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発明の名称 多次元画像操作装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−200878
公開日 平成7年(1995)8月4日
出願番号 特願平5−349167
出願日 平成5年(1993)12月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】役 昌明 (外1名)
発明者 中村 康浩 / 荒木 均 / 杉浦 雅貴
要約 目的
操作性に優れ、対象物の選択が容易な多次元画像操作装置を提供する。

構成
操作ウィンドウ5に3次元的な動きが可能な3次元カーソル6を表示する手段と、3次元カーソルの前方に見える視野領域を3次元カーソルの先端に結合した立体形状7によって表示する視野形状表示手段と、視野領域に映る3次元仮想空間を操作ウィンドウの一部を用いた視野ウィンドウ11に表示する視野領域表示手段と、視野ウィンドウに選択指標12を表示する選択指標表示手段とを設け、視野ウィンドウに表示された対象物8を選択指標で選択し、選択された対象物と視野領域を表わす立体形状と3次元カーソルとの関係を保持した状態で3次元カーソルを移動することにより、選択された対象物を移動する。視野ウィンドウには、3次元カーソルの先端から3次元仮想空間を眺めた景観が映し出され、視野ウィンドウを見ながら、選択する対象物に選択指標を合わせて選択操作を行なう。
特許請求の範囲
【請求項1】 操作ウィンドウに表示された3次元仮想空間に位置する対象物を選択して移動させる多次元画像操作装置において、前記操作ウィンドウに3次元的な動きが可能な3次元カーソルを表示するカーソル表示手段と、前記3次元カーソルの前方に見える視野領域を3次元カーソルの先端に結合した立体形状によって表示する視野形状表示手段と、前記視野領域に映る3次元仮想空間を前記操作ウィンドウの一部を用いた視野ウィンドウに表示する視野領域表示手段と、前記視野ウィンドウに選択指標を表示する選択指標表示手段とを設け、前記視野ウィンドウに表示された対象物を前記選択指標で選択し、選択された対象物と前記視野領域を表わす立体形状と3次元カーソルとの関係を保持した状態で前記3次元カーソルを移動することにより、選択された前記対象物を移動することを特徴とする多次元画像操作装置。
【請求項2】 操作空間の原点位置を指定する原点指定手段と、前記操作空間における位置および方向を入力する入力手段とを設け、前記原点に対する前記入力手段の位置および方向に基づいて前記3次元カーソルの3次元仮想空間における位置および方向を設定することを特徴とする請求項1に記載の多次元画像操作装置。
【請求項3】 前記選択された対象物を識別するために、前記視野ウィンドウに表示された対象物と前記選択指標との交差計算を行なう選択判別手段を設けたことを特徴とする請求項1または2に記載の多次元画像操作装置。
【請求項4】 前記選択判別手段が、選択要求の操作が行なわれたときに始めて前記交差計算を行なうことを特徴とする請求項3に記載の多次元画像操作装置。
【請求項5】 前記視野領域表示手段が、3次元仮想空間における全ての対象物の位置および形状データと前記視野領域を表わす立体形状の位置および方向データとに基づいて前記視野ウィンドウの表示データを作成するデータ作成手段を備えることを特徴とする請求項1に記載の多次元画像操作装置。
【請求項6】 前記入力手段の動きに対して、前記3次元カーソルに代えて前記選択指標が連動するように切替え可能にしたことを特徴とする請求項1乃至5に記載の多次元画像操作装置。
【請求項7】 前記視野ウィンドウの操作ウインドウにおける表示位置を前記3次元カーソルの動きに合わせて可変する視野ウィンドウ移動表示手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至6に記載の多次元画像操作装置。
【請求項8】 前記視野ウィンドウを前記対象物の選択が行なわれた後に消去する視野ウィンドウ消去手段を設けたことを特徴とする請求項1乃至7に記載の多次元画像操作装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、コンピュータの支援の基に3次元画像を編集する意匠設計、機構設計またはコンピュータグラフィック等の図形処理において、多次元仮想空間に在る図形を移動したり、変形したりする多次元画像操作装置に関し、特に、その操作性を向上させたものである。
【0002】
【従来の技術】3次元図形を編集する従来のCADやコンピュータグラフィック(CG)などのシステムでは、CRTやプラズマディスプレイ等の2次元の画面に投影された3次元図形を、マウスやタブレット等の2次元入力装置の操作に連動して2次元の画面上を動く2次元カーソルによって指定し、画像編集を行なっていた。
【0003】そのため、3次元図形を回転したり奥行き方向に移動させるには、キーボード上の任意キーを押しながら2次元入力装置を決められた方向に動かす等、複数の操作を組み合わせて行なう必要がある。このような操作は、日常的に行なわれている、物体を手に掴んで移動するというような直観的かつ直接的な物体操作と異なり、論理的な操作を頭の中で組み合わせた後に実行に移さなければならないため、操作者の意図どおりに図形を移動することが難しかった。
【0004】3次元図形の編集をし易くするため、速度と方向とを制御できる3次元入力装置を使用し、これに連動する3次元カーソルにより図形を指定して仮想空間中を移動させる操作装置が考案されている(特開昭62−269277、特開昭63−52266)。
【0005】この装置は、図12に示すように、方向レバー52と、速度レバー53とを具備する3次元入力装置51を備えている。操作者は、3次元入力装置51の方向レバー52と速度レバー53とを用いて、表示装置56に投影される仮想3次元空間中の3次元カーソル57を動かす。3次元カーソル57の先端からは、その速度ベクトル方向(進行方向)に、対象物を選択するための放射状図形58が表示される。この指示用の放射状図形は、図13に示すように半直線48でも良い。
【0006】操作者は、画面上の3次元カーソル57を操作することにより、放射状図形58を指定しようとする立方体59に接触させ、または放射状図形58の内部に立方体59を入れる。次いで、3次元入力装置51の入力指示用スイッチ55を押すことにより指定しようとする立方体59を選択する。
【0007】しかし、図12に示すように、放射状図形58が、立方体59と60のどちらにも接触している場合には、操作者は、3次元入力装置51の方向レバー52に設置されている選択指示用スイッチ54を使って、選択候補対象物の内の希望のものを選択する。例えば、選択指示用スイッチ54が押される毎に、図14の操作画面例49および50に示すように、放射状図形58に接触している対象物体が、3次元カーソルから近い順に強調表示される。操作者は、希望の対象物が強調表示された時に、入力指示スイッチ55を押すことにより、その対象物を選択する。
【0008】選択後は、3次元入力装置51で画面中の3次元カーソル57を操作することにより、選択した物体を移動する。この移動は、図15に示すように、選択指示完了時の放射状図形58と選択対象物59との空間的位置関係を保持した状態で行なわれる。
【0009】移動中の選択対象物を任意位置へ配置する場合、もう一度、入力指示スイッチ55を押す。これにより、図16に示すように、選択対象物59と放射状図形58との接続状態が切り離され、選択対象物は、その位置に固定される。
【0010】この装置は、図17に示すように、3次元入力装置51に接続する入力装置インタフェース62と、各ブロックの制御と各種の演算とを行なう制御・演算部63と、立方体および指示用放射状図形の幾何データを記憶する3次元図形形状・位置データ格納部64と、3次元カーソルおよび放射状図形の描画データを記憶する3次元カーソル・指示用図形描画結果格納部66と、3次元カーソルおよび放射状図形以外の3次元図形の描画データを記憶する3次元図形処理結果格納部65と、3次元カーソルおよび放射状図形の位置データおよび速度ベクトルデータ並びに放射状図形と接触する立方体図形IDについて記憶する3次元カーソル・指示用図形パラメータ格納部67と、3次元カーソルおよび放射状図形を表示するための表示用信号を生成する3次元カーソル・指示用図形表示制御部69と、3次元カーソルおよび放射状図形以外の立方体を表示するための表示用信号を生成する3次元図形表示制御部68と、3次元図形表示制御部68および3次元カーソル・指示用図形表示制御部69の生成した信号を合成して表示部に送る表示制御部70との各処理ブロックを備えている。
【0011】この装置では、3次元カーソルと放射状図形とを移動するために次のような処理が行なわれる。
【0012】まず、3次元入力装置51から、方向ベクトルデータ(Dx、Dy、Dz)および速度値データ(Vd)が、入力装置インタフェース62を介して制御・演算部63に入力される。制御・演算部63は、方向ベクトルデータおよび速度値データに基づいて、3次元カーソルの速度ベクトルデータを計算し、この速度ベクトルデータと3次元カーソル・指示用図形パラメータ格納部67に記録されている現行の3次元カーソルの位置データ(Px、Py、Pz)とから、3次元カーソルの新規空間位置を計算する。そして、3次元カーソル・指示用図形パラメータ格納部67に記録されている位置データおよび速度ベクトルデータを更新する。
【0013】更に、制御・演算部63は、3次元カーソル・指示用図形パラメータ格納部67から得た3次元カーソルの位置データおよび速度ベクトルデータと、3次元図形形状・位置データ格納部64から得た3次元カーソルおよび放射状図形の幾何データとに基づいて、指示用放射状図形がどの3次元対象物と接触しているかを、常時計算し、接触している全ての図形のIDを3次元カーソル・指示用図形パラメータ格納部67に記録する。これと同時に、新規空間位置へ3次元カーソルおよび放射状図形を移動・再描画し、そのドット情報を3次元カーソル・指示用図形描画結果格納部66(画像バッファー2)に書き込む。
【0014】3次元カーソル・指示用図形表示制御部69は、3次元カーソル・指示用図形描画結果格納部66を走査し、表示用信号に変換する。表示制御部70は、この新規位置へ移動された3次元カーソルおよび指示用放射図形の描画表示用信号と、3次元図形表示制御部68から受取る3次元カーソルおよび放射状図形以外の3次元図形を描画する表示用信号(3次元図形表示制御部68は、3次元図形処理結果格納部65(画像バッフャー1)に記憶された3次元カーソルおよび放射状図形以外の3次元図形の描画データを表示用信号に変換する)とを合成した後に、表示装置に送り、画面に映し出す。
【0015】また、3次元入力装置51からの選択指示要求に応じて次のような処理が行なわれ、物体が選択・移動される。
【0016】3次元入力装置51の選択指示用スイッチが押されると、選択候補対象物を順次強調表示せよという要求信号が、入力装置インタフェース62を介して制御・演算部63に入力する。制御・演算部63は、この要求を受けると、現在、指示用放射状図形と接触している図形ID群(1つの場合もある)を3次元カーソル・指示用図形パラメータ格納部67から読み出し、この図形IDに対応する図形の形状・位置データを3次元図形形状・位置データ格納部64から読み出す。次いでこの図形の形状・位置データを基に、3次元カーソルの先端から最も近い図形を計算により抽出し、その描画データを3次元図形処理結果格納部65に書き込む。こうして最も近い図形が強調表示される。ここで、再度、3次元入力装置51の選択指示用スイッチが押されると、上記と同様の処理で次に3次元カーソルの先端から近い図形が抽出され、強調表示される。
【0017】図形が強調表示されている状態で、3次元入力装置51の入力指示スイッチが押されると、制御・演算部63は、強調表示されている図形IDと、この時の3次元カーソル位置および放射状図形の位置データを3次元カーソル・指示用図形パラメータ格納部67に記録することにより、選択時の3次元カーソル、指示用放射状図形および選択されている3次元対象物の位置関係を保存する。
【0018】この後、制御・演算部63は、3次元入力装置51から入力される方向ベクトルと速度ベクトル値とに従って、3次元図形形状・位置データ格納部64に記録されている選択中の3次元図形の位置データ、および3次元カーソル・指示用図形パラメータ格納部67に記録されている3次元カーソルおよび指示用放射状図形の位置データを更新し、それぞれの更新結果を反映した描画データを3次元図形処理結果格納部65および3次元カーソル・指示用図形描画結果格納部66に記録する。その結果、3次元カーソルとその指示用放射状図形によって移動される図形が表示される。
【0019】任意の3次元図形が選択されている時に、3次元入力装置51から入力指示信号が入力装置インタフェース62を介して制御・演算部63に出力されると、3次元カーソル・指示用図形パラメータ格納部67中の選択図形IDがリセットされ、3次元図形形状・位置データ格納部64への位置データ更新処理が中断される。これにより、選択図形は、3次元カーソルとその指示用放射状図形から切り離され、その位置に固定される。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前記構成を備える従来の多次元画像操作装置には、以下の問題点が存在する。
【0021】まず、3次元カーソルとその指示用図形の操作上の問題として、(1)3次元カーソルの速度ベクトルに従って物体指示のための図形(半直線や円錐などの放射状図形)を表示するので、3次元カーソルが静止した状態(速度0)では、半直線や指示用図形を表示できない。また、指示用図形は3次元カーソルの移動方向に出現するため、指示用図形の向きを固定したまま3次元カーソルを横にスライドさせたり、バックさせることができず、指示用図形での指示操作が難しくなる。
【0022】(2)従来装置での指示用図形の表示方法では、常に3次元カーソルは前方方向に移動させなくなくてはならないため、3次元カーソル進行方向と反対側の物体を指示する場合、飛行機が空中で向きを変更するときのように、旋回動作を必要とし、指示操作に時間を要する。
【0023】(3)3次元カーソルが、入力装置からの方向ベクトルと速度値とで制御されるため、模型飛行機をラジオコントロール装置で制御するときのように、頭の中で複数の論理的操作を必要とし、操作に熟練を要する。点が上げられる。
【0024】また、指示上の問題としては、(4)指示要求が無い場合でも、常に、指示用の図形(半直線や円錐など)と物体との干渉をチェックしており、指示操作のための計算コストが高くなる。
【0025】(5)物体の中や裏に位置している対象物は、指示用の放射状図形との接触状態を画面上で視認できないため、選択が難しい。
【0026】(6)3次元カーソル先端を起点とする指示図形で対象物を指示しているため、3次元カーソルから遠距離の位置では指示図形が3次元カーソルの僅かな動きで大きく移動し、そのために遠くの対象物や小さな対象物を指示することが難しくなる。点が上げられる。
【0027】本発明は、こうした従来の問題点を解決するものであり、3次元カーソルの操作が容易であり、選択候補対象物やそれに対する3次元カーソルの位置関係を分かり易く表示することができ、物体の陰や内部に隠れている対象物あるいは小さな対象物を容易に選択することができ、また、選択した対象物を操作者の希望する空間位置へ迅速かつ容易に移動することができる多次元画像操作装置を提供することを目的としている。
【0028】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明では、操作ウィンドウに表示された3次元仮想空間に位置する対象物を選択して移動させる多次元画像操作装置において、操作ウィンドウに3次元的な動きが可能な3次元カーソルを表示するカーソル表示手段と、3次元カーソルの前方に見える視野領域を3次元カーソルの先端に結合した立体形状によって表示する視野形状表示手段と、視野領域に映る3次元仮想空間を操作ウィンドウの一部を用いて視野ウィンドウに表示する視野領域表示手段と、視野ウィンドウに選択指標を表示する選択指標表示手段とを設け、視野ウィンドウに表示された対象物を選択指標で選択し、選択された対象物と視野領域を表わす立体形状と3次元カーソルとの関係を保持した状態で3次元カーソルを移動することにより、選択された対象物を移動するように構成している。
【0029】また、操作空間の原点位置を指定する原点指定手段と、操作空間における位置および方向を入力する入力手段とを設け、原点に対する入力手段の位置および方向に基づいて3次元カーソルの3次元仮想空間における位置および方向を設定している。
【0030】また、選択された対象物を識別するために、視野ウィンドウに表示された対象物と選択指標との交差計算を行なう選択判別手段を設けている。
【0031】また、選択判別手段が、選択要求の操作が行なわれたときに始めて交差計算を行なうように構成している。
【0032】また、視野領域表示手段に、3次元仮想空間における全ての対象物の位置および形状データと視野領域を表わす立体形状の位置および方向データとに基づいて視野ウィンドウ内の表示データを作成するデータ作成手段を設けている。
【0033】また、入力手段の動きに対して、3次元カーソルに代えて選択指標が連動するように切替え可能にしている。
【0034】また、視野ウィンドウの操作ウィンドウにおける表示位置を3次元カーソルの動きに合わせて可変する視野ウィンドウ移動表示手段を設けている。
【0035】さらに、視野ウィンドウを対象物の選択が行なわれた後に消去する視野ウィンドウ消去手段を設けている。
【0036】
【作用】そのため、操作ウィンドウの一部に表示される視野ウィンドウには、3次元カーソルの先端から3次元仮想空間を眺めたときの景観が映し出される。操作者は、この視野ウィンドウを見ながら、選択しようとする対象物に選択指標を合わせて選択の操作を行なう。この操作により、選択された対象物と3次元カーソルとの関係が視野を表示する立体図形を介して固定される。従って、操作者は、3次元カーソルを動かすことにより、選択した対象物を3次元仮想空間中の希望する位置に移動させることができる。
【0037】3次元カーソルは、操作空間における入力手段の位置および方向と1対1に対応して3次元仮想空間中を移動する。入力手段を操作し、3次元カーソルを3次元仮想空間に配置された対象物の裏側や対象物の内側の位置に置くことにより、対象物によって隠されている部分が視野ウィンドウに表示される。従って、そうした部分に在る対象物を選択の対象に加えることが可能になる。
【0038】選択された対象物を識別するために行なわれる選択指標と対象物との交差計算は、操作者によって選択の操作が行なわれてときにだけ実行される。そのため常時計算を行なう方法に比べて、計算コストが軽減する。
【0039】また、入力手段の動きと3次元カーソルとの動きを切り離し、選択指標が入力手段と連動するように切換えた場合には、視野ウィンドウに映る景観が固定され、その景観上を選択指標を動かすことができる。従って、固定した景観の中から対象物をきめ細かく選択することができ、選択操作が容易となる。
【0040】また、視野ウィンドウの表示位置を3次元カーソルの動きに合わせて移動する場合には、操作ウィンドウ上の選択しようとする対象物の近傍に視野ウィンドウが表示されることになり、操作者は、視線を大きく変化させる必要がないので、選択の操作が容易になる。
【0041】さらに、対象物選択の操作が終了した段階で視野ウィンドウを消去することによって、対象物を移動させる操作がやり易くなる。
【0042】
【実施例】
(第1実施例)本発明の第1実施例における多次元画像操作装置を操作した場合の表示画面上の変化について、先ず説明する。
【0043】表示画面には、図1に示すように、操作ウィンドウ5に指示候補対象物である6角柱8、直方体9および3角柱10と、3次元カーソル6とその前方延長線上に位置する半透明の視野領域形状7とが表示され、更に、この視野領域形状7の内部の景観が、視野形状によって示される投影法に従って視野ウィンドウ11に表示される。なお、視野形状は、投影パラメータの視覚化であり、この実施例では視野形状を4角錐に設定している。この場合、視野ウィンドウ11には透視投影法で表わされる画像が表示される。この他、視野形状を直方体に設定した場合には、視野ウィンドウ11に平行投影法で表わされる画像が表示される。
【0044】視野ウィンドウ11には、十字形状に目盛りの付いた選択指標12と選択用視野領域形状7内の景観が表示される。
【0045】3次元カーソル6は、命令ボタン3を備える3次元位置・方向入力装置2の実空間における絶対的な動きと連動して操作ウィンドウ5上を移動する。3次元位置・方向入力装置2は、操作空間の操作原点を示す入力装置原点位置指示装置4と共に、多次元画像操作装置の本体である3次元入力装置制御装置1に接続しており、3次元位置・方向入力装置2の絶対的な動きは、入力装置原点位置指示装置4との位置関係から求められる。なお、3次元位置・方向入力装置2と、入力装置原点位置指示装置4との間の位置関係は、磁気、光または音響等を用いて検出される。
【0046】図2は、別の選択候補対象物を視野ウィンドウ11に映すために、3次元位置・方向入力装置2を動かして、視野領域形状7を画面中で移動させた場合を示している。このとき、視野ウィンドウ中には、3つの選択候補対象物8、9および10が表示される。ここで、命令入力装置ボタン3を押下することにより、選択指標の指示ポイント(第1実施例の場合は、十字の中心点)と交差する対象物9が選択される。
【0047】図3は、選択確定後の対象物の移動方法を示しており、選択確定時の3次元カーソル6と視野領域形状7、および選択対象物9の空間的な位置関係を保持して移動することができる。
【0048】図4は、移動中の対象物の移動を停止させるところを示している。3次元位置・方向入力装置3をもう一度押下することにより、対象物と3次元カーソル6および視野領域形状7の連動が解かれ、対象物9がその位置で固定される。
【0049】こうした操作を行なう第1実施例の多次元画像操作装置は、図5に示すように、3次元カーソルと選択用の視野領域形状との移動操作を行なう処理手段(操作手段)として、実作業空間の操作原点を示す入力装置原点位置指定装置4と、操作者の操作する3次元の位置・方向データを入力する3次元位置・方向入力装置2と、入力装置原点位置指定装置4と3次元位置方向入力装置2との関係から入力装置の空間的な位置・方向データを生成する3次元入力装置制御部23と、3次元入力装置制御部23から得た位置・方向データに基づいて3次元仮想空間の位置座標値と方向ベクトルとを計算する3次元位置・方向測定部27と、3次元位置・方向測定部27から得た3次元位置・方向データに基づいて3次元仮想空間中の3次元カーソルの新たな位置・方向を計算する3次元カーソル移動計算部28と、3次元カーソルの形状、色等の表示属性データや3次元カーソル移動計算部28の計算した新規3次元カーソルの位置データを記録する3次元カーソル形状・位置記録部29と、3次元カーソルの移動に伴う新たな視野領域形状の移動位置を計算する視野領域移動計算部33と、操作ウィンドウ中の視野領域の形状および位置データ、視野ウィンドウのサイズおよびスクリーン位置データ並びに選択指標の形状データを記録する視野領域形状・パラメータ記録部34とを備えている。
【0050】また、指示用の視野領域形状で捕らえた対象物を視野ウィンドウで確認して選択し移動する処理手段(対象物選択移動手段)として、操作者の対象物の選択要求等を入力する命令入力装置24と、命令入力装置24からの要求信号を受け取り、システムが理解できるデータに変更する命令入力装置制御部25と、命令入力装置制御部25からの命令データを解釈して対象物選択、対象物移動などの指示を各処理部へ出す命令判別・制御部26と、命令判別・制御部26からの命令に従って視野ウィンドウ中の選択指標と交差している対象物を判別し、そのIDを保持する選択対象判別部30と、選択対象物の新規移動位置を計算する選択対象物移動計算部31と、各対象物の形状、位置データおよび表示属性データを記録する対象物形状位置記録部32とを備えている。
【0051】また、操作結果を表示装置に表示する処理手段(表示手段)として、視野ウィンドウ内の選択指標や視野領域内の対象物の表示データを生成する視野ウィンドウ描画部35と、操作ウィンドウにおける3次元カーソル、視野領域形状および全対象物を描画するための表示データを生成する操作ウィンドウ描画部36と、操作ウィンドウ描画部36および視野ウィンドウ描画部35の表示データを合成して表示装置38へ映し出すための表示信号に変換する表示制御部37と、表示制御部37からの表示信号を受けてCRT等の表示装置に画像を映し出す表示装置38とを備えている。なお、図5における矢印は信号およびデータの流れを示している。
【0052】この装置において、3次元カーソルおよび視野領域形状を移動する処理は、次のように行なわれる。
【0053】操作者が3次元位置・方向入力装置2を操作すると、その結果は、随時、3次元入力装置制御部23を介して3次元位置・方向測定部27に取込まれ、ここで3次元仮想空間で取り扱っている空間的な位置と方向データに変換される。このデータを受けて、3次元カーソル移動計算部28は、3次元カーソルの新たな位置・方向を計算し、その結果を3次元カーソル形状・位置記録部29に記録する。
【0054】これと同時に視野領域移動計算部33は、3次元カーソル前方方向に位置している視野領域形状の移動位置を、3次元カーソル形状・位置記録部29から得た3次元カーソル位置・方向データに基づいて計算し、視野領域形状・パラメータ記録部34に記録する。
【0055】一方、操作ウィンドウ描画部36および視野ウィンドウ描画部35は、3次元カーソル形状・位置記録部29、視野領域形状・パラメータ記録部34および対象物形状位置記録部32のデータに基づいて、それぞれ、操作ウィンドウまたは視野ウィンドウ内の表示データを作成する。そして、これらのデータによって表わされる画像が、表示制御部37を介して、表示装置38に映し出される。
【0056】こうした処理により、操作ウィンドウには、対象物と、3次元カーソルと、3次元カーソルの動きに合わせて移動する視野領域形状とが表示され、また、視野ウィンドウには、視野領域形状の動きに合わせて、その内部の変化する景観が表示され、その景観の中に入る選択対象物が視覚的に明確に映し出される。
【0057】次に、対象物を選択して移動する処理は、次のように行なわれる。操作者が命令入力装置24から対象物の選択要求を行なうと、この選択要求は、命令入力装置制御部25を介して、命令判別・制御部26に送られ、そこで要求の内容が判断される。要求内容を判断した命令判別・制御部26から選択要求の指示を受けた選択対象判別部30は、視野領域形状・パラメータ記録部34から操作ウィンドウにおける視野領域形状の視点・視線データおよび選択指標の形状データを得、また、対象物形状位置記録部32から各対象物の形状および位置データを得て、視野ウィンドウ内の選択指標と交差する対象物を計算により求める。選択指標と交差する対象物が存在していた場合には、その対象物IDデータが選択対象物判別部30に保持される。
【0058】この選択確定後、選択された対象物IDデータが選択対象物移動計算部31に渡され、選択対象物移動計算部31は、この対象物の新たな空間位置を3次元カーソル形状・位置記録部29から得た3次元カーソルの位置データに基づいて計算し、対象物形状位置記録部32の旧空間位置データを更新する。このように、対象物の移動量を3次元カーソルおよび視野領域形状の移動量と並行させることにより、選択確定時の3次元カーソル、視野領域形状および選択対象物の空間的位置関係が保持された状態で、対象物が移動される。
【0059】移動中の選択対象物をその移動された位置に再配置する場合には、操作者の要求内容を判別した命令判別・制御部26から移動中止命令が出され、これに応じて、選択対象判別部30は、保持していた選択対象物IDを消去し、これと同時に選択対象物移動計算の中止命令を選択対象物移動計算部31に出す。その結果、3次元カーソルおよび視野形状の動きと選択対象物とが分離され、選択対象物がその場で固定される。
【0060】こうした操作の間、操作ウィンドウ描画部36および視野ウィンドウ描画部35は、3次元カーソル形状・位置記録部29、視野領域形状・パラメータ記録部34または対象物形状位置記録部32のデータから各ウィンドウにおける表示データを作成し、表示装置38には、操作の各過程が映し出される。
【0061】以上の説明から明らかなように、第1実施例の装置では、3次元仮想空間における3次元カーソルの位置および向きが、実操作空間における3次元位置・方向入力装置の位置および向きと1対1に対応する。3次元位置・方向入力装置を横方向にずらせば、3次元カーソルも同じように横方向にずれ、3次元位置・方向入力装置を一定位置で方向転換すれば、3次元カーソルも同じように方向転換する。また、対象物を選択するための視野領域形状は、3次元仮想空間において、常に3次元カーソルの前方に表示される。従って、3次元カーソルを横にずらしたり、バックさせることによって、3次元カーソルの向きを変えずに、視野領域形状を横方向に動かし、また、バックさせることができる。
【0062】このように、操作者が実操作空間で3次元位置・方向入力装置を動かすと、その動きに追従して3次元仮想空間中の3次元カーソルとその前方に位置する視野領域形状とが1対1の関係で移動するため、3次元カーソルおよび視野領域形状の操作は、従来の速度と方向ベクトル値とによって3次元カーソルおよび選択用放射状図形を動かす方法に比べて、極めて容易であり、また、高速の操作が可能となる。
【0063】また、第1実施例の装置では、操作ウィンドウ中の対象物を別の視野から眺めて、この視野に映る対象物を別のウィンドウ(視野ウィンドウ)に表示すると共に、その視野に入ったものの中から対象物の選択を行なっている。そのため、従来の選択方法では不可能であった物体の裏や内部の対象物をも選択することができる。
【0064】更に、第1実施例の装置では、選択対象物を特定するために実施する選択指標(点)と対象物との2次元的な交差判断が、操作者により選択要求がされた時にのみ実行される。そのため、選択用の放射状図形と対象物との干渉を常時計算する従来の方法に比べて、対象物選択のための計算コストを大幅に軽減できる。
【0065】(第2実施例)本発明の第2実施例の多次元画像操作装置では、図6および図7に示すように、3次元入力装置2の指示ボタン3をダブルクリックすることにより、3次元入力装置2と3次元カーソル6との連動が切り離され、視野ウィンドウに映る視野が固定される。同時に、このダブルクリックにより、視野ウィンドウ中の選択指標12が3次元入力装置2と連動するようになり、3次元入力装置2を動かすと、図7に示すように、その動きに追従して選択指標12がウィンドウスクリーン上を移動する。
【0066】図6での選択指標12の指示ポイント(選択指標点)は、視野ウィンドウ中央に位置する立方体に合っているが、図7のように3次元入力装置2を矢印14の方向に移動させると、選択指標は12の状態から13の状態にリニアーに移動し、選択指標点が6角柱を指示する。
【0067】このように、第2実施例の装置では、視野領域形状の視野に捕捉された複数の選択候補対象物の中から、視野を固定した状態で任意に1つづづ対象物を選択することができる。従って、小さな対象物や遠くの対象物であっても、視野領域形状の視野に捕捉しさえすれば、簡単かつ迅速に選択することができる。更に、視野ウィンドウに表示されている複数の選択候補対象物を同時に複数個、指示することも可能となる。
【0068】この第2実施例の多次元画像操作装置は、図8に示すように、視野ウィンドウ中の選択指標点の移動量を計算する選択指標移動計算部39と、選択指標点の位置を記録する選択指標位置記録部40と、選択指標点の移動に応じて対象物選択の補正計算を行なう指示用視線補正計算部41とを備えている。その他の構成は、第1実施例の装置(図5)と変わりがない。
【0069】この装置では、命令判別・制御部26が、命令入力装置からのダブルクリックを判断すると3次元カーソル移動計算部28の処理をストップさせ、選択指標移動計算部39の処理に切り替える。これにより、画面中の3次元カーソルおよび視野領域形状の動きが止まる。選択指標移動計算部39は、3次元位置・方向測定部27から得た3次元位置データに基づいて、視野ウィンドウ中の選択指標の移動量を計算し、選択指標形状・位置記録部40に新規選択指標点の位置を記録する。これにより、視野ウィンドウ中の選択指標を3次元位置・方向入力装置2の動きに追従させてウインドウスクリーン上を動かすことができるようになる。
【0070】この状態で、命令入力装置24からシングルクリックが入力されると選択命令判別・制御部26は選択対象指示要求があったと判別し、選択対象判別部30へ対象物指示要求の指令を出す。選択対象判別部30は、対象物指示命令を受け取ると、指示視線補正計算部41を起動して、選択指示点と交差する選択候補対象物の計算を行なわせる。
【0071】指示視線補正計算部41は、視野領域形状・パラメータ記録部34から3次元空間中の対象物選択用の視野領域形状の視点位置データを読み込み、選択指標点の移動に伴って方向の変わった対象物を選択するための3次元仮想空間中の視線方向を補正計算する。更に、対象物形状位置記録部32から各対象物の位置データを読み込み、前述の視線と各対象物との交差計算を行なう。これにより、選択対象物を識別し、選択対象判別部30へ選択候補対象物のIDを返送する。
【0072】更に、命令入力装置24からシングルクリックが入力されると指示用視線補正計算部41は、前述と同じ方法により選択対象物を識別し、選択対象物IDを選択対象判別部30へ返送する。選択対象物判別部30は、同一対象物が再度選択された場合には選択候補対象物の指示要求が終了したと判断し、選択された全ての対象物を移動させるために選択対象物移動計算部31を起動する。これと同時に、3次元位置・方向入力装置2の動きに対する連動を、選択指標から、3次元カーソルに切替える。こうした動作により、視野ウィンドウ中に表示された対象物から任意の1または複数の対象物を選択し、3次元空間中を自由に移動させることが可能となる。
【0073】(第3実施例)本発明の第3実施例の多次元画像操作装置では、図9に示すように、視野ウィンドウ11が3次元カーソル6に追従して画面上を移動する。図9では、視野ウィンドウ11が3次元カーソルの前方に表示されているが、視野ウィンドウが、視野ウィンドウの中心に位置する選択候補対象物の近傍に表示されるように、表示位置を設定することもできる。また、視野ウィンドウが不要となる、対象物の選択確定後には、図10に示すように、視野ウィンドウが画面から消える。
【0074】このように視野ウィンドウの移動により、選択対象物と近い位置に視野ウィンドウが表示され、そのため、対象物を選択しようとする操作者の目の移動量は少なくて済み、対象物を視野ウィンドウで視覚的に捉えることが容易になる。また、視野ウィンドウを必要とする対象物選択作業以外では、このウィンドウが消えることによって、操作ウィンドウ上の表示面積が広がり、操作が容易になる。
【0075】こうした動作を行なう第3実施例の多次元画像操作装置は、図11に示すように、視野ウィンドウの表示位置を計算し制御する視野ウィンドウ位置計算部42を備えている。その他の構成は第1実施例の装置(図1)と変わりがない。
【0076】視野ウィンドウ位置計算部42は、選択対象判別部30から、対象物の選択中であることを示す何らかの情報を受取ると、3次元カーソル形状・位置記録部29から現行カーソル位置と方向データとを読み込み、これをスクリーン座標値に変換する。次に、視野領域形状・パラメータ記録部34から視野ウィンドウサイズを読み込んで、計算により求めた新規視野ウィンドウのスクリーン位置で、視野ウィンドウ全体が表示できるかどうかを判断し、一部がスクリーンからはみ出す場合には、表示位置を補正する。そして、このようにして決定した視野ウィンドウ位置を視野ウィンドウ描画部35へ送る。こうした動作により、視野ウィンドウは、3次元カーソルの動きに追従して、その近傍に表示される。
【0077】また、視野領域ウィンドウ位置計算部42は、選択対象物判別部30から、対象物が選択され移動中であることを示す情報を受取ると、視野ウィンドウの表示を中止するように視野ウィンドウ描画部35に対して指令を出す。その結果、大きな表示領域を占有する視野ウィンドウが画面から消える。
【0078】
【発明の効果】以上の実施例の説明から明らかなように、本発明の多次元画像操作装置では、3次元カーソルおよびその前方に位置する視野形状が、実操作空間での位置・方向入力装置の動きと1対1に対応して動くため、画像編集操作が容易となり、また、高速に操作することが可能になる。
【0079】また、操作ウィンドウ中に別の視野領域を置き、その視野に入ったものの中から対象物を選択する方法を採っているため、物体の裏や内部の対象物をも選択することができる。
【0080】また、対象物選択の計算を、操作者から選択要求された時だけに限定できるため、計算コストが大幅に軽減できる。
【0081】また、視野ウィンドウの表示を固定して、選択指標点の方を動かすことにより、移動させるべき1または複数の対象物を容易に選択することができる。
【0082】また、視野ウィンドウの表示位置を、3次元カーソルの動きに追従させることにより、対象物の選択操作が容易になる。また、選択操作後に視野ウィンドウを消去することにより、その後の操作がやり易くなる。




 

 


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