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発明の名称 可動ヘッド装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−121847
公開日 平成7年(1995)5月12日
出願番号 特願平5−266948
出願日 平成5年(1993)10月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 梅江 和則 / 竹内 淳 / 藤木 三久 / 岡那 哲也 / 後藤 卓
要約 目的
多チャンネルヘッドを搭載する可動ヘッド装置の完成品歩留りを向上させ、コストダウンするとともに、ヘッド高さを高精度に維持できる可動ヘッド装置の提供を目的とする。

構成
2枚の圧電板を貼り合わせ、電圧を印加すると湾曲する2個のバイモルフ26,27と、2個のバイモルフ26,27の長手方向の一方を平行に固定支持する固定部材28と、屈曲部を介して2個のバイモルフ26,27の自由端を連結する連結部材31と、複数ヘッドチップを具備したヘッドベース34とを設け、ヘッドベース34の下面を連結部材31に複数ネジ35で着脱するよう構成するとともに、複数ネジの締結部間の連結部材に切り欠きを設けたことにより、完成品歩留りを向上させるとともにヘッド高さの変化を防止している。
特許請求の範囲
【請求項1】 複数のヘッドチップを具備したヘッドベースと、2枚の圧電板を貼り合わせ、電圧を印加すると湾曲する2個のバイモルフと、この2個のバイモルフの長手方向の一方を平行に固定支持する固定部材と、屈曲部を介して前記2個のバイモルフの自由端を連結するとともに前記ヘッドベースの取付部を有する連結部材とを設け、前記ヘッドベースの下面を前記連結部材のヘッドベース取付部に複数のネジで固定するとともに、前記ヘッドベース取付部の複数のネジ位置間に切り欠きを設けたことを特徴とする可動ヘッド装置。
【請求項2】 複数のヘッドチップを具備したヘッドベースと、2枚の圧電板を貼り合わせ、電圧を印加すると湾曲する2個のバイモルフと、この2個のバイモルフの長手方向の一方を平行に固定支持する固定部材と、屈曲部を介して前記2個のバイモルフの自由端を連結するとともに前記ヘッドベースの取付部を有する連結部材とを設け、前記ヘッドベースの下面を前記連結部材のヘッドベース取付部に1個のネジで固定するとともに、前記ヘッドベースの背面と前記連結部材とを溶剤希散タイプの接着剤で接着するよう構成したことを特徴とする可動ヘッド装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は磁気テープに斜めに信号を記録再生する回転型磁気記録再生装置の可動ヘッド装置に関するのもである。
【0002】
【従来の技術】近年、回転型磁気記録再生装置の可動ヘッド装置は、広帯域のデジタル信号や高精細度なテレビジョン信号等、多量の信号を記録再生するため、高密度記録の方向にある。
【0003】従来の可動ヘッド装置としては、例えば特開昭60−23197号公報に示されている。
【0004】以下に、従来の可動ヘッド装置について説明する。図8は、この従来の可動ヘッド装置を組み込んだ回転型磁気記録再生装置の平面図を示すものである。同図において、磁気テープ1は螺旋状のガイドを持つ固定ドラム(図示せず)と回転ドラム2に巻き付いて走行する。回転ドラム2には先端に記録用磁気ヘッド3a,3bを接着固定してあるベース4a,4bが取り付けネジ5a,5bで組み込まれている。さらに、回転ドラム2には、図9に示すごとく2枚の圧電板6a,6b及び7a,7bを貼り合わせたバイモルフ8及び9の一方が、固定部材10,11,12に挟み込まれた状態で固定してあり、バイモルフ板8,9の自由端側には、薄肉の屈曲部14,15を有する連結部材13が接着で固定してある。ここで、バイモルフ8,9と固定部材10,11,12の挟み込みは、安定化のために接着とネジ止めを併用している。また、連結部材13には再生用磁気ヘッド16a及び16bが接着固定してあり、記録用磁気ヘッド3a,3bで記録した信号を再生する。なお、再生用磁気ヘッド16b側も16a側と同様に構成してある。
【0005】以上のように構成された従来の可動ヘッド装置について、以下その動作について説明する。
【0006】まず、回転ドラム2を回転させるとともに磁気テーフ1を走行させ、記録用磁気ヘッド3aに記録信号を供給すると磁気テープ1に図10のトラック17を記録する。つぎに、記録用磁気ヘッド3bに記録信号を供給するとトラック18を記録する。以降はこの動作を繰り返し、連続的に記録する。
【0007】つぎに再生動作について説明する。まず、ノーマル再生時の磁気テープ1の速度は記録時と同一であるから、再生用磁気ヘッド16a,16bは図10のトラック17,18,19,20,21を正確にトレースし、信号を再生する。つぎに特殊再生時、例えばスチル再生の場合には磁気テープ1が停止しているため、再生用磁気ヘッド16aの軌跡は図10の一点鎖線22となり、トラック全域の再生信号が得られない。そこで、このスチル再生モード時においても正確にトレースさせるために、バイモルフ8,9に電圧を印加し、図11のように湾曲させることにより再生用磁気ヘッド16aが高さ方向に変位して図10の矢印A方向へ移動する。この動作をトラック17の起点Bから終点Cまで可変的に行えばトラック17を正確にトレースし信号を再生できる。このとき、連結部材13に設けた屈曲部14,15が屈曲して再生用磁気ヘッド16a,16bの傾斜を防止し、湾曲前とほぼ同様のヘッド当たりを確保できる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従来の構成では、ヘッドチップ16a,16bが連結部材13に接着剤で完全固定してあり、さらに、連結部材13はバイモルフ8,9に、バイモルフ8,9は固定部材10,11,12に接着剤で完全固定してあるため、一度組立終えたら分解できない。よって、組立後においてヘッドチップ16a,16bに不良が発見されてもヘッドチップのみを交換できず、ユニット全体を廃棄するしかない。しかし、ユニットを構成する部品は全て高価であり、廃棄品のコストは全て良品に上乗せされ著しいコストアップとなる。一般的にはヘッドチップ16a,16bの性能(トラック幅,ギャップ長,アジムス角等の機械精度、及び、L値等の電気特性)を接着前にチェックし、良品のみを組み込む方法が採られているが、実装後の微妙なヘッドタッチや、詳細な電磁変換特性は最終組立後でないと評価できず、これらの内容で最終組立後に不良になるユニットも極めて多いのが現実である。さらに、最近の技術トレンドである広帯域のデジタル信号や高精細度なテレビジョン信号等、多量の信号を記録再生するには、多チャンネルヘッドに分配して同時に記録再生する方法が好ましく、ワンベースに4ヘッドチップを搭載する装置も出現している。この場合だと前記の不良が1チップに発生してもユニット不良になり、それの発生確率も急増して良品のコストは激増する。
【0009】本発明は上記従来の問題点を解決するもので、ヘッドをトラック幅方向に平行変位させるアクチュエータユニット部と、複数のヘッドチップを具備したヘッドベース部を、ネジで着脱するという簡単かつ安価な方法により、完成品の歩留りを向上させ、コストダウンをはかることと。さらに、温度変化で発生するヘッドベースの反り変形を減少させ、ヘッドベース上の複数ヘッドの高さ精度を高精度で維持する可動ヘッド装置の提供を第1の目的とする。
【0010】また、本発明は、上記同様、完成品の歩留り向上と、複数ヘッド高さの高精度維持をはかるとともに、高い共振特性を確保した可動ヘッド装置の提供を第2の目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明の可動ヘッド装置は、2枚の圧電板を貼り合わせ、電圧を印加すると湾曲する2個のバイモルフと、この2個のバイモルフの長手方向の一方を平行に固定支持する固定部材と、屈曲部を介して前記2個のバイモルフの自由端を連結する連結部材と、複数のヘッドチップを具備したヘッドベースと、このヘッドベースの下面を前記連結部材に着脱する複数のネジと、前記連結部材の複数ネジの締結部間に切り欠きを有している。
【0012】また、本発明の可動ヘッド装置は、2枚の圧電板を貼り合わせ、電圧を印加すると湾曲する2個のバイモルフと、この2個のバイモルフの長手方向の一方を平行に固定支持する固定部材と、屈曲部を介して前記2個のバイモルフの自由端を連結する連結部材と、複数のヘッドチップを具備したヘッドベースと、このヘッドベースの下面を前記連結部材に着脱する1個のネジと、前記ヘッドベースの背面と前記連結部材とを接着する溶剤希散タイプの接着剤を有している。
【0013】
【作用】本発明は上記した第1の構成により、2個のバイモルフと一体に構成してある連結部材の先端に、ヘッドベースの下面を固定するよう複数のネジの締結力が作用し、強固に一体化される。そして、電圧印加で湾曲するバイモルフの変位がヘッドをトラック幅方向に変位させるとともに、2個のバイモルフと連結部材の間の屈曲部がヘッドを常に平行変位させるよう作用する。また、連結部材の複数ネジの締結部間に設けた切り欠きが、線膨張係数の異なる連結部材とヘッドベースとを複数箇所締結して温度変化させた時に発生する伸縮差を吸収して、ヘッドベースの反り変形を防止するよう作用する。
【0014】また、本発明は上記した第2の構成により、2個のバイモルフと一体に構成してある連結部材の先端に、ヘッドベースの下面を固定するよう1個のネジの締結力が作用し、さらに、ヘッドベースの背面と連結部材との当接面に塗布した溶剤希散タイプの接着剤がヘッドベースを連結部材に強固に一体化させるよう作用する。そして、電圧印加で湾曲するバイモルフの変位がヘッドをトラック幅方向に変位させるとともに、2個のバイモルフと連結部材の間の屈曲部がヘッドを常に平行変位させるよう作用する。また、ヘッドベース締結ネジを最小の1個にしたことは、ユニットの共振特性を向上させる方向に作用する。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0016】図1の(a),(b)は本発明の第1の実施例における可動ヘッド装置の平面図と断面図を示すのもである。同図において、回転ドラム23には2枚の圧電板24a,24b及び25a,25bを貼り合わせたバイモルフ26及び27の一方が、固定部材28,29,30に接着を伴ってネジ45で挟み込んで固定してあり、バイモルフ26,27の自由端側にはバイモルフ26,27の延長位置にそれぞれ薄肉の屈曲部32,33を有する連結部材31が接着固定してある。連結部材31の材質は、軽量でしかも屈曲部32,33の繰り返し曲げに対して疲労の少ない炭素繊維複合材を用いる。具体的には、例えば直径7μm程度の長手方向に長寸法の炭素繊維の束をエポキシ樹脂で硬化させた複合材のブロックを製作し、図示の形状に加工する。さらに、連結部材31の先端にはヘッドベース34を2個のネジ35で固定する取り付け部36が設けてあり、この取り付け部36には図2に示すように2個のネジ35の締結部を分割する切り欠き46を設けてある。また、ヘッドベース34には一方に再生ヘッド37,38,39,40を接着固定してある中間ベース41,42,43,44が接着固定してある。
【0017】以上の構成の可動ヘッド装置の組み立て手順は、まず、バイモルフ26,27を固定部材28,29,30に固定後、自由端に連結部材31を接着し、アクチュエータユニット部として組み立てる。さらに、ヘッドベース34に再生ヘッド37,38,39,40が所定の相対高さ差(テープに所定幅のトラックを記録するのに必要な高さ差)になるよう、中間ベース41,42,43,44とヘッドベース34間の接着層厚46,47,48,49(図3参照)を精密にコントロールしながら接着し、1μm以下の高精度でヘッドベース部を組み立てる。具体的な手段としては、中間ベース41,42,43,44を透明ガラスで構成するとともに接着剤に紫外線硬化タイプを使用し、再生ヘッド37,38,39,40の高さやギャップ角、前面の向き等を顕微鏡でチェックした後に紫外線を照射し接着剤を硬化させる、このとき発生する硬化収縮量は実験で求め事前に見込んである。
【0018】次に、アクチュエータユニット部については、バイモルフ26,27に電圧を印加して図4のようにトラック幅方向に変位させたとき、図1のv−v方向とw−w方向とも平行に変位していることを検査する(このときヘッドベース34はダミーを組み込む)。さらに、ヘッドベース部は4ヘッドとも良好なヘッドタッチと電磁変換特性が得られていることを検査する。検査手段としては、ヘッドベース34を仮ドラム(図示せず)に固定して電気回路と再生ヘッド37,38,39,40を接続し、磁気テープ(図示せず)に実際に信号を記録再生し検査する。そして、アクチュエータユニット部、ヘッドベース部ともに良品を2個のネジ35で締結し可動ヘッドユニットを完成させるが、ここでネジ35を締め付けたときに発生するヘッドベース34の変形について図5を用いて説明する。
【0019】ネジ35を締め付けていくと連結部材31の取り付け部36がネジ部のみ矢印方向に圧縮変形し、極論すれば皿状のくぼみができる、同時にヘッドベース34もこの皿状のくぼみに沿って変形するためヘッドベース34の上面が曲線47のように変形し、この面に載置してあるヘッドの高さ精度を悪化させる。この変形量xと締め付けトルクとの関係の実験データを図6に示してあり、トルク増加にほぼ比例して変形量も増加している。図6の破線が2個のネジで締め付けたデータであり、実線は後述する1個のネジで締め付けたデータである。また、それぞれ3サンプルでのバラツキも示している。例えば記録トラックピッチが20μm程度の装置に許容されるヘッド高さ変化1μm程度を確保するには、2個締めの場合1個のネジを70g-cm以下にしなければならない。しかし、ヘッドは当然高速回転するため遠心力に耐えられるかが問題となるが、2個のネジをそれぞれ50g-cmで締め付け、約1500Gの遠心力を与えても問題のないことが実験で確認された。よって、本実施例では1個のネジを50〜70g-cmの範囲のトルクで締め付けてある。また、取り付け部36の切り欠き46の幅yは以下の仕様で設定してある。ヘッドベース34はアルミ材(線膨張係数23.9×10-6/℃)、取り付け部36は炭素繊維複合樹脂(線膨張係数32×10-6/℃)で構成してあるため、温度が変化した場合、両者の伸縮量に差が生じ、ヘッドベース34を長手方向に伸縮させる力(この力でヘッドベースのヘッド載置面に反りが発生する)と、取り付け部36の両締結部を開閉する力がバランスした状態で安定する。よって、最大温度差時においてヘッドベース34の変形が十分小さくて反りによるヘッド高さ変化に問題が生じない程度の力関係にしておけば良く、その力関係は、取り付け部36の根元強度で調整できる。よって、取り付け部36の根元強度がその仕様を満足するよう切り欠き幅を設定している。
【0020】以上のように構成された第1の実施例の可動ヘッド装置について、以下その動作について説明する。
【0021】磁気テープ(図示せず)に連続的に記録してある信号をノーマル再生するときはバイモルフ26,27には電圧を印加せずに回転ドラム23を回転させ、再生ヘッド37,38,39,40が信号を再生する。つぎに特殊再生時、例えばスチル再生の場合には磁気テープ(図示せず)が停止しているため、従来例同様、再生ヘッド37,38,39,40はトラック全域の信号を再生しない。そこで、このスチル再生モード時においても正確にトレースさせるために、バイモルフ26,27に電圧を印加して図4のごとくバイモルフ26,27を湾曲させることにより再生ヘッド37,38,39,40がトラック幅方向に変位して従来例同様、トラック(図示せず)を正確にトレースし信号を再生できる。このとき、連結部材31に設けた屈曲部32,33が屈曲して再生ヘッド37,38,39,40が平行に変位するよう動作し、良好なヘッドタッチが得られる。また、記録モード時に同時再生する場合は、記録トラックを後追いする方向の直流電圧をバイモルフ26,27に印加し、先行再生の場合は、それとは逆方向に直流電圧を印加して再生ヘッド37,38,39,40を変位させるが、この場合にも再生ヘッド37,38,39,40は高精度に平行変位し、良好なヘッドタッチが得られる。また、再生ヘッド37,38,39,40の寿命により、新のヘッドベース部材に交換した時でも同様に再生ヘッド37,38,39,40は高精度に平行変位し、良好なヘッドタッチが得られる。また、装置の使用環境の変化で温度差が発生しても、取り付け部36のネジ締結部の間に設けてある切り欠きにより、取り付け部36のそれぞれの締結部が図2の矢印d,e方向に変形して、ヘッドベース34と取り付け部36の線膨張係数の違いによって発生する伸縮差を吸収する。よって、ヘッドベース34の変形は問題の無い程度に極めて小さくなり、初期の高精度ヘッド高さが維持できる。
【0022】以上のように本実施例によれば、2枚の圧電板を貼り合わせ、電圧を印加すると湾曲する2個のバイモルフ26,27と、この2個のバイモルフの長手方向の一方を平行に固定支持する固定部材28〜30と、屈曲部を介して2個のバイモルフの自由端を連結する連結部材31とを一体で構成するとともに、連結部材に、複数のヘッドチップを具備したヘッドベース34の下面を、複数のネジで着脱するよう構成したことにより、完成品の歩留まりを100%にできる。また、連結部材の複数ネジの締結部間に切り欠きを設けたことにより、使用環境の変化で温度差が発生しても、ヘッドベース34の変形は極めて小さくなり、初期の高精度なヘッド高さを維持できる。
【0023】図7は本発明の第2の実施例を示す可動ヘッド装置の斜視図である。本実施例のアクチュエータ部は第1の実施例と同構成であるため説明を省略する。図7において、2個のバイモルフ(図示せず)の自由端側にはそれぞれ薄肉の屈曲部48,49を有する連結部材50が接着固定してある。連結部材50の材質は、第1の実施例同様、軽量でしかも屈曲部48,49の繰り返し曲げに対して疲労の少ない炭素繊維複合樹脂を用いる。さらに、連結部材50の先端にはヘッドベース51の下面を1個のネジ52で固定する取り付け部53が設けてある。また、ヘッドベース51には一方に再生ヘッド54,55,56,57を接着固定してある中間ベース58,59,60,61が接着固定してある。また、ヘッドベース51の背面と当接する連結部材50の面62にはアルコール等の弱溶剤を使用した溶剤希散タイプの接着剤を塗布してあり、ヘッドベース51を接着固定するよう構成してある。
【0024】ここで、接着の必要性について説明する。ネジ52を締め付けたときに発生するヘッドベース51の変形は図6の実線で示して有り、ヘッド高さ変化1μm程度を確保するには、ネジの締め付けトルクを60g-cm以下にしなかればならない。しかし、この締結力では、初期的には約1500Gの遠心力を与えても問題ないが、長期の信頼性を含めると不完全である。よって、接着を併用して強固に固定し安定性を確保している。また、ヘッドベース51の背面と連結部材50のみを接着固定し、ヘッドベース51の下面と取り付け部53を接着しないよう構成しているのは、装置の使用環境の変化で温度差が発生したとき、取り付け部53とヘッドベース51間の部材の線膨張係数の違いによって発生する伸縮差によって、ヘッドベース51の上面にヘッド高さが変化する方向の変形を発生させないためである。ここで、ヘッドベース51の背面と連結部材50間で同様の変形が発生するが、ヘッド高さ方向とは90度異なった方向の変形であり問題はない。また、複数のネジで締結することによって発生していた変形は、1箇所締結であるため発生しない。また、ネジ締結部と接着部間で同様の変形が発生するが、ヘッドベース51に作用する力の方向(図7の矢印z方向)が変形に対して極めて強い断面に作用すること、さらに、ネジ締結部と接着部間の距離、ネジ締結部からヘッドまでの距離が短いこと、全ヘッドがほぼ同一方向に高さ変化し相対高さ変化は極めて小さいという理由で問題ではない。また、ヘッドベース51の背面と連結部材50のみを接着固定し、ヘッドベース51の下面と取り付け部53を接着しないよう構成している他の目的は、新ヘッドベースに交換するとき、残留硬化接着剤等の異物を敷込んでヘッドベース51が傾斜したり、変形したりしてヘッド高さを変化させることを防止することにもある。
【0025】以上の構成の可動ヘッド装置の組み立て手順は、まず、第1の実施例と同様にバイモルフ(図示せず)と連結部材31を接着してアクチュエータユニット部として組み立てる。さらに、ヘッドベース51に再生ヘッド54,55,56,57が所定の相対高さ差(テープに所定幅のトラックを記録するのに必要な高さ差)になるよう、中間ベース58,59,60,61とヘッドベース51間の接着層厚を、第1の実施例と同様(図3参照)に精密にコントロールしながら接着し、ヘッドベース部を組み立てる。次に、アクチュエータユニット部についても、第1の実施例と同様、バイモルフ(図示せず)に電圧を印加してトラック幅方向に変位させたとき、連結部材50が平行に変位していることを検査する。さらに、ヘッドベース部も4ヘッドとも良好なヘッドタッチと電磁変換特性が得られていることを検査する。検査手段は、第1の実施例と同様である。そして、アクチュエータユニット部、ヘッドベース部ともに良品を1個のネジ52で締結し(事前に溶剤希散タイプの接着剤を連結材50の面62に塗布しておく)可動ヘッドユニットを完成させる。このときの締め付けトルクは50〜60g-cmである。
【0026】上記のように構成された第2の実施例の可動ヘッド装置について、以下その動作を説明する。
【0027】磁気テープ(図示せず)に連続的に記録してある信号をノーマル再生するときはバイモルフ(図示せず)には電圧を印加せずに回転ドラム(図示せず)を回転させ、再生ヘッド54,55,56,57が信号を再生する。つぎに特殊再生時、例えばスチル再生の場合には磁気テープ(図示せず)が停止しているため、第1の実施例の構成同様、再生ヘッド54,55,56,57はトラック全域の信号を再生しない。そこで、このスチル再生モード時においても正確にトレースさせるために、バイモルフ(図示せず)に電圧を印加して図4と同様にバイモルフ(図示せず)を湾曲させることにより再生ヘッド54,55,56,57がトラック幅方向に変位して第1の実施例の構成同様、トラック(図示せず)を正確にトレースし信号を再生できる。このとき、連結部材50に設けた屈曲部48,49が屈曲して再生ヘッド54,55,56,57が平行に変位するよう動作し、良好なヘッドタッチが得られる。また、記録モード時に同時再生する場合は、記録トラックを後追いする方向の直流電圧をバイモルフ(図示せず)に印加し、先行再生の場合は、それとは逆方向に直流電圧を印加することで再生ヘッド54,55,56,57が平行変位し、良好なヘッドタッチが得られる。また、再生ヘッド54,55,56,57の破損や寿命により、新ヘッドを搭載したヘッドベース51に交換するときは、ネジ52を取り外した後にアルコールを接着部に浸透させれば簡単に溶解し取り外すことができる。このときアルコールが連結部材50に付着しても、短時間であれば樹脂を変質させることは無い。
【0028】以上のように本実施例によれば、2枚の圧電板を貼り合わせ、電圧を印加すると湾曲する2個のバイモルフ26,27と、この2個のバイモルフの長手方向の一方を平行に固定支持する固定部材28〜30と、屈曲部を介して2個のバイモルフの自由端を連結する連結部材50とを一体で構成するとともに、連結部材に、複数のヘッドチップを具備したヘッドベース51を、1個のネジで締結するとともに溶剤希散タイプの接着剤で接着したことにより、着脱可能となり、完成品の歩留まりを100%にできる。また、ヘッドベース下面を連結部材に1個のネジで締結するとともに、ヘッドベースの背面と連結部材間を溶剤希散タイプの接着剤で接着したことにより、使用環境の変化で温度差が発生しても、ヘッドベース34の上面の変形は発生せず、初期の高精度なヘッド高さ精度を維持できる。また、大質量の組み込みネジが1個であるため、ユニット先端を軽量化でき、高い機械共振特性を確保できる、これは制御性能の向上に効果がある。
【0029】
【発明の効果】以上のように本発明は、2個のバイモルフと、この2個のバイモルフの長手方向の一方を平行に固定支持する固定部材と、屈曲部を介して前記2個のバイモルフの自由端を連結する連結部材とを一体で構成するとともに、連結部材に、搭載済みヘッドの実装性能を確認したヘッドベースの下面を、複数ネジで着脱するとともに、連結部材のネジ締結部間に切り欠きを設けた第1の構成、及び2個のバイモルフと、この2個のバイモルフの長手方向の一方を平行に固定支持する固定部材と、屈曲部を介して2個のバイモルフの自由端を連結する連結部材とを一体で構成するとともに、連結部材に、搭載済みヘッドの実装性能を確認したヘッドベースの下面を、1個のネジで締結するとともに、ヘッドベースの背面と連結部材とを溶剤希散タイプの接着剤で接着固定した第2の構成により、完成品の歩留まりを100%にできる。よって、生産時に準備する高価なアクチュエータユニット部の材料数を少なくでき装置のコストダウンがはかれる。また、組立後においてヘッドを破損した場合、或はヘッド摩耗による寿命の場合、アクチュエータユニット部はそのままでヘッドベース部のみを交換でき、サービスコストもコストダウンがはかれる。また、装置の使用環境が変わって温度差が発生しても、ヘッドベースがヘッド高さ方向に変形しないよう構成してあるため、高精度なヘッド高さを維持でき、良好な画質を最後まで維持できる。よって、その実用的効果は大きい。




 

 


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