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発明の名称 移植機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−9744
公開日 平成9年(1997)1月14日
出願番号 特願平7−166248
出願日 平成7年(1995)6月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
発明者 浜田 昭夫 / 出原 政司 / 藤田 秀雄
要約 目的
植付筒の筒内での苗倒れを防いで苗の植付を適切に行うことができるようにする。

構成
下部に開閉自在なオープナ50を有して上部より装入した土付苗28をオープナ50で保持するようにした植付筒49を備え、オープナ50の側面に、該オープナ50の内面に付着した付着土を落とすための開口部55を設け、該開口部55の下縁55aを上縁55bよりオープナ50の外側方に形成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 下部に開閉自在なオープナ(50)を有して上部より装入した土付苗(28)をオープナ(50)で保持するようにした植付筒(49)を備え、オープナ(50)の側面に、該オープナ(50)の内面に付着した付着土を掻き落とすための開口部(55)を設け、該開口部(55)の下縁(55a)を上縁(55b)よりオープナ(50)の外側方に形成すること特徴とする移植機。
【請求項2】 植付筒(49)を昇降自在に備えて下降時に苗(28)を植え付け、苗(28)を植え付けたのちに植付筒(49)を上昇することで開口部(55)よりオープナ(50)内部に進入し且つ該オープナ(50)内面の付着土を下方へと掻き落とす内スクレーパー部(63)を備えることを特徴とする請求項1に記載の移植機。
【請求項3】 下部に開閉自在なオープナ(50)を有して上部より装入した土付苗(28)をオープナ(50)で保持するようにした植付筒(49)を備え、オープナ(50)の側面に、該オープナ(50)の内面に付着した付着土を掻き落とすための開口部(55)を設け、植付筒(49)に土付苗(28)を装入する際に開口部(55)を閉鎖可能とする開閉自在な蓋体(84)を備え、開口部(55)を閉鎖した際に蓋体(84)の下端(84a)が、開口部(55)の下縁(55a)のオープナ(50)内部側と重合して備えることを特徴とする移植機。
【請求項4】 蓋体(84)は、その上端が回動自在に枢支され、自重により開口部(55)を閉鎖することを特徴とする請求項3に記載の移植機。
【請求項5】 植付筒(49)を昇降自在に備えて下降時に苗(28)を植え付け、苗(28)を植え付けたのちに植付筒(49)を上昇することで開口部(55)よりオープナ(50)内部に進入し且つ該オープナ(50)内面の付着土を下方へと掻き落とす内スクレーパー部(63)を備えることを特徴とする請求項3に記載の移植機。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、野菜の苗を畑地の畝等に植え付ける移植機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の移植機には、下部に開閉自在なオープナを有して上部より装入した土付苗をオープナで保持するようにした植付筒を備えたものがあり、オープナを突き刺して植付穴を形成するとともにオープナを開放して土付苗を植え付けるようにしたものがある。
【0003】ところで、植付筒の内部に土付苗の土が付着すると、この付着土が抵抗となり植付筒の上部より装入された土付苗が筒内で転倒したり、また筒内が詰まったりすることがあり、そのために、オープナの側面に開口部を設け、この開口部から、例えば箆や鏨等をオープナ内部に差し込んで内面を掻いて土を落とすようにし、苗倒れや土詰まりを防ぐようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の移植機ではオープナは畝等に突き刺さって植付穴を形成することから、その形状は下方が先細り状となっており、オープナの側面に設けた開口部は、その上縁よりも下縁がオープナ内側方(内部側)に位置することとなる。そのために、植付筒の上部より土付苗を装入して下部のオープナに落下するまでの過程で、オープナの開口部の下縁部分に土付苗が引っ掛かることがあり、これにより、土付苗の土が崩れたり、筒内で土付苗が転倒したり、また、転倒した状態で苗が植え付けられたりして、苗植付に支障を来す恐れがある。
【0005】そこで、本発明は、上述の問題を解決すべく、植付筒の上部より装入した苗がオープナーに形成した開口部に引っ掛かることなく苗を直立した状態でオープナーによって保持し、これにより苗の植付を適切に行うことができる移植機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明が上記目的を達成するために講じた技術的手段は、下部に開閉自在なオープナ50を有して上部より装入した土付苗28をオープナ50で保持するようにした植付筒49を備え、オープナ50の側面に、該オープナ50の内面に付着した付着土を掻き落とすための開口部55を設け、該開口部55の下縁55aを上縁55bよりオープナ50の外側方に形成すること特徴としている。
【0007】そして、植付筒49を昇降自在に備えて下降時に苗28を植え付け、苗28を植え付けたのちに植付筒49を上昇することで開口部55よりオープナ50内部に進入し且つ該オープナ50内面の付着土を下方へと掻き落とす内スクレーパー部63を備えることを特徴としている。また、本発明は、下部に開閉自在なオープナ50を有して上部より装入した土付苗28をオープナ50で保持するようにした植付筒49を備え、オープナ50の側面に、該オープナ50の内面に付着した付着土を掻き落とすための開口部55を設け、植付筒49に土付苗28を装入する際に開口部55を閉鎖可能とする開閉自在な蓋体84を備え、開口部55を閉鎖した際に蓋体84の下端84aが、開口部55の下縁55aのオープナ50内部側と重合して備えることを特徴としている。
【0008】そして、蓋体84は、その上端が回動自在に枢支され、自重により開口部55を閉鎖することを特徴としている。更に、植付筒49を昇降自在に備えて下降時に苗28を植え付け、苗28を植え付けたのちに植付筒49を上昇することで開口部55よりオープナ50内部に進入し且つ該オープナ50内面の付着土を下方へと掻き落とす内スクレーパー部63を備えることを特徴としている。
【0009】
【作用】オープナー50の側面に形成した開口部55の下縁55aを上縁55bよりもオープナー50の外側方に形成しているため、植付筒49の上部より装入された苗28が筒内を落下してオープナ50に保持されるまでの過程で、苗28が開口部55の下縁55aに引っ掛かることは殆どなく、苗28を直立姿勢で保持することが可能となる。したがって苗28を植え付ける際にも直立姿勢で植え付けることができ、適切な植え付けを行うことができる。
【0010】また、植付筒49に土付苗28を装入する際に、オープナ50に形成した開口部55を閉鎖可能とする開閉自在な蓋体84を備え、開口部55を閉鎖した際に蓋体84の下端84aが、開口部55の下縁55aのオープナ50内部側と重合して備えているため、植付筒49の上部より装入された土付苗28が筒内を落下してオープナ50に保持されるまでの過程で、苗28は、開口部55の下縁55aに引っ掛かることなく蓋体84に沿って落下していき、苗28を直立姿勢で保持することが可能となる。したがって苗28を植え付ける際にも直立姿勢で植え付けることができ、適切な植え付けを行うことができる。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説明する。図1〜9は本発明の第1実施例を示しており、図7に示す野菜移植機11は、走行車両12の後部に操縦ハンドル13を有する歩行型であって、畝14を跨いでその長手方向に走行しつつ、土付苗28をマルチフィルムMで覆われた畝14に所定間隔で植え付けるものである。
【0012】走行車両12は、主フレーム15、主フレーム15の前端部に設けられた架台16等を備えている。主フレーム15は角パイプ等で形成され、その前部が下向きに曲がっていて架台16の側部に固定されており、後部が上向きに曲がっていて操縦ハンドル13の取付部とされている。架台16上にはエンジン17が搭載され、このエンジン17はボンネット18で覆われており、架台16の後部にはミッションケース19が固定され、このミッションケース19にエンジン17の動力が伝動されている。
【0013】ミッションケース19内からの動力は、左右側方に突出する車輪伝動軸20と、この車輪伝動軸20よりも後方に設けられて左右側方に突出する第1PTO軸21と、後上方に突出する第2PTO軸22の3系統で取り出すようになっている。車輪伝動軸20の左右端には軸心回りに上下揺動する伝動ケース23を介して左右の駆動輪24(後輪)を支持して、伝動ケース23内の巻掛伝動体25により駆動輪24を駆動可能にしている。この駆動輪24は畝14間の溝内を転動する。また、走行車両12の前部には、左右一対の前輪26、畝高さ検出ローラ27が備えられている。
【0014】走行車両12の後部には、移植作業部29が設けられている。この移植作業部29は、苗供給装置30と、該苗供給装置30から供給される土付苗28を植付筒49によって畝14に植え付ける植付装置48と、苗28が植付けられる位置に予めマルチフィルムMに移植孔を穿けるマルチフィルム穿孔装置41等を有している。苗供給装置30は第2PTO軸22の回転動力により駆動され、植付装置60及びマルチ穿孔装置28は第1PTO軸21の回転動力により駆動される。
【0015】苗供給装置30は、主フレーム15上に装着されており、土付苗28が育苗されたポット部39aが縦横に多数配設された苗トレイ39を横方向及び縦方向に移送しつつ、この苗トレイ39から、植付装置48に対して所定の苗取出位置にて苗取出爪31により土付苗28を一つずつ取り出して、該土付苗28を植付装置48上方まで移送した後に植付筒49内に落とし込んで装入するようになされている。なお、苗トレイ39は樹脂製で可撓性を有し、縦横に多数配列したポット部39aが背面に突出して備えられており、各ポット部39aに土付苗28が育苗されている。
【0016】この苗供給装置30の動力受入軸32には、第2PTO軸22に連結された伝動軸33がユニバーサルジョイントを介して連結されて、該伝動軸33からの動力により上記した動作が繰り返される。前記植付装置48及びマルチフィルム穿孔装置41は、図8及び図9にも示すように、ミッションケース19の第1PTO軸21に上下揺動自在に支持された装置フレーム34上に備えられている。この装置フレーム34は、角パイプ状の左右フレーム34L,34Rと、これら左右フレーム34L,34Rの後端部分を連結する連結フレーム34Aとから主構成されている。右フレーム34Rの前端部にはボルト35等の固定具によってブラケット36が着脱自在に取付けられ、このブラケット36の前端部と左フレーム34Lの前端部とに設けられたベアリング37に第1PTO軸21が挿通支持されており、ブラケット36を取り外すことにより装置フレーム34を走行車両12から取り外すことで、植付装置48及びマルチ穿孔装置41を一体的に走行車両12から取り外すことができる。
【0017】装置フレーム34に固定の左右のベアリング77には、駆動軸75を回転自在に支持している。この駆動軸75の左端部にはスプロケット78が設けられ、このスプロケット78と、第1PTO軸21の左端部に設けたスプロケット79とには伝動チェン80が巻回されて、エンジン17の回転動力を駆動軸75に伝動するようになっており、駆動軸75からの動力が植付装置48とマルチ穿孔装置41とに伝達されるようになっている。したがって、植付装置48とマルチ穿孔装置41とを同一の駆動軸75で駆動することで、装置の簡素化、コスト低減を図っている。なお、スプロケット78,79及び伝動チェン80はチェンケース81で覆われており、このチェンケース81にはチェン80の張り具合を調節するための調節ローラ82が設けられている。また、装置フレーム34の後部には鎮圧・覆土ローラ38が設けられており、装置フレーム34の後端部は主フレーム15に吊持されており、畝14の高さに追従して装置フレーム39が上下揺動可能となされている。
【0018】前記マルチフィルム穿孔装置41は、ガスバーナー式の穿孔手段42を備え、この穿孔手段42は平行リンク43を介して上下動自在に装置フレーム34に連結されている。なお、穿孔手段42にはガス供給管を接続するガス管接続部47が前方に突出して設けられている。平行リンク43の上側リンク43aにはカムローラ44が枢着されている。このカムローラ44は、駆動軸75に設けられた円板状の平面カム45の外周を転動するようになっており、また、穿孔手段42の自重、又は、引張バネ等の付勢手段によって、カムローラ44をカム45の外周に押し付ける方向に付勢されている。
【0019】カム45の周方向一部には凹陥部が形成されており、この凹陥部にカムローラ44が落ち込むことで、穿孔手段42が下動して、穿孔手段42の下端部に設けた加熱体46をマルチフィルムMに押し当てることで、マルチフィルムMに移植孔を穿孔するようになっている。また、カム45は、マルチフィルムMを穿孔した後即座に穿孔手段42を上昇させるように形成されているとともに、凹陥部を除く他の部分は、穿孔手段42を上昇限の待機位置で保持するべく駆動軸75軸心からの距離が略一定の外周形状に形成されている。
【0020】前記植付装置48は、苗供給装置30から供給される土付苗28を畝14に所定間隔で植付けるべく畝14に対して突き刺し運動される植付筒49と、この植付筒49を上下昇降動かつ前後動させる揺動リンク機構71とから主構成されている。揺動リンク機構71は、下端側が前後揺動自在となるように上端部が装置フレーム34に軸支された第1平行リンク72を備え、この第1平行リンク72の下端部に揺動プレート73を枢結し、この揺動プレート73に第2平行リンク74の前端部を枢結し、この第2平行リンク74の後端部に植付筒49を枢結している。また、第2平行リンク74の上側リンク74aに、装置フレーム34に設けた左右方向の駆動軸75に設けたクランクアーム76の先端部を枢結している。
【0021】したがって、第1PTO軸21からの動力により駆動軸75を介してクランクアーム76が回転することで、第1、第2平行リンク72,74により植付筒49が上下に昇降しながら前後にも移動し、略楕円形の軌跡70を描くようになっており、走行しながら植付筒49を畝14に突き刺す際において、植付筒61が圃場に対して略前方移動のないようになっている。
【0022】植付筒49は、図1〜図6に示すように、その上部が平面視方形状の開口を有する筒体であり、下部には、取付ピン51aを支点に前後方向で開閉自在となる前後対のオープナ50を備えている。該オープナ50は、開閉リンク51の動作で屈折リンクピン52によって開閉可能としている。そして、オープナ50は植付筒49の軌跡70の下死点にて畝14に突入したときに該畝14に植付穴を形成するとともに、オープナ50と装置フレーム34とに枢結された連動具69によって前後に開き、該植付穴に土付苗28を植付け得るようになっている。なお、前後対のオープナ50は、連動具69が作用していない際には常に閉鎖するように引張バネ56によって付勢されている。また、オープナ50の開閉リンク51には、オープナ50の開度を制限するストッパボルト54を設けている。
【0023】植付筒49の後方側にはスクレーパー手段59が設けられており、植付筒49が畝14に突入されて苗28を植え付けた後に揺動リンク機構71によって上昇移動される際に、オープナー50の外側面及び内側面に付着した土をかき落とすようになっている。スクレーパー手段59は、装置フレーム34の後部に上方へ突出した支持部材60にピン61を介して前後揺動自在に枢支した作動アーム62と、該作動アーム62の下端に固定した内、外スクレーパー部63、64と、作動アーム62の上下方向中途部に設けたローラ状の被案内部65と、前記植付筒49上部の筒体に固定した案内部68等で構成されている。作動アーム62は、装置フレーム34の連結フレーム34Aと引張バネ66によって連結し後方へと付勢されており、更に、装着フレーム34には、作動アーム62の後方への付勢位置を規制するストッパー67を設けている。
【0024】内、外スクレーパー部63、64は、作動アーム62の下端より左右方向内側2へと張り出され、植付筒49の後方に配置されている。そして、両スクレーパー部63、64は、ゴム、樹脂等の弾性変形可能な部材で形成し、前後方向にややラップして配置されている。案内部68は、側面視略く字状に形成した板材であり、植付筒49が下死点より上昇、後方移動した際に、作動アーム62の被案内部65と係合して、作動アーム62を引張バネ66に抗して前方へと引き寄せ、その後に植付筒49の上昇と相対して内、外スクレーパー部63、64を下方に移動させるように形成している。
【0025】前後対のオープナ50の後部側の上部には、スクレーパー手段59の内スクレーパー部63がオープナ50の外部より内部へと進入可能とする切欠状の開口部55を形成している。この開口部55は、その下縁55a部分が上縁55b部分よりも後方に、即ち、オープナ50の外側方に位置しており、その下縁55a部分はやや後方に張り出し状に形成され、下縁55aより下方部分がオープナ50内部に向けて山状に弯曲形成されている。
【0026】上記構成において、図1〜5にてその動作を説明する。なお、矢符Aは移植機11の進行方向(移植方向)を示しており、図面の左側が移植機11の後部側を示している。苗供給装置30の苗トレイ39より苗取出爪31によって取り出された土付苗28は、揺動リンク機構71により上死点近傍に移動した植付筒49に上方より落とし込まれる(図1参照)。このとき、苗28は、植付筒49の筒内を上部から下部のオープナ50にまで落下して該オープナ50によって保持されるが、オープナ50に備えた開口部55はその下縁55aが上縁55bよりも外側方(後方)となるように形成しているため、該開口部55の下縁55aに、落下した苗28が引っ掛かって筒内で転倒することはほとんどなく、直立姿勢の状態でオープナ50に保持されるようになっている。なお、オープナ50は、開口部55の下縁55aより下方部分がオープナ50内部に向けて弯曲して形成しているため、苗28が傾いた状態で植付筒49に装入された場合でも、落下する苗28を傷つけることなく直立姿勢に立て直し下方へと導くことができるようになっている。
【0027】植付筒49が上死点近傍で苗28を受け取ったのち、植付筒49は、揺動リンク機構71により下方に下降し、下死点において畝14に突き刺さって植付穴を形成する(図2参照)。そして、連動具69の作用によりオープナ50が開放し、植付穴に苗28が植え付けられる。なお、この際にオープナ50に保持された苗28は直立姿勢を保っているため、植え付けた際にも直立して適切な植付を行うことができる。
【0028】苗28を植え付けたのち、植付筒49は揺動リンク機構71によりやや後方へ向けて上昇し、植付筒49に設けたスクレーパー手段59の案内部68が、作動アーム62に設けた被案内部65に係合する(図3参照)。そして、植付筒49が更に上昇すると、案内部68上を被案内部65が転動、又は摺動して作動アーム62が引張バネ66に抗して前方へと揺動して引き寄せられ、内スクレーパー部63がオープナ50の開口部55より進入し、内スクレーパー部63と外スクレーパー部64とでオープナ50の内外面を挟み込むようになる(図4参照)。
【0029】そして、この状態より植付筒49が上昇するのと相対して、内、外スクレーパー部63、64は下方に移動し、オープナ50の内外面に付着した付着土を下方へ掻き落とすようにしている。したがって、苗28を1つ植え付ける度にスクレーパー手段59により付着土を落とすことができ、常に土付苗28が植付筒49内で転倒することなく直立姿勢で保持できるようにしている。なお、付着土を落としたのち、植付筒49の上昇により内スクレーパー部63は植付筒49の外部へと抜け、作動アーム62が引張バネ66によって再び後方に引き戻されてストッパ67に受け止められ、一方、植付筒49は上死点近傍でオープナ50を閉じ、苗供給装置30より苗28が再び供給され、以上の動作が繰り返される。
【0030】図10〜図12は、本発明の第2実施例を示しており、これは、植付筒49に土付苗28を装入する際に、植付筒49のオープナ50に形成した開口部55を閉鎖可能とする蓋体84を開閉自在に備えているものである。蓋体84は、矩形状の板材で形成され、開口部55をオープナ50内部側より塞いでおり、蓋体84の上端が、開閉リンクに設けた枢支ピン85により回動自在に枢支され、下端が開口部55の下縁にオープナ50内部側より当接、重合し、自重によって開口部55を閉鎖している。
【0031】この蓋体84を設けることにより、植付筒49の上部より装入された苗28は、開口部55に下縁に引っ掛かることなく蓋体84に沿って落下することができ、オープナ50に直立姿勢で保持されることとなり、したがって、第1実施例で示したものと同様に、直立した状態で畝に苗28を植え付けることが可能となる。
【0032】なお、苗28を植え付けたのち、スクレーパー手段59の内スクレーパー部63が開口部55を介してオープナ50内部に進入する際には、図11に示すように、内スクレーパー部63が、蓋体84の外面に押し当たることで蓋体84がオープナ50の内部側に開き、植付筒49の上昇に相対して内スクレーパー部63が下降すると蓋体84は再び自重にて開口部55を閉鎖するようになっている。
【0033】以上のように、蓋体84を設けることで、苗28を直立姿勢で植え付けることができるとともに、スクレーパー手段59の内スクレーパー部63のオープナ50への進入に支障がないようにしている。なお、第2実施例における蓋体84を例えば枢支ピン85にツル巻バネを巻き付けて開口部55の閉鎖方向に付勢することができ、この場合には、蓋体84の側端又は下端を枢支ピンで枢支して左右又は上下方向に回動可能として、開口部55を閉鎖するようにすることもできる。また、植付筒49の上下昇降に伴ってカム機構等により機械的に蓋体84の開閉を行ってもよい。また、蓋体84をオープナ50の内面に沿って上下方向に開閉可能とすることもでき、この場合にも、例えば植付筒49の上下昇降に伴って蓋体84を連動させて開閉するようにできる。しかし、蓋体84を上記第2実施例のように上端を枢支して自重にて閉鎖するようにすることで、特別な開閉機構を設けることなく開口部55の開閉を行うことができ、コストの削減を図ることができる。
【0034】また、蓋体84をゴム、樹脂等の弾性変形可能なもので形成することができ、この場合には、回動自在に枢支することなく固定し、内スクレーパー部63が蓋体84に押し当たった際に弾性変形して開口部55を開放し、また、内スクレーパー部63が下降した際には、その弾性復元で開口部55を閉鎖するようにしてもよい。
【0035】本発明は、上記第1、第2実施例に限ることなく、例えばスクレーパー手段59の引張バネ66はコイルバネを示しているが、ピン61の回りにツル巻きバネを設けたものでもよく、又、ストッパ67はこれにボルトを設けて可調整としてもよい。そして、本発明の請求項1、3及び4にかかる移植機は、上記第1、2実施例で示したようなスクレーパー手段を備えないものであってもよく、この場合には、移植作業時以外において、例えば箆や鏨等を利用してオープナ50の内部に挿入し付着土を掻き落とすようにしてもよい。
【0036】
【発明の効果】本発明によれば、オープナーの側面に形成した開口部の下縁を上縁よりもオープナーの外側方に形成しているため、植付筒の上部より装入された苗が筒内を落下してオープナに保持されるまでの過程で、苗が開口部の下縁に引っ掛かることは殆どなく、苗を直立姿勢で保持することが可能となる。したがって苗を植え付ける際にも直立姿勢で植え付けることができ、適切な植え付けを行うことができる。
【0037】また、植付筒に土付苗を装入する際に、オープナに形成した開口部を閉鎖可能とする開閉自在な蓋体を備え、開口部を閉鎖した際に蓋体の下端が、開口部の下縁のオープナ内部側と重合して備えているため、植付筒の上部より装入された土付苗が筒内を落下してオープナに保持されるまでの過程で、苗は、開口部の下縁に引っ掛かることなく蓋体に沿って落下していき、苗を直立姿勢で保持することが可能となる。したがって苗を植え付ける際にも直立姿勢で植え付けることができ、適切な植え付けを行うことができる。




 

 


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