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発明の名称 青果物の栽培管理装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平9−67
公開日 平成9年(1997)1月7日
出願番号 特願平7−155673
出願日 平成7年(1995)6月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】北村 修
発明者 瀧澤 精一 / 酒井 千明 / 五十嵐 慶介 / 山内 良吾
要約 目的
青果物の品質が収穫可能な状態か否かを的確に判定することができる青果物の栽培管理装置を提供する。

構成
栽培中の青果物の品質情報を計測可能な計測手段Mと、その計測手段Mにより計測された品質情報と設定品質情報とに基づいて、青果物の品質情報が収穫可能な状態か否かを判定する収穫判定手段Jと、その収穫判定手段Jの判定結果を出力する出力手段Oが設けられている。
特許請求の範囲
【請求項1】 栽培中の青果物の品質情報を計測可能な計測手段(M)と、その計測手段(M)により計測された品質情報と設定品質情報とに基づいて、青果物の品質情報が収穫可能な状態か否かを判定する収穫判定手段(J)と、その収穫判定手段(J)の判定結果を出力する出力手段(O)が設けられている青果物の栽培管理装置。
【請求項2】 前記品質情報が、複数の品質項目情報を含み、前記設定品質情報が、前記複数の品質項目情報に対応する複数の設定品質項目情報を含み、前記収穫判定手段(J)にて判定する品質項目情報を、前記複数の品質項目情報から、一つ又は複数を選択する判定項目選択手段(D)が設けられている請求項1記載の青果物の栽培管理装置。
【請求項3】 前記判定項目選択手段(D)にて選択した品質項目情報に対応する設定品質項目情報の値を変更する判定値変更手段(E)が設けられている請求項2記載の青果物の栽培管理装置。
【請求項4】 前記品質情報は、糖度、硬度、酸味度、水分量及びデンプン量の複数の品質項目情報を含むものである請求項2又は3記載の青果物の栽培管理装置。
【請求項5】 青果物へ灌水する灌水手段(W)と、その灌水手段(W)にて灌水する灌水状態と灌水を停止する停止状態とに切り換える切り換え手段(V)と、前記計測手段(M)により計測された品質情報と灌水判定用の設定品質情報とに基づいて、灌水すべきか否かを判定するとともに、その判定結果に基づいて前記切り換え手段(V)の作動を制御する灌水制御手段(K1),(K2)が設けられている請求項1、2又は3記載の青果物の栽培管理装置。
【請求項6】 前記品質情報が、糖度及び水分量の品質項目情報を含むものである請求項5記載の青果物の栽培管理装置。
【請求項7】 前記計測手段(M)が、光源(1)からの測定用光線を青果物に照射する照射部(3)と、青果物からの透過光又は反射光を受光する受光部(4)と、その受光部(4)が受光した透過光又は反射光の分光スペクトルを得て、得られた分光スペクトルに基づいて青果物の品質情報を求める分光分析部(6)が設けられた分光分析装置(A)にて構成され、前記照射部(3)と前記光源(1)とは、照射用光ファイバ(22)にて接続され、前記受光部(4)と前記分光分析部(6)とは、受光用光ファイバ(51)にて接続され、前記照射部(3)及び前記受光部(4)を支持する支持手段(7)が、手指にて保持されて持ち運び可能な状態に構成されている請求項1、2、3、4、5又は6記載の青果物の栽培管理装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、青果物の栽培管理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】青果物の栽培管理としては、例えば、青果物の品質が収穫可能な状態か否かを判定する収穫可否の判定がある。従来は、青果物の収穫可否の判定においては、作業者が、青果物の色や形状を視認して、経験的に収穫可否を判定していた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来のように、作業者が、青果物の色が青いとか赤い、あるいは、形状が大きいとか小さいというような感覚的な品質情報に基づいて、経験的に青果物の収穫可否を判定するものでは、青果物の品質が収穫可能な状態か否かを的確に判定することができなかった。
【0004】本発明は、かかる実情に鑑みてなされたものであり、その目的は、青果物の品質が収穫可能な状態か否かを的確に判定することができる青果物の栽培管理装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明による青果物の栽培管理装置の第1の特徴構成は、栽培中の青果物の品質情報を計測可能な計測手段と、その計測手段により計測された品質情報と設定品質情報とに基づいて、青果物の品質情報が収穫可能な状態か否かを判定する収穫判定手段と、その収穫判定手段の判定結果を出力する出力手段が設けられている点にある。
【0006】第2の特徴構成は、前記品質情報が、複数の品質項目情報を含み、前記設定品質情報が、前記複数の品質項目情報に対応する複数の設定品質項目情報を含み、前記収穫判定手段にて判定する品質項目情報を、前記複数の品質項目情報から、一つ又は複数を選択する判定項目選択手段が設けられている点にある。
【0007】第3の特徴構成は、前記判定項目選択手段にて選択した品質項目情報に対応する設定品質項目情報の値を変更する判定値変更手段が設けられている点にある。
【0008】第4の特徴構成は、前記品質情報は、糖度、硬度、酸味度、水分量及びデンプン量の複数の品質項目情報を含むものである点にある。
【0009】第5の特徴構成は、青果物へ灌水する灌水手段と、その灌水手段にて灌水する灌水状態と灌水を停止する停止状態とに切り換える切り換え手段と、前記計測手段により計測された品質情報と灌水判定用の設定品質情報とに基づいて、灌水すべきか否かを判定するとともに、その判定結果に基づいて前記切り換え手段の作動を制御する灌水制御手段が設けられている点にある。
【0010】第6の特徴構成は、前記品質情報が、糖度及び水分量の品質項目情報を含むものである点にある。
【0011】第7の特徴構成は、前記計測手段が、光源からの測定用光線を青果物に照射する照射部と、青果物からの透過光又は反射光を受光する受光部と、その受光部が受光した透過光又は反射光の分光スペクトルを得て、得られた分光スペクトルに基づいて青果物の品質情報を求める分光分析部が設けられた分光分析装置にて構成され、前記照射部と前記光源とは、照射用光ファイバにて接続され、前記受光部と前記分光分析部とは、受光用光ファイバにて接続され、前記照射部及び前記受光部を支持する支持手段が、手指にて保持されて持ち運び可能な状態に構成されている点にある。
【0012】
【作用】第1の特徴構成によれば、計測手段により、栽培中の青果物の品質情報が計測され、収穫判定手段により、計測手段が計測した青果物の品質情報と設定品質情報とに基づいて、青果物の品質情報が収穫可能な状態か否かが判定され、その判定結果が出力手段に出力される。設定品質情報として、例えば、収穫時点で食べ頃である状態に対応する品質情報、あるいは、収穫してから店頭に並ぶまでの流通に要する時間を考慮して、収穫後流通に要する時間経過後に食べ頃となる状態に対応する品質情報を適宜設定する。
【0013】第2の特徴構成による作用は、以下の通りである。青果物の品質情報には、糖度、硬度、酸味度、水分量、デンプン量、着色度、ビタミン量、食物繊維量等、複数の品質項目情報が含まれる。一方、リンゴ、ミカン、トマト等の青果物の品種により、収穫可否を判定するのに適切な品質項目情報が異なる。本第2の特徴構成によれば、判定項目選択手段により、複数の品質項目情報の中から、収穫可否を判定する青果物の品種に適した品質項目情報を一つ又は複数選択することができる。
【0014】第3の特徴構成によれば、判定値変更手段により、収穫可能な状態か否かを判定する品質項目情報に対応する設定品質情報の値を変更することができる。例えば、青果物の食べ頃時期を何時に設定するかによって、例えば、食べ頃時期を収穫時点に設定するか、あるいは、収穫後流通に要する時間が経過した時点に設定するかによって、収穫可能な状態か否かを判定する品質項目情報の値が異なるが、設定品質情報の値を想定する食べ頃時期に応じて変更することができる。又、青果物の品質の等級によって、例えば、品質が優れた1級、あるいは、1級より品質が劣る2級等によって、収穫可能な状態か否かを判定する品質項目情報の値が異なるが、設定品質情報の値を等級に応じて変更することができる。
【0015】第4の特徴構成による作用は、以下の通りである。青果物の品質情報には複数の品質項目情報が含まれるが、それら複数の品質項目情報のうち、糖度、硬度、酸味度、水分量及びデンプン量は、青果物の品種にかかわらず、青果物の品質を的確に評価するために有効な品質項目情報である。そこで、本第4の特徴構成によれば、糖度、硬度、酸味度、水分量及びデンプン量に基づいて、収穫可能な状態か否かを判定するようにしてある。
【0016】第5の特徴構成によれば、灌水制御手段により、計測手段が計測した青果物の品質情報と灌水判定用の設定品質情報とに基づいて、灌水すべきか否かが判定される。そして、灌水制御手段により、灌水すべきであると判定されると、切り換え手段が灌水状態に切り換えられて、灌水手段によって灌水される。又、灌水制御手段により、灌水すべきでないと判定されると、切り換え手段が停止状態に切り換えられて、灌水が停止される。
【0017】第6の特徴構成による作用は、以下の通りである。青果物の品質情報には複数の品質項目情報が含まれるが、それら複数の品質項目情報のうち、糖度及び水分量は、青果物の品種にかかわらず、青果物が灌水すべき状態であるか否かをの品質を的確に評価することができる品質項目情報である。そこで、本第6の特徴構成では、糖度及び水分量に基づいて、灌水すべきか否かを判定するようにしてある。
【0018】第7の特徴構成によれば、品質情報の計測対象の青果物に測定用光線を照射すると、照射された光線は、青果物の品質項目毎に特有の波長域において、品質項目情報に応じて吸収されるので、青果物からの透過光又は反射光の分光スペクトルを得ると、その分光スペクトルに基づいて、複数の品質項目情報を被破壊で計測することができる。又、照射部及び受光部を支持する支持手段は、分光分析部に対して、照射用光ファイバ及び受光用光ファイバにて接続され、又、手指にて保持されて持ち運び可能に構成されているので、青果物の品質情報を計測する際には、支持手段を手指にて保持して、簡単な操作で楽に任意の箇所に位置させることができる。
【0019】
【発明の効果】第1の特徴構成によれば、青果物の定量的な品質情報に基づいて、青果物の収穫可否が判定されるので、青果物の品質が収穫可能な状態か否かを的確に判定することができる青果物の栽培管理装置を提供することができるようになった。
【0020】第2の特徴構成によれば、青果物の品種にかかわらず、青果物の品質が収穫可能な状態か否かを的確に判定することができる青果物の栽培管理装置を提供することができるようになった。
【0021】第3の特徴構成によれば、青果物の食べ頃時期、あるいは、青果物の等級を考慮した状態で、青果物の品質が収穫可能な状態か否かを的確に判定することができる青果物の栽培管理装置を提供することができるようになった。
【0022】第4の特徴構成によれば、極力少ない品質項目情報に基づいて、種々の品種の青果物の収穫可否を判定できるので、上記第1、第2又は第3の特徴構成によりえられる効果に加えて、種々の品種の青果物の収穫可否を簡単な操作でしかも迅速に行うことができるという効果が得られる。
【0023】第5の特徴構成によれば、青果物の定量的な品質情報に基づいて、青果物に灌水すべきか否かが判定されるので、上記第1、第2、第3又は第4の特徴構成により得られる効果に加えて、青果物の品質が灌水すべき状態か否かを的確に判定することができるという効果が得られる。
【0024】第6の特徴構成によれば、上記第5の特徴構成により得られる効果に加えて、青果物に灌水すべきか否かの判定を簡単な操作でしかも迅速に行うことができるという効果が得られる。
【0025】第7の特徴構成によれば、上記第1、第2、第3、第4、第5又は第6の特徴構成により得られる効果に加えて、栽培中の青果物の品質情報を簡単な操作にて計測することができるという効果が得られる。
【0026】
【実施例】以下、図面に基づいて、本発明の実施例を説明する。図1に示すように、青果物の栽培管理装置は、栽培中の青果物の品質情報を計測可能な計測手段Mとしての分光分析装置Aと、青果物の品質情報が収穫可能な状態か否か、及び、青果物に灌水すべきか否かを判定するとともに、栽培管理装置の種々の制御を司る主制御部Cと、主制御部Cの判定結果を出力する出力手段としての出力部Oと、青果物の品種、主制御部Cの判定条件の設定等を行うキーボード91と、キーボード91にて設定した判定条件等を表示する表示装置92と、青果物へ灌水する灌水手段Wと、灌水手段Wにて灌水する状態と灌水を停止する状態とに切り換える切り換え手段Vと、切り換え手段Vの作動を制御する灌水制御装置K1を、主な構成要素として構成してある。
【0027】灌水手段Wは、青果物の栽培区画毎、あるいは、果物の樹木毎に設けてあり、給水ポンプ(図示せず)等の給水源に接続した給水管93と、給水管93の先端に接続したスプリンクラ94から構成してある。切り換え手段Vは、給水管93に介装した開閉弁95にて構成してある。灌水制御装置K1は、複数の開閉弁95を各別に開閉制御するように構成してある。
【0028】分光分析装置Aは、詳細は後述するが、青果物Sに測定用光線を照射する照射部3及び青果物Sからの透過光を受光する受光部4を支持する支持手段としての検出部7と、受光部4が受光した透過光の分光スペクトルを得て、得られた分光スペクトルに基づいて青果物Sの品質情報を求める分光分析部6、及び、光源1等を収納した本体部Hから構成してある。検出部7は、手指にて保持して持ち運び可能な状態に構成してあり、検出部7と本体部Hとは、照射用光ファイバ22、及び、受光用光ファイバ51にて接続してある。出力部Oは、青色光を発光する青色ランプ96bと赤色光を発光する赤色ランプ96rとから構成してあり、検出部7に取り付けてある。主制御部C、キーボード91、表示装置92、及び、分光分析装置Aの本体部Hは、移動自在な台車97に載置してある。又、灌水制御装置K1は管理室(図示せず)等に固定的に設置してある。そして、詳細は後述するが、作業者が、台車97を任意の計測場所に移動させ、手指で支持した検出部7を青果物Sにセットすることにより、収穫可能か否か、又は、灌水すべきか否かを判定することができるように構成してある。
【0029】次に、分光分析装置Aについて、説明を加える。図4に示すように、光源1と、その光源1からの測定用光線束を成形する第一光学系2と、第1光学系2からの測定用光線束を青果物Sに照射する照射部3と、青果物Sを透過した透過光を受光する受光部4と、受光部4が受光した透過光を導く第二光学系5と、分光分析部6と、照射部3及び受光部4を手指にて保持して持ち運び可能な状態で、且つ、保持する手指で照射部3及び受光部4の間隔の変更が可能な状態で支持する検出部7と、照射部3と受光部4との間隔を測定する間隔測定手段8を主な構成要素として構成してある。本体部Hは、ケーシング内に、光源1及び分光分析部6を収納して構成してある。
【0030】光源1は、赤外線光を放射するタングステン−ハロゲンランプにて構成してある。第一光学系2は、光源1からの測定用光源束を平行光線束に成形するレンズ21と、平行光線束を照射部3に導く照射用光ファイバ22により構成してある。第二光学系5は、受光部4が受光した透過光を分光分析部6に導く受光用光ファイバ51により構成してある。つまり、光源1と照射部3とは、照射用光ファイバ22にて接続し、受光部4と分光分析部6とは、受光用光ファイバ51にて接続してある。
【0031】次に、図4ないし図6に基づいて、検出部7について説明する。検出部7は、親指用の親指挿入部71a及び他の4本の指用の他の挿入部71bを備えた手袋状体71と、その手袋状体71の親指挿入部71aに一方のアーム部72aを挿入し且つ他の挿入部71bに他方のアーム部72bを挿入する状態で、手袋状体71内に設けたU字状弾性体72とにより構成してある。アーム部72aは、親指挿入部71aの内面における他の挿入部71b側の部分に固着し、アーム部72bは他の挿入部71bの内面における親指挿入部71a側の部分に固着してある。尚、手袋状体71は、布やシート材にて可撓性を有する状態に製作してある。U字状弾性体72は、金属にて、元の形状に復帰する弾性付勢力を有する状態に製作してある。つまり、親指を手袋状体71の親指挿入部71aに挿入し、他の4本の指を他の挿入部71bに挿入した状態で、挿入した親指と他の4本の指にて、U字状弾性体72の付勢力に抗して親指挿入部71aと他の挿入部71bとを互いに近づけたり遠ざけたりすることにより、親指挿入部71aと他の挿入部71bとの間隔が変更自在なように構成してある。尚、図5において、U字状弾性体72の元の形状を一点鎖線で示す。
【0032】次に、図4ないし図6に基づいて、照射部3及び受光部4について説明を加える。照射部3は、照射用光ファイバ22を内嵌保持するファイバ保持部31と、青果物Sに密着して外部からの光を遮光する椀形状のゴム製パッド32と、照射部3が青果物Sに接触したことを検出するリミットスイッチ33により構成してある。ファイバ保持部31は、照射用光ファイバ22の端面を手袋状体71の外部に貫通させた状態で、U字状弾性体72のアーム部72bの先端部及び手袋状体71に形成した孔に挿通し、アーム部72bに固定してある。ゴム製パッド32は、ファイバ保持部31における手袋状体71外部への貫通部分に外嵌固定してある。同様に、受光部4も、受光用光ファイバ51を内嵌保持するファイバ保持部41と、青果物Sに密着して外部からの光を遮光する椀形状のゴム製パッド42と、受光部4が青果物Sに接触したことを検出するリミットスイッチ43により構成してある。ファイバ保持部41は、受光用光ファイバ51の端面を手袋状体71の外部に貫通させた状態で、U字状弾性体72のアーム部72aの先端部及び手袋状体71に形成した孔に挿通し、アーム部72aに固定してある。ゴム製パッド42は、ファイバ保持部41における手袋状体71外部への貫通部分に外嵌固定してある。そして、上述のように、手袋状体71に手を挿入して、親指挿入部71aと他の挿入部71bとの間隔を変更することにより、照射部3と受光部4との間隔を変更するのである。
【0033】次に、図4に基づいて、分光分析部6について説明を加える。分光分析部6は、受光用光ファイバ51により導かれた透過光を反射する反射鏡61と、反射鏡61により反射された透過光を分光反射する凹面回折格子62と、凹面回折格子62により分光反射された各波長毎の光線束強度を検出するアレイ型受光素子63と、アレイ型受光素子63からの出力信号を処理する信号処理部64を備えている。アレイ型受光素子63は、凹面回折格子62にて分光反射された透過光を、同時に波長毎に受光するとともに波長毎の信号に変換して出力する。又、アレイ型受光素子63は、波長が0.7〜2.5μmの範囲の近赤外線光を検出するように構成してある。反射鏡61、凹面回折格子62及びアレイ型受光素子63は、外部からの光を遮光するアルミニウム製の暗箱65内に配置してあり、受光用光ファイバ51により導かれた透過光は、暗箱65に形成した入射孔66を通じて暗箱65内に導くように構成してある。図中のPは、光源1からアレイ型受光素子63に至る光路を示している。
【0034】次に、間隔測定手段8について、説明を加える。間隔測定手段8は、U字状弾性体72の角部の内方側に夫々設けた一対の歪みセンサ81と、それら一対の歪みセンサ81夫々の検出情報に基づいて、照射部3と受光部との間隔を演算する間隔演算手段82により構成してある。歪みセンサ81は、U字状弾性体72のアーム部72aと基部72cとにわたらせた状態で、及び、アーム部72bと基部72cとにわたらせた状態で夫々設けてある。歪みセンサ81夫々は、アーム部72a及びアーム部72bが互いに近づいたり遠ざかったりすることに伴って、換言すれば、照射部3と受光部4との間隔の変化に応じて変形し、その変形の程度に応じて抵抗値が変化するようになっている。そして、間隔演算手段82により、歪みセンサ81夫々の抵抗値の変化に基づいて、照射部3と受光部4との間隔を演算するように構成してある。
【0035】次に、信号処理部64について説明を加える。信号処理部64はマイクロコンピュータを利用して構成してあり、間隔演算手段82は信号処理部64を利用して構成してある。信号処理部64は、基本的には、アレイ型受光素子63からの出力信号を処理して、吸光度スペクトル、及び、吸光度スペクトルの波長領域での二次微分値を得るとともに、その二次微分値に基づいて青果物Sに含まれる品質情報を算出する。尚、品質情報には、糖度、硬度、酸味度、水分量、デンプン量、着色度、ビタミン量、食物繊維量等、複数の品質項目情報が含まれ、信号処理部64は各品質項目情報を算出するように構成してある。
【0036】吸光度は、光源の照射光量(基準光量)をI、透過光の光量をTとすると、Log(I/T)
で定義される。ところで、吸光度と光路長Lとの間には、以下のような関係がある。
Log(I/T)=εcL但し、ε;青果物Sの品種により定められる係数c;青果物Sの密度即ち、吸光度は光路長Lに比例する。
【0037】光路長Lが一定の場合は、下記の式(以下、検量式と称する)による重回帰分析に基づいて、青果物Sの品質項目情報を算出することができる。
Y=K0 +K1 ×A(λ1 )+K2 ×A(λ2 )+K3 ×A(λ3 )……但し、 Y ;品質項目情報 K0 ,K1 ,K2 ,K3 …… ;係数 A(λ1 ),A(λ2 ),A(λ3 )……;特定波長λにおける吸光度スペクトルの二次微分値【0038】本発明においては、青果物Sの大きさに合わせて照射部3と受光部4との間隔(即ち、光路長L)を変更するので、信号処理部64は、吸光度スペクトルの波長領域での二次微分値を間隔測定手段8にて測定した光路長Lに基づいて補正することにより、光路長Lに基づいて補正した品質項目情報(以下、光路長補正後の品質項目情報と略記する)を算出するように構成してある。つまり、下記の光路長補正式に基づいて、光路長補正後の品質項目情報Y(L)を算出する。
Y(L)=(L0 /L)×{α0 × K0 +α1 ×K1 ×A(λ1 )+α2 ×K2 ×A(λ2 )+α3 ×K3 ×A(λ3 )……}
但し、L0 ;基準光路長α0 ,α1 ,α2 ,α3 ……;光路長補正係数【0039】信号処理部64には、青果物Sの品種夫々について、品質項目毎に、特定の光路長補正式を設定してある。つまり、上記光路長補正式において、青果物の品種夫々について、品質項目毎に特定の係数K0 ,K1 ,K2 ,K3 ……、波長λ1,λ2 ,λ3 ……、及び、光路長補正係数α0 ,α1 ,α2 ,α3 ……を設定してある。そして、信号処理部64は、キーボード91にて設定された青果物の品種に応じて、品質項目毎に設定された光路長補正式を用いて、光路長補正後の品質項目情報を算出する。
【0040】次に、主制御部Cの制御構成について説明する。図2に示すように、主制御部Cに、分光分析装置A、青色ランプ96b、赤色ランプ96r、キーボード91、表示装置92及び灌水制御装置K1夫々を接続してある。青色ランプ96b及び赤色ランプ96rに接続したリード線98は、図4に示すように、照射用光ファイバ22及び受光用光ファイバ51に束ねた状態で、主制御部Cにまで導いて主制御部Cに接続してある。尚、台車97を果樹園等に移動させて、青果物の品質情報を計測するときは、主制御部Cと灌水制御装置K1とを非接続状態とし、品質情報の計測が終了すると、台車97を灌水制御装置K1の設置箇所に移動させて、主制御部Cと灌水制御装置K1とを接続状態とする。主制御部Cの制御モードには、収穫判定モードと灌水判定モードの二つのモードがあり、先ず、収穫判定モードについて説明する。起動スイッチ(図示せず)により装置が起動されると、主制御部Cは、表示装置92に判定対象の青果物の品種を設定する品種設定画面(図示せず)を表示させる。作業者は、前記品種設定画面に基づいて、キーボード91により品種を設定する。尚、下記の説明では、青果物の品種としてリンゴが設定された場合を例にして説明する。
【0041】前記品種設定画面で品種が設定されると、主制御部Cは、引き続いて、表示装置92に、各種判定品質項目を選択するための、図3の(イ)に示す如き、判定項目選択画面を表示させる。作業者は、前記判定項目選択画面に基づいて、キーボード91により、収穫判定モード及び灌水判定モードのうちのいずれかのモードの選択、及び、品質項目情報の選択を行う。図3の(イ)は、収穫判定モードが選択され、品質項目情報として、リンゴの収穫可否を判定するのに適切な品質項目情報、例えば、糖度、硬度、酸味度、水分量、デンプン量が選択された状態を示す。
【0042】前記判定項目選択画面で判定品質項目が選択されると、主制御部Cは、引き続いて、表示装置92に、判定条件を設定するための、図3の(ロ)に示す如き、判定条件設定画面を表示させる。作業者は、前記判定条件設定画面に基づいて、キーボード91により、前記判定項目選択画面で選択した品質項目情報の目標値、即ち、前記判定項目選択画面で選択した品質項目情報に対応する設定品質項目情報の値を設定する。図3の(ロ)は、リンゴの収穫可否を判定するのに適切な設定品質項目情報の値、例えば、糖度が14度以上、硬度が4Kg以上、酸味度(クエン酸の含有率で表す)が0.2〜0.3%、水分量(水分含有率で表す)が85%以上、デンプン量(デンプン含有率で表す)が2%以上に設定された状態を示す。
【0043】前記判定条件設定画面で判定条件が設定されると、主制御部Cは、引き続いて、分光分析装置Aの信号処理部64に対して、前記品種設定画面で設定された品種、及び、前記判定項目選択画面で選択された品質項目を送信する。
【0044】作業者が手袋状体71に手を挿入し、照射部3と受光部4とにより青果物Sを挟んだ状態で照射部3及び受光部4夫々を青果物Sに接触させるまで、挿入した親指と他の4本の指により、親指挿入部71aと他の挿入部71bとの間隔を変更する。照射部3及び受光部4が青果物Sに接触して、リミットスイッチ33,43の両方からON信号が出力されると、それが、信号処理部64に対する光路長演算開始指令、及び、成分量定量開始指令となる。そして、信号処理部64は、リミットスイッチ33,43の両方からON信号が出力されると、その時点での歪みセンサ81夫々の抵抗値の変化に基づいて、光路長Lを演算するとともに、主制御部Cから送られてきた品種における各品質項目情報を、品質項目毎に設定された光路長補正式を用いて算出する。そして、主制御部Cは、信号処理部64にて算出された品質項目情報と、前記判定条件設定画面で設定された設定品質項目情報と比較して、全ての算出された品質項目情報が設定品質項目情報を満足する場合は、収穫可能と判定して、青色ランプ96bを点灯させる。逆に、算出された品質項目情報が設定品質項目情報を満足しない場合は、収穫不可と判定して、赤色ランプ96rを点灯させる。従って、作業者は、青色ランプ96bは点灯した青果物Sを収穫すればよい。
【0045】尚、リンゴの糖度、硬度、酸味度、水分量、及びデンプン量を算出するための、上記光路長補正式における特定波長λは、例えば、以下のように設定する。糖度を算出する際の、上記光路長補正式における特定波長λは、765,830,905,890nmに設定する。硬度を算出する際の、上記光路長補正式における特定波長λは、680,760,820nmに設定する。酸味度を算出する際の、上記光路長補正式における特定波長λは、790,855,890nmに設定する。水分量を算出する際の、上記光路長補正式における特定波長λは、970nmに設定する。デンプン量を算出する際の、上記光路長補正式における特定波長λは、891,918,978nmに設定する。
【0046】次に、灌水判定モードについて説明する。収穫判定モードと同様に、前記起動スイッチにより装置が起動されると、主制御部Cは、表示装置92に、判定対象の青果物の品種を設定する品種設定画面(図示せず)を表示させる。作業者は、前記品種設定画面に基づいて、キーボード91により品種を設定する。
【0047】前記品種設定画面で品種が設定されると、主制御部Cは、引き続いて、表示装置92に、各種判定品質項目を選択するための、図3の(イ)に示す如き、判定項目選択画面を表示させる。作業者は、前記判定項目選択画面に基づいて、キーボード91により、灌水判定モードを選択するとともに、前記品種設定画面で設定した品種について灌水すべきか否かを判定するのに適切な品質項目情報を選択する。リンゴの場合は、例えば、糖度及び水分量を選択する。
【0048】前記判定項目選択画面で判定項目が選択されると、主制御部Cは、引き続いて、表示装置92に、判定条件を設定するための判定条件設定画面を表示させる。作業者は、前記判定条件設定画面に基づいて、キーボード91により、前記品種設定画面で設定した品種について灌水すべきか否かを判定するのに適切な設定品質項目情報の値(灌水判定用の設定品質情報に相当する)を設定する。リンゴの場合は、例えば、糖度が7度以下、水分量が95%以上に設定する。
【0049】前記判定条件設定画面で判定条件が設定されると、主制御部Cは、引き続いて、分光分析装置Aの信号処理部64に対して、前記品種設定画面で設定された品種、及び、前記判定項目選択画面で選択された品質項目を送信する。又、表示装置92に、青果物の栽培区画、あるいは、果物の樹木の識別番号を設定するための識別番号設定画面(図示せず)を表示させる。作業者は、キーボード91により、識別番号を設定する。続いて、作業者は、上述の収穫判定モードと同様に、手袋状体71に手を挿入し、照射部3と受光部4とにより青果物Sを挟んだ状態で照射部3及び受光部4夫々を青果物Sに接触させるまで、挿入した親指と他の4本の指により、親指挿入部71aと他の挿入部71bとの間隔を変更する。信号処理部64は、リミットスイッチ33,43の両方からON信号が出力されると、その時点での歪みセンサ81夫々の抵抗値の変化に基づいて、光路長Lを演算するとともに、主制御部Cから送られてきた品種における各品質項目情報を、品質項目毎に設定された光路長補正式を用いて算出する。作業者は、同じ識別番号の栽培区画、あるいは、樹木において、複数の異なる青果物に対して、上述の作業を繰り返す。そして、キーボード91により、終了指令を与えると、主制御部Cは、信号処理部64が算出した複数の青果物の品質項目情報の平均値を算出する。又、主制御部Cは、前記平均値と前記判定条件設定画面で設定された設定品質項目情報と比較して、全ての前記平均値が設定品質項目情報を満足する場合は、灌水すべきでないと判定し、逆に、前記平均値が設定品質項目情報を満足しない場合は、灌水すべきであると判定して、その判定結果を識別番号に対応させて、記憶手段Cmに記憶する。作業者は、上述の前記識別番号設定画面による識別番号設定以降の作業を、複数の異なる栽培区画、あるいは、樹木について行うと、記憶手段Cmには、識別番号に対応させて判定結果が記憶される。
【0050】そして、主制御部Cと灌水制御装置K1とを接続すると、灌水制御装置K1は、記憶手段Cmの記憶情報に基づいて、灌水すべきであると判定した識別番号に対応する開閉弁95を開成し、灌水すべきでないと判定した識別番号に対応する開閉弁95を閉成する。従って、青果物の栽培区画、あるいは、果物の樹木毎に灌水すべきか否かを判定できる。
【0051】従って、主制御部Cを利用して、青果物の品質情報が収穫可能な状態か否かを判定する収穫判定手段Jを構成し、又、主制御部Cを利用して、灌水すべきか否かを判定する灌水判定部K2を構成してある。又、灌水制御手段を、灌水制御装置K1と灌水判定部K2とにより構成してある。又、判定項目選択手段Dを、キーボード91と表示装置92とにより構成してある。又、判定値変更手段Eを、キーボード91と表示装置92とにより構成してある。
【0052】〔別実施例〕次に別実施例を説明する。
■ 前記判定項目選択画面にて選択する品質項目情報は、適宜変更可能である。例えば、青果物の品種に応じて適宜変更可能である。又、青果物の品種が同じであっても、選択する品質項目情報の数を増減することができる。
■ 前記判定条件設定画面で設定する設定品質項目情報の値は、適宜変更可能である。例えば、設定品質情報の値を想定する食べ頃時期に応じて変更したり、あるいは、設定品質情報の値を青果物の品質の等級に応じて変更することができる。
■ リンゴの品質項目情報を算出するための上記光路長補正式における特定波長λは、上記実施例において例示した他にも種々変更可能である。
■ 出力手段Oの具体構成として、上記実施例では、青色ランプ96b及び赤色ランプ96rにて構成する場合について例示したが、この他にも種々のものが適用可能であり、例えば、ブザーを適用することができる。
■ 出力手段Oの設置場所は、上記実施例で例示した分光分析装置Aの検出部7に限定されるものではない。但し、出力手段Oを、上記実施例にように、青色ランプ96b及び赤色ランプ96r等で構成して、視認することにより判定結果を確認するように構成する場合は、品質情報を計測しながら判定結果を視認できる位置に出力手段Oを設けるのが好ましい。
■ 判定項目選択手段Dの具体構成は、上記実施例では、キーボード91及び表示装置92にて構成する場合について例示したが、この他にも種々変更可能であり、例えば、品質項目情報夫々に対してスイッチを設け、スイッチのオン/オフ操作により、品質項目情報を選択するように構成してもよい。
■ 分光分析装置Aは、上記実施例において示した構成のものに限定されるものではない。例えば、照射部3と受光部4とを、受光部4が青果物Sからの拡散反射光を受光するような配置関係で配置して構成してもよい。この場合、照射部3及び受光部4を支持する支持手段は、上記実施例のように、照射部3と受光部4との間隔の変更が可能なように構成する必要はなく、照射部3と受光部4との間隔が一定になるように構成すればよい。従って、上記実施例において設けた間隔測定手段8を省略することができる。又、信号処理部64は、上記検量式に基づいて、青果物Sの品質項目情報を算出するように構成すればよい。
■ 上記実施例では、収穫判定モードと灌水判定モードの二つのモードを設けたが、更に、青果物に肥料を施すべきか否かを判定する施肥判定モードを設けてもよい。この場合は、主制御部Cに、分光分析装置Aにより計測された品質情報と施肥判定用の設定品質情報とに基づいて肥料を施すべきか否かを判定する機能を追加する。
■ 計測手段Mの具体構成として、上記実施例では、分光分析装置Aを適用する場合について例示したが、この他にも、例えば、青果物の色を非破壊で計測する色の計測装置や、青果物の硬度を非破壊で計測する硬度計測装置を適用することができる。
【0053】尚、特許請求の範囲の項に図面との対照を便利にするために符号を記すが、該記入により本発明は添付図面の構成に限定されるものではない。




 

 


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