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発明の名称 原子力施設における大型スラブ及びその構築方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−77596
公開日 平成7年(1995)3月20日
出願番号 特願平5−223367
出願日 平成5年(1993)9月8日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也 (外2名)
発明者 浜 育雄 / 狭間 盛二 / 岸 宇人
要約 目的
工期の短縮と現地作業員の低減が可能な原子力施設における大型スラブとその構築方法を提供する。

構成
原子力施設におけるスラブ厚の大きい大型スラブSの構築にあたって、下部層の床PC版1は上面にスタッド3を有するスタッド付鋼板2を配設して予め形成し、その床PC版1のスタッド付鋼板2を型枠として上部層のコンクリート7を現場打ちする。床下端鉄筋の現地組立作業が不要で、また埋設金物を工場製作段階で組み込むことができてそれらの現地埋設作業が低減され、また床PC版1を現場打ちコンクリートの型枠として利用するから型枠組立作業及び型枠解体作業の大半が低減される。
特許請求の範囲
【請求項1】 下部層の床PC版の上面にスタッド付き床鋼板を有し、該スタッド付き床鋼板を介して現場打ちの床コンクリートからなる上部層が前記下部層の床PC版と一体化されていることを特徴とする原子力施設における大型スラブ。
【請求項2】 下部層の床PC版と上部層の現場打コンクリートで構成するスラブ厚の大きい大型スラブの構築に際して、前記下部層の床PC版は上面にスタッド付鋼板を配設して形成すると共に、当該床PC版のスタッド付鋼板を型枠としてその上層に前記上部層のコンクリートを現場打ちすることを特徴とする原子力施設における大型スラブの構築方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、原子力施設において厚さの大きい大型スラブを短期間に構築することを可能にする大型スラブ及びその構築工法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、スラブの構築は、■支保工の組み立て、■スラブ型枠の組み立て、■天井面埋込み板・貫通スリーブの取り付け、■スラブ下端鉄筋の組み立て、■スラブ上端鉄筋の組み立て、■床面埋め込み板の取り付け、■コンクリートの打設、■スラブ型枠・支保工の解体という工程手順を繰り返すことにより行われる。
【0003】一方、原子力施設におけるスラブの構築では、非常に高度な品質を要求されるため、鉄筋や各種埋設金物を所定の位置に確実に保持するための鋼製の埋殺し架台の架設工事とか、スラブ厚が大きくて階高が高くなることから、工事の安全性を確保するための足場等の仮設工事などの付帯工程が、前記主要な8工程以外にも必要とされる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の原子力施設における大型スラブの構築にあっては、前記主要工程と付帯工程との大半を現地作業で消化しているため、各々の工種が輻輳して絡み合い、現地作業は煩雑を極め工期が長期化すると共に、多数の作業員を確保しなければならないという問題点があった。
【0005】そこで本発明は、このような従来の問題点に着目してなされたもので、従来の現地作業の分を大幅に工場へ移すことにより、工期の短縮と現地作業員の低減が可能な原子力施設における大型スラブ及びその構築方法を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成する本発明の大型スラブは、下部層の床PC版の上面にスタッド付き床鋼板を有し、該スタッド付き床鋼板を介して現場打ちの床コンクリートからなる上部層が前記下部層の床PC版と一体化されていることを特徴とする。また、本発明の大型スラブの構築方法は、下部層の床PC版と上部層の現場打コンクリートで構成するスラブ厚の大きい大型スラブの構築に際して、下部層の床PC版は上面にスタッド付鋼板を配設して予め別途形成すると共に必要に応じて埋設金物を組み込み、該床PC版のスタッド付鋼板を型枠としてその上層に前記上部層のコンクリートを現場打ちすることを特徴とする。
【0007】
【作用】スラブに加わる引張力を負担させるスラブ下端鉄筋に代わる構造材としてスタッド付鋼板を使用し、これを組み込んで予め工場生産された床PC版を現場に持ち込みスラブ型枠として使用する。更に、その床PC版には、機器工事等に必要な床貫通孔や天井埋込み板等の埋設金物を予め組み込んでおくことで、現地作業の簡略化と型枠解体作業の省力化を行う。鋼板に取り付けたスタッドにより、床PC版と現場打コンクリートとが一体化され、スラブの強度が確保できる。
【0008】
【実施例】以下に、本発明の実施例を図面を参照して説明する。図1,図2は、本発明の原子力施設用の大型スラブの基本構造を表している。このスラブSは、下層部が工場生産の床PC版1であり、その上面にはスタッド付き床鋼板2が配設されている。そのスタッド付き床鋼板2には、所定間隔で多数のスタッド3が上下に突き出して立設されている。補強のために床PC版1の内部にはワイヤメッシュ筋4が内設され、床PC版1のコーナー部にはコーナーアングル5が取り付けられている。
【0009】スラブSの上部層は、上部に床上端筋6を有する現場打ちの床コンクリート7で構成されていて、下部層の床PC版1とはスタッド付き床鋼板2を介して強固に一体化されている。なお、図中のAはスラブ端部を、Lはスラブ長さを、Wはスラブ幅を、Tはスラブ厚をそれぞれ表している。床PC版1は、上面にスタッド付き床鋼板2を取り付けた状態で工場生産されて現地に搬入される。
【0010】上記の図3,図4は、現地の原子力施設において構築される壁既設コンクリート11,柱既設コンクリート12,梁コンクリート13(床と同時打設される)等からなる床受材に対する、スラブSの割り付け例を示したものである。床PC版1は、鉛直部材である壁既設コンクリート11及び柱既設コンクリート12を打設後に、そのコンクリート天端に乗せ架け方式で設定し、現場溶接等の手段で固定される。床PC版1は、その長さLを図3に示すように柱既設コンクリート12間の短辺方向のスパン長L1 に見合う長さとし、幅Wは柱既設コンクリート12間の長辺方向のスパン長L2 を数ピースに分割した長さに見合う大きさにして工場製作される。但し、床PC版1の輸送手段と現地揚重機の性能に応じて外形形状は変えられる。床PC版1設定後、図4に示す床上端筋6を配筋し、現場打ち床コンクリート7を打設して複合構造の床(スラブS)が構築される。図中、8は床と同時打設される柱(パネルゾーン)コンクリート、10は床PC版1の現地接合部である。
【0011】図5ないし図8に、隣接する床PC版1の現地接合例を示す。図5はスラブSが大きな荷重を負担する場合であり、横に張り出させたスタッド付き床鋼板2同士を、裏当材14を介して突き合わせ溶接で接合処理して接合部10とし、スタッド付き床鋼板2の下部は対向するスラブ端部Aの間にグラウト用型枠15を用いて現場打ちコンクリート7と同等の強度を有するグラウトモルタル16を充填して接合したものである。
【0012】図6は隣接する床PC版1に添筋17を配置し、スタッド付き床鋼板2を連続した構造にして現場打ちコンクリート7を打設して接合したものである。なお、接合部10は樹脂モルタル詰である。図7は隣接する床PC版1にスラブ下端鉄筋に相当する鉄筋径の80d以上の添筋17を配置してスタッド付き床鋼板2を連続させると共に、床PC版1の下部は端部の間に床受用大引材(仮設埋殺し形鋼)18を配してコーナーアングル5に溶接し、その床受用大引材18の下面を大型支保工19で支持して現場打ちコンクリート7を充填して接合固定したものである。
【0013】図8(a)は、隣接する床PC版1のそれぞれに、スラブ下端鉄筋に相当する鉄筋径の40d以上の接合用ネジフシ鉄筋21を配置し、その端部同士をグラウト式の鉄筋継手用カプラー22で接合すると共に、床受用大引材(本設形鋼)23を配してコーナーアングル5に溶接固定し、その床受用大引材23と前記鉄筋継手用カプラー22を溶接固定した後、現場打ちコンクリート7を充填して接合固定したものである。
【0014】図8(b)は、隣接する床PC版1にスラブ下端鉄筋に相当する鉄筋径の80d以上の添筋17を床受用大引材23のウエブ面に設けた貫通孔Hに配置し、スタッド付き床鋼板2を連続した構造にして現場打ちコンクリート7を打設して接合したものである。なお、上記図8(a),(b)は、無支保工工法に用いる手段である。
【0015】図9及び図10に、スラブSの端部と先行打設された壁との取合を例示する。いずれも、下階既設壁コンクリート11Aと上階壁コンクリート11Bとの間に、スラブSの端部がコンクリート打継ぎで定着されている。図9の場合は、予め鉄筋24を埋設してある床PC版1の端部を下階既設壁コンクリート11Aの天端部に乗せ、壁天端コーナーアングル(アンカー付)25と床PC版コーナーアングル(アンカー付)5を溶接する。また、PC版埋設鉄筋24の端部に鉄筋継手用カプラー(グラウト式)22を介して床PC版定着用鉄筋(現地取付式)26を接続することにより、床PC版1のスタッド付き床鋼板2が壁に定着される。その後、床上端筋6を配設し、現場打ちコンクリート7を打設してスラブSを壁に定着させる。なお、図中の29は壁横筋である。
【0016】図10の場合は、上記図9におけるPC版埋設鉄筋24,鉄筋継手用カプラー22,床PC版定着用鉄筋26の代わりに、床PC版1のスタッド付き床鋼板2に現地取付けの床PC版定着用鉄筋30を添え重ねして、壁に定着させたものであ。図11は、スラブSと梁との取合を例示したものであり、この場合も、スラブSを壁に定着する場合と同様に二通りの定着方法がある。
【0017】すなわち、一つは、スタッド付き床鋼板2を鉄筋継手用カプラー22を介してPC版埋設鉄筋24と床PC版定着用鉄筋26とで梁に定着する方法である。他は、スタッド付き床鋼板2上に床PC版定着用鉄筋30を添え重ねして梁に定着する方法である。但し、梁とスラブSのコンクリート7を同時に打設する場合、床PC版1は床PC版大引き31を介して大型支保工19で支持する。なお、図11中の32は梁型型枠(木製,鋼製又はPC版型枠)、33は梁筋、34は梁現場打コンクリート(床と同時打設)である。
【0018】図12は、スラブSと埋設金物との取合を例示したものである。床PC版1に天井埋込板(スタッドアンカー付)36と床貫通先付けスリーブ37とを工場段階で埋設し、その床PC版1を現地で所定の位置に設定して、床貫通後付けスリーブ38を組み立てることにより床貫通孔39を設けている。図13(a)〜(c)に、床PC版1と大引材との取合の事例を示す。
【0019】同図(a)は埋設タイプであり、床受け用大引材23は下端部がスタッド付き床鋼板2に溶接されスラブSの内部に完全に埋設されている。同図(b)は半露出タイプであり、床受け用大引材23は中間部がスタッド付き床鋼板2に溶接されて、一部が床PC版1の下端から突き出し、残部がスラブSの内部埋設されている。なお、この半露出タイプには床受け用大引材23の下端と床PC版1の下端とが同レベルとされる場合もある。同図(c)は露出タイプであり、床受け用大引材23は上端部がスタッド付き床鋼板2に溶接され、そこから床PC版1を突き抜けて下方に露出している。
【0020】図13(d)〜(j)に、床受け用大引材23との根太材取合例を示す。同図(d),(g)(gはdの直角断面図、hはeの直角断面図、iはfの直角断面図)は、スタッド付鋼板2の上面に根太材42を配置したタイプ。同図(e),(h)及び(f),(i)はスタッド付鋼板2の下面すなわち床PC版1のコンクリート内に根太材42を埋設するタイプで、図(e),(h)は完全に埋設したタイプ、図(f),(i)は根太材42の下端が床PC版1の下端と同一レベルのタイプである。同図(j)は、床PC版1に床受け用大引材23を埋設しない場合の、床受け用大引材23と根太材42との取合を示したものである。
【0021】上記のように、床PC版1と床受け用大引材23を組み合わせる場合は、原則として無支保工とする。また、床受け用大引材23の端部は、原則として壁乗せ架け方式とされる。図14に、半露出タイプの床受け用大引材23の下端と壁との取合を示す。図15,図16には、床PC版1が型枠として機能して、現場打ちコンクリートの打設荷重を負担する例を示す。
【0022】図15は無支保工工法で施工する場合で、同図(a)は比較的薄いスラブSに適用し、また同図(b)は埋設タイプの床受け用大引材23を有する比較的厚いスラブSに適用している。前者は、床PC版1の製作時に補強鉄筋41を床PC版1に組み込むことにより現場打ちコンクリートの打設荷重Pの負担能力を高めて無支保工で施工する。後者は、床PC版1の製作時に、大引受鋼材23と根太受鋼材42とを組み込むことにより現場打ちコンクリートの打設荷重Pの負担能力を高めて無支保工で施工する。
【0023】図16は有支保工工法で施工する場合で、同図(a)は、クラック防止用のワイヤメッシュ筋4と埋設タイプの床受け用大引材23とを予め組み込んだ床PC版1を現場に搬入して、その床受け用大引材23の埋設箇所の部分を大型支保工19で支持して施工する。なお、床受け用大引材23の取付け方式としては、大引材23の上フランジとスタッド付き床鋼板2とを溶接したものでも良い。
【0024】同図(b)は、クラック防止用のワイヤメッシュ筋4を組み込んであるが、床受け用大引材23は組み込まれていない床PC版1を現場に搬入し、これを撤去式の床受け用大引材43を介して大型支保工19で支持して施工する。上記の無支保工工法と有支保工工法との使い分けは、設計並びに施工条件に応じていずれか単独または複数の方法を組み合わせるなどして、最も合理的な方法を選択すればよい。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、原子力施設におけるスラブ厚の大きい大型スラブの構築にあたって、下部層の床PC版は上面にスタッド付鋼板を配設して予め形成し、その床PC版のスタッド付鋼板を型枠として上部層のコンクリートを現場打ちするものとしたため、以下のような種々の効果が得られる。
【0026】■床下端鉄筋の代わりにスタッド付鋼板を床PC版に予め組み込むことで、従来必須とされた現地での鉄筋組立作業が床上端筋の組立のみと半減される。
■床PC版に必要に応じて、天井埋込板,床貫通スリーブ等の埋設金物を工場製作段階で組み込むことができ、それらの現地埋設作業が大幅に低減される。また、従来デッキプレート型枠等で発生していたコンクリート打設後の天井面の駄目工事が解消できる。
【0027】■予め床PC版を現場打ちコンクリートの型枠として利用するから、従来の型枠組立作業及び型枠分解作業の大半が低減できる。また、床受支保工は、無支保工或いは大型支保工により容易に構築できる。以上■〜■により、現地作業員数の低減と工期短縮に大きく寄与することができる。
【0028】更に、■床PC版によるプレハブユニット工法の構築で作業床と下部空間の確保が速やかにできて、安全性と品質が共に向上する。
■一般の鋼板コンクリート構造物に比較して、鋼板の保守管理並びに耐火性に関する対策が不要になるという利点がある。




 

 


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