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発明の名称 乗用型田植機
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−9720
公開日 平成9年(1997)1月14日
出願番号 特願平7−164854
出願日 平成7年(1995)6月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 安田 真
要約 目的
簡単な構造でありながら、先端部に線引きマーカを備える左右一対の支持アームの支持強度を十分強くすることができるようにする。

構成
先端部に線引きマーカ11を備える左右一対の支持アーム26を、機体前部の左右横側部で、機体横方向に突出した作業姿勢と、機体側に上を向くように屈折した格納姿勢とに姿勢切換操作自在に各別に支持し、機体前部に左右に貫通させた第1支持フレーム6の両端部で、バランスウエイト取付け部27を備える左右一対の第2支持フレーム25を各別に支持し、両第2支持フレーム25で左右一対の支持アーム26を、作業姿勢と格納姿勢とに姿勢切換操作自在に各別に支持してある。
特許請求の範囲
【請求項1】 先端部に線引きマーカ(11)を備える左右一対の支持アーム(26)を、機体前部の左右横側部で、機体横方向に突出した作業姿勢と、機体側に上を向くように屈折した格納姿勢とに姿勢切換操作自在に各別に支持してある乗用型田植機であって、機体前部に左右に貫通させた第1支持フレーム(6)の両端部で、バランスウエイト取付け部(27)を備える左右一対の第2支持フレーム(25)を各別に支持し、両第2支持フレーム(25)で前記左右一対の支持アーム(26)を、前記作業姿勢と格納姿勢とに姿勢切換操作自在に各別に支持してある乗用型田植機。
【請求項2】 前記格納姿勢に設定した支持アーム(26)を係脱自在な係合部(28)を、前記機体前部に立設した予備苗載台(8)の支柱(7)に設けてある請求項1記載の乗用型田植機。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、先端部に線引きマーカを備える左右一対の支持アームを、機体前部の左右横側部で、機体横方向に突出した作業姿勢と、機体側に上を向くように屈折した格納姿勢とに姿勢切換操作自在に各別に支持してある乗用型田植機に関する。
【0002】
【従来の技術】乗用型田植機においては、例えば実開昭60‐79907号公報に開示されているように、機体前部の左右横側部の各々にマーカーを備えているものがある。
【0003】この場合、機体横側方に向く作業姿勢と機体上向きに起立した格納姿勢とに、機体前後方向の横軸芯(前記公報の第3図中のP1)周りに切換操作自在な左右一対の支持アーム(前記公報の第3図中の12)を、左右横側壁側の互いに別部材の一対のフレームで各別に支持し、支持アームの先端部にマーカー(前記公報の第3図中の19)を備えている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の構成によれば、左右一対の支持アーム(前記公報の第3図中の12)を支持するのは、機体前部の左右横側壁側の一対のフレームであり、両フレームは互いに別部材から成っているために、支持点周りで機体下方に向かう力に対して支持アームの支持強度を十分強くするには、フレームが前記機体の横外側方に倒れないように、補強部材で各フレームを機体内方側に引張り補強しなければならず、その結果、部品点数が多くなって構造が複雑化していた。
【0005】本発明の目的は、簡単な構造でありながら、先端部に線引きマーカを備える左右一対の支持アームの支持強度を十分強くすることができるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる発明の特徴構成は、機体前部に左右に貫通させた第1支持フレームの両端部で、バランスウエイト取付け部を備える左右一対の第2支持フレームを各別に支持し、両第2支持フレームで前記左右一対の支持アームを、前記作業姿勢と格納姿勢とに姿勢切換操作自在に各別に支持してあることにある。
【0007】請求項2にかかる発明の特徴構成は、請求項1にかかる発明において前記格納姿勢に設定した支持アームを係脱自在な係合部を、前記機体前部に立設した予備苗載台の支柱に設けてあることにある。
【0008】
【作用】請求項1の構成によれば、機体前部に左右に貫通させた第1支持フレームの両端部で、前記左右一対の第2支持フレーム及び支持アームを各別に支持してあるから、支持点周りで機体下方に向かう力に対して強い構造となり、従来のように、補強部材で各フレームを機体内方側に引張り補強しなくても、支持アームの支持強度を十分強くすることができる。
【0009】請求項2の構成によれば、前記格納姿勢に設定した支持アームを係脱自在な係合部を、前記機体前部に立設した予備苗載台の支柱に設けてあるから、請求項1の構成による効果に加え、前記格納姿勢の支持アームが、衝撃等により誤って前記作業姿勢に切り換わるのを確実に防止できる。
【0010】
【発明の効果】従って、請求項1の構成によれば、簡単な構造でありながら、支持アームの支持強度を十分に高めることができて、支持アーム周りの構造の耐久性を向上させることができ、請求項2の構成によれば、請求項1の構成による効果に加え、格納姿勢の支持アームが、衝撃等により誤って前記作業姿勢に切り換わるのを確実に防止できるから、作業性を向上させることができた。
【0011】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図1に示すように、操向操作自在な左右一対の前輪1及び左右一対の後輪2で支持された機体に操縦部24を形成し、機体後部にリンク機構3を油圧シリンダ4により昇降操作自在に備え、リンク機構3の後端に8条植えの苗植付装置5を連結して乗用型田植機を構成している。
【0012】この乗用型田植機では一回の植付行程中に、機体の進行に伴って次の植付行程の指標としての印を田面Gに付けていく一対の線引きマーカー11(以下、マーカー11と略称する)を、機体前部の右横側部及び左横側部に備えている。次にこのマーカー11について説明する。
【0013】図2,図3,図7に示すように、機体前下部に左右に貫通させたパイプ状の第1支持フレーム6の両端部で、バランスウエイト取付け部27を備えた左右一対の平面視L字形の第2支持フレーム25が各別に支持され、第2支持フレーム25の縦軸芯P1周りに揺動自在にパイプ状の第1アーム部材12が左右一対支持されている。
【0014】前記第1アーム部材12は、機体前方側を向く格納姿勢B(図3の一点鎖線参照)になるまで揺動可能である。この第1アーム部材12の遊端部には、マーカで引かれた線が見えにくい時などに使用する隣接マーカ32を取付けてある。
【0015】そして、第1アーム部材12を前記格納姿勢B側に引き付勢するバネ10が備えられ、第1アーム部材12が機体横側方に向いた作業姿勢Aにおいて、第1アーム部材12の基端部をバネ10に抗して接当支持するピン13が、第2支持フレーム25側に挿抜自在に備えられている。これにより、バネ10に抗して第1アーム部材12を押し操作することによって、第1アーム部材12を機体横側方に向く作業姿勢Aと機体前方に向く格納姿勢Bとに亘って切換操作可能である。
【0016】図1,図2,図3に示すように、前記作業姿勢Aにおける第1アーム部材12の先端部の斜め軸芯P2周りに、第2アーム部材14が、水平方向に向く作業姿勢C、及び上に向く格納姿勢Dに亘り、斜めの上下揺動自在に支持されている。前記斜め軸芯P2は第1アーム部材12の作業姿勢において、図1に示すように、機体後方側(紙面右方)に傾斜するように設定されている。
【0017】図5及び図6に示すように、第2アーム部材14の先端部にマーカー11が回転自在に支持されており、第2アーム部材14に対してマーカー11を下方側に付勢するつる巻きバネ23が備えられている。
【0018】図4に示すように、リンク機構3における上リンク3aを上下揺動自在に支持するフレーム16において、フレーム16の横軸芯P3周りに操作板15が上下揺動自在に支持され、操作板15と左右の第2アーム部材14とが一対の操作ロッド14b及びワイヤ17により接続されている。上リンク3aに操作アーム18が固定されており、操作アーム18の先端に接続された連係リンク19のピン19aが、操作板15の長孔15aに挿入されている。
【0019】前記操作板15と左右の第2アーム部材14との連係機構について説明する。第2アーム部材14の基端部に設けたブラケット30と、第1アーム部材12の先端部との間にバネ20を設けて、第2アーム部材14を下方側に引き付勢してある。そして、前記操作ロッド14bを第1アーム部材12の長手方向に往復移動自在に支持する支持ブラケット31を設け、操作ロッド14bに凹部14aを形成して、操作ロッド14bが機体側に引張られるに伴って(つまり第2アーム部材14が上昇操作されるに伴って)、操作ロッド14bの前記凹部14aに係合するフック21を、前記支持ブラケット31に設けてある。フック21は操作ロッド14bの上方を横切る軸芯周りに上下揺動自在に支持してあり、前記フック21を前記軸芯よりも第1アーム部材12の基端側に位置させた状態で、支持ブラケット31上に設けたスプリング32により下方に揺動付勢して、上記のように操作ロッド14bが機体側に引張られるに伴って、フック21がスプリングの付勢力で凹部14aに係合するよう構成してある。このフック21は、アクチュエータ22によりスプリング32の付勢力に抗して上方に揺動させて、凹部14bとの係合を解除自在に構成してある。
【0020】前記第2支持フレーム25と第1アーム部材12との間には、第1アーム部材12の格納状態で、アクチュエータ22への入力を遮断するマイクロスイッチ33を設けて、前記格納状態でアクチュエータ22が誤って作動して第2アーム部材14が下方に倒れることがないよう構成してある(図3参照)。
【0021】図4,図9に示すように、前記第1アーム部材12の先端部には、前記格納姿勢Dに設定した第2アーム部材14を係脱自在なフック34を設けて、格納姿勢の第2アーム部材14が、衝撃等により誤って作業姿勢に切り換わるのを防止してある。
【0022】なお、前記第1アーム部材12と第2アーム部材14とで、マーカ11の支持アーム26を構成しており、この支持アーム26は上記のように、両第2支持フレーム25で、機体横方向に突出した作業姿勢と、機体側に上を向くように屈折した格納姿勢とに姿勢切換操作自在に各別に支持されている。
【0023】通常の植付作業時での状態について説明する。例えば左の第1及び第2アーム部材12,14を図3に示す作業姿勢A,Cに設定して、左のマーカー11を田面G内に突入させ、右の第1及び第2アーム部材12,14を格納姿勢B及び格納姿勢Dに設定していたとする。この状態で機体が植え付けを行いながら進行していくと、左のマーカー11により田面Gに線状に印が付けられていく。
【0024】この場合、左の第1又は第2アーム部材12,14に他物が接触して無理な力が作用すると、図3に示すバネ10に抗して第1及び第2アーム部材12,14が機体後方側に揺動して、第1又は第2アーム部材12,14の破損が防止される。又、田面G内に突入している左のマーカー11に泥塊等が当たり無理な力が作用すると、つる巻きバネ23に抗してマーカー11が上方に持ち上げられてマーカー11の破損が防止される。
【0025】以上の状態で一回の植付行程を終了し機体が畦際に達すると、苗植付装置5を田面Gから大きく上昇操作して、畦際で機体を左に180°旋回させることになる。このように苗植付装置5を上昇操作すると、図4において上リンク3aが上方に揺動操作されるので、操作アーム18及び連係リンク19により、操作板15が紙面右方に揺動操作されワイヤ17が操作板15側に引き操作される。これにより、作業姿勢Cの左の第2アーム部材14が図2及び図3に示すように、バネ20の付勢力に抗して上を向いた格納姿勢Dに切換操作され、左の第2アーム部材14の操作ロッド14bの凹部14aがフック21に係合して、左の第2アーム部材14が格納姿勢Dに保持される。
【0026】前述の状態で畦際で左への180°旋回が終了し、苗植付装置5を田面Gにまで下降操作すると、図4に示すようにワイヤ17が第2アーム部材14側に戻され、アクチュエータ22により右の第2アーム部材14用のフック21が外し操作されて、バネ20の付勢力により右の第2アーム部材14が格納姿勢Dから、作業姿勢Cに切換操作される。この場合、フック21により左の第2アーム部材14は格納姿勢Dに保持されている。
【0027】次に、この乗用型田植機をトラックの荷台に載せて運搬する場合について説明する。運搬時には苗植付装置5を大きく上昇操作しピン13を取り外す。従って、図7及び図8に示すようにバネ20の付勢力で第2アーム部材14が作業姿勢Cから格納姿勢Dに切換操作され、バネ10の付勢力により第1アーム部材12が機体前方に向く格納姿勢Bに切換操作される。
【0028】これにより、運搬時においては機体前部のボンネット9の左右横側で予備苗載台8の下側に左右の第1アーム部材12が位置し、ボンネット9及び左右の予備苗載台8の機体前方側に、左右の第2アーム部材14及びマーカー11が位置する。
【0029】〔別実施例〕図10に示すように、、前記格納姿勢Dに設定した第2アーム部材14を係脱自在なフック28(係合部の一例)を前記支柱7に設けてもよい。
【0030】図11,図12に示すように、前記第2支持フレーム25のコーナ部から一本の支柱7を立設するとともに、この支柱7で補助支柱35を支持し、支柱7と補助支柱35とで予備苗載台8を上下方向に多数支持するよう構成してもよい。
【0031】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にする為に符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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