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発明の名称 移植機の植付部構造
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−9742
公開日 平成9年(1997)1月14日
出願番号 特願平7−162279
出願日 平成7年(1995)6月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
発明者 浜田 昭夫
要約 目的
植付装置を一体的に走行車両に着脱できるようにして、整備性、作業性の向上を図る。

構成
走行車両12に左右突出状に設けられた支軸21にその軸心回りに揺動自在に揺動フレーム62を支持し、該揺動フレーム62に、上下運動機構により上下運動される植付筒61によって圃場14に苗を植え付ける植付装置60を装着する。揺動フレーム62にはブラケット64を着脱自在に取付固定し、支軸21をブラケット64に挿通支持させ、該ブラケット64を揺動フレーム62から取り外すことにより上下運動機構が揺動フレーム62に組付けられた状態で該揺動フレーム62を走行車両12から離脱可能に構成する。
特許請求の範囲
【請求項1】 上下運動機構により上下運動される植付筒(61)によって圃場(14)に苗を植え付ける植付装置(60)を走行車両(12)に有する移植機の植付部構造であって、前記植付装置(60)は走行車両(12)に取付けられたフレーム(62)に装着され、該フレーム(62)は、前記上下運動機構がフレーム(62)に組付けられた状態で走行車両(12)に着脱自在とされていることを特徴とする移植機の植付部構造。
【請求項2】 走行車両(12)に左右突出状に設けられた支軸(21)にその軸心回りに揺動自在に揺動フレーム(62)が支持され、該揺動フレーム(62)に、上下運動機構により上下運動される植付筒(61)によって圃場(14)に苗を植え付ける植付装置(60)が装着された移植機の植付部構造であって、前記揺動フレーム(62)にはブラケット(64)が着脱自在に取付固定され、前記支軸(21)はブラケット(64)に挿通支持されており、該ブラケット(64)を揺動フレーム(62)から取り外すことにより前記上下運動機構が揺動フレーム(62)に組付けられた状態で該揺動フレーム(62)を走行車両(12)から離脱可能に構成されていることを特徴とする移植機の植付部構造。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移植機の植付部構造に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平4−173006号公報に開示された移植機は歩行型であって、走行車両の後部には、上下運動機構により上下運動される植付筒によって圃場(畝)に所定間隔で苗を植え付ける植付装置と、苗取出爪によって苗トレイから苗を一つずつ植付装置に供給する苗供給装置とが装着されているとともに、植付筒が突入される位置のマルチフィルムに予め植付孔を穿孔するマルチフイルム穿孔装置が設けられている。
【0003】また、これら植付装置、マルチフィルム穿孔装置は、ミッションケースから突設されたPTO軸(出力軸)の回転動力によって駆動されるようになっており、さらに、該PTO軸に揺動自在に取付けられた植付伝動ケース、及び、取付板を介して走行車両に装着されている。この従来の移植機では、植付筒は、クランクアームの先端側に枢着された概略三角形状の植付アームに支持され、かつ、植付アームに設けた案内ローラを、取付板に固定されたガイド体に設けた上下方向に延びるガイド溝に摺動支持させることで、クランクアームの回転によって植付筒を上下運動させる上下運動機構を構成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の移植機では、植付装置の整備等を行うために植付装置を走行車両から離脱するには、取付板を植付伝動ケースから取り外す必要があるが、上下運動機構の主要部品(植付筒や植付アーム等)は植付伝動ケースに取付けられ、上下運動機構の一部を構成するガイド溝は取付板側に設けられているため、上下運動機構を組付けたまま、即ち、案内ローラをガイド溝に摺動支持させたままの状態で植付装置を走行車両から離脱することができない。
【0005】従って、走行車両から植付装置を取り外して整備を行うには、植付装置を一度分解する必要があり、その後植付装置を再度走行車両に組付けた際には、各構成部品間の動作タイミングの調節作業がさらに必要となり、作業工数が増えるのみならず、走行車両に組付けた状態での動作タイミングの調節作業は作業性が悪く、精度の高い調節も困難である。
【0006】そこで、本発明は、植付装置を一体的に走行車両に着脱できるようにして、整備性、作業性の向上を図ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するため、次の技術的手段を講じた。即ち、本発明は、上下運動機構により上下運動される植付筒によって圃場に苗を植え付ける植付装置を走行車両に有する移植機の植付部構造であって、前記植付装置は走行車両に取付けられたフレームに装着され、該フレームは、前記上下運動機構がフレームに組付けられた状態で走行車両に着脱自在とされていることを特徴としている。
【0008】また、本発明は、走行車両に左右突出状に設けられた支軸にその軸心回りに揺動自在に揺動フレームが支持され、該揺動フレームに、上下運動機構により上下運動される植付筒によって圃場に苗を植え付ける植付装置が装着された移植機の植付部構造であって、前記揺動フレームにはブラケットが着脱自在に取付固定され、前記支軸はブラケットに挿通支持されており、該ブラケットを揺動フレームから取り外すことにより前記上下運動機構が揺動フレームに組付けられた状態で該揺動フレームを走行車両から離脱可能に構成されていることを特徴としている。
【0009】
【作用】植付装置の整備を行うときには、上下運動機構をフレームに組付けた状態で一体的に走行車両から取り外ことで、上下運動機構の各構成部品間の動作タイミングの調節作業等の植付装置の整備が簡単に行えるとともに、かかる整備性の向上により精度の高い調整ができ、その後植付装置を一体としてフレームを走行車両に取付ければ、植付装置の走行車両への取付時に上下運動機構の動作タイミングが乱れることはなく、植付精度も向上される。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説明する。図6に示す野菜移植機11は、走行車両12の後部に操縦ハンドル13を有する歩行型であって、畝14を跨いでその長手方向に走行しつつ、ソイルブロック苗をマルチフィルムMで覆われた畝14に所定間隔で植え付けるものである。
【0011】走行車両12は、主フレーム15、主フレーム15の前端部に設けられた架台16等を備えている。主フレーム15は角パイプ等で形成され、その前部が下向きに曲がっていて架台16の側部に固定されており、後部が上向きに曲がっていて操縦ハンドル13の取付部とされている。架台16上にはエンジン17が搭載され、このエンジン17はボンネット18で覆われており、架台16の後部にはミッションケース19が固定され、このミッションケース19にエンジン17の動力が伝動されている。
【0012】ミッションケース19内からの動力は、左右側方に突出する車輪伝動軸20と、この車輪伝動軸20よりも後方に設けられて左右側方に突出する第1PTO軸21と、後上方に突出する第2PTO軸22の3系統で取り出すようになっている。車輪伝動軸20の左右端には軸心回りに上下揺動する伝動ケース23を介して左右の駆動輪24(後輪)を支持して、伝動ケース23内の巻掛伝動体25により駆動輪24を駆動可能にしている。この駆動輪24は畝14間の溝内を転動する。また、走行車両12の前部には、左右一対の前輪26、畝高さ検出ローラ27が備えられている。
【0013】図7はミッションケース19内の動力伝達系を例示しており、エンジン17の動力は巻掛伝動手段28から入力軸29に伝達される。ミッションケース19には入力軸29と平行に、回転軸30、中間軸31、バック軸32、車輪伝動軸20及び第1PTO軸21がそれぞれ回転自在に支持され、前後方向の第2PTO軸22が後方突出状に設けられている。
【0014】入力軸29上のギヤ29aは回転軸30上の遊転ギヤ33と噛合しており、この遊転ギヤ33にクラッチギヤ34を摺動させてその咬合部を咬合させることにより、入力軸29から回転軸30へ動力伝達可能になる。前記クラッチギヤ34は遊転ギヤ33と咬合する方向に弾圧されており、爪式の主クラッチを構成している。
【0015】前記回転軸30と中間軸31との間には、1速(F1 )、2速(F2 )、3速(F3 )、中立位置(N)、後進(R)に切換操作可能な変速装置35が設けられている。また、中間軸31上には伝動ギヤ36及び図示省略の駐車ブレーキが設けられており、伝動ギヤ36は車輪伝動軸20に固設された大ギヤ37と噛合している。
【0016】前記回転軸30は一端がミッションケース19から突出していて、その外端に電磁クラッチ38が固定されており、また、回転軸30の外端部を包囲するように筒軸状のカップリング軸39がミッションケース19に回転自在に支持されており、電磁クラッチ38の作動で回転軸30とカップリング軸39とが一体回転し、移植系動力を分岐取り出しできるようになっている。
【0017】このカップリング軸39にはギヤ40が固定されており、このギヤ40は中間軸31に遊嵌したアイドラギヤ41と噛合しており、アイドラギヤ41は更に第1PTO軸21上のギヤ42と噛合し、移植系動力を伝達可能にしている。第1PTO軸21にはベベルピニオン43が固定され、第2PTO軸22上のベベルギヤ44と噛合しており、移植系動力を2系統に分岐して、第1PTO軸21と第2PTO軸22とから取出可能となっており、電磁クラッチ38を消磁することで車輪伝動軸20の回転動力を止めることなく第1、第2PTO軸21,22の回転動力を停止可能となっている。なお、第1PTO軸21は、図2に示すように、ミッションケース19内に取付けたベアリング47に支持されており、このベアリング47の外側方にはシール材48が設けられている。
【0018】前記回転軸30の電磁クラッチ38より外端には回転パルスセンサ45が取り付けられている。この回転パルスセンサ45は例えば回転軸30に外嵌固着したスプロケットの凹凸を近接センサでカウントする構造のものが使用できる。走行車両12の後部には、移植作業部50が設けられている。この移植作業部50は、苗供給装置51と、該苗供給装置51から供給されるソイルブロック苗を後述する上下運動機構により上下運動される植付筒61によって畝14に植え付ける植付装置60(植付部)と、苗が植付けられる位置に予めマルチフィルムMに移植孔を穿けるマルチフィルム穿孔装置81等を有している。苗供給装置51は第2PTO軸22の回転動力により駆動され、植付装置60及びマルチ穿孔装置81は第1PTO軸21の回転動力により駆動される。
【0019】苗供給装置51は、主フレーム15上に装着されており、ソイルブロック苗が育苗されたポット部46aが縦横に多数配設された苗トレイ46を横方向及び縦方向に移送しつつ、この苗トレイ46から、植付装置60に対して所定の苗取出位置にて苗取出爪52によりソイルブロック苗を一つずつ取り出して、該ソイルブロック苗を植付装置60上方まで移送した後に植付筒61内に落とし込むようになされている。なお、苗トレイ46は樹脂製で可撓性を有し、縦横に多数配列したポット部46aが背面に突出して備えられており、各ポット部46aにソイルブロック苗が育苗されている。
【0020】この苗供給装置51の動力受入軸53には、第2PTO軸22に連結された伝動軸54がユニバーサルジョイントを介して連結されて、該伝動軸54からの動力により上記した動作が繰り返される。前記植付装置60及びマルチフィルム穿孔装置81は、図1〜図5にも示すように、ミッションケース19の第1PTO軸21(支軸)に前端部が支持されて後端側が上下揺動自在となされた揺動フレーム62上に備えられている。この揺動フレーム62は、角パイプ状の左右フレーム62L,62Rと、これら左右フレーム62L,62Rを連結する連結フレーム62Aとから主構成されており、左右フレーム62L,62Rと、これらフレーム62L,62Rの後端部間を連結するフレーム62Aとが鋼製角パイプにより平面視略コ字状に一体に構成されて、この揺動フレーム62の剛性の向上を図っている。
【0021】右フレーム62Rの前端部には、ボルト63、ワッシャ63a等の取付具によって鋼製ブラケット64が着脱自在に取付固定されている。このブラケット64は断面略コ字状であって、右フレーム62Rに外側方から外嵌することで強固に固定可能になっている。このブラケット64の前端部と左フレーム62Lの前端部とには同一軸心状にベアリング65が設けられている。左フレーム62Lのベアリング65には第1PTO軸21(支軸)の左端部が挿通支持されているとともに、このPTO軸21の左端部外周にはスプラインが形成され、該スプライン部にスプロケット75が着脱自在に外嵌され、PTO軸21先端部に取付けたカラー56a、係止リング56b等の固定具により取り外し可能に抜け止めされている。
【0022】また、右フレーム62Rのベアリング65には第1PTO軸21の右端部が挿通支持され、PTO軸21先端部に取付けた係止リング56b等の固定具により取り外し可能に抜け止めされている。なお、本実施例では第1PTO軸21の右端部をミッションケース19から外部に突出して該軸21に揺動フレーム62を支持しているが、ミッションケース19に側方突出状に固設した固定支軸に揺動フレーム62を支持することもできる。
【0023】スプロケット75は、揺動フレーム62の左フレーム62Lにボルト57によって着脱自在に固定したチェンカバー77によって覆われている。チェンカバー77と左フレーム62Lとチェンカバー77との間でボルト57の軸部には円筒状のカラー58が外嵌されており、カバー77の左フレーム62Lからの所要の間隔を設けて、カバー77がチェン76やPTO軸21に衝当することを防止している。
【0024】従って、ボルト57を外すことでチェンカバー77を揺動フレーム62から取り外し、係止リング56bを外すことでスプロケット75を第1PTO軸21から取り外すとともに、ボルト63を外すことで揺動フレーム62の右フレーム62Rからブラケット64を取り外せば、上下運動機構を揺動フレーム62に組付けたままで植付装置60やマルチフィルム穿孔装置81を分解することなく簡単な作業で揺動フレーム62を第1PTO軸21から左側方に離脱することができる。また、逆の手順によって、植付装置60やマルチフィルム穿孔装置81を装着して動作タイミングの調節作業等を行った状態で、これら装置60,81を分解することなく揺動フレーム62を第1PTO軸21に取付けることができる。
【0025】揺動フレーム62の後部には鎮圧・覆土ローラ66がレバー55の切換操作により揺動フレーム62に対する上下方向位置調節自在に設けられており、揺動フレーム62の後端部は主フレーム15に吊持されており、畝14の高さに追従して揺動フレーム62を上下揺動可能となされている。前記植付装置60は、苗供給装置51から供給されるソイルブロック苗を畝14に所定間隔で植付けるべく畝14に対して突き刺し運動される植付筒61と、この植付筒61を上下揺動自在に支持する揺動リンク機構67とから主構成されている。揺動リンク機構67は、下端側が前後揺動自在となるように上端部が揺動フレーム62に軸支された第1平行リンク68を備え、この第1平行リンク68の下端部に揺動プレート69を枢結し、この揺動プレート69に第2平行リンク70の前端部を枢結し、この第2平行リンク70の後端部に植付筒61を枢結している。また、第2平行リンク70の上側リンク70aに、揺動フレーム62に設けた左右方向の駆動軸71に設けたクランクアーム72の先端部を枢結している。
【0026】この駆動軸72は、揺動フレーム62に固定の左右のベアリング73に回転自在に支持されている。駆動軸72の左端部にはスプロケット74が設けられている。このスプロケット74と、第1PTO軸21の左端部に設けたスプロケット75とには伝動チェン76が巻回されて、エンジン17の回転動力を駆動軸71に伝動するようになっている。これらスプロケット74,75及び伝動チェン76はチェンカバー77で覆われている。また、左フレーム62Rには、チェン76の張り具合を調節するための調節ローラ78が設けられている。
【0027】したがって、第1PTO軸21からの動力により駆動軸71を介してクランクアーム72が回転することで、第1、第2平行リンク68,70により植付筒61が上下に揺動しながら前後にも揺動するようになっており、走行しながら植付筒61を畝14に突き刺す際において、植付筒61が圃場に対して略前方移動のないようになっている。しかも、上記したように揺動フレーム62が畝14高さに追従して上下揺動しても、植付装置60の駆動のための第1PTO軸21を揺動フレーム62の揺動支軸としているので、揺動フレーム62に対する第1PTO軸21の相対位置は変化しないので、かかる動力伝達系を簡素に構成できるとともに、全体として構成部材の削減、構造の簡素化、メンテナンス性の向上、コスト低減を図ることができる。
【0028】また、植付筒61は、下部に開閉自在なオープナを備えており、オープナは植付筒61の軌跡の下端側にて畝14に突入したときに連動具79によって前後に開き、畝14に移植孔を形成すると共に、該移植孔にソイルブロック苗を植付け得るようになっている。なお、植付筒61を上下運動させる上下運動機構は、上記した揺動リンク機構67、クランクアーム72、駆動軸71、連動具79により主構成されている。
【0029】また、植付筒61の後方側にはスクレーパ80が設けられており、植付筒61が畝14に突入された後に揺動リンク機構67によって上昇移動される際に、植付筒61の外側壁及び内側壁に付着した土をかき落とすようになっている。前記マルチフィルム穿孔装置81は、図3〜図5に示すように、ガスバーナー式の穿孔手段82を備え、この穿孔手段82は平行リンク83を介して上下動自在に揺動フレーム62に連結されている。なお、穿孔手段82にはガス供給管を接続するガス管接続部102が前方に突出して設けられている。
【0030】平行リンク83の上側リンク83aにはカムローラ84(カム係合部)が枢着されている。このカムローラ84は、前記駆動軸71に設けられた円板状のカム85の外周を転動するようになっており、植付装置60とマルチ穿孔装置81とを同一の駆動軸71で駆動することで、装置の簡素化、コスト低減を図っている。また、穿孔手段82の自重によって、カムローラ84をカム85の外周に押し付ける方向に付勢されている。
【0031】カム85の周方向一部には凹陥部86が形成されており、この凹陥部86にカムローラ84が落ち込むことで、図3に二点鎖線で示すように自重により穿孔手段82が下動して、穿孔手段82の下端部に設けた加熱体87をマルチフィルムMに押し当てることで、マルチフィルムMに移植孔を穿孔するようになっている。また、カム85は、マルチフィルムMを穿孔した後即座に穿孔手段82を上昇させるように形成されているとともに、凹陥部86を除く他の部分は、穿孔手段82を上昇限の待機位置で保持するべく駆動軸71軸心からの距離が略一定の外周形状に形成されている。
【0032】前記カム85は、穿孔手段82を待機位置(図3参照)で保持する第1カム88と、穿孔手段82により圃場のマルチフィルムを穿孔するべく穿孔手段82を待機位置から下降させて(図5参照)再度待機位置まで上昇させる第2カム89とからなる。即ち、第2カム89に凹陥部86が形成され、第1カム88のカム部分が略一定の外周形状とされ、これら第1カム88の外周カム部と第2カム89の外周カム部との組合せによって、上記カム85を構成してある。
【0033】なお、第1カム88の板厚よりも、第2カム89の板厚の方が大きくなされており、凹陥部86を有する第2カム89の磨耗を低減しつつも、第2カム89ほどには部材強度が要求されない第1カム88を薄板として、装置の軽量化、部材コスト低減を図っている。第1カム88は駆動軸71に固定されており、この第1カム88に第2カム89が駆動軸71軸心回りに相対角度調節自在に連結されている。かかる構成として種々のものが採用できるが、本実施例では、第1カム88にボルト孔(図示せず)を周方向2ヵ所に設け、該ボルト孔に連通する円弧状の長孔90を第2カム89に設け、これらボルト孔及び長孔90にボルト91を挿通してナット(図示せず)を締結することで、第1カム88と第2カム89とを締結固定し得るようになっており、ボルト91を若干緩めると長孔90の範囲内で第1カム88と第2カム89との相対角度調節ができるようになっている。
【0034】また、第2カム89の側面の駆動軸71近傍にはナット92が設けられ、該ナット92には角度調節ボルト93が螺合されている。なお、ナット92とボルト93のボルト頭との間には緩み止め用コイルスプリング94が介装されている。第1カム88の側面には、ボルト93の先端部が当接する係合部95が設けられており、第1カム88と第2カム89との締結力を若干緩めてボルト93を係合部95に向かって螺進させることで、第1カム88と第2カム89との相対角度の微調整を容易に行うことができる。
【0035】なお、第1カム88の係合部95は、ボルト93を螺進させることで第1カム88に対するボルト93先端部の位置が若干ずれても係合部95との係合が外れないように、ボルト93の軸心と直交する方向に長尺状に形成されている。前記揺動フレーム62には、移植筒61が軌跡の上死点にあることを検出する上限検出近接スイッチ101が設けられている。該スイッチ101は、駆動軸71を支持する左側のベアリング73上に取付けられて、クランクアーム72が上限位置にきたときにスイッチ101がオンとなり、電磁クラッチ38をオン(接続)からオフ(切断)に切り換え、走行車両12の走行を止めることなく移植作業部50の駆動を一時的に停止させることで、ソイルブロック苗の植付間隔を制御している。そして、回転パルスセンサ45が予め設定されたパルス数を検出すると、電磁クラッチ38をオフからオンに切換え、移植作業部50の作動を再開することで、苗の植付間隔が調節可能となっている。
【0036】また、揺動フレーム62には、電磁クラッチ38が消磁して駆動軸71の駆動が停止したとき、植付筒61等の慣性の大小にかかわらず植付筒61を軌跡中途部の一定位置で制動するべく第1カム88が係合可能なストッパー96(ブレーキアーム)が、カム85の近傍で横軸回りに上下揺動可能に設けられている。このストッパー96は、コイルスプリング97により上方揺動するように付勢されており、揺動フレーム62に固定の規制体98に当接することで上方揺動が所定位置で規制されている。そして、ストッパー96の上部には、第1カム88の側面の周縁部近傍に設けたブレーキローラ99が嵌合する係合凹部100が設けられている。
【0037】したがって、電磁クラッチ38が消磁すると、移植作業部50の各動作部の慣性によりカム85が若干回転して、第1カム88のブレーキローラ99がスプリング97の付勢力に抗してストッパー96を押し下げて、該ローラ99がストッパー96の係合凹部100に嵌合した状態で(図3参照)、移植筒61の運動が停止するため、常に軌跡の中途部の一定位置で移植筒61を停止させることができ、動作の安定性が向上する。
【0038】上記実施例によれば、植付装置60及びマルチフィルム穿孔装置81を走行車両12に装着するには、まず、走行車両12から離脱された揺動フレーム62に植付装置60及びマルチフィルム穿孔装置81を組付けて、これら植付装置60の上下運動機構の調節作業等の各構成部品間の動作タイミングの調節を行った後、フレーム62を走行車両12に取付けることで、植付装置60やマルチ穿孔装置81の整備性の向上を図りつつも、これらを分解することなく走行車両12に一体的に脱着することができ、脱着作業や整備等の作業性の向上を図ることができる。
【0039】また、植付装置60とマルチ穿孔装置81との駆動を、同一の駆動軸71により行うこととして装置の簡素化を図りつつも、凹陥部86を形成した第2カム89を駆動軸71に固定の第1カム88に相対角度調節自在に連結しているので、植付筒61の上下動と穿孔手段82の上下動との動作タイミングの微調整を容易に行うことができる。
【0040】また、植付筒61を一定位置で制動させるようにして動作の安定化を図りつつも、かかる制動をカム85により行うことで構成部材の削減、装置の簡素化を図ることができる。本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、適宜設計変更することができる。例えば、ブラケット64は左フレーム62Lの前端部に着脱自在に取付けることもできる。
【0041】また、上記実施例では歩行型移植機に適用したが、乗用型移植機に適用することもできる。さらに、多条植えの移植機に適用することもできる。また、苗供給装置は上記実施例のもの以外に、回転テーブル式のもの、搬送コンベヤ式のもの、ロッド押出式のもの等を採用できる。
【0042】
【発明の効果】本発明によれば、植付装置は走行車両に取付けられたフレームに装着され、該フレームは、上下運動機構がフレームに組付けられた状態で走行車両に着脱自在とされているので、植付装置の整備等を行う際に、フレームを走行車両から離脱することによって上下運動機構を分解することなく植付装置を走行車両から取り外すことができ、整備の容易化を図ることができるとともに、かかる整備性の向上により精度の高い調節作業を容易に行うことができる。
【0043】また、本発明は、揺動フレームにはブラケットが着脱自在に取付固定され、支軸はブラケットに挿通支持されており、該ブラケットを揺動フレームから取り外すことにより上下運動機構が揺動フレームに組付けられた状態で該揺動フレームを走行車両から離脱可能に構成されているので、ブラケットを揺動フレームから取り外すことで、上下運動機構を分解することなく揺動フレームを植付装置とともに一体的に走行車両から離脱させることができ、整備の容易化を図ることができるとともに、かかる整備性の向上により精度の高い調節作業を容易に行うことができる。




 

 


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