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発明の名称 移植機におけるマルチフィルム穿孔装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−83
公開日 平成9年(1997)1月7日
出願番号 特願平7−152040
出願日 平成7年(1995)6月19日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】安田 敏雄
発明者 浜田 昭夫
要約 目的
ガスバーナ等の穿孔手段82の上下動を行うカム85の構造の最適化を図る。

構成
走行車両12に装着された装置フレーム62に駆動軸71が設けられ、該駆動軸71に設けたカム85により上下運動される穿孔手段82を備え、前記カム85は、穿孔手段82を待機位置で保持する第1カム88と、穿孔手段82により圃場のマルチフィルムMを穿孔するべく穿孔手段82を待機位置から下降させて再度待機位置まで上昇させる第2カム89とからなり、第1カム88を駆動軸71に固定し、第2カム89を、第1カム88に対し駆動軸71軸心回りに相対角度調節自在に連結する。
特許請求の範囲
【請求項1】 走行車両(12)に装着された装置フレーム(62)に駆動軸(71)が設けられ、該駆動軸(71)に設けたカム(85)により上下運動される穿孔手段(82)を備えた移植機におけるマルチフィルム穿孔装置において、前記カム(85)は、穿孔手段(82)を待機位置で保持する第1カム(88)と、穿孔手段(82)により圃場のマルチフィルム(M)を穿孔するべく穿孔手段(82)を待機位置から下降させて再度待機位置まで上昇させる第2カム(89)とからなり、第1カム(88)は駆動軸(71)に固定されており、第2カム(89)は、第1カム(88)に対し駆動軸(71)軸心回りに相対角度調節自在に連結されていることを特徴とする移植機におけるマルチフィルム穿孔装置。
【請求項2】 駆動軸(71)は、走行車両(12)に装着された植付装置(60)の植付筒(61)の上下運動と連動されており、第1カム(88)が、駆動軸(71)の駆動が停止したとき前記植付筒(61)を一定位置で制動するべく装置フレーム(62)に設けたストッパー(96)に係合可能となされていることを特徴とする請求項1に記載の移植機におけるマルチフィルム穿孔装置。
【請求項3】 第1カム(88)と第2カム(89)との間には、螺進させることで第1カム(88)と第2カム(89)との相対角度を調節可能な調節ボルト(93)が介在されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の移植機におけるマルチフィルム穿孔装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移植機におけるマルチフィルム穿孔装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、特開平5−6号公報に開示された移植機では、植付装置の前部側にマルチフィルム穿孔装置を設けている。かかる従来のマルチフィルム穿孔装置では、エンジンにより駆動される駆動軸に一枚のカム板が取付けられ、該カム板の外周囲に凹陥部を形成し、マルチカッターからなる穿孔手段の上部を支持する支持アームにカム板の外周囲に接触するピンを突設して、該ピンを前記カムの凹陥部内に落とし込むことにより、支持アームを介して穿孔手段を畝上のマルチフィルム側に下動させ、マルチフィルムに穿孔手段によって移植孔を穿孔するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来のマルチフィルム穿孔装置ではカム板は一体物により構成されているが、カム板の磨耗する部分は主として凹陥部であり、かかる凹陥部の部材強度を確保すべくカム板を厚肉にすると、その他の部分の部材強度が過剰となり、装置の重量化、コスト増を招く。
【0004】また、植付装置の駆動とマルチフィルム穿孔装置の駆動とを同一の駆動軸により行うことで装置の簡素化を図っているが、植付筒の上下動と穿孔手段の上下動との作動タイミングの微調整を行うことができず、穿孔手段によって設けられたマルチフィルムの移植孔に適正に植付筒を突き刺すようにすることが困難である。
【0005】また、株間検出装置により植付筒の動作を所定位置で一時停止させることで株間の調整を行っているが、植付筒を一時停止させるとき、種々の要因により植付筒の慣性が異なるため、常に一定位置で植付筒を停止させることが困難で、安定的な移植が行われないという課題があり、さらに、構造の簡素化を図りつつもかかる課題を解決するという要請もある。
【0006】そこで、本発明は、上記問題点を解決することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明が上記問題点を解決するために講じた技術的手段は、走行車両に装着された装置フレームに駆動軸が設けられ、該駆動軸に設けたカムにより上下運動される穿孔手段を備えた移植機におけるマルチフィルム穿孔装置において、前記カムは、穿孔手段を待機位置で保持する第1カムと、穿孔手段により圃場のマルチフィルムを穿孔するべく穿孔手段を待機位置から下降させて再度待機位置まで上昇させる第2カムとからなり、第1カムは駆動軸に固定されており、第2カムは、第1カムに対し駆動軸軸心回りに相対角度調節自在に連結されていることを特徴としている。
【0008】さらに、本発明は、駆動軸は、走行車両に装着された植付装置の植付筒の上下運動と連動されており、第1カムが、駆動軸の駆動が停止したとき前記植付筒を一定位置で制動するべく装置フレームに設けたストッパーに係合可能となされていることを特徴としている。また、本発明は、第1カムと第2カムとの間には、螺進させることで第1カムと第2カムとの相対角度を調節可能な調節ボルトが介在されていることを特徴としている。
【0009】
【作用】磨耗の激しい凹陥部が形成される第2カムを、駆動軸に固定の第1カムとは別体に構成しているので、磨耗の激しい第2カムの部材強度を大きくし、第1カムの部材強度を該カムに要求される適度の部材強度とすることで、カムに過剰な部材を使うことが防止され、装置の軽量化、コスト低減が図られる。
【0010】また、第1カムに対して第2カムの取付角度を調節することで、植付装置との駆動軸の共用により装置の簡素化を図りつつも、植付筒の上下動と穿孔手段の上下動との動作タイミングの微調整を行える。また、第1カムをストッパーに係合可能とすることで、該第1カムを植付筒の制動部材として共用しているので、構造の簡素化を図りつつも植付筒を所定位置で制動させることができ、さらに、第2カムは第1カムとは別体であるため、カムを植付筒の制動部材としつつも植付筒と穿孔手段との動作タイミングを調節できる。
【0011】第1カムと第2カムとの相対角度の調節作業は、調節ボルトを適宜の工具で螺進させることで、精度の高い微調整を容易に行える。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例を、図面に基づいて説明する。図5に示す野菜移植機11は、走行車両12の後部に操縦ハンドル13を有する歩行型であって、畝14を跨いでその長手方向に走行しつつ、ソイルブロック苗をマルチフィルムMで覆われた畝14に所定間隔で植え付けるものである。
【0013】走行車両12は、主フレーム15、主フレーム15の前端部に設けられた架台16等を備えている。主フレーム15は角パイプ等で形成され、その前部が下向きに曲がっていて架台16の側部に固定されており、後部が上向きに曲がっていて操縦ハンドル13の取付部とされている。架台16上にはエンジン17が搭載され、このエンジン17はボンネット18で覆われており、架台16の後部にはミッションケース19が固定され、このミッションケース19にエンジン17の動力が伝動されている。
【0014】ミッションケース19内からの動力は、左右側方に突出する車輪伝動軸20と、この車輪伝動軸20よりも後方に設けられて左右側方に突出する第1PTO軸21と、後上方に突出する第2PTO軸22の3系統で取り出すようになっている。車輪伝動軸20の左右端には軸心回りに上下揺動する伝動ケース23を介して左右の駆動輪24(後輪)を支持して、伝動ケース23内の巻掛伝動体25により駆動輪24を駆動可能にしている。この駆動輪24は畝14間の溝内を転動する。また、走行車両12の前部には、左右一対の前輪26、畝高さ検出ローラ27が備えられている。
【0015】図6はミッションケース19内の動力伝達系を例示しており、エンジン17の動力は巻掛伝動手段28から入力軸29に伝達される。ミッションケース19には入力軸29と平行に、回転軸30、中間軸31、バック軸32、車輪伝動軸20及び第1PTO軸21がそれぞれ回転自在に支持され、前後方向の第2PTO軸22が後方突出状に設けられている。
【0016】入力軸29上のギヤ29aは回転軸30上の遊転ギヤ33と噛合しており、この遊転ギヤ33にクラッチギヤ34を摺動させてその咬合部を咬合させることにより、入力軸29から回転軸30へ動力伝達可能になる。前記クラッチギヤ34は遊転ギヤ33と咬合する方向に弾圧されており、爪式の主クラッチを構成している。
【0017】前記回転軸30と中間軸31との間には、1速(F1 )、2速(F2 )、3速(F3 )、中立位置(N)、後進(R)に切換操作可能な変速装置35が設けられている。また、中間軸31上には伝動ギヤ36及び図示省略の駐車ブレーキが設けられており、伝動ギヤ36は車輪伝動軸20に固設された大ギヤ37と噛合している。
【0018】前記回転軸30は一端がミッションケース19から突出していて、その外端に電磁クラッチ38が固定されており、また、回転軸30の外端部を包囲するように筒軸状のカップリング軸39がミッションケース19に回転自在に支持されており、電磁クラッチ38の作動で回転軸30とカップリング軸39とが一体回転し、移植系動力を分岐取り出しできるようになっている。
【0019】このカップリング軸39にはギヤ40が固定されており、このギヤ40は中間軸31に遊嵌したアイドラギヤ41と噛合しており、アイドラギヤ41は更に第1PTO軸21上のギヤ42と噛合し、移植系動力を伝達可能にしている。第1PTO軸21にはベベルピニオン43が固定され、第2PTO軸22上のベベルギヤ44と噛合しており、移植系動力を2系統に分岐して、第1PTO軸21と第2PTO軸22とから取出可能となっており、電磁クラッチ38を消磁することで車輪伝動軸20の回転動力を止めることなく第1、第2PTO軸21,22の回転動力を停止可能となっている。
【0020】前記回転軸30の電磁クラッチ38より外端には回転パルスセンサ45が取り付けられている。この回転パルスセンサ45は例えば回転軸30に外嵌固着したスプロケットの凹凸を近接センサでカウントする構造のものが使用できる。走行車両12の後部には、移植作業部50が設けられている。この移植作業部50は、苗供給装置51と、該苗供給装置51から供給されるソイルブロック苗を植付筒61によって畝14に植え付ける植付装置60と、苗が植付けられる位置に予めマルチフィルムMに移植孔を穿けるマルチフィルム穿孔装置81等を有している。苗供給装置51は第2PTO軸22の回転動力により駆動され、植付装置60及びマルチ穿孔装置81は第1PTO軸21の回転動力により駆動される。
【0021】苗供給装置51は、主フレーム15上に装着されており、ソイルブロック苗が育苗されたポット部46aが縦横に多数配設された苗トレイ46を横方向及び縦方向に移送しつつ、この苗トレイ46から、植付装置60に対して所定の苗取出位置にて苗取出爪52によりソイルブロック苗を一つずつ取り出して、該ソイルブロック苗を植付装置60上方まで移送した後に植付筒61内に落とし込むようになされている。なお、苗トレイ46は樹脂製で可撓性を有し、縦横に多数配列したポット部46aが背面に突出して備えられており、各ポット部46aにソイルブロック苗が育苗されている。
【0022】この苗供給装置51の動力受入軸53には、第2PTO軸22に連結された伝動軸54がユニバーサルジョイントを介して連結されて、該伝動軸54からの動力により上記した動作が繰り返される。前記植付装置60及びマルチフィルム穿孔装置81は、図3及び図4にも示すように、ミッションケース19の第1PTO軸21に上下揺動自在に支持された装置フレーム62上に備えられている。この装置フレーム62は、角パイプ状の左右フレーム62L,62Rと、これら左右フレーム62L,62Rを連結する連結フレーム62Aとから主構成されている。右フレーム62Rの前端部にはボルト63等の固定具によってブラケット64が着脱自在に取付けられ、このブラケット64の前端部と左フレーム62Lの前端部とに設けられたベアリング65に第1PTO軸21が挿通支持されており、ブラケット64を取り外すことにより装置フレーム62を走行車両12から取り外すことで、植付装置60及びマルチ穿孔装置81を一体的に走行車両12から取り外すことができる。
【0023】なお、装置フレーム62の後部には鎮圧・覆土ローラ66が設けられており、装置フレーム62の後端部は主フレーム15に吊持されており、畝14の高さに追従して装置フレーム62が上下揺動可能となされている。前記植付装置60は、苗供給装置51から供給されるソイルブロック苗を畝14に所定間隔で植付けるべく畝14に対して突き刺し運動される植付筒61と、この植付筒61を上下揺動自在に支持する揺動リンク機構67とから主構成されている。揺動リンク機構67は、下端側が前後揺動自在となるように上端部が装置フレーム62に軸支された第1平行リンク68を備え、この第1平行リンク68の下端部に揺動プレート69を枢結し、この揺動プレート69に第2平行リンク70の前端部を枢結し、この第2平行リンク70の後端部に植付筒61を枢結している。また、第2平行リンク70の上側リンク70aに、装置フレーム62に設けた左右方向の駆動軸71に設けたクランクアーム72の先端部を枢結している。
【0024】この駆動軸72は、装置フレーム62に固定の左右のベアリング73に回転自在に支持されている。駆動軸72の左端部にはスプロケット74が設けられている。このスプロケット74と、第1PTO軸21の左端部に設けたスプロケット75とには伝動チェン76が巻回されて、エンジン17の回転動力を駆動軸71に伝動するようになっている。これらスプロケット74,75及び伝動チェン76はチェンケース77で覆われており、このチェンケース77にはチェン76の張り具合を調節するための調節ローラ78が設けられている。
【0025】したがって、第1PTO軸21からの動力により駆動軸71を介してクランクアーム72が回転することで、第1、第2平行リンク68,70により植付筒61が上下に揺動しながら前後にも揺動するようになっており、走行しながら植付筒61を畝14に突き刺す際において、植付筒61が圃場に対して略前方移動のないようになっている。
【0026】また、植付筒61は、下部に開閉自在なオープナを備えており、オープナは植付筒71の軌跡の下端側にて畝14に突入したときに連動具79によって前後に開き、畝14に移植孔を形成すると共に、該移植孔にソイルブロック苗を植付け得るようになっている。また、植付筒61の後方側にはスクレーパ80が設けられており、植付筒61が畝14に突入された後に揺動リンク機構67によって上昇移動される際に、植付筒61の外側壁及び内側壁に付着した土をかき落とすようになっている。
【0027】前記マルチフィルム穿孔装置81は、図1〜図4に示すように、ガスバーナー式の穿孔手段82を備え、この穿孔手段82は平行リンク83を介して上下動自在に装置フレーム62に連結されている。なお、穿孔手段82にはガス供給管を接続するガス管接続部102が前方に突出して設けられている。平行リンク83の上側リンク83aにはカムローラ84(カム係合部)が枢着されている。このカムローラ84は、前記駆動軸71に設けられた円板状の平面カム85の外周を転動するようになっており、植付装置60とマルチ穿孔装置81とを同一の駆動軸71で駆動することで、装置の簡素化、コスト低減を図っている。また、穿孔手段82の自重によって、カムローラ84をカム85の外周に押し付ける方向に付勢されている。
【0028】カム85の周方向一部には凹陥部86が形成されており、この凹陥部86にカムローラ84が落ち込むことで、図2に示すように自重により穿孔手段82が下動して、穿孔手段82の下端部に設けた加熱体87をマルチフィルムMに押し当てることで、マルチフィルムMに移植孔を穿孔するようになっている。また、カム85は、マルチフィルムMを穿孔した後即座に穿孔手段82を上昇させるように形成されているとともに、凹陥部86を除く他の部分は、穿孔手段82を上昇限の待機位置で保持するべく駆動軸71軸心からの距離が略一定の外周形状に形成されている。
【0029】本実施例のカム85は、穿孔手段82を待機位置(図1参照)で保持する第1カム88と、穿孔手段82により圃場のマルチフィルムを穿孔するべく穿孔手段82を待機位置から下降させて再度待機位置まで上昇させる第2カム89とからなる。即ち、第2カム89に凹陥部86が形成され、第1カム88のカム部分が略一定の外周形状とされ、これら第1カム88の外周カム部と第2カム89の外周カム部との組合せによって、上記カム85を構成してある。
【0030】なお、第1カム88の板厚よりも、第2カム89の板厚の方が大きくなされており、凹陥部86を有する第2カム89の磨耗を低減しつつも、第2カム89ほどには部材強度が要求されない第1カム88を薄板として、装置の軽量化、部材コスト低減を図っている。第1カム88は駆動軸71に固定されており、この第1カム88に第2カム89が駆動軸71軸心回りに相対角度調節自在に連結されている。かかる構成として種々のものが採用できるが、本実施例では、第1カム88にボルト孔(図示せず)を周方向2ヵ所に設け、該ボルト孔に連通する円弧状の長孔90を第2カム89に設け、これらボルト孔及び長孔90にボルト91を挿通してナット(図示せず)を締結することで、第1カム88と第2カム89とを締結固定し得るようになっており、ボルト91を若干緩めると長孔90の範囲内で第1カム88と第2カム89との相対角度調節ができるようになっている。
【0031】また、第2カム89の側面の駆動軸71近傍にはナット92が設けられ、該ナット92には角度調節ボルト93が螺合されている。なお、ナット92とボルト93のボルト頭との間には緩み止め用コイルスプリング94が介装されている。第1カム88の側面には、ボルト93の先端部が当接する係合部95が設けられており、第1カム88と第2カム89との締結力を若干緩めてボルト93を係合部95に向かって螺進させることで、第1カム88と第2カム89との相対角度の微調整を容易に行うことができる。
【0032】なお、第1カム88の係合部95は、ボルト93を螺進させることで第1カム88に対するボルト93先端部の位置が若干ずれても係合部95との係合が外れないように、ボルト93の軸心と直交する方向に長尺状に形成されている。また、装置フレーム62には、移植筒61が軌跡の上死点にあることを検出する上限検出近接スイッチ101が設けられている。該スイッチ101は、駆動軸71を支持する左側のベアリング73上に取付けられて、クランクアーム72が上限位置にきたときにスイッチ101がオンとなり、電磁クラッチ38をオン(接続)からオフ(切断)に切り換え、走行車両12の走行を止めることなく移植作業部50の駆動を一時的に停止させることで、ソイルブロック苗の植付間隔を制御している。そして、回転パルスセンサ45が予め設定されたパルス数を検出すると、電磁クラッチ38をオフからオンに切換え、移植作業部50の作動を再開するようになっている。
【0033】また、装置フレーム62には、電磁クラッチ38が消磁して駆動軸71の駆動が停止したとき、植付筒61等の慣性の大小にかかわらず植付筒61を軌跡中途部の一定位置で制動するべく第1カム88が係合可能なストッパー96(ブレーキアーム)が、カム85の近傍で横軸回りに上下揺動可能に設けられている。このストッパー96は、コイルスプリング97により上方揺動するように付勢されており、装置フレーム62に固定の規制体98に当接することで上方揺動が所定位置で規制されている。そして、ストッパー96の上部には、第1カム88の側面の周縁部近傍に設けたブレーキローラ99が嵌合する係合凹部100が設けられている。
【0034】したがって、電磁クラッチ38が消磁すると、移植作業部50の各動作部の慣性によりカム85が若干回転して、第1カム88のブレーキローラ99がスプリング97の付勢力に抗してストッパー96を押し下げて、該ローラ99がストッパー96の係合凹部100に嵌合した状態で(図1参照)、移植筒61の運動が停止するため、常に軌跡の中途部の一定位置で移植筒61を停止させることができ、動作の安定性が向上する。
【0035】上記実施例によれば、磨耗の激しい凹陥部86が形成される第2カム89を、駆動軸71に固定の第1カム88とは別体に構成しているので、磨耗の激しい第2カム89の板厚を大きくして部材強度を確保しつつも、第1カム88を薄板のものとして装置の軽量化、コスト低減を図ることができる。また、植付装置60とマルチ穿孔装置81との駆動を、同一の駆動軸71により行うこととして装置の簡素化を図りつつも、凹陥部86を形成した第2カム89を駆動軸71に固定の第1カム88に相対角度調節自在に連結しているので、植付筒61の上下動と穿孔手段82の上下動との動作タイミングの微調整を容易に行うことができる。
【0036】また、植付筒61を一定位置で制動させるようにして動作の安定化を図りつつも、かかる制動をカム85により行うことで構成部材の削減、装置の簡素化を図ることができる。本発明は、上記実施例に限定されるものではなく、適宜設計変更することができる。例えば、穿孔手段82としてはカッターを用いることもでき、また、カムローラ84に代えてカム85に係合する係合ピンを用いることもできる。また、カム85は、直線カム、立体カムなどとすることができる。
【0037】また、上記実施例では歩行型移植機に適用したが、乗用型移植機に適用することもできる。さらに、多条植えの移植機に適用することもできる。また、苗供給装置は上記実施例のもの以外に、回転テーブル式のもの、搬送コンベヤ式のもの、ロッド押出式のもの等を採用できる。
【0038】
【発明の効果】本発明によれば、磨耗の激しい凹陥部が形成される第2カムを、駆動軸に固定の第1カムとは別体に構成しているので、磨耗の激しい第2カムの部材強度を大きくし、第1カムの部材強度を該カムに要求される適度の部材強度とすることで、カムに過剰な部材を使うことを防止でき、装置の軽量化、コスト低減を図ることができる。
【0039】また、第1カムに対して第2カムの取付角度を調節することで、植付装置との駆動軸の共用により装置の簡素化を図りつつも、植付筒の上下動と穿孔装置の上下動との動作タイミングの微調整を行うことができる。また、第1カムをストッパーに係合可能とすることで、該第1カムを植付筒の制動部材として共用しているので、構造の簡素化を図りつつも植付筒を所定位置で制動させることができ、さらに、第2カムは第1カムとは別体であるため、カムを植付筒の制動部材としつつも植付筒と穿孔手段との動作タイミングを調節できる。
【0040】また、本発明によれば、第1カムと第2カムとの相対角度の調節作業を、調節ボルトを適宜の工具で螺進させることで、精度の高い微調整を容易に行うことができる。




 

 


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