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発明の名称 有限要素法の解析方法および解析装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−192036
公開日 平成7年(1995)7月28日
出願番号 特願平5−333866
出願日 平成5年(1993)12月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 八田 真一郎
要約 目的
ゲージ場の導入された物理系の計算を行う場合、一般にはその局所性故に解析的方法では困難なケースが多い。本発明では、系を有限の要素に分割し、各要素にゲージ場を設定し。更に新しい基底を取り入れることにより、固有値問題の計算を容易にする。

構成
計算の基底関数として、有限要素法の形状関数の線形結合で作製した正規直交関数系を用いて系を記述する。有限に分割された系の各要素についてゲージ場をパラメータとして設定し、固有値と固有関数を求める。
特許請求の範囲
【請求項1】問題とする空間を有限の要素に分解して各要素のおのおのの次元につき【数1】

なる基底を設定し、更に前記形状関数を用いて複素数の基底φj = 1/2(αj+iβj)を定義して解を求めることを特徴とする有限要素法の解析方法。
【請求項2】前記形状関数を組み合わせて【数2】

なる実数の基底を設定し解を求めることを特徴とする有限要素法の解析方法。
【請求項3】提起される問題のエネルギー汎関数、ラグランジュ関数、ハミルトン関数等の物理的諸関数に対して、ゲージ変換を施す場合、有限に分割された空間の各々の要素ごとに、ゲージ場を定義して解を求めることを特徴とする有限要素法の解析方法。
【請求項4】問題を解析する装置において、前記の基底を求める手段と、系の空間を有限要素に分解する手段を備え、各有限要素にゲージ場を設定する手段を有し、物理解を求めることを特徴とする有限要素法の解析装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は系に局所的座標変換を施した場合の量子力学の問題を解くための、新しい解法およびその解析装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】1粒子あるいは多粒子の系に、局所的な対称変換を施して物理系が不変に保たれる時、この系はゲージ不変性を持つと言い、現代物理学の大切な概念となっている。このようなゲージ不変性をもつ系の作用、ハミルトン関数、ラグランジュ関数で記述される物理系の問題は、三角関数の基底による展開で、おもに解析的に解が求められていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ここで系に導入されるゲージ場は、本来、局所的なものであり、空間の各点で変化する。ところが物理系を記述する基底は一般に実空間ではなくて、運動量空間で定義されるものが多いので、これを用いると物理系の表現が複雑になる。たとえば波数kで特徴づけられるフーリエ級数の基底では、局所的な狭い空間で変化するゲージ場の表現が、いかにも不適切であり、この基底を用いて表現された物理系の演算子はたいへんに複雑な形となる。このように定式化された問題は取扱が複雑で困難であり、新しい解法が期待されていた。
【0004】従来の方法では、系を表現するための基底関数が局所的ではなく空間全体に広がっているために、ゲージ場を表現するには適当でなく、方程式が複雑となった。
【0005】
【課題を解決するための手段】この問題を解決するために基底関数として有限要素法の形状関数の線形結合から作った新しい基底を採用する。この基底は形状関数のように狭い空間に局在しており、しかも形状関数と異なり、正規直交系である。ゲージ場は空間の各点に設定されるから、各要素ごとにゲージ場を定義すれば物理系への導入が自然になされる。
【0006】
【作用】本発明において物理系の演算子を記述する場合、有限要素法の定式化に従い問題とする系の空間を有限の要素に分解する。各要素の中で、波動関数は通常の形状関数ではなくて、少数個の新しい局在的な正規直交系で展開される。ゲージ場はおのおのの要素ごとに設定されることによって導入される。エネルギー関数は、基底関数の係数で表現され、この場合、基底の局所性より比較的簡単な形となる。このエネルギー関数を係数で偏微分することによって様々な物理量を求めることが出来る。
【0007】
【実施例】簡単な例として一次元の弦の振動を量子力学的に扱う。いま区間 [0, L] に弦の張られている自由空間を考える。両側は固定端とする。基底をフーリエ級数とするとよく知られたこの系の固有関数は【0008】
【数3】

【0009】ここに固有波数は【0010】
【数4】

【0011】対応する固有エネルギーは【0012】
【数5】

【0013】である。ここに m は電子の質量、h は(プランク定数)/2πである。フーリエ級数では局所的なゲージ場を導入したときに、展開係数の収束が悪くなり問題が複雑になるので、次のような基底を導入する。まず有限要素法の定石に従って1次元空間を要素に分割する。第j要素区間の半分の長さを【0014】
【数6】

【0015】とする。第j区間の形状関数uj+1(x),uj(x)を使い新しい正規直交系を定義する。
【0016】
【数7】

【0017】この基底は正規直交条件を満たす。すなわち【0018】
【数8】

【0019】
【数9】

【0020】
【数10】

【0021】これらの基底は形状関数を線形変換すれば得られる。またこれらの基底を組み合わせて次のような複素数の基底を作ることができる。
【0022】
【数11】

【0023】このようにして作られた複素数の基底も正規直交条件を満たしている。
【0024】
【数12】

【0025】更にαとβを組み合わせて【0026】
【数13】

【0027】という実数の正規直交系もつくることができる。図1にこれらの基底関数の形を示す。区間 [0,L] に張られた自由弦の固有関数は前述したように、sin 関数の正規直交系である。この sin 固有関数系とここで導入したαjjjj などの正規直交系との間は、線形変換 Dij で関係づけられる。たとえば【0028】
【数14】

【0029】ここに行列 D は、正規直交基底間の変換を表す直交行列である。一般の関数はこれらの正規直交系を用いて展開できる。量子力学では波動関数Ψは一般に複素数であるため、ここでは基底として本発明の複素正規直交系φを用いる。系のエネルギー汎関数は、自由弦のシュレーディンガー方程式の固有関数であるsin 基底系を用いて次のように表現される。
【0030】
【数15】

【0031】である。可換群(U(1))のゲージ理論に従えば、エネルギー汎関数は局所的な波動関数の位相変換に対して、不変となることが要請される。このために波動関数の微分項は次のように変換される。
【0032】
【数16】

【0033】この時エネルギー汎関数は【0034】
【数17】

【0035】となる。この時、この関数は【0036】
【数18】

【0037】なる波動関数の位相変換に対して不変となる。θ(x)は場所に依存する位相変換の量であり、その点の内部空間の座標変換の大きさを表す。Aはゲージ場と呼ばれる量であり、やはりA(x)という場所の関数である。数学的には【0038】
【数19】

【0039】で定義される所の空間の接続と呼ばれる量である。ここにΨ‖は、元の複素数を局所座標系の内部空間で平行移動したものである。元の座標系と局所座標系は一致すればAはゼロであるが、Aが有限の値をとれば、17式の第2項は局所座標の変化による複素波動関数の変化分を表すことになる。Aは空間各点の内部空間の曲がりの影響を示す量であるということができる。ここで波動関数は複素成分がゼロの実関数として本発明の有限要素法の基底γで展開してやるとハミルトンの演算子は【0040】
【数20】

【0041】なる変換を受ける。ここに tD は 基底間の変換直交行列D の転置行列であり、Hγ は【0042】
【数21】

【0043】Hs は、【0044】
【数22】

【0045】である。同様にエネルギー汎関数は、ゲージ場 A がゼロである時、数式18で定義されるHの(ij)成分を用いて【0046】
【数23】

【0047】となる。ゲージ場 A が存在するときは、多少複雑になる。ここで簡単のために運動量演算子を導入すると、新しい基底の下ではこれもハミルトン演算子と同様の変換をうけ、【0048】
【数24】

【0049】となる。ここに【0050】
【数25】

【0051】
【数26】

【0052】である。エネルギー汎関数は数式18と数式22で定義される、HとPの(ij)成分等を用いて【0053】
【数27】

【0054】となる。(数27)の2行目第1項は運動エネルギー、第二、三項はコリオリの力に対応するポテンシャル、第4項は遠心力ポテンシャルに対応する。本発明では、ゲージ場 A(x) は、おのおのの有限要素空間で一定置 Aj をとなっていると仮定している。この仮定は、各有限要素中でゲージ場が一定とみなせるほどに空間を十分細かく分割すれば、物理的に妥当と思われる。本発明によれば、エネルギー汎関数は、既知の行列H,Pと、あたえられるパラメータとしてのゲージ場Aj を含む、係数 ci,cj の2次関数である。この E に対する新しいハミルトン演算子は【0055】
【数28】

【0056】となる。このΘよりゲージ場が導入されたときの固有値と固有関数が求められる。通常ゲージ場は任意の関数形をとり、決定条件無しでは一意的に決まらない。解析的にゲージ場の関数形を決定するには、拘束条件等のゲージ場決定条件を付け加えて関数形を定めなければならないが、この計算は、普通、面倒な手続きとなる。本発明ではゲージ場は有限個のパラメータとして、固有値の計算に導入されるので、ゲージ場が空間的に解析関数で表現できないほどに複雑な形を取っていても数値計算で解が求められる。
【0057】
【発明の効果】以上のように本発明は、ゲージ場が与えられた時の、固有値と固有計算の数値計算法を、有限要素法に基づいて示した。この計算法は、拘束条件に支配される系や実空間が曲がっている系を量子力学的に解析する場合に効果があると考えられ、応用の価値は高い。




 

 


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