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発明の名称 三次元画像撮像方法および三次元画像表示装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−193841
公開日 平成7年(1995)7月28日
出願番号 特願平5−333865
出願日 平成5年(1993)12月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 荻原 昭文 / 秋山 浩二 / 田中 幸生 / 小川 久仁
要約 目的
眼鏡を用いることなく、かつ広い視野角で自然な立体画像を観察できる三次元画像表示装置、および被写体や被写体を照らす光源に制約を持たず、複雑な信号処理を必要としない安価な撮像方法の提供。

構成
三次元画像表示装置は、画像表示装置101で順次時分割表示した複数の画像を、画像偏向装置102によって複数の方向に偏向し、三次元画像の表示を行う。画像表示装置101で表示する画像は、予め順次時分割され、偏向装置102によって複数の方向に偏向できるため、装置構成が簡便化でき、眼鏡等を用いることなく広い視野角で自然な立体画像を表示できる。また、三次元画像撮像方法は、被写体を順次時分割で異なる方向から撮像するため、被写体の奥行き、光源等を選ばず、自然な映像を撮像できる。
特許請求の範囲
【請求項1】被写体を、異なる方向から複数の撮像装置を用い、時分割で撮像することを特徴とする三次元画像撮像方法。
【請求項2】複数の撮像装置が、二次元に配列されていることを特徴とする、請求項1記載の三次元画像撮像方法。
【請求項3】単一の撮像装置と複数の鏡を用い、被写体を撮像することを特徴とする三次元画像撮像方法。
【請求項4】複数の鏡が、二次元に配列されていることを特徴とする、請求項3記載の三次元画像撮像方法。
【請求項5】複数の鏡の反射率が、時分割で変化することを特徴とする、請求項3または4何れかに記載の三次元画像撮像方法。
【請求項6】複数の画像を時分割表示する手段と、前記画像を複数の方向に偏向する手段とを具備したことを特徴とする三次元画像表示装置。
【請求項7】複数の画像を偏向する方向が、前記複数の画像を各々撮像した方向であることを特徴とする、請求項6記載の三次元画像表示装置。
【請求項8】複数の方向に偏向する手段が、鏡であることを特徴とする、請求項6または7何れかに記載の三次元画像表示装置。
【請求項9】複数の方向に偏向する手段に、音響光学素子を含むことを特徴とする、請求項6または7何れかに記載の三次元画像表示装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、立体画像を撮像する方法、および立体画像を映し出す三次元画像表示装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】立体画像を映し出す三次元画像表示装置としては、従来より2色または互いに直交する偏光特性を持つ眼鏡を用いるものが知られている。これらの方式のものは、眼鏡の左右眼部の光学的特性の違いを利用して、観察者の左右の目にそれぞれ別々の画像を認識させ、両眼視差と呼ばれる、人間の脳の生理的機能により立体感を感じさせるものである。
【0003】また、最近眼鏡等を必要としない方式も提案されてきた。その代表的なものとしては、例えばレンティキュラレンズシートにより、両眼の水平方向の間隔による結像位置のずれを利用して、左右の目に別々の画像を見せ、立体視を行うものである。この方式の表示画像の撮像方法としては、三次元物体を2台以上の撮像装置を用いて多方向から同時に撮像し、画像を一旦メモリに記憶した後、これらの複数の画像を用いて新たに三次元用の画像の合成処理を行っている。
【0004】上述したもの以外の方式としては、例えばレーザ光を用いて物体の反射光と参照光との干渉縞を記録し、この干渉縞からの回折で三次元波面を再生するホログラフィ技術を用いた立体表示の方式がある。この方式によれば、元の物体と全く同様の立体画像を再生することが可能である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】眼鏡等を使用して立体視を行う場合、特別な眼鏡を使用しなければならないという煩わしいという課題がある。
【0006】また、レンティキュラレンズシートを用いた方式では、眼鏡を用いなくても良いものの、立体画像を見ることができる視野角は、レンティキュラレンズのピッチで制限される課題がある。
【0007】但し、この視野角は、レンティキュラレンズのピッチを小さくすることにより原理的に広げることが可能であるが、実際は、レンティキュラレンズシートと画像表示面との位置合わせが困難であるという問題や、画像表示部分の分解能が制限されるため、通常得ることができる視野角は、僅か5度程度と小さいという課題もある。
【0008】さらに、レンティキュラレンズシートを通して観察する場合、観察位置によって右目と左目にそれぞれにはいる画像が逆転する領域が存在し、この領域に観察者がいる場合には、物体の凹凸が逆になるという不自然な逆視像を認識してしまう問題がある。
【0009】また、この方式における撮像方法としては、2台以上の撮像装置を用いて多方向から同時に撮像を行うものであるが、撮像装置の台数に応じて画像記憶のためのメモリを必要とし、メモリ部分が増大してしまうという欠点がある。
【0010】さらに、これらの撮像装置で撮像した複数の画像を合成して、新たに三次元用の画像を作り出さなければならなく、このため、専用の画像信号処理装置を必要とし、システムが複雑化するという問題が生じる。
【0011】ホログラフィ技術を用いた方式では、記録時にレーザ光のようなコヒーレントな光源を必要とすること、および現像を必要とする乾板を用いなければならないため、実時間での記録再生が難しい問題がある。さらに、この方式は、低反射率のものの記録が困難であり、記録できる被写体が限られる欠点もある。
【0012】本発明の目的は、被写体や被写体を照らす光源に制約を持たず、複雑な信号処理装置を必要としない撮像方法を提供すると共に、眼鏡を用いること無く、かつ広い視野角で、自然な立体画像を観察することができる三次元画像表示装置を提供することである。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記の問題点を解決するために、第1の発明は、被写体を複数の撮像装置で順次時分割して撮像する、または、単一の撮像装置および複数の鏡を使用し被写体を撮像する何れかの三次元画像撮像方法である。また、第2の発明は、時分割表示した複数の画像を、複数の方向に偏向する手段を備えた三次元画像表示装置である。
【0014】
【作用】本発明の三次元画像撮像方法は、画像表示に同期して時分割して撮像し、これを順次時系列的に画像表示部に送ることができるため、同時に複数の画像をメモリ内に記憶する必要がなく、また撮像装置の台数に関係なく、単に一枚の画像の記憶のためのメモリ部を必要とするだけでよい。さらに、新たに三次元用の画像を合成する必要がないため、専用の画像信号処理回路も必要としない。
【0015】また、本発明における三次元画像表示装置は、画像偏向装置により、画像表示装置に表示された画像を任意の方向に偏向できる機能を有している。このような構成のため、人間の目による残像効果の作用により観察者は複数の画像を同時に認識する。このため、両願視差の作用が働き、立体像を知覚することができる。
【0016】すなわち、例えば観察者が左右に位置を移動した場合は、移動に対応した画像が認識されるため、運動視差の効果が生じる。
【0017】また、複数の画像をそれぞれ異なった方向に偏向して表示することは、空間的な表示領域を拡大することになり、画枠が観察者の中心視に入ることが少なくなる。その結果、観察者は表示面までの距離や位置を感じ難くなる。
【0018】このため、空間スクリーン的な効果が生じ、表示されている画像が、二次元画像であるとの意識が弱められ、表示空間に奥行き方向の広がりを感じることができるようになる。
【0019】さらに、時分割表示する画像の数を増すと共に、画像の偏向方向も細分化することにより、これらの効果をより高めることができる。すなわち、多角形の辺の数を増していくと、多角形が次第に滑らかな円に近づいて見えるように、表示される画像の数を増やすにつれ、観察者が観察する像は不連続な個々の平面画像ではなく、いくつかの画像が連続的に結合されて作り出される滑らかな曲面を持った、より自然な立体像となる。
【0020】上述のように、本発明の三次元画像撮像方法で順次時分割した撮像を、本発明の三次元画像表示装置に用いることにより、特別な画像信号処理装置を必要としない簡略化した安価な装置を実現することができる。
【0021】また、本発明の三次元画像表示装置は、立体視の要因としての両願視差、運動視差、空間スクリーン効果、三次元的波面再生効果の4つの要因を同時に満足している。従って、これらのうちのただ一つの立体視の要因に頼っていた従来の眼鏡方式やレンティキュラレンズシート方式に比べて、本当の被写体を観察しているようなより自然な三次元画像を知覚認識することができる。
【0022】
【実施例】本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0023】図2および図3は、本発明の三次元画像撮像方法の一実施例である。図2では水平方向に4台の撮像装置202〜205を配置しているが、2台以上であれば何台の撮像装置を用いても良い。これらの撮像装置202〜205によって順次時分割して撮像した画像をメモリ部を通して、人間の目による残像効果が保たれる時間内(1/30秒以下)に順次時分割して、画像表示装置101上に表示する。
【0024】このように本発明の三次元画像撮像は、画像表示に同期して時分割して行い、これを時系列的に画像表示装置101に送り表示を行うため、複数の画像を同時にメモリ内に記憶する必要がなく、撮像装置の台数に関係なく、単に一枚の画像を記憶するメモリを用意するだけでよい。
【0025】このため、メモリ部を増やすことなく撮像装置の台数を容易に増加し、より自然な三次元画像を提供することができる。
【0026】また、撮像された画像をそのまま表示する場合には、従来のように撮像された複数の画像から専用の画像処理装置を用いて、新たに三次元用の画像を合成する必要がないため、信号処理装置を簡略化し、コンパクトな構成とすることができる。
【0027】図2では、水平方向のみ撮像装置を配置して撮像を行っているため、鉛直方向における立体視の機能は有していない。鉛直方向を含めたより自然な三次元画像を提供するためには、図3に示すように撮像装置301〜308を二次元に配置して撮像を行うことが望ましい。但し、図3は8台の撮像装置301〜308を2×4のアレイ状に配置しているが、撮像装置301〜308の間隔を均一あるいは不均一にしても良く、台数をさらに増やして例えば5×3、4×8、10×10のように任意に配列しても良い。
【0028】このように、撮像装置301〜308を二次元に配置している場合、図1における画像表示装置101上に表示される画像は、撮像された方向に応じて、画像偏向装置102によって水平、鉛直の両方向に偏向される。これにより、観察者103が水平、鉛直の任意の位置に移動した場合でも、その動きに応じた左右、上下の方向の立体像を知覚することができ、観察位置によらない完全な立体視が可能になる。
【0029】図4は、本発明の三次元画像撮像方法の別の実施態様で、一台の撮像装置および複数の鏡を使用して撮像を行う一実施例を示したものである。
【0030】ミラー402〜409は、三次元物体201の多方向からの画像を反射して、撮像装置401に入射するように円弧状に二次元に配置されている。但し、図4では、2×4の8個の鏡をアレイ状に配置しているが、鏡の間隔を均一あるいは不均一にしても良く、個数をさらに増やして例えば6×4、5×9、20×20のように任意に配列しても良い。
【0031】また、この図4では省略したが、ミラー402〜409の前面には、機械的な開閉方式のものや透過率変化型のシャッタが設けられており、このシャッタによりミラー402〜409の反射率を順次時分割して変化することにより、三次元物体201の多方向からの画像を時分割して選択し、撮像装置401に入力する。
【0032】透過率変化型のシャッタとしては、例えばツイストネマティク液晶、強誘電性液晶、動的散乱モード液晶などからなる液晶シャッタ等が適用できる。
【0033】ミラー402によって選択される像は、図3における撮像装置301によって撮像された画像に対応し、以下順にミラー403〜409による画像は、撮像装置302〜308によるものに対応する。撮像装置を複数用いて撮像する代わりに複数の鏡を用いることにより撮像システムを構成するときのコストを大幅に引き下げることができる。
【0034】また、撮像方法は、画像表示に同期して時分割して撮像し、これを順次時系列的に画像表示部に送ることができるため、同時に複数の画像をメモリ内に記憶する必要がなく、撮像装置の台数にも関係なく、一枚の画像の記憶のためのメモリ部を必要とするだけでよい。
【0035】さらに、新たに三次元用の画像を合成する必要がないため、専用の画像信号処理回路も必要としない。
【0036】本発明の三次元画像表示装置の一実施態様の原理を、図1を用いて説明する。図1では、例えば従来のCRTや液晶テレビのように二次元画像を表示する画像表示装置101を、観察者103が画像偏向装置102を通して見るものとする。また、この画像偏向装置102は、画像表示装置101に表示された画像を任意の方向に偏向できる機能を持つものである。
【0037】今仮に、図2に示すように、ある被写体201を複数の撮像装置202〜205によって、異なる方向から順次時分割して撮像し、これらの画像を画像表示装置101上に撮像と同期して順次時分割表示したとする。
【0038】この状態では、観察者103は、両目で順次時分割表示された画像を見ることになり、人間の持つ残像効果により被写体201が回転しているような二次元画像を知覚するだけで三次元画像は知覚できない。
【0039】次に、画像表示装置101に画像を時分割表示する際、画像偏向装置102を用いて、その画像が撮像された方向に合わせて画像を偏向する。つまり、図2の撮像装置202によって撮像された画像は図1の出力像1の方向、撮像装置203による画像は出力像2の方向、撮像装置204、205による画像は、各々出力像3、出力像4の方向にそれぞれ偏向する。
【0040】このとき、観察者103は、右目で出力像3を、左目で出力像2を観察するようになる。これらの画像は残像効果により、同時に認識されることになり、両眼視差の作用が働き、観察者103は、立体像を知覚することになる。
【0041】また、例えば観察者103が観察位置を左側に移動した場合、右目は出力像2を左目では出力像1を観察することになる。また、逆に右側に移動した場合は、出力像3と出力像4を左、右それぞれの眼で観察する。
【0042】つまり、観察位置の移動に対応した情報が、表示される運動視差の効果が生じ、観察者103はより自然な空間知覚を感ずる。
【0043】図1のように画像を複数の方向に偏向して表示することは、空間的な表示領域を拡大することになり、画枠が観察者103の中心視に入ることが少なくなり、観察者103は、表示面までの距離や位置を感じ難くなる。
【0044】その結果、空間スクリーン的な効果が生じ、表示されている画像が二次元画像であるとの意識がより弱められ、表示空間に奥行き方向の広がりを感じることができるようになる。
【0045】さらにこの効果は、被写体201を撮像する撮像装置を増やして順次時分割表示する画像の数を増すと共に、画像の偏向方向も細分化することによりさらに高められる。
【0046】つまり、例えば多角形の辺の数を増していくと、多角形が次第に滑らかな円に近づいていくように、表示される画像の数が増えるにつれ、観察者103によって観察される像は不連続な個々の平面画像ではなく、いくつかの画像が連続的に結合されて作り出される滑らかな曲面を持った、より自然な立体像となる。これはホログラフィ再生時の三次元の波面再生と同様の効果である。
【0047】図1の画像表示装置101は、複数の2次元画像を時分割表示できれば何れでも適用でき、例えば陰極線管(以下CRTと略記する)、プラズマディスプレイ、液晶表示素子等が挙げられる。
【0048】画像表示装置101に表示される画像は、例えば図2に示すように、ある被写体201を複数の撮像装置202〜205によって撮像したものである。なおこの時、被写体を照らす照明は、一般的に太陽光や電球、蛍光灯等の自然光が適用されるが、その他特殊な場合では例えば単波長の光源であってもよい。
【0049】また、図1の画像偏向装置102は、これらの画像を複数の方向に偏向する機能を有する。
【0050】次に、撮像された複数の画像を、複数の方向に偏向する図1の画像偏向装置102の詳細な説明を行う。図5及び図6は、機械的方式により画像を偏向する画像偏向装置102を備えた三次元画像表示装置の一実施例を示したものである。
【0051】図5は、画像表示装置101によって順次時分割表示された画像を、振動させた可動ミラー501によって、画像の反射位置を変化させて、画像の偏向を行い、散乱透過スクリーン502上に表示するものである。
【0052】可動ミラー501としては、例えば電気的あるいは機械的に可動なガルバノミラーが使用できる。また、例えば図6に示したように、微少な短冊状に分割した小型ミラーを可動ミラー501として使用することによっても、図5の場合と同様の効果を得ることができる。これらの小型ミラーは回転することにより、画像の偏向を行うことができ、例えば散乱透過スクリーン502上に三次元画像を表示することができる。
【0053】図7は、光の透過媒体の屈折率変化によって画像を複数の方向に偏向する画像偏向装置102を備えた本発明の三次元表示装置の他の実施例を示したものである。
【0054】透過媒体の屈折率変化を起こす方法としては、例えば電気信号の入力によって屈折率変化を引き起こす電気光学効果、あるいは音波を入力とする音響光学効果をはじめ、光の照射によって屈折率変化を引き起こす光学的効果などが利用できる。これらの方式は、上述した鏡を用いた方式に比べ機械的可動部分を持たないため、信頼性が向上すると共に、軽量でコンパクトな装置を実現することができるため好ましい。
【0055】図7は、光の透過媒体の屈折率変化を示す物質の一例として、音響光学効果を用いた音響光学素子(以下AOデバイスと称する)の屈折率変化によって画像を偏向する一例を示した。画像表示装置101上に順次時分割表示される画像を偏向する画像偏向装置102は、超音波信号を伝達するトランスデューサ701、屈折率分布を生じる超音波媒体702、および超音波吸収体703から成る。一般にトランスデューサ701、超音波媒体702、超音波吸収体703までを総称してAOデバイスと呼ぶ。
【0056】トランスデューサ701を用いて、超音波媒体702に超音波信号を印加すると、それに対応した屈折率変化が超音波媒体702内部に生じ、位相回折格子と同様の機能を実現できる。超音波媒体702に図7で示すようなノコギリ波状の屈折率分布を与えると、入射光である画像表示装置101からの画像は、ノコギリ波の形状に応じてある角度方向へ偏向される。偏向角θは、ノコギリ波のピッチを小さくすれば、大きくなるため、トランスデューサ701に印加する超音波信号の周波数を大きくすることにより、偏向角θを大きくとることができる。また、逆に超音波信号の周波数を小さくすれば、偏向角θは減少する。
【0057】このようにトランスデューサ701に印加する超音波信号の周波数を変化させることによって、ノコギリ波のピッチを制御することができ、偏向方向を任意に定めることが可能である。
【0058】また、トランスデューサ701への超音波信号の印加を行わず、一方向から撮像した特定の撮像装置からの画像のみを画像表示装置101に表示すれば、通常の二次元画像表示も行うことができる。
【0059】また、超音波媒体702に屈折率差が大きい材料を用いると、超音波媒体702の厚みを小さくすることができ、軽量化が可能になる。このため、屈折率差が大きく生じる材料の使用が望ましい。このような屈折率差が大きい材料としては、例えば重フリントガラス、溶融石英、TeO2、LiNbO3、Pb2MoO5などが挙げられる。また、これらの材料は、数十MHz程度までの高速応答が可能であり、光透過率も90パーセント以上の値を実現できるので有用である。例えばLiNbO3をトランスデューサ701に使用した場合、数百MHZまでの駆動が可能である。また、超音波吸収体703としては、例えば重フリントガラス、溶融石英、TeO2、Pb2MoO5等の使用が望ましい。
【0060】図8に、円弧上に配置した画像表示装置801〜804と、時分割で駆動するシャッタ805〜808とを組み合わせた本発明の三次元画像表示装置の別の実施例を示す。この方式は、あらかじめ画像を出力したい方向に画像表示装置801〜804を複数配置することにより、複数の画像を複数の方向に偏向するものである。
【0061】但し、図8では、一例として水平方向に4台の画像表示装置801〜804を配置したが、画像表示装置801〜804は、少なくとも2台以上あれば良く、また、水平方向だけでなく二次元に配置しても良い。
【0062】画像表示装置801に表示される画像は、図2の撮像装置202によって撮像された画像であり、以下順に画像表示装置802〜804には、撮像装置203〜205によって撮像された画像が表示される。
【0063】画像表示装置801〜804としては、図1と同様にCRT、プラズマディスプレイ、液晶表示素子等が使用される。
【0064】シャッタ805〜808としては、機械的な開閉方式のものや、透過率変化型のものが使用でき、透過率変化型のものとしては、例えばツイストネマティック液晶、強誘電性液晶、動的散乱モード液晶等を用いた液晶シャッタが使用可能である。
【0065】シャッタの開閉時間は、人間の目の残像効果を保有できる時間内(1/30秒以下)であり、シャッタ805〜808を時分割して順に開閉することにより、画像表示装置801〜804に表示された画像が、順に特定の方向に散乱透過スクリーン502上に入力され、散乱透過スクリーン502上に三次元像を表示できる。
【0066】上述のように、本発明の三次元画像表示装置は、立体視の要因としての両眼視差、運動視差、空間スクリーン効果、三次元的波面再生効果の4つの要因を同時に満足している。従って、例えば従来の眼鏡方式やレンティキュラレンズシ−ト方式等のように、これらのうちのただ1つの立体視の要因に頼っていた方式に比べて、あたかも本当の被写体を観察しているようなより自然な三次元画像を知覚認識することができる。
【0067】また、本発明の三次元画像撮像方法は、複数の撮像装置を用い、被写体を順次時分割で撮像する、または、被写体を順次時分割する手段として複数の鏡を用い、単一の撮像装置で撮像するため、何れの方法であっても被写体が順次時分割された映像が得られる。
【0068】そのため、当該画像を三次元画像表示装置で表示する場合には、一枚の画像を記憶するメモリ部が不要であり、または三次元用に画像を合成するために必要であった専用の画像処理回路等の特別な画像信号処理装置を必要としない簡略化した安価なシステムを実現することができる。
【0069】特に、複数の画像を時分割表示する手段とこの画像を複数の方向に偏向する手段とを備えた本発明の三次元画像表示装置に適用すると、その効果は大である。
【0070】以下に具体的な実施例について説明する。
(実施例1)図5に示す本発明の三次元画像表示装置を、対角5インチのCRTから成る画像表示装置(以下CRTと称す)101、対角10インチのガルバノミラーから成る可動ミラー501、そして、対角15インチの散乱透過スクリーン502を使用して構成した。
【0071】CRT101の中心より15cm〜20cmの位置にガルバノミラー501を配置し、ガルバノミラー501の中心より15cm〜30cmの位置に散乱透過スクリーン502を配置した。また、CRT101には、1/60秒の時間内に、図2に示す水平方向に配置された4台の撮像装置202〜205によって撮像された画像を順次時分割表示した。
【0072】この画像表示に同期して、ガルバノミラー501は、周波数60HZ、0〜10V範囲の振幅を持つノコギリ波状の信号電圧による変調を行い、この周期時間内の信号電圧の振幅に応じて、ガルバノミラー501の反射位置を設定した。すなわち、1/60秒内に時分割表示された4つの画像をガルバノミラーの反射位置に応じて4方向に偏向して出力した。
【0073】この場合、偏向角としては、最大でー30度〜+30度の値が得られた。散乱透過スクリーン502上の画像を観察者103が観察したところ、画像のちらつきを感じず自然な立体像を知覚できた。
【0074】また、観察者103が立体視可能な範囲としては、奥行き方向では、散乱透過スクリーン502の正面中心位置より後方10cm〜2mの範囲であり、また、水平方向では奥行き2mの位置で、最大で±50cmの範囲であることが判明した。
【0075】この範囲内では、観察位置を左右に変化すると立体の側面を観察することができ、空間的に奥行きを持って広がった、自然な三次元画像を観察することができた。
【0076】(実施例2)図8に示すような本発明の別の三次元画像表示装置を、対角5インチのCRTから成る画像表示装置801〜804、対角5インチの強誘電性液晶シャッタから成るシャッタ805〜808、対角15インチの散乱透過スクリーン502を使用して構成した。
【0077】CRT801〜804は、散乱透過スクリーン502の中心位置から半径15cm〜30cmの範囲に円弧状に配置した。また、シャッタ805〜808は、それぞれCRT801〜804の前面の1mm〜10mmの範囲に固定した。シャッタ805〜808の開閉は、4ms毎に順番に行った。
【0078】この結果、偏向角としては、最大でー30度〜+30度まで得られ、立体視の可能位置範囲としては、散乱透過スクリーンの正面中心位置より後方10cm〜2m、また水平方向は、奥行き2mの位置において最大で±50cmであった。
【0079】また、この範囲内で観察者103が観察位置を左右に動かすと、物体の側面を観察することができ、運動視差の効果を確認できた。
【0080】(実施例3)図9は、背面投射型の大画面の三次元表示装置の一実施例の構成図である。画像表示装置101として、対角5インチのCRTを使用し、これに表示された画像を投射用レンズ901、反射用ミラー902〜903によってAOデバイス904上に拡大投射した。
【0081】AOデバイス904は、重フリントガラスを用いて厚さ(50μm〜200μm)の範囲で30インチの大きさに作製した。この図では、示していないがAOデバイス904には、LiNbO3のトランスデューサおよび溶融石英の超音波吸収体が設けられている。画像を水平方向だけでなく鉛直方向にも偏向するため、AOデバイスを、水平方向および鉛直方向用にそれぞれ2枚組み合わせてAOデバイス904を構成した。
【0082】AOデバイス904の内、水平方向の画像偏向用の一枚には、50MHZ、100MHZの2つの周波数に設定した0〜20V範囲の図7に示すノコギリ波状の超音波信号を印加し、双方の周波数において、ノコギリ波状の信号電圧の振幅の反転を用いることにより、図3または図4の画像撮像時の水平方向に対応した4つの方向に偏向した。
【0083】また、鉛直方向の画像偏向用のAOデバイス904には、周波数50MHZで0〜20V範囲のノコギリ波状の超音波信号を印加し、信号電圧の振幅の反転を用いて、図3または図4の画像撮像時の鉛直方向に対応した2つの方向に偏向した。
【0084】この結果、水平方向の最大偏向角は、ー40度〜+40度、鉛直方向の最大偏向角は、ー20度〜+20度の広い視野角が得られ、立体視の可能範囲としては、奥行き方向で、AOデバイスの正面より30cm〜4m、水平方向で、奥行き4mの位置において最大で±1m、鉛直方向で±50cmであった。
【0085】また、観察者103が水平および垂直の任意の位置に移動した場合、観察位置の変化に伴って異なった方向の立体像が観察でき観察位置によらない立体視を行うことができた。
【0086】さらに、30インチの大画面で広い視野角を有する三次元画像表示のため、観察者103には、表示面の画枠の存在をほとんど感じることのない空間スクリーン効果が有効に作用し、迫力のある大型の立体映像を知覚することができた。
【0087】
【発明の効果】本発明は、被写体を異なる方向から複数の撮像装置で順次時分割して撮像することを特徴とする画像撮像方法であるため、被写体や被写体を照らす光源に制約を持たず、複雑な信号処理を必要としない効果がある。
【0088】また、本発明ば複数の画像を、複数の方向に変更する手段を備えたことを特徴とする三次元画像表示装置であるため、眼鏡を用いることなく、かつ広い視野角で自然な立体画像を観察することができる効果がある。




 

 


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