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発明の名称 垂直空胴表面発光型レーザーダイオードを使用した光ピックアップヘッド装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−192291
公開日 平成7年(1995)7月28日
出願番号 特願平5−330909
出願日 平成5年(1993)12月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
発明者 ユー・ヨング
要約 目的
小型化が可能であり、低コストで安定した性能が得られる光ピックアップヘッド装置を提供すること。

構成
投射用放射ビーム37を生成するVCSEL1と、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、及びデータ信号を生成するために、記録担体10からの反射レーザービーム37aを検知するフォトダイオード9a〜9gと、前置増幅器、波形変調回路、算術演算回路、自動レーザー出力制御回路、及びレーザー出力変調回路よりなる電子回路とが、半導体チップ47上に集積化されている。
特許請求の範囲
【請求項1】 記録担体から情報を読み取るために、投射用放射ビームを生成する垂直空胴表面発光型レーザーダイオードと、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、及びデータ信号を生成するために、前記記録担体からの反射レーザービームを検知するフォトダイオードとを備え、前記垂直空洞表面発光型レーザーダイオード及び前記フォトダイオードが、単一基板上に形成されていることを特徴とする光ピックアップヘッド装置。
【請求項2】 垂直空洞表面発光型レーザーダイオードの制御、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、データ信号の処理などの、前記記録担体から情報を読み取るために必要な処理を行う電子回路が、前記単一基板上に形成されていることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップヘッド装置。
【請求項3】 垂直空洞表面発光型レーザーダイオードは、上部表面から垂直コーヒレント光ビームを発生する微小空胴レーザーダイオードであることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップヘッド装置。
【請求項4】 垂直空洞表面発光型レーザーダイオードは、上部表面から垂直コーヒレント光ビームを発生する制御自然ダイオードであることを特徴とする請求項1記載の光ピックアップヘッド装置。
【請求項5】 反射光が、p−n接合部と平行に、前記微小空洞フォトダイオードの前部表面に投射することを特徴とする請求項1記載の光ピックアップヘッド装置。
【請求項6】 レーザービームの光子エネルギーに比較して低バンドギャップを有する基板に光を吸収されないように、基板にトンネルを設けることによってレーザーダイオードの出力を監視するための出力監視手段を備えたことを特徴とする請求項1記載の光ピックアップヘッド装置。
【請求項7】 記録担体に記録された情報を読み取るために、光ビームを生成する複数個のVCSELレーザーダイオードを有するレーザーアレイと、前記光ビームの進行方向を基準として、前記レーザーアレイの背後に配設され、前記各VCSELレーザーダイオードのレーザー出力をそれぞれ監視するための複数個の検知器を有する半導体検知器アレイとを備えたことを特徴とする光ピックアップヘッド装置。
【請求項8】 記録担体に記録された情報信号を検知するためのVCSELレーザーダイオード、フォーカシングエラー信号を生成するための2個のVCSELレーザーダイオード、及びトラッキングエラー信号を生成するための2個のVCSELレーザーダイオードを有するレーザーアレイと、前記各VCSELレーザーダイオードのレーザー出力をそれぞれ監視するための半導体検知器アレイと、前置増幅器、波形変調回路、算術演算回路、自動レーザー出力制御回路、及び必要であればレーザー出力変調回路よりなる電子回路とを備え、前記レーザーアレイ、前記半導体検知器アレイ、及び前記電子回路は、同一チップ上に集積化されていることを特徴とする光ピックアップヘッド装置。
【請求項9】 レーザーアレイの前面には、少なくとも2つのレーザーダイオードに対して異なる厚さを有するように形成されたカバーガラスが配設され、2個のレーザーダイオードが、同一アレイ上の残る3個のレーザーダイオードの焦点の前後に光を投射してフォーカシングエラー信号を検知することを特徴とする請求項8記載の光ピックアップヘッド装置。
【請求項10】 記録担体にレーザービームを収束させるための対物レンズを備え、前記レーザーアレイは、その対物レンズの仕様で個別のダイオードの間隔を決定することにより、同一半導体チップ上に半導体集積的に形成された二次元レーザーアレイであることを特徴とする請求項8記載の装置。
【請求項11】 半導体検知器アレイは、前記VCSELレーザーダイオードの頂上に、半導体集積的に形成された二次元検知器アレイであることを特徴とする請求項8記載の装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光学読取が可能な反射構体に情報が記録された記録担体から、情報を読取るための光ピックアップヘッド装置(以後、単に光ピックアップと称する)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光ピックアップは、光ディスクドライブ装置に於ける主要手段である。一般に記録情報を適正に再生するためには、光ピックアップは多数の構成要素を必要とする。図10〜図12は、光反射構体に情報を記録した記録担体(例えば、コンパクトディスク(CD))を読取るための従来の光ピックアップの一般的構造を図示したものである。図10に示されたピックアップは3ビーム装置と称され、少なくとも1個以上のレーザーダイオード1、コリメーターレンズ3、回折格子4、ビームスプリッター6、対物レンズ7、非点収差レンズ8、多セグメントフォトダイオード9によって構成されている。レーザーダイオード1が生成する発散レーザービーム2は、コリメーターレンズ3を通過後平行ビームとなり、回折格子4に投射され、その作用により単ビームからビーム2及び5/5の3ビームに分割される。次に、この3ビームは、対物レンズ7により光ディスク10上に集束される。光ディスク10からの反射光は同一の光路を帰還し、ビームスプリッター6に投射される。全光、或は光の一部はビームスプリッター6によって反射され、非点収差レンズ8によってフォトダイオード9上に集束される。回折格子4により生じる2つの副ビーム5/5はトラッキングエラー信号の生成に用いられ、非点収差レンズ8の補助によりフォーカシングエラー信号が得られる。データ信号は、フォトダイオード9の出力信号の合計によって得られる。
【0003】図11は、レーザーダイオード1、対物レンズ7、半透鏡11、凹レンズ12、及び多セグメントフォトダイオード9から成る、いわゆる1ビーム装置の略図である。この構成では、半透鏡11及び凹レンズ12は、図10に於てビームスプリッター6及び非点収差レンズ8が行なう機能と同じく、フォーカシングエラー信号を生成する働きをする。又、トラッキングエラー信号の検知には、プッシュ・プル方式或は位相検知方式が採用されている。
【0004】上述の図10、図11におけるビームスプリッター6、半透鏡11、及びレンズ7といった光学的構成要素は、大量生産の面で難点のあること、多数の光学的構成要素を有することは、正確な組み立て及び各要素間の調整も困難であることから、結果的にコンパクト化、低コスト化、及び信頼性の面で不利である。
【0005】図10のビームスプリッター6及び非点収差レンズ8、或は図11の半透鏡11及び凹レンズ12をホログラム光学素子に置き換えることにより、光学的構成要素を減少させ、さらにコンパクト化された光ピックアップが、米国特許第4907847号、日本特開昭62188032号、米国特許第5066138号、米国特許第5111448号、日本特願昭63−25845号、及び日本特願平1−55745号等、多くの発明によって開示されている。図12は、対物レンズ7、回折格子4と一体化したホログラム光学素子13、レーザーダイオード1、及び多セグメントフォトダイオード9から成る通常型のホログラム基調光ピックアップの略図である。レーザーダイオード1が発するレーザービーム2は、回折格子4を通過後ビーム2、及びビーム5/5の3ビームに分割され、ホログラム光学素子13に投射、回折されて1つのゼロ次ビームと複数の高次ビームとなる。ゼロ次ビームは次いでコリメーターレンズ3により平行化され、さらに対物レンズ7によって光ディスク10上に集束される。反射光ビームは同一光路を帰還し、再度ホログラム光学素子13上に投射される。一次回折ビームは次にフォトダイオード9上に集束する。ホログラム光学素子13は、ナイフエッジ法を使用したようなビーム分割とデータ信号及びフォーカシングエラー信号生成の両機能を有している。このナイフエッジ法は、2部に分割されたホログラム光学素子13の境界をナイフの先のように機能させるものである。トラッキングエラー信号は、上述の3ビーム式光ピックアップの場合と同様の方法で得られる。ホログラム光学素子13を大量生産する技術は十分に確立されており、図10、11に示されたピックアップに比較するとこの種の光ピックアップは、よりコンパクトであるだけでなく、費用の面でも競争力を増している。しかしながら、ホログラム基調の光ピックアップに共通した欠点である反射光の低利用効率を除いても、図12のレーザーダイオード1及びフォトダイオード9は、互いに異なる基板上にあるため依然として正確な位置合わせを必要としている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】米国特許第5212572号には、同一のAlGaAsチップ上に、レーザーダイオード及びフォトダイオードを一体式に集積させる試みが開示されている。図13は、集積レーザー検知器アレイのより平面的な分散を示したものであり、先行技術における方向と一致した方向を示すX、Y、及びZの記号が付されている。前面から発するレーザービームはホログラム光学素子を通過し、対物レンズによって光ディスク上に集束される。ここでは、ホログラム光学素子、対物レンズ、及び光ディスクは図示されていない。反射光は同一光路を帰還し、ホログラム光学素子に投射される。ホログラム光学素子を通過後、反射光は複数のビームとなりその波面22が示すように、フォトダイオード15〜20の端面に集束する。図14は、図13の断面図である。アレイは単一のAlGaAsチップ21上にリトグラフ的に製造され、レーザー1及びアレイの検知部分15〜20が製造工程の一部として個別且つ永久に焦点を合わせて整列され(Z方向に)、また反射光を集めてレーザー検知アレイに集束させるコリメーターレンズの仕様に従って、間隔を置いて整列される(Y方向に)。光ピックアップは磁気光学ディスクシステムへの適用に関して開示されているため、Pデータダイオード16及びSデータダイオード18は各々p及びs偏光の検知に使用されており、またフォーカシングエラー信号はフォトダイオード15及び17が生成し、トラッキングエラー信号はフォトダイオード19及び20から得られる。この発明によると、フォトダイオード15〜20はレーザーダイオード1(図14参照)と同一構造を有するp−n接合点に逆バイアス電圧を印加することによって構成されるが、これは図15が示すように通常の二重ヘテロ構造(DH)レーザーダイオードに於いてはpクラッド層25及びnクラッド層27のバンドギャップ23aが活性層26のバンドギャップ23よりもはるかに大きいため、反射光は活性層26によってしか吸収され得ないことを意味している。一般に、DHレーザーダイオードの活性層26の最適厚さは0.2μmである。これは、図15が示すようにフォトダイオードによる検出が可能なのは反射光のほんの僅かな一部分であって、大部分の光領域24は活性層26内に封じ込めることができないということを意味している。図14に示されるようにフォトダイオード端部に於ける反射レーザービームのスポット直径20aが一般にフォトダイオードの活性層の厚みの10〜50倍であるという事実を考慮すると、この発明によるレーザー検知アレイを使用して適正なエラー信号及びデータ信号を得ることはほとんど不可能であるという課題がある。
【0007】光ピックアップの寸法及び費用を低減するには、フォトダイオードのみならず前置増幅器、波形修正回路、及びフォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号並びにデータ信号を生成するための算術演算回路、及びレーザー出力自動制御回路等、幾つかの電子回路をも、レーザーダイオードと同一チップ上に集積しなければならない。従来の端面発光型レーザー構造では、レーザービームが基板に平行であるため半導体レーザーダイオードと電子回路を同一パッケージ内に実装することは困難である。
【0008】光構成要素及び光学的装置の数を減らして光ピックアップの低コスト化を図るためには、図10〜図12に示されたピックアップに於けるビームスプリッター6、半透鏡11、或はホログラム光学素子13を除去しなければならないが、これを可能にできるのはレーザーダイオード1が光源及び検知器の両機能を果たし得る場合のみである。こうした一装置が先行技術(特願昭63−8536号)に存在している。特願昭63−8536号による装置では、信号はレーザー出力或はバイアス電圧の反射光誘導変化を検知することにより得られ、フォトダイオードを使用する必要がない。この発明によれば、フォーカシングエラーは、正弦駆動電流/電圧を電磁/圧電アクチュエーターに印加してレーザースポットを焦点方向沿いに動かすか、3つの端面発光型レーザーダイオードの一次元(1D)アレイを対物レンズと記録媒体より成る光システムの軸に対し傾斜させるかの何れかによって検知し、またトラッキングエラー信号は、レーザースポットをトラッキング方向沿いに動かすか、正弦波バイアス電流を使用して単素子レーザーの発光点を制御するか、或は2つのレーザーダイオードを補助ビームとする3つの端面発光型レーザーアレイを使用するかの何れかによって検知する。実際のシステムではこうした検知方法を組み合わせて使用しなければならないが、これではシステムが複雑となる。さらに、光ディスクシステムでは異粒子或はディスクの欠陥に起因する異常エラーを避けるため2つの補助ビームを記録面上で可能な限り隣接させておく必要があり、1Dレーザーアレイを対物レンズ及び記録媒体の光軸に対し傾斜させてフォーカシングエラー信号を検知する方法は実用向きでない。焦点ずれを検知する類似方法は、他の先行技術(特願昭59−9976号)でも知られている。次に、上記焦点ずれ検知方法の実施の困難さについて実証する。
【0009】図16は、先行技術特願昭63−8536号及び特願昭59−9976号による焦点ずれ検知技術の略図である。これらの特許では、3つのレーザーダイオードを有する端面発光型レーザーアレイ28が対物レンズ7及び光ディスク10の光軸29に対して傾斜し、2つの補助レーザービームの焦点を1つは中央ビームの焦点面より前方へ、1つは後方へと移動させている。傾斜の度合によっては焦点面での彗星状収差及び非点収差が誘導されるという理由で、空胴表面に垂直なレーザーダイオードの光軸は対物レンズ7に対して任意の角度で傾斜してはならないという点は周知である。CDピックアップ対物レンズに対しては、通常の公差角度は約1度〜2度である。この点を考慮し、先行技術のフォーカシングエラー信号検知技術に必要な傾斜角を算出してみよう。記録表面上の2つの補助ビーム間の横間隔を30μm、光システムの横倍率を−1/5、また2ビームの焦点の縦間隔最小値を4μmとすると、傾斜角35は34度となるが、それでもレーザーダイオードの発散角度よりもはるかに大きい。傾斜角を2度以下にするには、記録表面の2つの補助ビームの横間隔は約0.6mmとなると想定されるが、これでは精度の高いフォーカシングエラー信号を得るには大きすぎる。さらに、この場合の2つの補助レーザーダイオードの間隔は約3mmであり、3つ全てのレーザービームのための回折限界スポットを達成するには大直径の対物レンズが必要である。この種の技術の使用に反対する他の理由は、レーザーダイオードの製造に広く使用されている高価なGaAs基板の利用効率の低さである。二重ヘテロ構造レーザーの幅は通常30至る100μmであるという事実からすると、3mm幅のストライプ上には多数のレーザーダイオードを製造することが可能である。上記の見積では、2つの補助レーザービーム焦点の縦方向の離隔距離を4μmと想定した。しかし実際には、光軸に沿ってサーボ制御域を適正に集束させるためにはそれ以上の間隔が必要であろう。従って、先行技術に於いてフォーカシングエラー信号を検知する唯一の方法は、追加的な電磁装置或は圧電装置を必要とするウェブリング技術を使用することであるが、これによりシステムは複雑になるという課題がある。
【0010】本発明は、従来の光ピックアップのこのような課題を考慮し、小型化が可能であり、低コストで安定した性能が得られる光ピックアップヘッド装置を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、記録担体から情報を読み取るために、投射用放射ビームを生成する垂直空胴表面発光型レーザーダイオードと、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、及びデータ信号を生成するために、記録担体からの反射レーザービームを検知するフォトダイオードとを備え、垂直空洞表面発光型レーザーダイオード及びフォトダイオードが、単一基板上に形成されている光ピックアップヘッド装置である。
【0012】請求項7の本発明は、記録担体に記録された情報を読み取るために、光ビームを生成する複数個のVCSELレーザーダイオードを有するレーザーアレイと、光ビームの進行方向を基準として、レーザーアレイの背後に配設され、各VCSELレーザーダイオードのレーザー出力をそれぞれ監視するための複数個の検知器を有する半導体検知器アレイとを備えた光ピックアップヘッド装置である。
【0013】請求項8の本発明は、記録担体に記録された情報信号を検知するためのVCSELレーザーダイオード、フォーカシングエラー信号を生成するための2個のVCSELレーザーダイオード、及びトラッキングエラー信号を生成するための2個のVCSELレーザーダイオードを有するレーザーアレイと、各VCSELレーザーダイオードのレーザー出力をそれぞれ監視するための半導体検知器アレイと、前置増幅器、波形変調回路、算術演算回路、自動レーザー出力制御回路、及び必要であればレーザー出力変調回路よりなる電子回路とを備え、レーザーアレイ、半導体検知器アレイ、及び電子回路は、同一チップ上に集積化されている光ピックアップヘッド装置である。
【0014】
【作用】本発明は、投射用放射ビームを生成するレーザーダイオードに垂直空胴表面発光型レーザーダイオードを用いているので、その垂直空洞表面発光型レーザーダイオード及び、記録担体からの反射レーザービームを検知するフォトダイオードを、単一基板上に形成することができ、小型化、低コスト化が可能となる。
【0015】また本発明は、更に電子回路を同一チップ上に集積することにより、更に小型化、低コスト化が可能になる。
【0016】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基づいて説明する。
【0017】図1は、本発明にかかる第1の実施例の光ピックアップヘッド装置(光ピックアップ)の構成図である。すなわち、光ピックアップは、レーザーVCSEL1と複数のフォトダイオード9a〜9gと電子回路9hから構成される半導体チップ47、ホログラム光学素子13、及び対物レンズ7で構成される。図示されたホログラム光学素子47としては、フォーカシング及びトラッキングエラー信号、及びデータ信号の生成手段が供給可能であれば、あらゆる回折光学素子を使用することが可能である。この種のホログラム光学素子の設計、及び加工に対しては、例えば米国特許第4907847号、特願昭62−188032号、米国特許第5066138号、特願昭63−25845号、及び特願平1−55745号等、多数の発明が行なわれている。本実施例においては、米国特許第5066138号で開示されたホログラム光学素子を採用しているが、本発明の上記目的の達成を補助できるものは、必ずしもこのホログラム光学素子だけではない。図1に示されているホログラム光学素子は、3つのビーム37及び5/5の生成手段である回折グリッドの機能を有するグリッド領域13a、及び各々がビーム分割手段としてのホログラフィービームスプリッター機能を有するグリッド13b/13bを装備している。グリッド13a及び13b/13bは同一平面上に配置されている。本ホログラム光学素子の設計、加工、及び運用方針は、米国特許第5066138号において詳述されているので、ここでは重複を避ける意味で説明は行なわない。
【0018】図2は、同図(a)空胴構造、同図(b)モード分散、及び同図(c)ビーム形状、の諸観点から本発明で用いるVCSELsを従来の端面発光型レーザーと比較したものである。VCSELsは、その空胴39が非常に短く、本質的に単モードレーザーダイオードである。VCSELsは一般にクリーンなラウンドビーム37をはるかに小さい発散角度で発生させる。VCSELビームの回折限界スポットへの集束、及び/又は2Dアレイへの組み立て(図3(b)参照)が容易であることは明かである。従来の端面発光型レーザーではレーザービーム37aはp−n接合と平行であるが、VCSELからのレーザービーム37はp−n接合に対して垂直であることから、フォトダイオードもまたレーザーダイオードと同一チップ上に容易に集積することができる(図3(c)参照)。
【0019】逆バイアスVCSELは、微小空胴フォトダイオードとして使用が可能である。図3(a)に示されるように、微小空胴フォトダイオードに於いては、吸収域36が2つの高反射鏡により形成される空胴内に配置されている。これは結果的に、その往復シフトが2πの倍数であるような波長により決定される共鳴を伴ったファブリー・ペロー効果を生み出す。入射光は2つのミラー38b/38tの間で何度となく跳ね返りながら、共鳴波長に於ける光フィールドを蓄積する。この結果、光路長が飛躍的に増大する。共鳴波長に於いては、吸収域の幅が微小であっても量子効率は1へと近づく。2つの鏡を有する共鳴空胴が、光出力反射率R1及びR2、離隔距離L、活性層の厚さd、吸収率α、及び屈折率nである場合、任意の波長λに対する垂直入射での外部量子効率ηは、(数1)によって求められる。
【0020】
【数1】

【0021】この場合のφ1及びφ2は、2つのミラー間で発生した移相数である。この方程式は、外部量子効率の最大値を求める際の変数調整に使用が可能である。
【0022】従来の端面発光型レーザーの通常作動状態(例えば限界値以上)に於ける量子効率はほとんど100%に等しいが、3mW AlGaAs DHレーザー(例えばソニー社のSLD104AU)の限界電流は依然として45mAという高さである。これは、従来の端面発光型レーザーダイオードに於いては自然発光から誘発発光(即ちレーザービーム)への変換効率が0.001%という低さであることに起因している。限界電流を低下させるには前述の変換効率を増大させなければならないが、これが可能となるのはレーザー空胴の長さがレーザー波長に比肩し得る場合のみである(E.M.パーセル著「物理学」改訂69版、1946年、頁681;K.H.ドレクサージュ著「光学の進歩」E.ウルフ編集、北オランダ・アムステルダム社、第12巻、1974年、頁165)。VCSELの空胴の長さはレーザーダイオードの活性層36、下部層36b、及び上部被覆層36tの合計厚さであり、レーザービームの波形領域内で容易に制御することができる。この事実は、活性層の厚さが原子層精度で制御されればVCSELは超低限界値レーザーとなり得ることを意味しており、これは分子線エピタキシー、金属組織気相エピタキシー、気体原料分子線エピタキシー、及びその他の原子操作技術等の進歩したエピタキシャル成長技術を使用すれば可能である。前述の超低限界値VCSELは他の製品では制御自然発光ダイオード(CSD)或は微小空胴レーザーダイオードとも称されているが、本発明に於いてはやはりVCSELとして分類されるべきものである。前述の低限界値VCSELを使用すれば、レーザー検知器或はレーザーアレイと同一チップ上に電子回路を容易に集積することが可能であり、装置を適正に作動させるためチップから熱エネルギーを放散させるような特別手段は不要である。レーザービームは装置表面へと直角に入射するので、標準集積回路実装技術を使用して、集積化された光電子回路を単チップに実装することも可能である。
【0023】ここで、「電子回路」という語句は、例えば、(1)フォトダイオード或はレーザーからの信号を増幅し、波形を修正し、次いでフォーカシングエラー、トラッキングエラー、及びデータの諸信号を生成する回路、(2)レーザー出力を自動制御する回路、及び(3)必要であれば、レーザーダイオードのバイアス電流を変調する回路、として理解すべきものである。
【0024】本発明は、VCSELsを可干渉光源として使用した2種の異なるタイプの光ピックアップを供給するものである。本実施例では、光ピックアップは、(1)レーザー源として単一のVCSELを使用し、(2)フォトダイオードとレーザーダイオードを統合し、(3)電子回路とレーザーチップを集積化し、さらに(4)レーザーダイオードからの光を集束して記録面上の一スポットとしディスクからの反射光を集める対物レンズと、光ビームを分割してフォトダイオードに投影させるホログラム光学素子によって構成されている。反射レーザービームはフォトダイオードの端面ではなく前面に投射するため、全てのレーザービームは対応するフォトダイオードによって検知され高量子効率を有する電気信号に変換される。これは、従来の端面発光型レーザーダイオードでは実現が困難である。
【0025】次に、上記実施例の光ピックアップヘッド装置の動作について、図面を参照しながら説明する。
【0026】まず、光源1によって生成されるレーザービーム37はホログラム光学素子13を通過して3ビームとなり、対物レンズ7により光学ディスク10上に集束される。次に、記録された情報を保持する光学ディスク10からの反射ビームは、同じ光路を辿って帰還し、再度ホログラム光学素子13に入射する。3ビームはホログラム光学素子13を通過後、方向を変え、図1に示されるように、各々フォトダイオード9e、9f及び9gに集中する。フォトダイオード9f、及び9gは、単素子ダイオードであるが、9eは、セグメント9a〜9dを有する4セグメントダイオードである。先行技術米国特許第5066138号にて詳述されている手段は、フォトダイオード9a〜9gの出力信号からフォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、及びデータ信号を生成するために本実施例に直接、適用が可能である。
【0027】本実施例の主な特徴は、レーザー源として先行技術で採用された端面発光レーザーの代わりにVCSEL1を使用していることである。これにより、フォトダイオード9a〜9g、及び電子回路9hをレーザーダイオード1と共に一体式に集積化することができる。レーザーダイオード1からの円形のクリーンレーザービーム37は、拡散角が比較的小さい為、レーザーディスク10上の回折制限スポット37d及び5d/5dに容易に焦点を合わせることが可能である。反射光ビームはフォトダイオードの前面に入射する。このように、検知器により反射光の僅かな部分のみが検知可能であるような先行技術米国特許第5066138号と比較して、本実施例のフォトダイオード9e〜9gは各々、反射光42a〜42cの全ビームを検知することが可能である。
【0028】図4は、半導体チップ47の基本構造を示す断面図である。半導体チップ47は、半絶縁性GaAs(ガリウム砒素)21のような複合半導体の一基板上の、隣接の微小空胴量子井戸構体を前後にバイアスすることにより得られるVCSEL1とフォトダイオード9e(フォトダイオード9f,9gは図示省略)、及びレーザーダイオードのバイアス電流を制御するためのMESFET(メスフィット)9hより構成される。微小空胴構造は、2μm厚のノンドープGaAsバッファ層48、底部ミラー38b、及び下方空間層36b、活性層36と上方空間層36tよりなる空胴領域と、上部ミラー38tから構成される。ミラー38b/38tは、各々シリコン、ベリリウムで5×1018cm-3にドープされた10対以上の4分の1波長AlAs/Al0.3Ga0.7As層で構成される。ミラーは堅固にドープを施し、直列抵抗を減少させている。空胴領域は、Siがドープ(5×1017cm-3)されたAl0.3Ga0.7As下方空間層36bとベリリウムがドープ(5×1017cm-3)されたAl0.3Ga0.7As上方空間層36tに挟まれて、活性層36として機能する0.01μmのAl0.3Ga0.7Asバリヤーによって分離された数対のノンドープ0.01μmGaAs量子井戸で構成されているが、場合によっては指定された波長を得るために、この量子井戸の構成と厚みを変更する必要がある。結合された空胴領域の好適な光学的厚みを1波長分とすれば、結果的に最大自然発光量を誘発発光に転換可能である。フォトダイオード9eの上部ミラー38tの反射率は、レーザーダイオード1の反射率と同じである必要はない。反射率は、AlAs/Al0.3Ga0.7As層のペア数を追加、或は減じることによって容易に増減が可能である。
【0029】レーザーダイオード1にMESFET9hを接続することにより(図4の挿入回路図参照)、レーザー出力の自動制御がMESFET9h、及び他のデバイス(図中では示されていない)によって可能となる。図4に示されたデバイスは、分子線エピタキシー、金属組成気相エピタキシー、或はその他のエピタキシャル成長方法を使用した選択式の再生技術により加工が可能である。デバイス製造者には、加工工程は周知であろう。好適な成長手順として、レーザーダイオード1、及びフォトダイオード9eの基板である微小空胴量子井戸構体が第一成長段階において形成される。次いでSiO2 マスクを使用して、アズ・グロン構造を選択的に除去し、ノンドープGaSaバッファ層48を露出させる。このSiO2マスクを使用することにより行なわれる選択的再成長は、MESFETを成長させる。例えば、そのMESFETは、1μm厚のn−型GaAs49(Si:3×1017cm-3)、及び0.1μm厚のn+型GaAs49(Si:3×1018cm-3)接触層50で構成される。エピタキシャル成長の2段階を経た後、半導体デバイスの加工は、レーザーダイオード、フォトダイオード及びFETの成形へと進む。これには51s、51d、51g、52/52a及び53/53aの金属被覆、及び54、54a及び54bの表面パッシベーションと電気的絶縁手段の形成が含まれる。図4には3基のデバイスしか示されていないが、他のデバイスも同一チップ上に上記と同様の方法で一体式に集積が可能である。チップ加工は、レーザー出力監視用のフォトダイオードを設置する為のトンネル56をGaAs基板21に開けることにより完成する。GaAsのバンドギャップは活性層のバンドギャップより小さいのでトンネルが必要となる。完成したチップは監視用フォトダイオード、及びホログラム光学素子13と共に実装される。
【0030】図1に於けるレーザーダイオード1、及びフォトダイオード9a〜9gの相互の位置関係は、対物レンズ7とホログラム光学素子13の仕様によって決定される。各デバイス間の位置設定変数が決定すれば、100万分の1以下の微細な精度で、リトグラフ的、且つ永久的に調整固定される。
【0031】レーザーダイオード1の同一チップ上のフォトダイオード9a〜9gを一体式に集積することにより、フォトダイオードの位置合わせのような時間を浪費する仕事は、組み立て、或は混成作業からなくなることは明かである。電子回路の半導体集積化によって、外部チップが不要となるばかりでなく、ホログラムを基礎としたピックアップのフォトダイオードの出力信号が一般に非常に微弱であるという欠点を補い、信号をさらに高品質化することが可能である。
【0032】なお、上記実施例については、本発明の範囲、及び教旨から逸脱することなく以下のような形式、及び細部における変更が可能であることは、当業者にとって明白に理解できるであろう。即ち、(1)短い波長を有するレーザーダイオードを得るために、AlGaAsを基礎とした化合物をAlGaAsP、またはZnCdSeを基礎とする化合物等に材質変更する、(2)SiO2 /Zns、或はSiO2 /ZnSeのような絶縁性材料で構成されたブラッグ反射ミラーを使用する、(3)ブラッグ反射ミラーを平滑回折反射ミラーに代える、(4)微小空胴フォトダイオードを厚い活性層を有する従来型のピン叉は他形式のフォトダイオードに変更する、(5)Si基板上の全回路を集積化する、(6)レーザービームを基板側から抽出する、(7)レーザーダイオードと同一チップ上にモニターフォトダイオードを集積化する、ことである。
【0033】本発明の第2の実施例では光学的構成要素或は装置の数量を大幅に減少させた光ピックアップについて説明しているが、それは以下のような特徴を有している。(1)電子回路はレーザー源に一体式に集積されており、レーザー源は5つの電気絶縁されたVCSELレーザーダイオードから成るレーザーアレイであって、それらレーザーダイオードの内の1つが情報信号の検知に使用され、残りの4つの内の各2レーザーダイオードが各々フォーカシングエラー信号及びトラッキングエラー信号の生成に使用される、(2)複数の監視用フォトダイオードがレーザーダイオードと同一チップ上に一体式に集積されている、(3)レーザーアレイのカバーガラスの厚みは異なるレーザーダイオードに対応して異なる形状をしており、2つのレーザーダイオードは各々同一アレイ上の他の3つのレーザーダイオードの焦点の前方、後方に投射されてフォーカシングエラー信号を検知する、さらに、(4)二次元式アレイが同一の半導体チップ上に一体的に製造され、各ダイオード間の間隔は対物レンズの仕様によって決定されている。
【0034】図5は、本発明にかかる第2の実施例の光ピックアップヘッド装置の略示構成図である。本実施例が最もよく適用されるCDピックアップは、半導体二次元レーザー検知器アレイと電子回路57、及び対物レンズ7の2つの部分のみで構成されている。図6(a)は、レーザーアレイ58、フォトダイオードアレイ59、及び電子回路9h、及びカバーガラス60で構成されるVCSELアレイ57の組み立て図である。レーザーアレイにより生成されるレーザービームは、対物レンズ7によって光学ディスク10上で焦点を結ぶ。反射光は、同一光路を辿って、レーザーアレイの各々のレーザーダイオードに帰還する。レーザーダイオードが僅かに限界値以上にバイアスしている場合、反射光はその量に応じて、レーザーダイオードの出力に変化を起こさせる(詳しくは特願昭63−8536号を参照)。このように、レーザーダイオードD0を監視することにより、データ信号66を得ることができる。一方、フォーカシング64及びトラッキング65のエラー信号は、D1、D2、及びD3、D4から各々得ることが可能である。2つの分離レーザービームによるトラッキングエラー信号65の検知原理は、周知の3ビーム技術と同様であるが、フォーカシングエラー信号64は、D1及びD2の焦点を他の3つのレーザーダイオードの焦点の前方、及び後方に移動することによって得られる。フォーカシングエラー信号64を生成するこの技術の原理は、焦点ずれの増加に連れてレーザーダイオードと連係した反射光の量が減少するというところにある。従って、P1及びP2を各々レーザーダイオードD1及びD2の監視用フォトダイオードとした場合、フォーカシングエラー信号64は「P1−P2」を計算する演算回路より得られる。
【0035】図6(b)は、カバーガラス60の断面図である。本実施例では、カバーガラス60は階段状で3種の異なる厚さ61、62及び63を有しており、61−62、及び62−63の厚さの差分は同量である。カバーガラス60の存在によって、D1及びD2からのビームは、D0、D3或はD4からのビームとは、異なる光路長を横断しなければならない。その結果、D0、D3及びD4は情報構体面に結像するが、D1、D2は各々構体面の前後に結像することになる。焦点の軸移動はおおよそm(1−1/n)dで求められる。この場合、nはカバーガラス60の屈折率、mは光学系の長手方向の倍率、またdは61、62間の厚さの差分を表わしている。
【0036】トラッキング制御用に補助ビームを使用している光ピックアップにおいて、異なるビーム間の間隔をできるだけ小さくする理由は、間隔が大きいと、記録媒体の欠陥がエラー信号の原因となるからである。従来型の3ビーム方式では、光学系が圧迫されている為、主ビームと補助ビーム間の間隔を14μm以下にすることは困難である。図7は本実施例における情報構体上の焦点スポットの配置を表わしている。情報信号はD0から得られるが、フォーカシングエラー信号、及びトラッキングエラー信号は各々、D1、D2及びD3、D4から得られる。各レーザー間の間隔は数μmにまで減少することができるため(J・ジュエル外、電子、判読不可 25,1123(1989年))、CD対物レンズの通常の倍率が約−1/5であることから、図7に示された間隔66は5μmにまで縮小できる。このことは、本発明を基にしたピックアップにはさらに安定性のあるサーボ制御が望まれることを示唆している。光学ディスクシステムにおける反射光が、レーザーダイオードにおいて過度の激しいノイズを誘導することは周知である。未だこの現象の物理的背景は明かでないが、外部空胴長がレーザーダイオードのコーヒレンス長より短かい限り、ディスクのランダムな振動に起因する限界利得変動が主な原因の一つと考えられる。ディスクが一定の位置で固定された場合に認められるノイズは、おそらくは合成空胴レーザーの不安定性によるものである。研究により、合成空胴レーザーは同一モードであっても多重利得を有することが判明しているが(H・サン外、出願、光学 31,4161(1992年))、これは作動条件、或は量子変動の変化がすべて強度変動の原因となることを示唆している。強度変動の振幅は、合成空胴レーザーの限界利得変動の大きさによって大きく左右される。図8は、レーザー前面(r2)及びディスク(r3(r3は0.5に固定))の反射率の関数として計算された限界利得変動の振幅を示している。図8に示すように、変動が最大となるのはr2/r3=1のあたりである。レーザーはr2とr3の差分が小さい場合に、異なる値の多重限界利得を有する可能性があることから(H・サン外、出願、光学 31,4161(1992年))、レーザーダイオードの出力には、モードホッピングが発生しない場合でもノイズ源が含まれることになる。レーザーダイオードの不安定性、及び/又はモードホッピングに起因するノイズを抑制するためには、限界利得変動を減少させなければならないが、これは図8に示されるように、レーザーの前面に高反射性コーティング、或は非反射性コーティングの何れを行なっても実行が可能である。VCSELの場合、前者の方が適しているが、これはVCSELのミラー反射率が通常約0.95であることによるが、これは追加的なコーティングを施さない通常の780nm端面発光レーザーダイオードの0.55と比肩されるべきものである。CDにおけるノイズ問題は磁気光学ディスクの場合ほど深刻ではないため、本発明によるピックアップのノイズ問題は、r2対r3の適正な比率を選択することにより、解決が可能である。
【0037】以下、図9により、本実施例における半導体レーザー検知器、及び電子回路デバイスについて説明する。半導体デバイスは、半絶縁性GaAsウェーハ21のような一つの合成半導体基板上の、VCSELD0、レーザーダイオード上のレーザー出力監視用フォトダイオードP0、及びレーザーダイオードのバイアス電流制御用MESFETで構成される。レーザー構体は、2μm厚のノンドープGaAsバッファ層48と、底部ミラー38bと、下方空間層36b、活性層36及び、上方空間層36tからなる空胴領域と、上部ミラー38tとで構成される。ミラー38b/38tは、各々シリコン、ベリリウムで5×1018cm-3にドープされた10対以上の4分の1波長AlAs/Al0.3Ga0.7As層で構成される。ミラーは堅固にドープを施し、直列抵抗を減少させている。空胴領域は、シリコンがドープされた(5×1017cm-3)Al0.3Ga0.7As下方空間層36bとベリリウムがドープされた(5×1017cm-3)Al0.3Ga0.7As上方空間層36tに挟まれて、活性層36として機能する0.01μmの Al0.3Ga0.7As バリヤーによって分離された数対のノンドープ0.01μmGaAs量子井戸で構成されているが、指定された波長を得るためには、量子井戸の構成と厚みに関し変更が必要な場合もある。結合された空胴領域の好適な光学的厚みを1波長分とすれば、結果的に最大自然発光量を誘発発光に転換することができる。フォトダイオードP0は、レーザーダイオードD0の上部ミラー38tをp層として使用するp−i−n構造を有している。p層の上には、2μm厚のノンドープGaAs i層48a、1μm厚のシリコンドープされたGaAs n層49a(1×1018cm-3 )、及び0.1μm厚のシリコンドープされたn+GaAs接触層50a(5×1018cm-3)が存在する。MESFETは、ノンドープGaAsバッファ上で成長し、例えば1μm厚n型GaAs49(Si:3×1017cm-3)、及び0.1μm厚n+GaAs(Si:2×1018cm-3 )接触層50で構成される。
【0038】図9に示されたデバイスは、分子線エピタキシー、金属組成気相エピタキシー、或はその他のエピタキシャル成長方法を使用した選択式の再生技術により加工が可能である。デバイス製造者には、成長工程は周知のことである。好適な成長手順として、レーザーダイオードD0の基板である微小空胴量子井戸構体とフォトダイオードP0のi層48a、n層49a、n+ 層50aが第一成長段階において形成される。次いで、SiO2 マスクを使用して、アズ・グロン構造を選択的に除去し、ノンドープGaSaバッファ層48を露出させる。このSiO2 マスクを使用することにより行なわれる選択的再成長は次いで、MESFETを成長させる。エピタキシャル成長の2段階を経た後、半導体デバイスの加工は、レーザーダイオード、フォトダイオード及びFETの成形へと進む。これには51s、51d、51g、52/52a及び53/53aの金属被覆、及び54、54a及び54bの表面パッシベーションと電気的絶縁手段の形成が含まれる。上部ミラー38t用に52の金属被覆を行なう前に、選択式エッチングを行い、上部ミラー38tを露出させる。これはミラーのAlAs/Al0.3Ga0.7As層がエッチング停止層として自動的に機能する為に、容易に行なうことができる。図9には3基のデバイスしか示されていないが、他のデバイスも同一チップ上に上記と同様の方法で一体式に集積が可能である。
【0039】チップ加工は、レーザーダイオードD0からレーザービーム37を抽出する為のトンネル56をGaAs基板21に開けることにより完成する。完成したチップは、次いで図6に示されているようにD1及びD2用の異なる厚みを有するカバーガラスと共に単チップに実装される。
【0040】以上のように、前者では、垂直空胴表面発光型レーザーダイオードと多くの微小空胴フォトダイオードを統合する半導体レーザー検知アレイを使用して可干渉光源を生成し、フォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号、及びデータ信号を検知している。又、後者においては、少なくとも5個の電気的に絶縁されたレーザーダイオードで構成される二次元式垂直空胴表面発光型レーザーアレイを使用し、レーザーダイオードの内の1個がデータ信号を検知し、他の4個のレーザーダイオード内の各2個がそれぞれフォーカシングエラー信号、トラッキングエラー信号の生成に使用されている。レーザー出力の変化を検知するために使用されるフォトダイオードは、同一チップ上に一体式に集積されている。垂直空胴表面発光型レーザーダイオードは、表面から垂直レーザービームを発し、さらに従来の端面発光型レーザーよりも遥かに低い限界電流を提供するため、電子回路を上記レーザー検知器或はレーザーアレイと同一チップ上に一体式に集積することができる。このため、全装置のコンパクト化及び低コスト化が実現されている。
【0041】このように、従来の端面発光型レーザーダイオードに代わり垂直空胴表面発光型レーザー(VCSELs)或はその補助レーザーアレイを組み込むことにより、光学的構成要素或は装置の数を大幅に減少させ、光ピックアップのコストを低減することができ、先行技術では見られなかった遥かに高度な光学的、且つ電子的に集積化された光ピックアップが可能となる。
【0042】なお、本実施例において、本発明の範囲、及び教旨から逸脱することなく以下のような形式、及び細部における変更が可能であることは、当業者にとって明白に理解できるであろう。即ち、(1)上部表面から光を抽出し、Siのような他の材質で製造された分離フォトダイオードによって、基板に形成されたトンネルからレーザー出力を監視する、(2)フォトダイオード、及び電子回路が組み込まれたシリコン基板上でレーザーダイオードを一体式に集積する、ことである。
【0043】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本発明は、記録担体から情報を読み取るために、投射用放射ビームを生成する垂直空胴表面発光型レーザーダイオードを備えているので、小型化が可能であり、低コストで安定した性能が得られるという長所を有する。




 

 


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