプール17のみが右方に移動するとともに、この状態では第2ランド37に各ポートP,T,Kが開通しており、油圧クラッチEは切りとなっている〔図10(ハ)参照〕。このとき、ボス部分19aは領域Sの左右中央位置にある。
【0040】さらにスプール17が右方に移動すると、シフトフォーク19も移動し始め、スリーブ23と後進用従動ギヤ21との咬合解除作動が開始されるのであり、スプール17のストロークL移動でボス部分19aが領域Sの左右中央に位置し、完全な非咬合状態、すなわち図10(ホ)に示す中立状態が現出される。
【0041】このとき、シフト部の摺動抵抗等によってシフトフォーク19が動けずに左戻しバネ33が最圧縮される状態〔図10(ニ)参照〕になっても、スプール17のシフト完了時点では少なくとも(L−2d2 )ストローク分は強制移動されて、ギヤ咬合の離脱作動が既に開始されているとともに、油圧クラッチEが引き続き切り状態であって、スリーブ23には殆ど噛合圧が作用していない。従って、圧縮された左戻しバネ33の圧縮状態から自由状態への戻り付勢力により、前進から中立位置への切換時と同様に、やはり、ボス部19aは自動的に領域Sの左右中央に戻るようになるのである。
【0042】よって、後進位置から中立位置への切換でも、シフトフォーク19が動かない状態、すなわち、後進用従動ギヤ21とスリーブ23とが咬合している状態において、先ず、油圧クラッチEが切れて噛合圧が解消され、その後に、ギヤの咬合離脱作動が開始されるように作動順序が付けられている。
【0043】図7(ホ)には、切換レバー40が前進位置Fに操作されてスプール17が右方(制御弁V側)に押し込まれた前進状態が示され、ポンプポートPと給排ポートKとが第1ランド36を介して連通し、かつ、第1弁体38によってタンクポートTと給排ポートKとが隔てられた圧供給状態にあり、油圧クラッチEが入りとなっている。このとき、左側(切換レバー40側)の戻しバネ33が圧縮された密着状態にあり、シフトフォーク19は一対のスナップリング34,34間において左にずれた位置にある。
【0044】以上説明した実施例では、スプール17とシフトフォーク19とのずれ動き量であるストロークd2 が、融通Uに相当している。又、切換レバー40、スプール17、シフトフォーク19から、スリーブ23を人為操作でシフト操作する人為操作系Mが構成され、スプール17、シフトフォーク19から、制御弁Vとスリーブ23とを連動連係する連係操作系Jが構成されている。
【0045】図12〜図14に示すように、3段の主株間変速機構(図示せず)の主株間レバー51と、高低2段の副株間変速機構(図示せず)の副株間レバー52とが備えてあり、それぞれの操作ロッド51a,52aに連動して、現出されている株間変速段を表示する表示装置Hが設けてある。すなわち、株間間隔が表記された表示板53と、副操作ロッド52aに連動される副アーム52bとを回動軸54に一体回動状態に取付け、主操作ロッド51aに連動される主アーム51bを相対回動自在に回動軸54に外嵌するとともに、4箇所の覗き窓55aが形成された位置固定の窓板55を表示板53の直前に配置してある。
【0046】つまり、図12に示すように、副株間レバー52を低速操作すると、表示板53も回動し、覗き窓55aからは、12,16,中立,18の数字が見える状態となり、その状態で主株間レバー51を例えば中立位置に操作すると、主アーム51b端が「中立」を見通せる覗き窓55aのすぐ上に位置することになる。従って、主アーム51b端の位置する覗き窓55aから見える数字が、そのまま株間間隔(単位はcm)であり、簡単に現在の株間を認識できるのである。
【0047】又、例えば、図13に示すように、主アーム51b端が「18」の見える覗き窓55aの上に位置していると、株間が18cmに設定されている状態であり、つまり、このときには副株間レバー52が高速位置に、かつ、主株間レバー51が2速位置に夫々操作されているのである。
【0048】〔別実施例〕図15に示すように、シフトフォーク19を専用のフォーク軸41にスライド自在に外嵌し、スプール17に取付けた操作片17aとシフトフォーク19とを連動連係させた構造でも良く、この場合では、シフトフォーク19の係合幅w1を、操作片17aの幅w2 よりも大きく取ることで融通Uが構成されている。但し、この別実施例の構造では、操作片17aがシフトフォーク19の係合幅w1内での位置が決まらないため、その融通分シフトフォーク19とスリーブ23との係合幅に余裕が必要であり、本実施例のものに比べてシフトストロークやシンクロナイザー22の幅を大きくする等が必要である。換言すれば、一対のバネ33,33で復帰付勢された本実施例の構造の方が、作動順序を付けるための融通Uを備えながら、前後進切換機構Cのコンパクト化が図れる利点がある。
【0049】前述した2種の実施例は、いずれも、切換レバー40で先ずスプール17を動かし、そのスプール17でシフトフォーク19を動かす構造であるが、図16や図17に示すように、切換レバー40で、先ずシフトフォーク19を操作し、そのシフトフォーク19でスプール17を動かす構造としても良い。この場合、シフトフォーク19とスプール17とは遅滞無く一体移動する構造(例えば、ロールピン連結や螺子止め等)とし、シフトフォーク19とスリーブ23との間に融通Uを設けるのである。つまり、スリーブ23の係合幅w1 をシフトフォーク19のフォーク部幅w2 よりも大とするのであり、一対の戻しバネ33,33を配備しておけばより好ましい。
【0050】制御弁Vを、回転スプールを備えたロータリー式のものにするものでも良く。又、図18に示すように、スプール17の第1弁体38と第2弁体39の間の中央位置に、第1弁体38と同じ幅を持つ第3弁体42を形成して、第1〜第3ランド36,37,43を備えたスプール17とし、中立位置Nにおいても油圧クラッチEが入りとなる構造でも良い。又、前後進切換機構の他、主ギヤ変速機構や副ギヤ変速機構でも良く、これらを総称してギヤ変速機構Cと定義する。
【0051】図19に示すように、第2弁体39を長くした状態でスプール17の右端を延長して第3弁体42と第3ランド43とを形成するとともに、弁ケース32に第2ポンプポートP2 と合流ポートQを形成する。そして、前輪1に対するパワーステアリング装置(その他の油圧アクチュエータの一例)49用のポンプ50を第2ポンプポートP2 に、かつ、合流ポートQをチェック弁48を介して昇降用シリンダ8に夫々連通させる構造でも良い。つまり、切換レバー40を後進位置Rに操作すると、昇降シリンダ8には後進上昇手段47による昇降用制御弁44の圧油に、パワステ用油圧回路Zにおけるポンプ50の圧油が合流され、迅速に植付装置Aを上昇させるのである。
【0052】例えば、トラクタにおける対地作業装置Aの後進に伴う上昇作動を、ミッドモーア昇降用のリフトシリンダ(その他の油圧アクチュエータの一例)の油圧回路から合流させる、という構造も考えられる。
【0053】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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