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発明の名称 光ディスク装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−121878
公開日 平成7年(1995)5月12日
出願番号 特願平5−264665
出願日 平成5年(1993)10月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 久保田 真司
要約 目的
ランドとグルーブの両方に記録する場合に、ランドとグルーブに形成される記録ピットを同じにして、記録再生の信号品質を改善する。

構成
記録時にランドとグルーブとで、記録の光出力を異なる値にP1,P2設定する手段と、記録のパルス幅を異なる値に設定する手段とを備え、記録時にランドとグルーブとで、記録の光出力P1,P2と記録の光パルス幅の少なくとも一方を異なる値に設定する。この設定により、ランドとグルーブとで冷却速度が異なることによるしきい値付近の温度分布の違いを補正Tthして、形成される記録ピットTP1,TPgを同じものにし、信号品質が安定な記録再生を実現する。
特許請求の範囲
【請求項1】 光ディスクのランドとグルーブの両方に記録を行う光ディスク装置において、ランドとグルーブとで、記録時の光出力を異なる値に設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項2】 請求項1記載の光ディスクにおいて、所定のトラック数に渡り、ランドとグルーブとで、記録時の光出力を異なる値に設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項3】 光ディスクのランドとグルーブの両方に記録を行う光ディスク装置において、ランドとグルーブとで、記録時の光パルス幅を異なる値に設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項4】 光ディスクのランドとグルーブの両方に記録を行う光ディスク装置において、ランドとグルーブとで、記録時の光出力と光パルス幅とを異なる値に設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項5】 光ディスクのランドとグルーブの両方に記録を行う光ディスク装置において、所定のトラック数に渡り、ランドとグルーブとで、記録時の光出力と光パルス幅とを異なる値に設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項6】 請求項1,2,4または5記載の光ディスク装置において、記録時の光出力が、記録用の光出力と消去用の光出力の2種類である場合には、少なくとも記録用の光出力をランドとグルーブとで異なる値に設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項7】 請求項1,2,4または5記載の光ディスク装置において、記録時の光出力が、記録用の光出力とそれ以外の光出力の2種類以上である場合には、少なくとも記録用の光出力をランドとグルーブとで異なる値に設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項8】 請求項1,2,4,5,6または7記載の光ディスク装置において、光ディスクの回転数が一定の場合には、線速度が大きい外周において線速度が小さい内周よりも、ランドとグルーブでの記録時の光出力の設定値の差を大きくすることを特徴とする光ディスク装置。
【請求項9】 請求項1,2,4,5,6,7または8記載の光ディスク装置におけるランドとグルーブにおいて、ディスク構造による熱の冷却速度が大きいほうに、記録時の光出力をより大きく設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項10】 請求項3記載の光ディスク装置において、所定のトラック数に渡り、ランドとグルーブとで、記録時の光パルス幅を異なる値に設定することを特徴とする光ディスク装置。
【請求項11】 請求項3,4,5または10記載の光ディスク装置におけるランドとグルーブにおいて、ディスク構造による熱の冷却速度が大きいほうに、記録時の光パルス幅をより長く設定することを特徴とする光ディスク装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は半導体レーザの光を絞った光スポットを用いて、光ディスクのトラック上に信号を記録したり、あるいは記録したトラック上の信号を再生する光ディスク装置のなかで、特にトラックのランドとグルーブの両方に記録を行って記録密度を向上させた光ディスク装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、光ディスク装置の記録密度を上げる方式の1つとして、特開平2−156423号公報に示されるような、トラックのランドとグルーブの両方に信号を記録する方式が検討されている。図9の光ディスクのトラックの構成図を用いてこの記録方式を説明する。図9において、1は記録膜のランド、2は記録膜のグルーブである。ここでグルーブの定義は、ディスクのマスタの構造が溝になっているトラックの部分とする。これより、マスタから複写して製作される光ディスクでは下に凹になる2がグルーブとなる。光源の半導体レーザの波長が680nmから780nm程度の通常の光ディスクでは、トラックピッチと呼ばれるグルーブ1の周期は1.0μmから1.6μm程度である。3は透明なディスク基板で、通常は反射率1.5前後のポリカーボネート、アクリルやガラスが用いられる。4,5は半導体レーザを光源として光学系で絞った光ビームである。図では光ビーム4,5は同時に照射されるようにしているが、実際にはマルチビームを別とすれば光ビームは1本で別々のタイミングで照射される。6は光ビーム4,5により記録されたピットである。ピット6は光ディスクの媒体により記録の形態が異なる。光磁気では垂直磁化膜の磁気の向きの変化として記録され、相変化型では反射率の変化として記録が行われる。以降の説明は簡単のため、光の変調だけで記録できる相変化型をモデルとして行う。
【0003】図10に、相変化型光ディスクの構造を示す。1はランド、2はグルーブ、3はディスク基版、4,5は光ビームである。7,9は記録膜8を保護したり、光学定数の制御、温度制御を行う誘電体層、8はGe,Te,Sn等の物質から成る記録層、10はAu等から成る反射層である。相変化型の光ディスクでは、記録前の消去状態のトラックは結晶状態であり、記録されたピット部はアモルファス状態になる。記録の際は光出力を、媒体が所定の温度を越えてアモルファスとなる記録レベルと、結晶化される消去レベルの2値に制御してオーバーライトの記録を行う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来のランドとグルーブの両方に記録する方式では、ランドとグルーブとの熱の冷却速度が異なるため、同じ記録の光出力、光パルス幅で記録すると、形成される記録ピットの大きさが異なり、記録信号の品質がランドとグルーブで同じにならないという問題があった。
【0005】図10において、光ビーム4あるいは光ビーム5が、記録層8のグルーブ2あるいはランド1に照射された場合の熱の冷却速度について説明する。ランド1における光ビーム4により注入された熱の拡散方向を、方向A,B,Cで太い実線で示す。同様に、グルーブ2における光ビーム5により注入された熱の拡散方向を、方向A、B’、C’で太い実線で示す。トラックに垂直な同じ方向Aでは、グルーブ2とランド1で熱の冷却速度は同じである。しかし、方向Aから傾いたランド1の方向B,Cと、グルーブ2の方向B’,C’とでは、熱の冷却速度が異なる。ランド1の場合には、熱を拡散冷却する反射層9との接触面積の割合を表す方向B,Cと方向Aの成す角度が開いており、冷却速度が大きくなる。これに対してグルーブ2の場合には、熱を拡散冷却する反射層9との接触面積の割合を表す方向B’,C’と方向Aの成す角度がランドよりも狭くなり、熱の拡散冷却効果が悪く、冷却速度が小さくなる。
【0006】図11において、ランドとグルーブに、同じ光出力、光パルス幅を照射した時の記録ピットの形成について説明する。図11において、左半分がランドの場合、右半分がグルーブの場合である。波形は図面上から、(a)は記録時の光波形、(b)はトラック上の温度分布、及び記録ピットが形成されるしきい値温度Tth、(c)はトラック上に形成される記録ピットを示す。ランドの場合、光出力P1,光パルス幅T1の記録光波形が照射されたとき、熱の冷却速度がランドよりも大きく、熱のピークが低くなり、しきい値Tthをクロスする時間幅TPlが小さくなる。結果として記録ピットの幅TPlは、光パルス幅T1よりも狭くなる。
【0007】これに対してグルーブの場合、光出力P1,光パルス幅T1の記録光波形が照射されたとき、熱の冷却速度がランドよりも小さいため、熱のピークが高くなり、しきい値Tthをクロスする時間幅TPgは光パルス幅T1と同じになる。結果として光パルス幅T1と同じ幅の記録ピットが形成される。
【0008】このように、ランドとグルーブとでは、光ビームにより注入された熱の冷却速度が異なるため、同じ光出力、同じ光パルス幅で記録すると、形成される記録ピットの形状が異なってくる。これは再生時にジッターの増加となったり、オーバーライト時には消し残りの差となって表れ、記録再生信号の品質を悪くしてしまう。
【0009】本発明はこのような問題点を解決するもので、ランドとグルーブの両方に記録する場合に、記録時の光出力と光パルス幅の少なくとも一方をランドとグルーブとで異なる値に設定することで、ランドとグルーブに形成される記録ピットを同じにして、信号品質が安定な記録再生が行える光ディスク装置を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明の光ディスク装置は、記録時にランドとグルーブとで、記録の光出力と記録の光パルス幅の少なくとも一方を異なる値に設定する手段を備えている。
【0011】また本発明は、光出力の設定と光パルス幅の設定を、所定のトラック数に渡るランドとグルーブで行う構成とする。
【0012】
【作用】本発明は上記した構成により、記録時にランドとグルーブとで、記録の光出力と記録の光パルス幅の少なくとも一方を異なる値に設定する。この設定により、ランドとグルーブとで冷却速度が異なることによる、記録ピットの形成の違いを補正して、記録ピットを同じものにし、信号品質が安定な記録再生を実現する。
【0013】また本発明では、回転数が一定で内周と外周で線速度が異なることで、記録の光出力あるいは光パルス幅が異なる場合にも、所定のトラック数毎に記録光出力あるいは光パルス幅を設定することができる。結果としてランドとグルーブでの冷却速度の違いに加えて、線速度の違いによる記録の光出力あるいは光パルス幅の違いを補正して、記録ピットを同じものにすることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0015】図1は、ランドとグルーブとで記録時の光出力を異なる値に設定する本発明の第1の実施例における光ディスク装置の光波形とトラック上の記録されたピットの様子を示す。
【0016】図1において、左半分がランドの場合、右半分がグルーブの場合である。波形は図面上から、(a)は記録時の光波形、(b)はトラック上の温度分布、及び記録ピットが形成されるしきい値温度Tth、(c)はトラック上に形成される記録ピットを示す。
【0017】グルーブの場合は先に説明した従来例の図11と同じで、光出力P1、光パルス幅T1の記録光波形を照射して、光パルス幅T1と同じ幅TPgの記録ピットが形成される。
【0018】ランドの場合の記録光波形は、(a)に示すように、光パルス幅T1は同じだが、光出力が従来例の光出力P1よりも大きい光出力P2が照射される。このため、グルーブよりも冷却速度は大きいが、(b)の温度分布は、ランドとグルーブとで同じになる。結果としてランドに形成される記録ピットの幅TPlは、光パルス幅T1あるいは記録ピットTPgと同じになる。これよりランドとグルーブとで、記録時の温度分布を同じにして、形成される記録ピットを同じものにすることができる。
【0019】以上のように本実施例では、記録時にランドとグルーブとで、記録の光出力を異なる値に設定することで、ランドとグルーブでの記録ピットを同じものにして、信号品質が安定な記録再生を実現する。
【0020】図2は、ランドとグルーブとで記録時の光パルス幅を異なるパルス幅に設定する本発明の第2の実施例における光ディスク装置の光波形とトラック上の記録されたピットの様子を示す。
【0021】図2において、左半分がランドの場合、右半分がグルーブの場合である。波形は図面上から、(a)は記録時の光波形、(b)はトラック上の温度分布、及び記録ピットが形成されるしきい値温度Tth、(c)はトラック上に形成される記録ピットを示す。
【0022】グルーブの場合は先に説明した従来例の図11と同じで、光出力P1、光パルス幅T1の記録光波形を照射して、光パルス幅T1と同じ幅TPgの記録ピットが形成される。
【0023】ランドの場合の記録光波形は、(a)に示すように、光出力P1は同じだが、光パルス幅が従来例のパルス幅T1よりも長い光パルス幅T2が照射される。このため、グルーブよりも冷却速度は大きいが、(b)の温度分布におけるしきい値Tthをクロスする幅は、ランドとグルーブとで同じになる。結果としてランドに形成される記録ピットの幅TPlは、光パルス幅T1あるいは記録ピット幅TPgと同じになる。
【0024】以上のように本実施例では、記録時にランドとグルーブとで、記録の光パルス幅を異なる値に設定することで、ランドとグルーブでの記録ピットを同じものして、信号品質が安定な記録再生を実現する。
【0025】なお、本実施例の記録パルスは記録ピットに対応した部分がすべて’ハイ’の場合を示したが、これはマルチパルスのパルス列でも構わない。マルチパルスの場合にパルス幅を設定するのは、パルス列の構成要素であるパルス数を増減することで対応できる。
【0026】図3は、ランドとグルーブとで記録時の光出力と記録時の光パルス幅とを異なる値に設定する本発明の第3の実施例における光ディスク装置の光波形とトラック上の記録されたピットの様子を示す。
【0027】図3において、左半分がランドの場合、右半分がグルーブの場合である。波形は図面上から、(a)は記録時の光波形、(b)はトラック上の温度分布、及び記録ピットが形成されるしきい値温度Tth、(c)はトラック上に形成される記録ピットを示す。
【0028】グルーブの場合は先に説明した従来例の図11と同じで、光出力P1、光パルス幅T1の記録光波形を照射して、光パルス幅T1と同じ幅TPgの記録ピットが形成される。
【0029】ランドの場合の記録光波形は、(a)に示すように、光出力がP3、光パルス幅がT3に設定されて照射される。このため、グルーブよりも冷却速度は大きいが、(b)の温度分布におけるしきい値Tthをクロスする幅は、ランドとグルーブとで同じになる。結果としてランドに形成される記録ピットの幅TPlは、光パルス幅T1あるいは記録ピット幅TPgと同じになる。
【0030】以上のように本実施例では、記録時にランドとグルーブとで、記録の光出力と光パルス幅の両方を異なる値に設定することで、ランドとグルーブでの記録ピット形成の精度良い制御を可能にし、信号品質が安定な記録再生を実現する。
【0031】図4は、光ディスクが線速度一定で回転制御される場合、ランドとグルーブとで記録時の光出力を異なる値に設定する本発明の第4の実施例における光ディスクの半径と線速度、記録光出力の関係を示す。
【0032】ここで、記録可能な半径領域は内周r1から外周r2までとする。半径r1からr2まで線速度はvで一定である。このため、基本的には記録光出力も半径r1からr2まで一定である。しかしながら、ランドとグルーブでは冷却速度が異なるため、記録光出力はグルーブでPg、ランドでPlと異なった値が設定される。これにより線速度一定の場合に、ランドとグルーブでの記録光出力を異なる値に設定し、その設定値を内周から外周まで一定とすることで、ランドとグルーブでの記録ピット形成を同じものにし安定な記録再生を実現する。
【0033】なお本実施例では、ランドとグルーブの冷却速度の補正を、記録の光出力を異なる値に設定して行ったが、これは記録のパルス幅を異なる値にしても、ランドとグルーブとで記録ピット形成を同じにすることができる。
【0034】図5は、光ディスクが回転数一定で回転制御される場合、ランドとグルーブとで記録時の光出力を所定のトラック数に渡って異なる値に設定する本発明の第5の実施例における光ディスクの半径と線速度、記録光出力の関係を示す。
【0035】ここで、記録可能な半径領域は内周r1から外周r2までとする。回転数が一定のため、半径r1からr2まで線速度はv1からv2と変化する。このため、基本的には記録光出力も半径r1からr2まで異なってくる。半径の線速度に対する記録光出力の関係はリニアに変化するが、実際の回路設定では光出力の分解能の点から、図に示すように、所定のトラック数毎に記録光出力の設定を変えている。例えば半径r3から半径r4の範囲では、グルーブにおける記録時の光出力はPg34と設定される。同じ半径の範囲でランドでは、冷却速度が異なるためグルーブよりも高い記録光出力Pl34が設定される。半径r3から半径r4以外の場所でも、所定のトラック数毎にランドとグルーブとで異なる記録光出力が設定される。これにより回転数が一定で線速度が異なる場合に、ランドとグルーブとで記録光出力を異なる値に設定し、その設定値を内周から外周までの間で所定のトラック数毎に段階的に変更することで、ランドとグルーブでの記録ピット形成を同じものにし安定な記録再生を実現する。
【0036】なお本実施例では、ランドとグルーブとで記録光出力を異なる値に設定し、その設定値を内周から外周までの間で所定のトラック数毎に段階的に変更する構成にしたが、これは記録のパルス幅を異なる値に設定し、かつ、記録のパルス幅を変更する構成にしても、ランドとグルーブとで記録ピット形成を同じにすることができる。
【0037】図6に、記録時の光出力が記録用と消去用の2種類から構成される場合、少なくとも記録用の光出力をランドとグルーブとで異なる値に設定する本発明の第6の実施例における光ディスク装置の記録光波形を示す。
【0038】図6の(a)は相変化型の光ディスクでオーバーライト記録する際の光波形である。再生区間はDC光の再生光出力Pplで発光し、記録区間ではDC光の消去用の光出力Perとパルス光の記録用の光出力Precで発光する。(b)はランドとグルーブに記録する場合の光波形を示す。記録時に消去と記録の2種類の光出力がある場合には、少なくとも記録の光出力Precに対して、ランドとグルーブとで異なる値を設定する。ここでは消去用の光出力Perは共用で、ランドの場合に記録の光出力をPrec1,グルーブの場合にはPrec2に設定して、ランドとグルーブとで記録ピット形成を同じにする。上記記録の光出力Precの設定のみで対応できない、精度の良い記録ピット形成が必要な場合には、ランドとグルーブとで消去用の光出力Perを異なる値に設定して対応することができる。
【0039】以上のように本実施例では、記録時の光出力が記録用と消去用の2種類から構成される場合、少なくとも記録用の光出力をランドとグルーブとで異なる値に設定することで、ランドとグルーブとで記録ピット形成を同じにして安定な記録再生特性を実現することができる。
【0040】図7に、記録時の光出力が3種類以上から構成される場合、少なくとも記録用の光出力をランドとグルーブとで異なる値に設定する本発明の第7の実施例における光ディスク装置の記録光波形を示す。
【0041】図7の(a)は相変化型の光ディスクでオーバーライト記録する際の光波形である。再生区間はDC光の再生光出力Pplで発光し、記録区間ではDC光の消去用の光出力Per、パルス光の記録用の光出力Precとパルス光の冷却用の光出力Pclで発光する。冷却用の光出力Pclは、ピット形成直後に光出力をゼロ近傍に落として、記録層を急冷させピットのエッジをシャープに形成する効果がある。(b)はランドとグルーブに記録する場合の光波形を示す。記録時に消去と記録と冷却の3種類の光出力がある場合には、少なくとも記録の光出力Precに対して、ランドとグルーブとで異なる値を設定する。ここでは消去用の光出力Perと冷却用の光出力Pclは共用で、ランドの場合に記録の光出力をPrec1,グルーブの場合にはPrec2に設定して、ランドとグルーブとで記録ピット形成を同じにする。上記記録の光出力Precの設定のみで対応できない、精度の良い記録ピット形成が必要な場合には、ランドとグルーブとで消去用の光出力Perあるいは冷却用の光出力Pclを異なる値に設定して対応することができる。また、記録用の光Precのパルス幅及び冷却用の光Pclのパルス幅を変えることでも、同様の効果を実現することができる。
【0042】以上のように本実施例では、記録時の光出力が3種類以上から構成される場合、少なくとも記録用の光出力をランドとグルーブとで異なる値に設定することで、ランドとグルーブとで記録ピット形成を同じにして安定な記録再生特性を実現することができる。
【0043】図8は、光ディスクが回転数一定で回転制御される場合、ランドとグルーブとで記録光出力の設定値の差を、内周よりも外周において大きく設定する本発明の第8の実施例における光ディスクの半径と線速度、記録光出力の関係を示す。
【0044】ここで、記録可能な半径領域は内周r1から外周r2までとする。回転数が一定のため、半径r1からr2まで線速度はv1からv2と変化する。このため、基本的には記録光出力も半径r1からr2まで異なってくる。半径の線速度に対する記録光出力の関係はリニアに変化する。ここで半径r1から半径r2の範囲では、グルーブにおける記録時の光出力はPg1からPg2と設定される。同じ半径の範囲でランドでは、グルーブと冷却速度が異なるのと、線速度が大きい外周では冷却効果が高まるために、記録時の光出力はPl1からPl2と設定される。外周での光出力の差Pl2−Pg2よりも内周での光出力の差Pl1−Pg1が小さく設定される。これにより外周での高い冷却効果と、ランドとグルーブでの冷却速度の差を補正して、ランドとグルーブで内外周の記録ピットの形成を同じものにすることができる。
【0045】以上のように本実施例では、回転数が一定の場合に、ランドとグルーブでの記録光出力の値を異なる値に設定し、その設定値を内周よりも外周で差が大きくなるようにすることで、線速度が大きく冷却効果が高い外周での記録ピットの形成を、ランドとグルーブで同じものにし安定な記録再生を実現する。
【0046】次に、本発明の第9の実施例について説明する。第1〜第8の実施例では、ランドでの冷却速度がグルーブよりも大きいことを前提にしていた。しかしながら冷却速度は、光ディスクの構造により変わる可能性がある。例えばランドの幅よりもグルーブの幅がかなり大きくなれば、グルーブの冷却速度が大きくなる。そこで第9の実施例は、ランドとグルーブの冷却速度の大きいほうに、記録時の光出力をより大きく設定するものである。これにより、ディスク構造からくる冷却速度の違いを補正して、記録ピットの形成をランドとグルーブとで同じにすることができる。
【0047】次に、本発明の第10の実施例について説明する。これは第9の実施例において、記録時の光出力を大きく設定していたものを、記録時の光パルス幅をより長く設定するものである。これにより、ディスク構造からくる冷却速度の違いを補正して、記録ピットの形成をランドとグルーブとで同じにすることができる。
【0048】なお、すべての実施例の説明は、相変化型光ディスクを例にしたが、本発明は光磁気ディスクやすべてのランドとグルーブを用いるディスク構造に光ビームで記録する記録媒体に適用できることは言うまでもない。
【0049】
【発明の効果】以上のように本実施例では、ランドとグルーブの両方に信号を記録する場合に、記録時の光出力の設定値と光パルス幅の設定値の少なくとも一方の設定値をランドとグルーブとで異なる値に設定することで、ランドとグルーブに形成される記録ピットを同じにして、信号品質が安定な記録再生を実現することができる。




 

 


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