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発明の名称 磁気記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−121858
公開日 平成7年(1995)5月12日
出願番号 特願平5−270677
出願日 平成5年(1993)10月28日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】武田 元敏
発明者 谷 直幸 / 越後 文雄 / 島崎 幸博 / 橘高 正信
要約 目的
結合剤として、特定のポリウレタン樹脂を用いることで、電磁変換特性に優れ、かつ走行耐久性に優れた磁気記録媒体を得る。

構成
非磁性支持体上に、強磁性粉末と結合剤とを主体とした磁性層を形成してなる磁気記録媒体において、上記結合剤としてその主鎖Aの片側の末端のみに官能基k1〜k3を有するポリウレタン樹脂を含む。この結合剤を用いることで、ポリウレタン樹脂の官能基側の末端が強磁性粉末に吸着し、主鎖の部分が強磁性粉末間に存在することで、磁性塗料中での強磁性粉末の再凝集を防止し、塗布後の表面平滑性を上昇させる。さらには、形成された磁性層において、強磁性粉末間に適度な間隙が設けられることによって、磁性層表面への結合剤樹脂の浮き上がりが抑えられ、磁性層表面の樹脂層による電磁変換特性低下および粉落ち等の少ない磁気記録媒体が得られる。
特許請求の範囲
【請求項1】 非磁性支持体上に強磁性金属粉末と結合剤とを主体とした磁性層を形成してなる磁気記録媒体であって、上記結合剤として、その主鎖の片側の末端のみに官能基を有するポリウレタン樹脂を含むことを特徴とする磁気記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオ機器,ビデオ機器、あるいはコンピューターなどに用いる磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、磁性層に含まれる強磁性粉末の分散性を向上させ、さらに強磁性粉末間,強磁性粉末と非磁性支持体間の接着性を向上させることにより、磁性層の静磁気特性,電磁変換特性および耐久性の向上を図るために、磁性層中の結合剤として、その分子中に−COOM,−SO3M,−OSO3Mなどの様々な官能基を1種類、もしくは2種類以上有する結合剤を使用することが報告されている。これらの結合剤において、その官能基は強磁性粉末上に吸着し、結合剤の分子が強磁性粉末表面を被覆することで、強磁性粉末の分散を可能としており、さらに、このように強磁性粉末が分散された磁性塗料を塗布,乾燥することで設けられた磁性層において、上記の結合剤が強磁性粉末表面に強力に吸着されているため、磁性層全体の接着性が向上される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】近年、磁気記録の分野においては、ビデオ機器の高画質化の進行あるいはアナログ記録からデジタル記録への記録方式の変化などにより、記録波長は益々短くなっている。そのため、これらに用いられる強磁性粉末についても電磁変換特性の向上を狙い、微粒子化が進んでいる。しかしながら、強磁性粉末の微粒子化が進んでも、強磁性粉末の磁気エネルギーは、強磁性粉末への添加物の制御などの様々な技術により高いσsを維持されている。その結果、強磁性粉末の分散はそのサイズが微粒子化するほど非常に困難になる。そのため、結合剤として、前述したような官能基を有する結合剤が使用され、さらに分散性を向上させるために、1分子あたりの官能基数を増加させる傾向にある。しかしながら、強磁性粉末のサイズが細かくなると、その凝集力は大きくなるため、分散に大きなせん断力を必要とし、分散後に強磁性粉末表面に十分な厚さの結合剤分子の被覆層が設けられなくなり、分散後の再凝集が生じる。その結果、磁性層中に強磁性粉末の凝集塊が存在し、電磁変換特性(C/N)に悪影響を与える。
【0004】また、強磁性粉末が充分に分散された状態で磁性層が設けられても、強磁性粉末のサイズがかなり細かなものとなっているため、充填された強磁性粉末間の空隙が小さくなり、磁性層表面へ結合剤樹脂の浮き上がりが生じ、ヘッドと磁性層間のスペーシングロスとなり、電磁変換特性が低下する。さらには、テープ走行時においては樹脂層が欠落し、粉落ち,ヘッドへの粉付着等が発生する。
【0005】本発明は上述した事情に鑑み、磁気層の電磁変換特性に優れ、かつ走行耐久性に優れた磁気記録媒体の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達成するため、非磁性支持体上に強磁性金属粉末と結合剤とを主体とした磁性層を形成してなる磁気記録媒体であって、上記結合剤として、その主鎖の片側の末端のみに官能基を有するポリウレタン樹脂を含有させることを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の特徴とする結合剤を使用することで、強磁性粉末の分散塗料化工程において、強磁性粉末の表面に上記の結合剤分子の主鎖の片側の末端のみが吸着し、それ以外での吸着点がないために、強磁性粉末から結合剤分子の主鎖が浮遊した状態となり、強磁性粉末の分散された磁性塗料中では結合剤の被覆層の厚さが充分に得られる。その結果、強磁性粉間の距離が十分に保たれ、その再凝集は発生しにくくなる。そのため、磁性塗料の粘度は低下し、凝集塊が少なくなるので、磁性塗料の非磁性支持体上への塗工前の濾過工程での効率が上昇し、さらには塗工工程での塗りすじ,むら等も減少し、表面平滑性に優れた磁性層が得られる。
【0008】また、この磁性塗料を、塗布,乾燥,カレンダー処理,硬化して設けられた磁性層において、上記の結合剤が使用されているために、分子の主鎖が強磁性粉末間の過度の充填を防ぎ、磁性粉末間に適度な結合剤層が存在可能となり、磁性粉末の接着性の確保,磁性層表面への結合剤の樹脂層の浮き上がりを抑えることが可能となり、その結果電磁変換特性に優れ、磁性層の粉落ち,ヘッド目詰まり等の少ない磁気記録媒体が製造可能となる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の各実施例について述べるが、図1は結合剤(ポリウレタン分子)の主鎖Aの片側の末端のみに官能基(k1〜k3)を有するポリウレタン樹脂を含むことを示す。ここで、官能基の具体例であるMはアルカリ金属原子、XはCl~,Br~,I~、R1,R2はアルキル基,アリル基である。
【0010】(実施例1)非磁性支持体ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み 10μm)磁性塗料の組成強磁性金属粉末 100重量部カーボンブラック(粒子径 0.02μm) 1重量部研磨剤(0.2μm α−Al23) 10重量部結合剤1 8重量部結合剤2 8重量部潤滑剤ミリスチン酸 2重量部ステアリン酸 1重量部n−ブチルステアレート 1重量部硬化剤ポリイソシアネート 4重量部ここで、強磁性粉末として強磁性合金粉末(比表面積(BET法)62m2/g,保磁力1720 0e)を用い、結合剤1は、重合度300で、その分子限定されない位置にスルホン酸基を導入したポリ塩化ビニル樹脂、結合剤2は、数平均分子量3万,ガラス転移温度20℃で、分子の主鎖の片側の末端のみにスルホン酸塩基(−SO3M)を有するポリウレタン樹脂である。
【0011】(比較例1)(実施例1)と比較するために、(実施例1)の結合剤2を結合剤3として試験サンプルを作製した。ここで、結合剤3は結合剤2のポリウレタン樹脂の分子の主鎖の限定されない位置にスルホン酸塩基(−SO3M)を導入したポリウレタン樹脂である。
【0012】(実施例2)(実施例1)において、結合剤の組成は結合剤1を9重量部、結合剤2を4重量部、結合剤3を4重量部として試験サンプルを作製した。
【0013】(実施例3)(実施例1)において、結合剤の組成は結合剤1を8重量部、結合剤4を8重量部として試験サンプルを作製した。ここで、結合剤4は数平均分子量8千,ガラス転移温度25℃で、分子の主鎖の片側の末端のみにスルホン酸塩基(−SO3M)を有するポリウレタン樹脂である。
【0014】(実施例4)(実施例1)において、結合剤の組成は結合剤1を8重量部、結合剤5を8重量部として試験サンプルを作製した。ここで、結合剤5は数平均分子量10万,ガラス転移温度15℃で、分子の主鎖の片側の末端のみにスルホン酸塩基(−SO3M)を有するポリウレタン樹脂である。
【0015】(実施例5)(実施例1)において、結合剤の組成は結合剤1を8重量部、結合剤6を8重量部として試験サンプルを作製した。ここで、結合剤6は数平均分子量3万,ガラス転移温度20℃で、分子の主鎖の片側の末端のみにカルボン酸塩基(−COOM)を有するポリウレタン樹脂である。
【0016】(実施例6)(実施例1)において、結合剤の組成は結合剤1を8重量部、結合剤7を8重量部として試験サンプルを作製した。ここで、結合剤7は数平均分子量3万,ガラス転移温度20℃で、分子の主鎖の片側の末端のみにスルホン酸エステル基(−OSO3M)を有するポリウレタン樹脂である。
【0017】(実施例7)(実施例1)において、結合剤の組成は結合剤1を8重量部、結合剤8を8重量部として試験サンプルを作製した。ここで、結合剤8は数平均分子量3万,ガラス転移温度20℃で、分子の主鎖の片側の末端のみにスルホベタイン酸基(−(NR12)CH2SO3)を有するポリウレタン樹脂である。
【0018】(実施例8)(実施例1)において、結合剤の組成は結合剤1を8重量部、結合剤9を8重量部として試験サンプルを作製した。ここで、結合剤9は数平均分子量3万,ガラス転移温度20℃で、分子の主鎖の片側の末端のみにアミノ基(−(NR123)X)を有するポリウレタン樹脂である。
【0019】(実施例9)(実施例1)において、強磁性粉末としてCo被着γ−Fl23粉末(比表面積(BET法)60m2/g,保磁力920 Oe)を使用し、他は(実施例1)と同様である試験サンプルを作製した。
【0020】(比較例2)(実施例9)と比較するために、(実施例9)の結合剤2を結合剤3として試験サンプルを作製した。
【0021】(実施例10)(実施例9)において、結合剤の組成は結合剤1を8重量部、結合剤2を重量部4部、結合剤3を4重量部として試験サンプルを作製した。
【0022】(実施例11)(実施例1)の強磁性金属粉末を6方晶系フェライト磁性粉末(比表面積(BET法)=40m2/g,保磁力=900 Oe)に変更した他は(実施例1)と同様に試験サンプルを作製した。
【0023】(比較例3)(実施例11)と比較するために、(実施例10)の結合剤2を結合剤3として試験サンプルを作製した。
【0024】以上の各実施例,比較例において塗料の作製方法は一定で、磁性塗料の組成から潤滑剤,硬化剤を除いた混合物にメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノンの混合溶剤(重量比3/3/1)を添加して適度な粘度とし、混練機にプラネタリミキサー、分散機にサンドミルをそれぞれ用いて磁性粉を充分に混練,分散する。その後、濾過により異物の除去後、上記組成になるように潤滑剤,硬化剤を添加し、混合溶剤によって固形分比率34重量%の塗工用磁性塗料を調整する。
【0025】この磁性塗料を非磁性支持体上に、乾燥後、膜厚2.5μmになるように、塗布,乾燥後カレンダー処理を行う。その後、磁性層と反対面上にカーボンブラックと結合剤樹脂を主体としたバックコート層を膜厚0.6μmになるように形成し、60℃,36時間のエージング処理を行う。その後、1/2インチ幅に裁断し、VHS方式カセットとして試作サンプルとした。
【0026】これらの試作サンプルについて後述する方法によって、磁性層の表面粗さ、静磁気特性、C/Nの評価試験、繰り返し走行テストを行った。評価結果について(表1)に示す。
【0027】
【表1】

【0028】(1) 磁性層の表面粗さ米国WYKO社製非接触式3次元表面粗さ測定器TOPO−3Dを用いて磁性層表面の表面粗さを測定した。
【0029】(2) 磁性層の静磁気特性東英工業j製振動試料型磁力計を用いて磁性層の飽和磁束密度,角形比を測定した。
【0030】(3) 電磁変換特性(C/N)の評価試験VHS方式ビデオテープレコーダー(松下電器産業j製、型式NV−FS900)を用いて試験サンプルの7MHz±1MHzのC/Nの測定を行った。ただし、(実施例1)から(実施例7)では(比較例1)で得られた試験サンプルを、(実施例9)および(実施例10)では(比較例2)を、(実施例11)では(比較例3)を、それぞれ基準(±0dB)として相対比較を行った。
【0031】(4) 繰り返し走行テストVHS方式ビデオテープレコーダー(松下電器産業j製、型式NV−FS900)を用い、各試験サンプル(VHSで120分のテープ長)を40℃,80%RHの環境下で100パスの走行(3.3cm/秒)試験を行い、磁気ヘッドの汚れ状態を観察した。また、同様に各試験サンプルを23℃,相対湿度10%の常温,低湿度環境下で50パスの繰り返し走行を行った。その前後の7MHz±1MHzのC/N測定結果からヘッドの焼き付きによるC/Nの低下を見た。
【0032】(表1)の結果より、本発明の特徴するポリウレタン樹脂を含む(実施例1)から(実施例8)の試験サンプルは、ポリウレタン樹脂の分子量,官能基の種類に関わらず、磁性層の表面粗さは(比較例1)と比べて平滑となっており、またさらに飽和磁束密度,角形比ともに(比較例1)よりも向上しており、その改善が見られる。この結果、電磁変換特性(C/N)は1dB以上向上している。また、(実施例1)から(実施例8)では(比較例1)と比べて繰り返し走行テスト後のヘッドへの粉付着も減少しており、磁性層の耐久性の向上が見られる。
【0033】また、強磁性粉末にCo被着γ−Fl23粉末,6方晶系フェライト磁性粉末を用いた場合も同様の改善が見られる。
【0034】
【発明の効果】以上説明したように本発明の磁気記録媒体は、磁性層の電磁変換特性に優れ、かつ走行耐久性に優れた磁気記録媒体を提供することができる。




 

 


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