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発明の名称 テープカセット
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−122026
公開日 平成7年(1995)5月12日
出願番号 特願平5−262139
出願日 平成5年(1993)10月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 大島 峰生
要約 目的
樹脂製の弾性ブレーキ爪が、熱・応力等により変形しても、確実なブレーキ動作を行う、信頼性の高いテープカセットを供給する。

構成
ブレーキの解除動作にともないラチェット5,6と係合する係止爪10,11をハブ5,6の外周から離す案内17,18と、ブレーキ動作にともない係止爪10,11をラチェット5,6に係合させ係止爪10,11をハブ3,4の外周に略々沿わせる案内20を設けているので、変形によりブレーキ動作を損なう恐れがない。
特許請求の範囲
【請求項1】 上下ハウジングとこの内部に外周にラチェットを持つ2個のハブとこれら2個のハブにつながる磁気テープと前記ラチェットに先端の係止爪が係合して前記ハブを係止しブレーキ動作を行うリールブレーキとよりなるテープカセットであって、先端または両端に2個の係止爪を一体に樹脂成形したリールブレーキと、前記ハウジングに設けられた第1の案内と、前記係止爪に設けられ前記第1の案内と協働しブレーキの解除動作にともない前記ラチェットと係合する前記係止爪を前記ハブの外周から離す第1のガイドと、前記ハウジングに設けられた第2の案内と、前記係止爪に設けられ前記第2の案内と協働しブレーキ動作にともない前記係止爪を前記ラチェットに係合させ前記係止爪を前記ハブの外周に略々沿わせる第2のガイドとよりなるテープカセット。
【請求項2】 上下ハウジングとこの内部に外周にラチェットを持つ2個のハブとこれら2個のハブにつながる磁気テープと前記ラチェットに先端の係止爪が係合して前記ハブを係止しブレーキ動作を行うリールブレーキとよりなるテープカセットであって、先端または両端に2個の係止爪を持つリールブレーキと、前記ハウジングに設けられた第3の案内と、前記係止爪に設けられ前記第3の案内と協働し前記ハブの係止状態において略々前記ハブが互いに遠ざかる方向に略々前記ハブと前記ハウジングとの径方向のすきまの距離だけ前記係止爪を前記ラチェットに押圧移動させる第3のガイドとよりなるテープカセット。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、音楽や映像等の情報が記録/再生可能なテープカセットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のテープカセットとしては、例えば実開昭58−127477号に示される構成のものが一般的である。以下、その構成について図6にて説明する。
【0003】図6の(a)に示すように、ハウジング91には磁気テープ92を巻いた2個のハブ93が収納されており、リールブレーキ95は、ハウジング91後部の2個のハブ間に形成される空間に配置され、ハウジングの底面に設けられた開口部94の上部空間を覆い、ハブ93の外周部に設けられたラチェット97に係合してハブ93が磁気テープ92を送り出す方向へ回転することを阻止するとともに磁気テープ92の巻き取り方向への回転を付与する係止爪96が前端部に固定され、リールブレーキ95とハウジング後面壁の間に配置されたばね98によってハブ93の方向に付勢されている。さらに、磁気記録/再生装置に設けられた解除部材が開口部94から挿入・排出されることによってリールブレーキ95はハウジング91のリブ99にガイドされて係止位置と解除位置との間で摺動する。また、図6の(b)に示す解除位置では、係止爪96はリブ99によって押圧されて応力が働き、先端がハブ93から離れる向きにたわむように設定されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記した従来のテープカセットでは、テープカセットが単体の状態、すなわちリールブレーキに設けられた係止爪が係合してハブが係止された状態において、ハブのラチェットと係止爪の係合はリールブレーキの前端部に固定された係止爪の弾性により略々ハブの中心方向に押圧する構成になっているので、テープカセットの保管状態により係止爪が熱・応力変形を起こし、ハブを押圧する弾性を失う恐れがある。
【0005】また、テープカセットを磁気記録再生装置に装着し、ハブの係止が解除された状態にて動作または放置されたとき、係止爪は先端がハブから離れるようリブによって押圧されているので、磁気記録再生装置の内部の温度状態により係止爪が熱・応力変形を起こし、ハブを押圧する弾性を失う恐れがある。
【0006】すなわち、リールブレーキに固定された係止爪の弾性によりブレーキ動作を行う構成では、熱・応力変形によりブレーキ動作が行えない問題点を有していた。
【0007】本発明は、このような従来の問題点を解決するものであり、テープカセットに設けるリールブレーキの係止爪が熱・応力により変形してもブレーキ動作を行えるテープカセットを提供することを技術的課題としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため、本願第1の発明のテープカセットは、上下ハウジングとこの内部に外周にラチェットを持つ2個のハブとこれら2個のハブにつながる磁気テープとラチェットに先端の係止爪が係合してハブを係止しブレーキ動作を行うリールブレーキとよりなるテープカセットであって、先端または両端に2個の係止爪を一体に樹脂成形したリールブレーキと、ハウジングに設けられた第1の案内と、係止爪に設けられ第1の案内と協働しブレーキの解除動作にともないラチェットと係合する係止爪をハブの外周から離す第1のガイドと、ハウジングに設けられた第2の案内と、係止爪に設けられ第2の案内と協働しブレーキ動作にともない係止爪をラチェットに係合させ係止爪をハブの外周に略々沿わせる第2のガイドとよりなる構成にしている。
【0009】また、本願第2の発明のテープカセットは、上下ハウジングとこの内部に外周にラチェットを持つ2個のハブとこれら2個のハブにつながる磁気テープとラチェットに先端の係止爪が係合してハブを係止しブレーキ動作を行うリールブレーキとよりなるテープカセットであって、先端または両端に2個の係止爪を持つリールブレーキと、ハウジングに設けられた第3の案内と、係止爪に設けられ第3の案内と協働しハブの係止状態において略々ハブが互いに遠ざかる方向に略々ハブとハウジングとの径方向のすきまの距離だけ係止爪をラチェットに押圧移動させる第3のガイドとよりなる構成にしている。
【0010】
【作用】上記本願第1の発明のテープカセットによれば、リールブレーキに設けられた係止爪が係合してハブが係止された状態において、テープカセットの保管状態により係止爪が熱・応力変形を起こし、ハブを押圧する弾性を失っても、ブレーキの解除動作にともないラチェットと係合する係止爪をハブの外周から離す案内と、ブレーキ動作にともない係止爪をラチェットに係合させ係止爪をハブの外周に略々沿わせる案内を設けているので、ブレーキの解除状態においては係止爪はハブの回転を阻止することがなく、ブレーキ動作においては係止爪はラチェットと係合し磁気テープを巻き取る方向にハブを回転させるので、ブレーキ動作を損なう恐れがない。
【0011】また、テープカセットを磁気記録再生装置に装着し、ハブの係止が解除された状態にて動作または放置されたときも、同様にブレーキ動作を損なう恐れがない。
【0012】また、本願第2の発明のテープカセットによれば、リールブレーキに設けられた係止爪が係合してハブが係止された状態において、テープカセットの保管状態により係止爪が熱・応力変形を起こし、ハブを押圧する弾性を失っても、ハブの係止状態において略々ハブが互いに遠ざかる方向に略々ハブとハウジングとの径方向のすきまの距離だけ係止爪をラチェットに押圧移動させる案内を設けているので、ハブの係止状態で係止爪はラチェットと確実に係合し、ハブの係止を損なう恐れがない。
【0013】
【実施例】以下、本願第1および第2の発明のテープカセットの一実施例を図面を用いて説明する。
【0014】図1は本発明の実施例のテープカセットの内部構造図、図2は本発明のテープカセットのハブ係止状態のリールブレーキ部の平面図、図3は同断面図である。
【0015】図1,図2および図3において、下ハウジング1および上ハウジング31の内部に磁気テープ2によりつながる供給ハブ3と巻き取りハブ4とを収納している。供給ハブ3および巻き取りハブ4には下フランジの外周にラチェット5,6を形成している。下ハウジング1の後部中央にはブレーキ機構の解除部材19を挿入するための開口部7を設けている。
【0016】リールブレーキ8は下ハウジング1に、供給ハブ3と巻き取りハブ4の中心を結ぶ線と直交する方向に、ブレーキ機構の係止位置(図2参照)と解除位置(図4参照)との間で摺動自在に取付けてある。リールブレーキ8の前端部には係止爪10,11を一体樹脂成形し、係止爪10,11にはガイド12,13を設け下ハウジング1に設けられた案内9と協働し略々ハブ3,4が互いに遠ざかる方向に略々ハブ3,4と下ハウジング1との径方向のすきまの距離Aだけ係止爪10,11をラチェット5,6に押圧移動させることで、係止爪10,11はラチェット5,6と係合し供給ハブ3および巻き取りハブ4の回転を防止する。2つの係止爪10,11は根元10b,11bを中心に回動可能にしてある。ばね14はリールブレーキ8を案内15,16および上ハウジング31の案内32に沿って前方向へ付勢し、リールブレーキ8は下ハウジング1に設けた案内壁17,18に当接している。このハブ係止状態で、リールブレーキ8は開口部7を覆い密閉している。
【0017】以上説明した構成のテープカセットのリールブレーキの解除動作を説明する。図4は本発明のテープカセットのハブ解除状態のリールブレーキ部の平面図である。
【0018】図2のハブ係止状態からテープカセットを磁気記録再生装置に装着することにより、図4に示すように、磁気記録再生装置に設けた解除部材19が開口部7から挿入されてリールブレーキ8をハウジング1,31後方に向けて押圧する。リールブレーキ8がばね14の付勢力に抗して案内15,16および32に案内されてハウジング1,31後方に移動する。解除部材19が所定の位置まで挿入されたときリールブレーキ8はハブ解除位置まで移動する。このとき、係止爪10,11にはガイド23,24を設け下ハウジング1に設けられた案内壁17,18と協働しラチェット5,6と係合する係止爪10,11をハブ3,4の外周から離し、リールブレーキ8の方向へ寄せ、係止爪10,11は完全にラチェット5,6から離れハブ解除状態となる。
【0019】つぎに、図4のハブの係止の解除状態から係止状態への移行すなわちブレーキ動作を図5により説明する。
【0020】図4の状態から、テープカセットが装着されていた磁気記録再生装置から排出されていくのと同時に開口部7から挿入されていた解除部材19が抜き出され、リールブレーキ8はばね14に付勢されてハウジング1,31の前方向に移動する。係止爪10,11にはガイド21,22を設け下ハウジング1に設けられた案内20と協働し係止爪10,11を徐々にラチェット5,6に係合させ係止爪10,11をハブ3,4の外周に略々沿わせ、さらに両ハブ3,4が磁気テープを巻き取る方向に回転させる。
【0021】リールブレーキ8が図2のようにハブ係止位置に達したとき、係止爪10,11はラチェット5,6と係合したまま案内9により両ハブ3,4を係止する。
【0022】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、リールブレーキに設けられた係止爪が係合してハブが係止された状態において、テープカセットの保管状態により係止爪が熱・応力変形を起こし、ハブを押圧する弾性を失っても、ブレーキの解除動作にともないラチェットと係合する係止爪をハブの外周から離す案内と、ブレーキ動作にともない係止爪をラチェットに係合させ係止爪をハブの外周に略々沿わせる案内を設けているので、ブレーキの解除状態においては係止爪はハブの回転を阻止することがなく、ブレーキ動作においては係止爪はラチェットと係合し磁気テープを巻き取る方向にハブを回転させるので、ブレーキ動作を損なう恐れがない。
【0023】また、テープカセットを磁気記録再生装置に装着し、ハブの係止が解除された状態にて動作または放置されたときも、同様にブレーキ動作を損なう恐れがない。
【0024】また、リールブレーキに設けられた係止爪が係合してハブが係止された状態において、テープカセットの保管状態により係止爪が熱・応力変形を起こし、ハブを押圧する弾性を失っても、ハブの係止状態において略々ハブが互いに遠ざかる方向に略々ハブとハウジングとの径方向のすきまの距離だけ係止爪をラチェットに押圧移動させる案内を設けているので、ハブの係止状態で係止爪はラチェットと確実に係合し、ハブの係止を損なう恐れがない。




 

 


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