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発明の名称 パネル一体型タブレット
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−160419
公開日 平成7年(1995)6月23日
出願番号 特願平5−305123
出願日 平成5年(1993)12月6日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】宮井 暎夫
発明者 奥野 武志 / 松浪 将仁 / 藤原 正三
要約 目的
TFTパネル構成の大幅な変更を必要とせず、表示品位を損なわず良好な座標検出精度を有するTFTパネル一体型タブレットを提供する。

構成
検出用指示器44は、行電極(ゲートバスライン23)の走査に伴って変化する表示画素電極の蓄積容量を介した電位変化を表示画素電極との間の静電容量結合として検出するとともに、列電極(データバスライン34)を流れる電流によって誘導される誘導電流を検出する。座標検出回路55は、検出用指示器44が検出した静電容量結合から行座標を決定するとともに、誘導電流から列座標を決定する。コントローラ66は、TFTアクティブマトリクスディスプレイパネル11へのデータの表示と座標検出回路55の座標検出動作を制御する。
特許請求の範囲
【請求項1】 透明材料からなる第1基板と、この第1基板に対向配置さた第2基板と、前記第1基板の内表面上にマトリクス状に配列された行電極(ゲートバスライン)および列電極(データバスライン)と、この行電極および列電極の交差点に接続されたMOS型薄膜トランジスタスイッチと、このMOS型薄膜トランジスタスイッチに接続された表示画素電極と、前記MOS型薄膜トランジスタスイッチに関連した蓄積容量と、前記第2基板に配置された共通電極と、前記第1基板および第2基板間に挟持された液晶材料とを有するTFTアクティブマトリクスディスプレイパネルと、前記行電極に接続された行電極ドライバと、前記列電極に接続された列電極ドライバと、前記データバスラインの並び方向に沿って平行に並進移動するように複数のデータバスラインに閉ループ電流を流すために、前記データバスラインの両端に設けられて順次切り換え可能なスイッチ回路と、前段ゲートバスライン走査期間における前記表示画素電極の蓄積容量を介した突き抜け電圧によって生じる静電容量結合を検出するとともに、前記データバスラインの並び方向に沿って平行に並進移動する閉ループ電流によって生じる誘導電流を検出する検出用指示器と、前記検出用指示器が検出した静電容量結合から行座標を決定するとともに、前記検出用指示器が検出した誘導電流から列座標を決定する座標検出回路と、前記座標検出回路ならびに前記行電極ドライバおよび前記列電極ドライバならびに前記スイッチ回路に接続され、前記TFTアクティブマトリクスディスプレイパネルの表示期間における1ゲートバスライン走査期間毎に行座標検出を行い、前記表示期間に対して時分割的に設けられた列座標検出期間で前記スイッチ回路を順次切り換えて前記データバスラインに前記閉ループ電流を流すことにより列座標検出を行うように制御するコントローラとを備えたパネル一体型タブレット。
【請求項2】 検出用指示器は、キャパシタンス電圧を検知するためのキャパシタンス検知用導体と磁界を感知するための検出用コイルを有することを特徴とする請求項1記載のパネル一体型タブレット。
【請求項3】 行および列座標検出は、ゲートバスライン、データバスラインが構成されているアレイ基板を検出用指示器に対して表層側に配置して行われることを特徴とする請求項1記載のパネル一体型タブレット。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、表示素子と座標入力を行うタブレットを一体とした、パネル一体型タブレットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年の高度情報化社会の発展に伴い、マンマシンインターフェイスとしてのディスプレイの需要はますます増大している。特にTFT(Thin FilmTransister)アクティブマトリクスディスプレイは、軽量、低消費電力といった液晶ディスプレイの優位性に加えて、近年の情報の高密度化、大容量化の要求を満たすデバイスであることから、その市場は急激に拡大している。
【0003】また、情報機器分野ではダウンサイジング化が進み、携帯可能なパーソナル情報端末への要求に伴い、近年では特にペン入力形式のワープロ、コンピュータ、電子手帳、携帯型情報機器等の開発が盛んに行われている。ペン入力方式を用いたタブレットはその検出原理により、電磁誘導方式、静電結合方式、抵抗膜方式の3方式に大きく分類することができ、ペン入力型OA機器用途において、従来多く使用されてきた方式は、表示素子に抵抗膜、静電膜等のタブレットを重ね合わせて使用する二体型のものであった。
【0004】しかし二体型は、ディスプレイ上に抵抗膜、静電膜等のタブレットを重ねて使用するため、位置合わせの精度、重量の増加、コスト高、コントラスト低下、視差の増加等の問題が生じる。これらの理由から現在では静電方式、電磁誘導方式を用い、タブレットと表示の両方の機能を兼ね備えたパネル一体型タブレットの開発も行われている。
【0005】静電結合方式を用いた従来のパネル一体型タブレットの例は、図7に示すように、主として行電極2および列電極3を有する単純マトリクスパネル1と、行電極ドライバ4と、列電極ドライバ5と、座標検出部6と検出用指示器7からなり、上記単純マトリクスパネルの駆動方法としては、時分割的に表示期間と座標検出期間を設け、表示モードでは上記行電極2を1ライン走査する毎に上記列電極3に信号電圧を加えて表示させる線順次走査を行い、行、列検出モードでは、上記行電極2および列電極3にそれぞれ座標検出用のパルスを1ライン、あるいは複数ライン毎に走査させ、その時の単純マトリクスパネル1の任意位置に接触しているペンと上記行電極2および列電極3間の静電容量結合により座標位置を検出している(例えば、特開平3−50621号公報)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】これら従来例である一体型あるいは二体型表示素子に使用されるディスプレイデバイスとしては、主に液晶、エレクトロルミネセンス、プラズマディスプレイ等が挙げられるが、その中でも特に消費電力、コスト、携帯性の面で優れたTN(Twist Nematic)、STN(Super Twist Nematic)等の単純マトリクス型の液晶ディスプレイを用いたパネル一体型、二体型タブレットがこれまで提案、開発されている。
【0007】しかし、二体型においては、上述したように、精度、表示品位、コスト面での欠点が多く、また、一体型においても従来技術のような単純マトリクス型のディスプレイを用いた場合、コントラスト等の表示品位や高デューティー化、高速化に限界があり、上記のような高密度、大容量情報の取り扱いには適さない。特に今後、情報のさらなる高密度化に加え、携帯型情報機器等の実現に必要な携帯性を考慮した場合、高精細、大容量のディスプレイが実現可能であるTFTアクティブマトリクスディスプレイを用いたタブレット一体型表示素子の開発が必要となる。しかし現段階では、TFTアクティブマトリクスディスプレイを用いたパネル一体型タブレットの実例はほとんど報告されていないのが現状である。その主な理由としては以下のことが考えられる。
【0008】まず、現行のTFTアレイの構造に関連したもので、マトリクス電極の幅が上記のような単純マトリクス型のディスプレイの場合、300μm程度あるのに対し、TFTではこれに相当するバスラインの幅がゲートバスラインで40μm、データバスラインで6μmと小さい。一般的に、静電結合の強度は電極幅に比例して増大し、距離に反比例して減少することが従来技術として知られているが、これより、TFTパネルを一体型に適用し、上記単純マトリクスパネルにおける検出と同様に静電結合を用いてゲートバスラインおよびデータバスラインの信号を検出しようとした場合、結合容量が小さく十分なS/N比がとれないこと、アレイ基板の対向にある共通電極によるシールドの影響が大きく、共通電極を介してアレイ側に配置されている電極からの信号を検出できないことが挙げられる。また、電磁誘導を用いた場合、現行のTFTパネル構成においては、電磁誘導の検出に必要な電流の閉ループが作れないという問題がある。
【0009】つぎに、回路構成に関連した問題としては、まず、静電結合および電磁誘導を用いた座標検出に必要な、例えば、静電結合で10V以上、電磁誘導で5V以上の高周波パルスをゲートバスライン、データバスラインに加えることによるTFT特性への影響が挙げられる。TFTのオフ電圧マージンは既知技術によれば、約4V以下でなければならず、上記信号を加えることにより、TFTがオン状態となる可能性が高く、これは表示品位の低下につながる。また、上記信号に伴うドライバ耐圧の問題が生じると考えられる。
【0010】上記回路構成に関連した問題は、静電結合または電磁誘導方式を用い、現行のTFTパネルを一体型に適用する際、生じるものである。しかし、逆にTFTパネルを信号検出専用のバスラインの追加など、タブレット一体型に適した構成に変えようとした場合、開口率の低下の他、アレイ設計の大幅な変更に伴い製造コストが上昇するという結果を招き、一体型のメリットが無くなってしまう。したがって、TFTパネル構成の大幅な変更がなく、しかも表示品位を低下させないTFTパネル一体型タブレットが必要となる。
【0011】この発明は上記従来の問題点を解決するもので、TFTパネル構成の大幅な変更を必要とせず、表示品位を損なわず、しかも良好な座標検出精度を有するTFTパネル一体型タブレットを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明のパネル一体型タブレットは、TFTアクティブマトリクスディスプレイパネルと、このTFTアクティブマトリクスディスプレイパネルの行電極および列電極に個別に接続された行電極ドライバおよび列電極ドライバと、スイッチ回路と、検出用指示器と、座標検出回路と、コントローラとを備えている。
【0013】スイッチ回路は、データバスラインの並び方向に沿って平行に並進移動するように複数のデータバスラインに閉ループ電流を流すために、データバスライン両端に設けられて順次切り換え可能に構成される。検出用指示器は、前段ゲートバスライン走査期間における表示画素電極の蓄積容量を介した突き抜け電圧によって生じる静電容量結合を検出するとともに、データバスラインの並び方向に沿って平行に並進移動する電流の閉ループによって生じる誘導電流を検出する。
【0014】座標検出回路は、検出用指示器が検出した静電容量結合から行座標を決定するとともに、検出用指示器が検出した誘導電流から列座標を決定する。コントローラは、座標検出回路ならびに行電極ドライバおよび列電極ドライバならびにスイッチ回路に接続され、TFTアクティブマトリクスディスプレイパネルの表示期間における1ゲートバスライン走査期間毎に行座標検出を行い、表示期間に対して時分割的に設けられた列座標検出期間でスイッチ回路を順次切り換えてデータバスラインに閉ループ電流を流すことにより列座標検出を行うように制御する。
【0015】具体的には、ゲートバスラインに付随したMOS型薄膜トランジスタスイッチの走査期間に対して前段ゲートバスライン走査期間における表示画素電極の蓄積容量を介した突き抜け電圧と検出用指示器との静電容量結合を検出することにより検出用指示器の位置の行座標を決定し、複数のデータバスライン終端に設けたスイッチを順次切り換えることにより、データバスラインに沿って平行に並進移動する電流の閉ループを作り、この電流ループと検出用指示器間における誘導電流を検出することにより検出用指示器の位置の列座標を決定する。また、各表示期間において静電結合での検出は、1ゲートバスライン走査期間毎に逐次検出用指示器によって行い、電磁誘導での検出は、表示期間に対して時分割的に設けた列座標検出期間において行う。なお、静電結合容量の強度は電極幅に比例して増大し、距離に反比例して減少することや、共通電極によるシールドの影響を考慮して、ゲートバスライン側であるアレイ基板を検出用指示器に対して表層側に配置して検出を行う。
【0016】
【作用】上記構成をとることにより、まず、座標検出時において、静電結合を用いた検出は蓄積容量を介した突き抜け電圧が数十Vと高く、ゲートバスライン側基板を検出用指示器に対する表層側の電極としているため共通電極によるシールドの影響がなく、また、バスラインからではなく直接表示画素電極から信号を検出できるため、ゲートバスラインの幅に関わらず、単純マトリクスに適用した場合と同様に充分なS/N比を確保することができる。つぎに、電磁誘導を用いた検出については、複数のデータバスライン両端に設けたスイッチを順次切り換えていく方法をとるため、現行TFTパネルにおいても、電磁誘導に必要な電流の閉ループを確実にとることができる。また、表示品位の面においても、上記座標検出方法を用いることで、行および列座標ともに、静電結合あるいは電磁誘導を用いる場合と比較して、静電結合で10V、電磁誘導で5V以上の高周波パルスである座標検出信号をゲートバスラインへ印加する必要がないため、上記TFT特性への影響が少なく、表示品位の低下を防げるほか、データバスライン両端に上記スイッチを設けるため、ドライバ耐圧の問題も生じない。また、ゲートバスライン、データバスライン両方にスイッチを付ける必要が無く、コストの上昇を抑えることができる。さらに、信号検出用のバスラインの追加など、TFTアレイ設計の大幅な変更を行う必要が無く、従来のTFTパネルを用いて実現できるため、コストの上昇を抑えることができる。
【0017】
【実施例】以下、図1、図2を参照しながらこの発明の一実施例について説明する。図1はこの発明におけるTFTパネル一体型タブレットの構成を示すものである。同図において、11はTFTアクティブマトリクスパネル、22は行電極ドライバ、33は列電極ドライバである。行電極ドライバ22と列電極ドライバ33は、それぞれゲートバスライン23とデータバスライン34を介して、TFTアクティブマトリクスパネル11に接続されている。44は検出用指示器、55は座標検出回路、66は制御用のコントローラである。15は行電極群,16は列電極群である。
【0018】TFTアクティブマトリクスパネル11は、図2に示すように透明材料からなる上部基板12と、上部基板12から分離された下部基板13と、下部基板13の表面上に形成しマトリクス状に配列された行電極群15および列電極群16と(この実施例において行電極群15、列電極群16はそれぞれゲートバスライン23、データバスライン34と等価である。)、ゲートバスライン23およびデータバスライン34の交差する点に接続されたMOS型薄膜トランジスタスイッチ17と、上記MOS型薄膜トランジスタスイッチ17に接続した表示画素電極18と、駆動されるトランジスタスイッチの前段ゲートバスライン間との容量で表されオンゲート型の構造を有する蓄積容量19と、上部基板12の表面上に形成された共通電極20から構成されている。この構成においては、検出用指示器44は図2に示すように下部基板13側から検出するように配置される。
【0019】まず、表示に当たっては、行電極ドライバ22により、ゲートバスライン23に走査信号を順次供給し、ゲートバスライン23毎にそれに接続されているTFTをオン状態とし、このとき列電極ドライバ33から、走査ラインの各データに対応する信号電圧を1ライン分一斉にデータバスライン34に供給する線順次走査を行うことにより、任意画像の表示を行う。
【0020】座標検出に当たっては、行座標検出はゲートバスライン23を順次走査し、それに伴って変化する表示画素電極18の電位変化を検出用指示器44を介して、表示画素電極18と検出用指示器44との間の静電容量結合により検出し、列座標検出はデータバスライン34を順次走査し、検出用指示器44を介して、データバスライン34と検出用指示器44との間の電磁誘導により検出する。この検出用指示器44で検出された行および列座標信号は、座標検出回路55に供給される。この場合、座標検出回路55は、例えばカウンタ等から構成され、コントローラ66によって順次信号が走査されるタイミングでカウントを開始し、座標検出信号波形のピークが、設定されたしきい値を超えた時点のタイミングでカウントを停止させ、行および列座標についてその時点でのカウント値を読むことによって、任意の検出用指示器44の座標位置を知ることができる。
【0021】図3は、図2におけるTFTアクティブマトリクスパネル11の等価回路図である。ここでは行座標の検出について説明する。図3において、23はゲートバスライン、34はデータバスライン、17はMOS型薄膜トランジスタスイッチ、18は表示画素電極、19はMOS型薄膜トランジスタスイッチ17に関連したオンゲート型の構造の蓄積容量、14はゲート−ドレイン間の浮遊容量、20は共通電極、21は液晶材料を介して表示画素電極18と共通電極20間の容量で表される液晶容量、22は行電極ドライバ、33は列電極ドライバである。
【0022】一般的にTFTアクティブマトリクスディスプレイ11の駆動法については、種々の方法が既知技術として知られているので、ここで詳細な説明は省略するとして、1つのMOS型薄膜トランジスタスイッチ17、表示画素電極18に注目して、ゲート信号電位VG 、データ信号電位VS 、共通電極電位VC と画素電極電位VP の変化の関係を図4に示す。1フィールドの期間において、ゲート信号VG がハイレベルになると、ソース−ドレイン間に電流が流れ、画素電極電位VP は、データ信号電位VS に近づき、ゲート信号がオフレベルになると、ソース−ドレイン間はハイインピーダンス状態となり、画素電極電位VP はほぼ一定に保たれる。また、データ信号はDCによる液晶の劣化を防ぐため、1ラインあるいは1フィールド毎に反転させている。今、液晶容量21、蓄積容量19とMOS型薄膜トランジスタスイッチ17のドレインが接続された点77に注目すると、点77の蓄積容量19を介して生じる1ライン前段のゲートバスラインに加えられたゲート信号による電位の変動は、蓄積容量をCS 、液晶容量をCLC、ゲート−ドレイン間浮遊容量をCGD、ゲート電圧をVG とおくと、(数1)で表すことができる。
【0023】
【数1】

【0024】蓄積容量19の値は液晶容量21の値とほぼ等しく、ゲート−ドレイン間浮遊容量14はほとんど無視できると考えて、例えばゲート電圧VG を30Vとすると、△Vは15Vとなり、△Vの分だけ突き抜け電圧が現れる。またこの電位変化はデータ信号の極性反転に関わらず常に正の方向に現れることから、この現象を利用し、表示画素電極18の上記蓄積容量19を介した突き抜け電圧を用いて、検出用指示器44との間の静電結合容量を検出し、この検出用指示器44で検出された信号を、カウンタ等から構成され座標検出回路55に供給し、コントローラ66によって順次走査されるタイミングでカウントを開始し、座標検出信号波形のピークが、設定されたしきい値を超えた時点のタイミングでカウントを停止させ、そのカウント値を読むことによって、検出用指示器44の位置座標を決定することが可能となる。したがって、行座標の検出においては1フィールドの期間毎に1つの行座標データを座標検出部55に出力し、コントローラ66に蓄積する。そして次のフィールド期間にそのデータを新たなデータ信号として、列座標ドライバ33に出力する。
【0025】以上説明したように、上記構成により、まず、上記電位変化は一般的な上記構成のTFTアクティブマトリクスディスプレイ11に付随するもので、当段のゲート信号により、上記MOS型薄膜トランジスタスイッチ17がオンした時点で新たなデータ信号が書き込まれることから、表示品位に何等の影響を及ぼさない。また、上記電位変化は座標検出信号のS/N比を確保するに充分なもので、ゲートバスライン23、データバスライン34ともに静電結合を用いた場合と比較して、電極幅の狭いバスラインについて考慮する必要が解消される。つぎに、表示品位の面においても、上記座標検出方法を用いることで、10V以上の高周波パルスである座標検出信号をゲートバスライン23へ印加する必要がないため、TFT特性への影響が少ない。また、ゲートバスライン側基板を検出用指示器44に対する表層側の電極とすることで、共通電極によるシールドの影響が無く、また、バスラインではなく、直接表示画素電極から信号を検出できるため、ゲートバスライン23、データバスライン34の幅に関わらず、単純マトリクスに適用した場合と同様に充分なS/N比を確保して検出することができる。
【0026】つぎに、列座標の検出について図5を参照しながら説明する。図5において、34a1〜34anは複数本からなるデータバスライン、33は列電極ドライバ、66はコントローラ、67はクロック発生装置、35は列電極ドライバ33側に位置し、データバスライン34の電極数に対応し、2種類の切り換え接点35a1〜35an,35b1〜35bnを有するスイッチ回路、36はデータバスライン34の反対側に位置し、データバスライン34の電極数に対応したスイッチ36a1〜36anを有するスイッチ回路である。スイッチ回路35における接点35a1〜35anは数Vの実効値を持つ高周波パルス発生器37に、接点35b1〜35bnは上記高周波パルス発生器37と同じ実効値を持ち、位相が180゜異なる高周波パルス発生器38にそれぞれ接続されている。また、スイッチ回路36におけるスイッチ36a1〜36anはすべてグランドに接続されている。また、スイッチ回路35,36は、ともに列電極ドライバ33に接続されている。
【0027】列座標検出においては、まず表示期間終了後、コントローラ66からクロック発生装置67にイネーブル信号が出力され、座標検出モードとなり、高周波クロックが列電極ドライバ33に供給される。それに同期して、まずデータバスライン34a1が接点35a1に接続され、データバスライン34a1に高周波パルス発生器37から座標検出パルスが供給されるとともに、データバスライン34a1から一本または複数本離れたデータバスライン、例えばデータバスライン34a3が接点35b3に接続され、データバスライン34b3に高周波発生器38から高周波発生器37と位相が180゜異なった座標検出パルスが供給される。また、これと同時に、スイッチ回路36の各スイッチ36a1〜36anは、電圧が供給されているデータバスライン、例えばスイッチ36a1と36a3が、データバスライン34a3と34b3に接続されるので、スイッチ回路35、データバスライン34、スイッチ回路36間に電流の閉ループが形成される。そして、次の時点で上記スイッチ回路35,36を1ラインまたは複数ライン毎に順次切り換えて行き、上記データバスライン34に沿って平行に並進移動する電流ループを作る。
【0028】つぎに、図6を参照して、行座標検出および列座標検出に用いられる検出用指示器44の構成について説明する。図6において、45は電流の閉ループによってパネルに生じた磁界を感知するための検出用コイル、46はキャパシタンス電圧を感知するためのキャパシタンス検知用導体、47は静電結合と電磁誘導を切り換える2連スイッチ、48はセンスアンプ、49はシールド層、50は検出した誘導電流に応じた電圧に変換するI−V変換器、51はS/N比を向上させるためのバンドパスフィルタである。
【0029】その動作は、まず表示期間において、静電結合により行座標を検出する場合、キャパシタンス検知用導体46のみがスイッチ47を介して、センスアンプ48に接続される。つぎに、座標検出期間への切り換えと同時にスイッチ47が検出用コイル45に接続され、電磁誘導による列座標検出が可能な状態に切り換えられる。この場合、電磁誘導によって生じた誘導電流は低インピーダンスであるI−V変換器50の入力端子へ供給され、誘導電流の大きさに応じた電圧波形に変換される、その後、S/N比を向上させる目的でバンドパスフィルタ51に取り込まれ、センスアンプ48を介して座標検出信号として出力される。より詳しく述べると、電流ループによって作られた磁束と検出用指示器44間における電磁誘導を用いて誘導電流を検出し、この信号をIーV変換器50、バンドパスフィルタ51を介し、カウンタ等から構成される座標検出回路55に供給し、コントローラ66によって順次走査されるタイミングでカウントを開始し、座標検出信号波形のピークが、設定されたしきい値を超えた時点のタイミングでカウントを停止させ、そのカウント値を読むことによって、検出用指示器44の位置座標を決定することができる。したがって、列座標の検出においては、1フィールド期間毎に設けた座標検出期間において、1つの列座標データを座標検出部55に出力し、コントローラ66に蓄積する。そして次の表示期間に先にコントローラ66に蓄積された行座標データとともに、そのデータを新たなデータ信号として、列電極ドライバ33に出力する。
【0030】上記動作は、上述した表示期間と座標検出期間の切り換えに同期したタイミングで、静電結合と電磁誘導の切り換えを選択させることにより実現でき、一つの検出用指示器44により、静電結合と電磁誘導の両方の方式の座標検出が可能となる。以上説明したように、まず、行座標検出に静電結合を用いた場合は、蓄積容量を介した突き抜け電圧が数十Vと高く、また、ゲートバスライン側基板を検出用指示器に対する表層側の電極としているため、共通電極の影響が無く、また、バスラインからではなく、直接表示画素電極から信号を検出できるため、ゲートバスラインの幅に関わらず、単純マトリクスに適用した場合と同様に充分なS/N比を確保することができる。
【0031】また、列座標検出に電磁誘導を用いた場合は、複数のデータバスライン両端に設けたスイッチを順次切り換えていく方法をとるため、現行のTFTパネルにおいても、電流の閉ループを確実にとることができる。また、表示品位の面においても、行および列座標ともに静電結合あるいは電磁誘導を用いる場合と比較して、5V以上の高周波パルスである座標検出信号をゲートバスラインへ印加する必要がないため、TFT特性への影響が少なく、表示品位の低下を防ぐことができる他、データバスライン両端に上記スイッチを設けるため、ドライバ耐圧の問題も生じない。また、ゲートバスラインとデータバスラインの両方にスイッチを付ける必要が無く、さらに、信号検出用のバスラインの追加など、TFTアレイ設計の大幅な変更を行う必要が無く、従来のTFTパネルを用いて実現できるため、コストの上昇を抑えることができる。
【0032】以上のように、この実施例で示した構成をとることにより、TFTパネル構成の大幅な変更を必要とせず、しかも表示品位を損なわず、現行のTFTパネルを用いて行、列座標位置の検出を行うことができる。
【0033】
【発明の効果】この発明によれば、まず、静電結合を用いた行座標の検出については、蓄積容量の突き抜け電圧が数十Vと高く、またゲートバスライン側基板を検出用指示器に対する表層側の電極としているため、共通電極のシールドの影響がなくなる他、バスラインではなく直接表示画素電極から信号を検出できるため、バスラインの幅に関わらず、単純マトリクスに適用した場合と同様に充分なS/N比を確保することができる。つぎに、電磁誘導を用いた列座標の検出については、複数のデータバスライン両端に設けたスイッチを順次切り換えていく構成をとるため、現行のTFTパネルにおいても、電流の閉ループを確実にとることができる。また、表示品位の面においても、行および列座標ともに静電結合あるいは電磁誘導を用いる場合と比較して、静電結合で10V、電磁誘導で5V以上の高周波パルスである座標検出信号をゲートバスラインへ印加する必要がないため、TFT特性への影響が少なく、表示品位の低下を防げる他、ドライバ耐圧の問題も生じない。また、ゲートバスラインとデータバスラインの両方にスイッチを付ける必要が無く、コストの上昇を抑えることができる。さらに、信号検出用のバスラインの追加など、TFTアレイ設計の大幅な変更を行う必要が無く、従来のTFTパネルを用いて実現できるため、コストの上昇を抑えることができる。




 

 


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