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発明の名称 磁気記録再生用スタイラスとその製造方法並びに磁気記録再生装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−201006
公開日 平成7年(1995)8月4日
出願番号 特願平5−349427
出願日 平成5年(1993)12月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】斉藤 勲
発明者 黒江 章郎
要約 目的
先端形状を極めて小さくしたスタイラスを製造しそれを磁気記録再生装置に使用して記録密度を大幅に増加させること。

構成
スタイラス支持体46と、該スタイラス支持体の少なくとも先端に形成された高分子膜47と、高分子膜上に形成された微細な突起48と、突起上に形成された針状の強磁性体49とからなり、該針状の強磁性体は複数のものからイオンビーム又は電子線照射により1本のみ残されたものであることを特徴とする磁気記録再生用スタイラス。
特許請求の範囲
【請求項1】スタイラス支持体と、該支持体の少なくとも先端に形成された高分子膜と、前記高分子膜上に形成された微細な突起と、前記突起上に形成された針状の磁性体とからなることを特徴とする磁気記録再生用スタイラス。
【請求項2】スタイラス支持体の少なくとも先端に高分子膜を形成し、アルゴンガス中においてスパッタにより前記高分子膜上に該高分子膜からの微細な突起を形成し、金属磁性材料を前記突起上にスパッタして針状の強磁性体を形成する各工程から成る磁気記録再生用スタイラスの製造方法。
【請求項3】前記磁気記録再生用スタイラスの製造方法は前記スタイラスに形成された針状の強磁性体をイオンビーム又は電子線照射により1本のみ残して除去する工程を含むことを特徴とする請求項2記載の磁気記録再生用スタイラスの製造方法。
【請求項4】磁気記録媒体に対し相対的に移動して信号を磁気記録再生するスタイラスと、前記スタイラスを前記磁気記録媒体の面上を相対的に駆動する水平方向スタイラス駆動手段と、前記磁気記録媒体に対する前記スタイラスの間隔を微調整する垂直方向スタイラス駆動手段と、前記スタイラスに対し記録信号を供給する記録信号供給手段と、前記磁気記録媒体に対する前記スタイラスの移動により発生した電圧から磁気記録を再生出力する記録再生手段とからなり、前記磁気記録媒体に記録された記録信号の前記スタイラスに対して作用した力による変位を前記垂直方向スタイラス駆動手段により制御して前記磁気記録を再生する電圧を誘起することを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項5】前記スタイラスは請求項1記載の磁気記録再生用スタイラスからなることを特徴とする請求項4記載の磁気記録再生装置。
【請求項6】前記スタイラスは請求項2記載の磁気記録再生用スタイラスの製造方法により製造されたものであることを特徴とする請求項4記載の磁気記録再生装置。
【請求項7】前記記録信号供給手段は、一端が前記スタイラスと密接し、他端が前記磁気記録媒体と対面し、記録信号供給用巻線を配備した磁気コアを含み、前記スタイラスと前記磁気記録媒体と前記磁気コアとにより磁束閉回路を形成するようにしたことを特徴とする請求項4記載の磁気記録再生装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、記録密度を大幅に向上させるスタイラスとその製造方法並びに磁気記録再生装置に関し、特に、先端半径が極め小さな磁性体のスタイラスを製造し、それを用いて磁気記録媒体に信号を記録し再生する磁気記録再生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気記録再生装置に用いられているほとんどの磁気記録方式は、リング型磁気ヘッドを用いて長手記録用磁気記録媒体に対し信号を記録再生するものであった。以下、図4及び図5を参照して、従来の磁気記録再生装置について説明する。図4は従来の磁気ヘッドと磁気テープとによる記録再生原理を示す構成図である。
【0003】図4において、30はその上に信号を磁気的に記録する磁気テープ、31は信号を磁気記録した軌跡、33は磁気テープに記録する電気信号を通す巻線、32は巻線33に流れる電流により磁化され、磁気テープ30上に信号を磁気記録するフェライトなどの磁気コアからなる磁気ヘッド、34は磁気記録するべき信号を発生する信号源、35はその信号を増幅する記録増幅器、36は再生信号を増幅する再生増幅器、37,38は端子、51は磁気テープ30の面に対向し記録再生する磁気ヘッド32のギャップ部である。
【0004】次に、同じく図4を参照して、その従来例の動作について説明する。まず、記録時には信号源34からの信号が記録増幅器35を通して増幅され、端子37を介して磁気ヘッド32の巻線33に印加される。これにより、磁気ヘッド32の磁気コアには磁束が発生し、ギャップ部51に漏洩磁界を発生し、漏洩磁束を生じさせる。そのとき、磁気ヘッド32と磁気テープ30とは、相対的に移動させることにより漏洩磁束が磁気テープの微小部分を横切ってそこを磁化し、その軌跡31を作る。
【0005】再生時には、同一軌跡上をおなじ磁気ヘッドが走行することにより、記録された磁化部分から発生する磁束をギャップ部でキャッチして磁気ヘッド32の磁気コアに磁化の強さに比例した磁束が発生する。その磁束密度の変化を巻線33により電圧に変換して元の信号を再生する。次にその電圧を端子38を介し、再生増幅器36を通して増幅し、その後の信号処理回路に伝達する。
【0006】次に、図5を参照して、従来の磁気記録密度について説明する。図5は従来のVTRのヘッドシリンダ部の構成図である。図5において、42はビデオ信号を記録する磁気テープ、39は磁気テープ42に対し一定角度で巻き付き回転する回転シリンダ、45は磁気テープ42が回転シリンダ39に対して相対的に動作しうるよう磁気テープ42のガイトとなる固定シリンダ、40,41は回転シリンダ39及び固定シリンダ45に対する磁気テープ42のガイトとなる走行ポスト、43は回転シリンダ39に設けられた磁気ヘッド用の窓、44は磁気ヘッドである。
【0007】このような構成において、磁気テープ42は、走行ポスト40と41との間で、固定シリンダ45と回転シリンダ39上に一定角度をもって巻き付き走行する。一方、回転シリンダ39上に装着した磁気ヘッド44は、窓43から所定量突き出された状態で、約1800回転(rpm)のスピードで磁気テープ42上を走査する。このように走査することによって、信号の軌跡が磁気テープ42上に斜めに形成され、磁気テープ単位長当たりの記録密度を向上するようにしている。
【0008】その上、現在の小型VTRに使用する最短記録波長は0.4ミクロン、信号の軌跡幅は20ミクロンまで縮小され、1ビット当り4μm2の磁気テープ面積を使用するまでになっている。
【0009】又、従来知られている技術として、導電性のスタイラスを使用して磁気記録を行う方法がある。それによると、導電性スタイラスを導電性の磁気記録媒体の表面に10Å近傍まで近ずけると、トンネル電流が流れはじめ、上記磁気記録媒体上に磁化部分が存在すると、そこから発生する磁束を横切ることによって磁性体であるスタイラスが力を受けて変位する。しかし、磁気記録媒体とスタイラスとの間隔を一定にしてトンネル電流を一定に保つように制御すると、その制御電圧が変化する。これを検出することによって、磁気記録媒体上の信号の磁化の強さを検出することができる。この方法は記録密度を大きく向上させることができる。
【0010】その点に関し、例えば、“潤滑”Vol.33,No.8,pp.603-607には、導電性のスタイラスを使用して磁気記録を行う場合における記録密度として、原理的には、面内に1Å,垂直方向に0.1Åの分解能を有することが記載されている。
【0011】従来のスタイラスの製造方法としては次のようなものがあった。すなわち、タングステンワイヤー等を電解エッチングすることによって先端を鋭くし、コバルトCo、鉄Fe、ニッケルNi系の強磁性合金を鍍金やスパッタによって形成することが試みられている。さの他、フォトリソ技術を用いて二酸化シリコンSiO2によりピラミッド形の先端を形成し,その上に強磁性体を形成する方法が試みられている。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】以上説明した従来技術における記録密度の向上は、磁気テープと磁気ヘッドの改良により、極めて長期間の間に達成されてきた。すなわち、記録波長の短波長化とトラック幅方向の磁気記録媒体の利用面積を狭くすることによりそれを追求することは、ヘッド/テープ系のSN比を改良しながら進めなければならなかった。そのため、これ以上の記録密度の向上は非常に困難である。それにもかかわらず、更に、記録密度の向上が求められている。
【0013】そのため、これ以上、大幅な記録密度の増加を達成するには、全く異なる新規な思想による記録再生方式の提供が必要であった。そこで、上記のような導電性スタイラスを使用して磁気記録する方式に着眼したが、それは未だ磁気記録再生装置に対しスタイラスを装着して適切に利用しうる装置は開発されていなかった。又、上記のような従来のタングステン等によるスタイラスは先端半径がせいぜい500Å程度までしか小さくすることができず、更に小さくして記録密度を向上させるためには、新規な他のアイディアを加える必要があった。
【0014】従って、本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、磁気記録再生装置に使用して大幅に記録密度を増加させる磁気記録再生用スタイラス及びその製造方法を提供することを目的とする。
【0015】更に、本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたもので、従来のような磁気ヘッド及び磁気テープの組み合わせを使用せず、磁気記録再生用スタイラスを使用して、大幅に記録密度を増加させる磁気記録再生装置を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明による磁気記録再生用スタイラスは、上記の目的を達成するため、スタイラス支持体と、該支持体の少なくとも先端に形成された高分子膜と、高分子膜上に形成された微細な突起と、突起上に形成された針状の磁性体とからなることを特徴とするものである。
【0017】又、本発明による磁気記録再生用スタイラスの製造方法は、上記の目的を達成するため、スタイラス支持体の少なくとも先端に高分子膜を形成し、アルゴンガス中においてスパッタにより高分子膜上に該高分子膜からの微細な突起を形成し、金属磁性材料を前記突起上にスパッタ蒸着して針状の強磁性体を形成する各工程から成ることを特徴とするものである。
【0018】更に、本発明による磁気記録再生用スタイラスの製造方法は、上記の目的を達成するため、スタイラスに形成された針状の強磁性体をイオンビーム又は電子線照射により1本のみ残して除去する工程を含むことを特徴とするものである。
【0019】又、本発明による磁気記録再生装置は、上記の目的を達成するため、磁気記録媒体に対し相対的に移動して信号を磁気記録再生するスタイラスと、前記スタイラスを前記磁気記録媒体の面上を相対的に駆動する水平方向スタイラス駆動手段と、前記磁気記録媒体に対する前記スタイラスの間隔を微調整する垂直方向スタイラス駆動手段と、前記スタイラスに対し記録信号を供給する記録信号供給手段と、前記磁気記録媒体に対する前記スタイラスの移動により発生した電圧から記録信号を再生出力する記録再生手段とからなり、前記磁気記録媒体に記録された磁気記録の前記スタイラスに対して作用した力による変位を前記垂直方向スタイラス駆動手段により制御して前記磁気記録を再生する電圧を誘起することを特徴とするものである。
【0020】更に、本発明による磁気記録再生装置は、上記の目的を達成するため、使用するスタイラスを、スタイラス支持体と、該支持体の少なくとも先端に形成された高分子膜と、前記高分子膜上に形成された微細な突起と、前記突起上に形成された針状の磁性体とによりなるようにしたことを特徴とするものである。更に、本発明による磁気記録再生装置は、上記の目的を達成するため、使用するスタイラスを、スタイラス支持体の少なくとも先端に高分子膜を形成し、アルゴンガス中においてスパッタにより前記高分子膜上に該高分子膜からの微細な突起を形成し、金属磁性材料を前記突起上にスパッタ蒸着して針状の強磁性体を形成する各工程により製造することを特徴とするものである。
【0021】更に、本発明による磁気記録再生装置は、上記の目的を達成するため、記録信号供給手段が、一端がスタイラスと密接し、他端が磁気記録媒体と対面し、記録信号供給用巻線を配備した磁気コアを含み、スタイラスと磁気記録媒体と磁気コアとにより磁束閉回路を形成するようにしたことを特徴とするものである。
【0022】すなわち、本発明は、導電性の磁性体から成り先端半径が極めて小さなスタイラスと表面が導電性の磁気記録媒体のトンネル電流を上記スタイラスに作用する力に応じて発生する変位を制御して、その制御信号から再生信号を検出する構成を使用することを特徴とするものである。
【0023】
【作用】本発明は以上のように構成し、特に、スタイラス支持体上に高分子の微細な突起を形成し、そこに針状の強磁性体をスパッタするようにしたことにより、極めて微細な磁化を検出しうる磁気記録再生用スタイラス及びその製造方法を提供することができる。
【0024】本発明は以上のように構成し、特に、スタイラスと磁気記録媒体間のトンネル電流を利用した磁気記録再生方式を採用したことにより、極めて微細な磁化を検出できるようにしたことにより、記録密度を大幅に向上せしめる磁気記録再生装置を提供することができる。
【0025】又、本発明は以上のように構成し、特に、スタイラスと、それに密接に配備した磁気コアと、垂直磁気記録媒体とにより閉磁路を形成するように構成したことにより、磁気記録媒体の磁化から受ける力を更に増大したので、感度を更に向上することができる。
【0026】
【実施例】以下、添付図面に基づき、本発明の一実施例を詳細に説明する。まず、図1を参照して、本実施例による磁気記録再生装置について説明する。図1は本発明の一実施例による磁気記録再生装置を示す構成図である。図1において、1は信号を磁気記録する垂直膜(コバルトークロム(Co−Cr)などからなり、詳細は図2と共に後述する)を有する垂直磁気記録媒体、2は鉄(Fe)、コバルト(Co)、ニッケル(Ni)、コバルトニオブジルコニウム(CoNbZr)などのアモルファス合金等の金属磁性体で構成され、垂直磁気記録媒体1上に配備して磁気記録再生を行うスタイラス(詳細は後述する)、3はスタイラスの再生動作で発生したトンネル電流を増幅するトンネル電流増幅器である。
【0027】更に、4は増幅したトンネル電流を対数スケールに変換する関数変換器、5は関数変換器4の出力により磁気記録媒体1とスタイラス2との間隔を微調整する微調用圧電素子(ピエゾ素子)に加える制御量を決定する制御信号を出力するサーボ回路、6は制御信号増幅器である。9は垂直磁気記録媒体1に記録する信号を出力する信号源、7は信号源9からの信号を増幅する増幅器、8はスタイラス電圧をバイアスする電圧を発生する定電圧源、10はサーボ回路5からの制御信号によりピエゾ素子52の両面に配備した一対の電極12,12’に対しピエゾ素子52を駆動するピエゾ素子駆動電圧を出力するピエゾ駆動用電源である。
【0028】引続き、図1において、11及び11’、13及び13’はそれぞれピエゾ素子の端子21,20からのパルス信号によりx及びy方向にピエゾ素子52の駆動を微調整する用ピエゾ素子52に取り付けられた各対の電極、12,12’はz方向に対するピエゾ素子52の微調用電極、18はフェライトなどの磁性体からなる磁気コア、17はその巻線、19は本実施例では真鍮又は銅などの導電性の良い材料から成るスタイラスのホルダ、22はスタイラス2に磁化された垂直磁気記録媒体1上の軌跡である。
【0029】次に、同じく図1を参照して、本実施例による磁気記録再生装置の動作について詳細に説明する。まず、垂直磁気記録媒体1上にスタイラス2を配備し、定電圧電源8からホルダー19を介して垂直磁気記録媒体1とホルダー19に差し込まれたスタイラス2との間にバイアス電圧を印加する。次に、スタイラス2を垂直膜(Co−Cr)の表面に10Åまで近ずけるとトンネル電流が流れ始める。
【0030】スタイラス2と垂直磁気記録媒体1間を常に一定間隔を保つことにより、トンネル電流が一定になるよう制御しながら、スタイラス2により垂直磁気記録媒体1を走査する。このようにして走査し、信号源9からの信号を増幅器7を通して増幅し、その信号を磁気コア18上に配備した巻線17に印加することによって磁性体のスタイラスの先端に磁界を発生せしめ、垂直磁気記録媒体1上の垂直膜(Co−Cr)を磁化することにより信号を記録する。
【0031】再生時には、磁性体であるスタイラスが、記録した垂直膜の磁化部分より発生する磁界を横切ることによって、磁気記録媒体の表面から吸引力を受ける。スタイラス2はその吸引力を受けると、垂直磁気記録媒体1の表面に近ずこうとする。しかし、トンネル電流を一定にして、垂直磁気記録媒体1とスタイラス2の間隔を一定に保つように制御することによって、電圧電源8からの制御電圧が変化する。
【0032】つまり、本発明は、この制御電圧の変化を検出することによって、磁化部分から発生する信号に対応する磁界の強さを検出して信号を再生使用とするものである。すなわち、垂直磁気記録媒体1から発した磁束をスタイラス2が横切ることにより、発生した吸引力に対抗してスタイラス2と垂直磁気記録媒体1との間の相対位置を一定に保持することにより、それに比例した制御信号電圧の変化を検出し、それをトンネル電流の変化として使用するようにした。トンネル電流増幅器3によりそれを増幅し、トンネル電流は微少な間隔の変化に対してきわめて敏感に変化するため、関数変換器4によって、対数スケールに変換する。
【0033】その後、サーボ回路5によって垂直磁気記録媒体1とスタイラス2との間隔の微調用圧電素子(ピエゾ素子)52に加える制御量を決定し電圧電源8のレベルと比較して制御信号を発生する。この制御信号によって、ピエゾ駆動用電源10からピエゾ素子52の両面に配備した一対の電極12と12´に対しピエゾ駆動電圧を印加して、ピエゾ素子52を垂直方向(z軸方向)に所定量駆動する。これにより、スタイラス2の位置を矢印14に示すような垂直方向(z軸方向)に微調整して、垂直磁気記録媒体1とスタイラス2との間隔が一定になるよう制御する。
【0034】又、スタイラス2のx,y方向に対する駆動は、ピエゾ素子52上にそれぞれ配備されたxおよびy方向駆動微調用の各対の電極11,11´および13,13´に対しそれぞれ端子21,20を介して印加された所定間隔のパルス信号からなる駆動電圧によって行われる。すなわち、駆動電圧をそれぞれ端子21及び20に印加すると矢印16,15の方向に対するピエゾ素子52の微少量の駆動制御が行われる。又、図には示していないが、例えば、粗動の制御は、x,y,zのピエゾ素子の自由端をともに固定したキャリッジをリニアモータやステップモータとの組合せにより行わせるようにしてもよい。
【0035】一方、前述の方法によって再生された制御信号は、制御信号増幅器6により増幅して読みだされる。なお、上記のスタイラス2によって書き込まれた磁化領域の寸法は、xおよびy方向駆動微調用のピエゾ素子上のそれぞれ一対の電極11,11´および13,13´の端子21,20に駆動電圧を印加することによって矢印16,15の方向に変更して測定した。
【0036】次に、図2を参照して本実施例によるスタイラスと垂直磁気記録媒体との間の作用について説明する。図2は本発明によるスタイラスと磁気記録媒体との動作関係を示すその拡大部分断面図である。図2において、磁気コア18及び巻線17は図1に示したものと同様である。垂直磁気記録媒体1も図1に示したものと同様であるが、更に詳細に説明すると、それは、アルミニウム(Al)などをポリッシングしてその表面を30Å以下に仕上げた非磁性基板24と、非磁性基板24の上にパーマロイなどからなる軟磁性膜23と、その上にコバルトークロム(Co−Cr)などからなる垂直膜25をスパッタリング又は蒸着によって形成したものからなる。又、26は非磁性のベリリウム銅などからなりスタイラス2を保持するV字状の板ばね、27は板ばね26を支持する非磁性且つ導電性の支持部である。
【0037】上記のように構成した垂直磁気記録媒体1の表面に形成された垂直膜25に対し、板ばね26を介して支持部27に固定されたスタイラス2を接触させる。又、支持部27はホルダ19に形成された穴に差し込まれ、スタイラス2をそこにセットする。以上の様の構成したことにより、スタイラスは信号に対応する磁界に応じてz軸方向に駆動しやすく微細な信号を検出することができる。
【0038】次に、同じく図2を参照して、スタイラス2による記録動作について説明する。18は前述のように、フェライトなどから成る磁気コアであり、垂直磁気記録媒体1に対して対面する面積を充分大きく構成した。 また、磁気コア18上に配備した巻線17に対し信号源9から信号電流を流すことにより、スタイラス2の先端に強い磁界を発生せしめ、その部分の垂直膜(Co−Cr層)を磁化するものである。
【0039】図2に示すように、該スタイラス2を図2に左方の向かって走行するにつれ、磁化の軌跡28が形成される。記録に際して、発生した磁束29は、パーマロイなどの軟磁性膜23、磁気コア18、及び磁性体であるスタイラスとで形成された閉磁路を通過するようにしたので、微少電流でも能率よく記録することができる。このとき、磁気コア18の垂直磁気記録媒体1に対面する面積はこの部分で磁化されることがない程充分広くした。
【0040】次に,図3の(A)及び(B)を参照して、本発明によるスタイラスにつき更に詳細に説明する。図3は、本発明によるスタイラスの先端形状を表す構成図であって、(A)は針状の磁性体が複数形成されているスタイラスを示す図、(B)は針状の磁性体を1本のみ残した状態を示す図である。
【0041】図3の(A)及び(B)において、46はアルミニウム(Al)又はタングステン(W)などの金属材料から成るスタイラスの下地又は支持体、47はスタイラスの先端半径が約1−2μm の金属部分の上に形成された、例えば、ポリイミド等の高分子材料からなるポリイミド膜、48はアルゴン(Ar)ガス中でスパッタすることにより形成された、例えば、ポリイミド等の高分子材料からなる突起、49はスパッタ蒸着により突起48上に形成されたコバルト(Co)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)等の磁性合金からなる半径200Å以下の半径を持つ針状の強磁性体、50はポリイミド膜が飛ばされ、下地が現れたポリイミド膜の欠落部である。
【0042】すなわち、本発明によるスタイラスは、図3に示すように、スタイラスの下地46の先端にポリイミド膜47を形成し、アルゴンガス中でスパッタすることによって、ポリイミド膜の突起48を形成した後、スパッタにより図3の(A)に示すように、多数の200Å以下の半径を持つ針状の強磁性体49が突起48上に形成された。
【0043】次に、図3の(A)の状態に形成されたスタイラスにイオンビームや電子線を照射することによって,複数の強磁性体49の中の先端の1個だけを残して全て除去され、図3の(B)に示すような形状に形成された。又、このようにして得られたスタイラスの磁性体と下地との間に導電性が有ることが分かった。この原因に関してはアルゴンガスによるスパッタの際に、ポリイミド膜が飛ばされ,下地が現れたポリイミド膜の欠落部50が生じたためと考えられる。
【0044】このようにして製作した針と従来のものを用いて記録した結果を比較すると、従来のスタイラスで記録した円状の記録パターンの直径が約500Å−1μm であるのに対し、本発明によるそれは約200Åであった。これにより、本発明によるスタイラスは大幅に記録密度を向上することができるということがわかった。
【0045】従来のスタイラスによる記録密度は1ビット当り4μm2の使用面積に対して、本発明によるスタイラスのそれは10-6−10-4μm2であり、これは、従来の記録密度の4〜6桁分に相当する記録密度の向上を図ることができる。
【0046】
【発明の効果】本発明は以上の説明から明らかなように、スタイラス支持体上に高分子の微細な突起を形成し、そこに針状の強磁性体スパッタするようにしたことにより、極めて微細な磁化を検出しうる磁気記録再生用スタイラス及びその製造方法を提供することができる。
【0047】更に、本発明は、極めて感度のよいスタイラスと磁気記録媒体間のトンネル電流を利用した磁気記録再生方式を利用したことにより、極めて微細な磁化を検出することができ、従来のものと比較して約4〜6桁のように、大幅に記録密度を向上させうる磁気記録再生装置を提供することができる。
【0048】又、本発明は、スタイラスと、それに密接に配備した磁気コアと、垂直磁気記録媒体とにより閉磁路を形成するように構成したことにより、磁気記録媒体の磁化から受ける力を更に増大したので、感度を更に向上することができる。




 

 


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