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発明の名称 ワイヤハーネスのスプライス方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−222323
公開日 平成7年(1995)8月18日
出願番号 特願平6−7927
出願日 平成6年(1994)1月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】青山 葆 (外1名)
発明者 伊藤 武治
要約 目的
電線の芯線同士のスプライス箇所又は電線の芯線とアース端子のスプライス箇所を簡易に防水処理できるワイヤハーネスのスプライス方法を提供すること。

構成
絶縁被覆(11b〜13b)を皮剥ぎして芯線(11a〜13a)を露出させた各電線(11〜13)の内、防水を必要とする電線(12)の芯線と絶縁被覆とにまたがって防水被覆材(15)をコーティングする。その後、各電線の芯線同士をコーティング層(15a)を介して接触させた状態で、接触部(A)に超音波を加え、コーティング層を削除して芯線同士を溶接接合する。
特許請求の範囲
【請求項1】 互いに接続する電線の絶縁被覆を皮剥ぎして芯線を露出させた後、防水を必要とする電線の芯線と絶縁被覆とにまたがって防水被覆液材をコーティングし、各電線の芯線同士をコーティング層を介して接触させて超音波を加え、該接触部のコーティング層を削除して芯線同士を溶接接合することを特徴とするワイヤハーネスのスプライス方法。
【請求項2】 アース端子に接続する電線の絶縁被覆を皮剥ぎして芯線を露出させた後、該電線の芯線と絶縁被覆とにまたがって防水被覆液材をコーティングし、該電線の芯線をコーティング層を介してアース端子に接触させて超音波を加え、該接触部のコーティング層を削除して芯線をアース端子に溶接接合することを特徴とするワイヤハーネスのスプライス方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ワイヤハーネスのスプライス方法に関し、詳しくは、電線の芯線同士のスプライス箇所、又は電線の芯線とアース端子のスプライス箇所を簡易に防水処理できるワイヤハーネスのスプライス方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車用ワイヤハーネスW/Hでは、図7に示すように、互いに接続する電線1〜4の絶縁被覆を皮剥ぎして芯線1a〜4aを露出させ、この露出した芯線1a〜4a同士をスプライス端子5,5で圧着して接合する場合がある。該各スプライス(接合部)S1,S2は、絶縁と防水のために、合成樹脂でモールドする必要がある。
【0003】このため、図8に示すように、ワイヤハーネスW/HのスプライスS1又はS2をモールド型6内にセットして、注入ノズル7から熱可塑性合成樹脂8をモールド型6内に注入し、冷却固化した後に、図9に示すように、モールド型6から取り出すようにしている。(特開昭64−63073号参照)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記モールド方法では、ワイヤハーネスW/Hの電線1〜4のサイズや分岐形状毎に専用のモールド型6が必要となるので、設備コストが高いうえ、モールドの作業効率も悪い。また、ゴム材でスプライスS1,S2を巻き込むブチルパッド方法は、スプライスS1,S2が肥大化し重量も増加する。(特公昭59−35510号参照)さらにスプライス箇所に熱収縮性チューブを通して収縮させるチューブ方法は、電線1にチューブを通す作業が困難で実用性に欠ける。
【0005】上記各方法は、スプライス箇所の全体を絶縁・防水材で被覆することで共通するが、ワイヤハーネスW/Hを実際に自動車に組み付けた場合、上記のような完全防水処理までも必要とせず、簡易防水処理でも十分に実用可能なスプライス箇所が多数あることから、過剰な防水処理になっている。例えば、図10に示すように、防水を必要とするのが電線2のみであっても、該電線2のみを防水処理することができず、スプライスS1の全体を合成樹脂8でモールドして防水処理することになる。
【0006】一方、図11に示すように、ワイヤハーネスW/Hにおけるアース端子9は、電線10の絶縁被覆を皮剥ぎして露出させた芯線10aを、圧着部9aでかしめて圧着し、該アース端子9を自動車のボディ等にボルトで固定している。
【0007】しかし、上記圧着方法では、電線10の一端の芯線10aが露出しているから、電線10の他端がエンジンルーム内の防水コネクタに接続されているような場合、エンジンルーム内はエンジンの作動中には温度が上昇し、エンジンルームの停止時には温度が下降する。防水コネクタ内の空気は、温度の上昇時に膨張して、コネクタ内の他端から電線10の絶縁被覆と各芯線との間の隙間、及び各芯線の隙間を通って、一端の芯線10aから外部に排出されるため、温度の下降時には、コネクタ内に負圧が発生して、雨水等が一端から電線10の絶縁被覆と各芯線との間の隙間、及び各芯線の隙間を通って、他端からコネクタ内に吸水されることがある。この吸水により、コネクタ内の接続部がリークして誤作動を生じたり水分による腐食の原因となる。
【0008】このため、電線10の芯線10aをハンダ付け(ドブハンダ)することもあるが、270℃前後のハンダ浴にアース端子9とともに芯線10aを浸漬する必要があるから、浸漬時に電線10の絶縁被覆が溶けるという不具合がある。また、導電性塗料、導電性ゴム、導電性ホットメルト等により、アース端子9の圧着部9aを防水する方法もあるが、この方法では、アース端子9にも導電性材料が付着し、ボディ等への接触部分の抵抗が大きくなって発熱する危険がある。
【0009】本発明は上記諸問題を解消するためになされたもので、電線の芯線同士のスプライス箇所、又は電線の芯線とアース端子のスプライス箇所を簡易に防水処理できるワイヤハーネスのスプライス方法を提供することを目的とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために、本発明の請求項1は、互いに接続する電線の絶縁被覆を皮剥ぎして芯線を露出させた後、防水を必要とする電線の芯線と絶縁被覆とにまたがって防水被覆液材をコーティングして、各電線の芯線同士をコーティング層を介して接触させて超音波を加え、該接触部のコーティング層を削除して芯線同士を溶接接合することを特徴とするワイヤハーネスのスプライス方法を提供するものである。
【0011】また、請求項2は、アース端子に接続する電線の絶縁被覆を皮剥ぎして芯線を露出させた後、該電線の芯線と絶縁被覆とにまたがって防水被覆液材をコーティングして、該電線の芯線をコーティング層を介してアース端子に接触させて超音波を加え、該接触部のコーティング層を削除して芯線をアース端子に溶接接合することを特徴とするワイヤハーネスのスプライス方法を提供するものである。
【0012】
【作用】本発明の請求項1によれば、絶縁被覆を皮剥ぎして芯線を露出させた各電線の内、防水を必要とする電線の芯線と絶縁被覆とにまたがって、浸漬等により防水被覆材をコーティングする。その後、各電線の芯線同士をコーティング層を介して接触させた状態で、超音波を加え、接触部のコーティング層が燃焼破壊されて芯線同士が溶接接合されるようになる。このとき、電線の芯線の根元部と絶縁被覆との間のコーティング層は燃焼破壊されずに残るので、この部分だけがコーティング層により防水処理されることになる。
【0013】これにより、防水を必要とする電線のみを簡易に防水処理できるようになる。また、従来のようなモールド型が不要となるので、設備コストが安いうえ、防水処理の作業性も良好になる。さらに、コーティング層は薄膜であるので、スプライス箇所が肥大せず、重量もほとんど増加しない。
【0014】本発明の請求項2によれば、電線の絶縁被覆を皮剥ぎして露出させた芯線と絶縁被覆とにまたがって、浸漬等により防水被覆材をコーティングする。その後、電線の芯線をコーティング層を介してアース端子に接触させた状態で超音波を加えると、接触部のコーティング層が燃焼破壊されて、芯線がアース端子に溶接接合されるようになる。このとき、電線の芯線の根元部と絶縁被覆との間のコーティング層は燃焼破壊されずに残るので、この部分だけがコーティング層により防水処理されることになる。
【0015】これにより、防水を必要とする電線のみを簡易に防水処理できるようになる。また、従来のような高温のハンダ付けが不要になるので、電線の絶縁被覆が溶けるという不具合がない。さらに、導電性材料がアース端子に付着することがなく、発熱する危険もなくなる。
【0016】
【実施例】以下、本発明を図示の実施例により詳細に説明する。図1及び図2に示す本発明の第1実施例は、電線11〜13の芯線11a〜13a同士のスプライス箇所Sを簡易に防水処理する方法の実施例である。
【0017】図1(A)に示すように、ワイヤハーネスW/Hの3本の各電線11〜13の端末の絶縁被覆11b〜13bを皮剥ぎして芯線11a〜13aをそれぞれ露出させる。その後、防水を必要とする電線を槽14内の防水被覆材料15内に浸透させる。本例では全ての電線11〜13の芯線11a〜13aと絶縁被覆11b〜13bとにまたがって、槽14内の防水被覆液材15の中に浸漬させる。さらに、槽14から引き上げて自然乾燥、又は加熱乾燥させる。これにより、図1(B)に示すように、各電線11〜13の芯線11a〜13aと絶縁被覆11b〜13bとにまたがって、防水被覆液材15のコーティグ層15aでコーティグされることになる。
【0018】上記防水被覆液材15としては、例えばブチルゴムをトルエンに溶かした溶液が適当である。市販品としては、日東電工株式会社製のエレップコート(商品名)がある。その他にも、東洋インキ製造株式会社製のナノクリル(商品名)、セメダイン株式会社製のセメダイン240(商品名)、旭電化工業株式会社製のHUX−240(商品名)を使用することができる。
【0019】そして、図1(C)に示すように、各電線11〜13の芯線11a〜13a同士を各コーティング層15a,…,15aを介して接触させる。この接触状態で、図1(D)に示すように、接触部Aに超音波を加えると、超音波の加振範囲の接触部Aで各コーティング層15a,…,15aが振動によりこすり合わさせて削除されると同時に、各コーティング層15a,…,15aの削除で露出した芯線11a〜13a同士が溶接接合されるようになる。
【0020】このとき、各電線11〜13の芯線11a〜13aの根元部と絶縁被覆11b〜13bとの間の各コーティング層15a,…,15aは削除されずに残るから、この部分だけが各コーティング層15a,…,15aにより防水処理されることになる。なお、各電線11〜13の芯線11a〜13aと絶縁被覆11b〜13bとにまたがって防水被覆液材15の中に浸漬させたとき、各電線11〜13の絶縁被覆11b〜13bと各芯線11a〜13aとの間の隙間、及び各芯線11a〜13aの隙間にも防水被覆液材15が自然に浸透するので、これらの隙間も防水処理されることになる。
【0021】その後、図2に示すように、スプライス箇所Sに絶縁テープ16をテープ巻きして絶縁処理をする。
【0022】上記のようにして簡易防水処理をしたスプライス箇所Sの防水性能を測定した結果、0.5Kgf/平方cmの防水性能が確認できた。また、スプライス箇所Sの電気接続抵抗を示す低電流電圧抵抗も3mΩ以下であることを確認できた。
【0023】上記のように本実施例では、スプライス箇所Sをモールド型にセットし、注入ノズルから熱可塑性合成樹脂をモールド型内に注入し、冷却固化した後にモールド型から取り出すという工程が不要であり、防水処理の作業性も良好になる。さらに、コーティング層15aは薄膜であるので、スプライス箇所Sが肥大せず、重量も増加しない。
【0024】図3は第1実施例の変形例を示している。上記図1及び図2では、全ての電線11〜13の芯線11a〜13aと絶縁被覆11b〜13bとにまたがって、防水被覆液材15のコーティング層15a,…,15aでコーティングしたが、図3では防水を必要とする1本の電線12のみをコーティング層15aでコーティングし、防水を必要としない電線11,13にはコーティング層15aでコーティングしていない。このように、本実施例では、ワイヤハーネスW/Hのスプライス箇所Sの防水を必要とする電線11〜13のみを簡易に防水処理できるため、従来のようなモールド型が不要になり、設備コストが安くなる。
【0025】図4は第1実施例の他の変形例を示している。図4では、電線17の中間部の絶縁被覆17bを皮剥ぎして芯線17aを露出させると共に、電線18の端末の絶縁被覆18bを皮剥ぎして芯線18aを露出させる。そして、防水を必要とする電線18の芯線18aをコーティング層15aでコーティングし、上述と同様にして、芯線17a,18a同士を溶接接合している。
【0026】図5に示す本発明の第2実施例は、電線19の芯線19aとアース端子20のスプライス箇所Sを簡易に防水処理する方法の実施例である。図示のすように、アース端子20に接続する電線19の端末の絶縁被覆19bを皮剥ぎして露出させ、その後、防水を必要とする電線19の芯線19aと絶縁被覆19bとにまたがって、図1(A)に示したのと同様に、防水被覆液材15のコーティグ層15aでコーティグする。
【0027】そして、アース端子20に電線19の芯線19aをコーティング層15aを介して接触させ、この接触状態で、接触部Aに超音波を加えると、超音波の加振範囲の接触部Aのコーティング層15aが削除されると同時に、コーティング層15aを削除することにより露出した芯線19aがアース端子20に溶接接合されるようになる。
【0028】このとき、電線19の芯線19aの根元部と絶縁被覆19bとの間のコーティング層15aは削除されずに残るので、この部分だけがコーティング層15aにより防水処理されることになる。なお、電線19の芯線19aと絶縁被覆19bとにまたがって防水被覆液材15の中に浸漬させたとき、電線19の絶縁被覆19bと芯線19aとの間の隙間、及び芯線19aの隙間にも防水被覆液材15が自然に浸透しているので、これらの隙間も防水処理されることになる。
【0029】上記のようにして簡易防水処理をしたスプライス箇所Sの防水性能を測定した結果、0.5Kgf/平方cmの防水性能が確認できた。また、スプライス箇所Sの電気接続抵抗を示す低電流電圧抵抗も3mΩ以下であることを確認できた。
【0030】上記図5では、防水を必要とする電線19の芯線19aのみをアース端子20に溶接接合したが、図6に示すように、防水を必要としない2本の電線21,22の芯線21a,22aも同時に溶接接合することができる。なお、図6の実施例では、3本の電線19,21,22の内、1本の電線19のみをコーティング層15aでコーティングしたが、2本あるいは4本以上の電線をアース端子20に溶接接合する場合には、任意の本数の電線をコーティング層15aでコーティングしてもよいことは言うまでもない。
【0031】このように第2実施例では、ワイヤハーネスW/Hのスプライス箇所Sの防水を必要とする電線19のみを簡易に防水処理できるから、従来のような高温のハンダ付けが不要になるので、電線19の絶縁被覆19bが溶けるという不具合がない。また、導電性材料がアース端子20に付着することがなく、発熱する危険もなくなる。
【0032】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明の請求項1のスプライス方法は、絶縁被覆を皮剥ぎして芯線を露出させた各電線に内、防水を必要とする電線の芯線と絶縁被覆とにまたがって、浸漬等により防水被覆材をコーティングし、その後、各電線の芯線同士をコーティング層を介して接触させて超音波を加え、コーティング層を削除して芯線同士を溶接接合するようにしたものであるから、電線の芯線の根元部と絶縁被覆との間のコーティング層は削除されずに残るので、この部分だけがコーティング層により防水処理されるようになる。
【0033】したがって、防水を必要とする電線のみを簡易に防水処理できるようになり、従来のようなモールド型が不要となるので、設備コストが安いうえ、防水処理の作業性も良好になる。さらに、コーティング層は薄膜であるので、スプライス箇所が肥大せず、重量もほとんど増加しない。
【0034】一方、本発明の請求項2のスプライス方法は、電線の絶縁被覆を皮剥ぎして露出させた芯線と絶縁被覆とにまたがって、浸漬等により防水被覆材をコーティングし、その後、電線の芯線をコーティング層を介してアース端子に接触て超音波を加え、コーティング層を削除して、芯線をアース端子に溶接接合するようにしたものであるから、電線の芯線の根元部と絶縁被覆との間のコーティング層は削除されずに残るので、この部分だけがコーティング層により防水処理されるようになる。
【0035】したがって、防水を必要とする電線のみを簡易に防水処理できるようになり、従来のような高温のハンダ付けが不要になるので、電線の絶縁被覆が溶けるという不具合がない。さらに、導電性材料がアース端子に付着することがなく、発熱する危険もなくなる。




 

 


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