米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 計算機;電気通信 -> 松下電器産業株式会社

発明の名称 スピーカ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−115698
公開日 平成7年(1995)5月2日
出願番号 特願平5−284550
出願日 平成5年(1993)10月18日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】岡本 宜喜
発明者 小浦 哲司 / 佐伯 周二
要約 目的
ボイスコイルの駆動力歪を低減すると共に、ボイスコイルの温度上昇を緩和すること。

構成
ヨーク16の内周面に電気伝動率及び熱伝動率に優れた非磁性体のアウターリング24を設ける。ボイスコイル18が大振幅で振動するとき、センターポール12とトッププレート17で形成される磁気回路が上下対称となり、ボイスコイル18の電磁力も対称となる。又ボイスコイル18に発生する熱は、センターポール12、トッププレート17、アウターリング24の表面で夫々吸収され易くなり、ボイスコイル18の温度上昇が緩和される。このため大入力時の音圧低下が抑えられ、駆動歪みの少ない再生音が得られる。
特許請求の範囲
【請求項1】 円柱状のセンターポールと、前記センターポールの下面に接合され、前記センターポールより小さい直径を有し、厚み方向に着磁された円盤状の磁石と、前記磁石の下面に接合され、前記磁石と略同一の直径を有する円柱状のアンダーポールと、前記アンダーポールの下面に接合され、前記アンダーポールより大きい直径を有する円盤状のアンダープレートと、前記アンダープレートの上部に同軸に接合され、前記センターポールの直径より大きな内径を有する円筒状のヨークと、前記ヨークの上端面に接合され、前記センターポールの直径より大きな内径を有する円環状のトッププレートと、前記センターポールの外周面と前記トッププレートの内周面との空隙にボビンを介して振動自在に保持されるボイスコイルと、を具備し、前記ボイスコイルの振動方向の巻幅を少なくとも前記トッププレートの厚み以上とし、前記センターポールの外周面と前記トッププレートの内周面とで磁気ギャップが形成され、前記センターポールの厚みが前記トッププレートの厚みよりも大きく、前記センターポールの上面と前記トッププレートの上面間の距離と、前記センターポールの下面と前記トッププレートの下面間の距離とを互いに等しくしたことを特徴とするスピーカ。
【請求項2】 円柱状のセンターポールと、前記センターポールの下面に接合され、前記センターポールと同一の直径を有し、厚み方向に着磁された円盤状の磁石と、前記磁石の下面に接合され、前記磁石と略同一の直径を有する円柱状のアンダーポールと、前記アンダーポールの下面に接合され、前記アンダーポールより大きい直径を有する円盤状のアンダープレートと、前記アンダープレートの上部に同軸に接合され、前記センターポールの直径より大きな内径を有する円筒状のヨークと、前記ヨークの上端面に接合され、前記センターポールの直径より大きな内径を有する円環状のトッププレートと、前記センターポールの外周面と前記トッププレートの内周面との空隙にボビンを介して振動自在に保持されるボイスコイルと、を具備し、前記ボイスコイルの振動方向の巻幅を少なくとも前記トッププレートの厚み以上とし、前記センターポールの外周面と前記トッププレートの内周面とで磁気ギャップが形成され、前記センターポールの厚みが前記トッププレートの厚みよりも大きく、前記センターポールの上面と前記トッププレートの上面間の距離と、前記センターポールの下面と前記トッププレートの下面間の距離とを互いに等しくしたことを特徴とするスピーカ。
【請求項3】 前記ヨークの内周面に取付けられ、前記センターポールの外周面と対向し、前記トッププレートの下面と近接する部分の内径は、前記トッププレートの内径と同一であり、少なくとも前記磁石及び前記アンダーポールの外周面と対向する部分の内径は、前記トッププレートの内径より大きくなるように形成された略円筒状のアウターリングを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のスピーカ。
【請求項4】 前記ヨークの内周面に取付けられ、前記センターポールの外周面と対向し、前記トッププレートの下面から前記センターポールの下面までの高さに位置する部分の内径は、前記トッププレートの内径と同一であり、前記磁石及び前記アンダーポールの外周面と対向する部分の内径は、前記トッププレートの内径より大きくなるように形成された略円筒状のアウターリングを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のスピーカ。
【請求項5】 前記ヨークの内周面に取付けられ、前記センターポールの外周面と対向し、前記トッププレートの下面と近接する部分の内径は、前記トッププレートの内径と同一であり、前記磁石及び前記アンダーポールの外周面と対向する部分の内径は、前記アンダープレートの方に近づくにつれて前記トッププレートの内径より徐々に大きくなるように形成された略円筒状のアウターリングを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のスピーカ。
【請求項6】 前記アウターリングは、前記トッププレート及び前記ヨークより高い電気伝導率及び熱伝導率を有する非磁性材料から構成されることを特徴とする請求項3,4,5のいずれか1項記載のスピーカ。
【請求項7】 前記トッププレートの上面に取付けられ、前記センターポールの外周面と対向し、前記トッププレートの上面と近接する部分の内径は、前記トッププレートの内径と同一であり、前記トッププレートの上面と一定距離以上隔たった部分の内径は、前記トッププレートの内径より大きくなるように形成された略円環状のトップリングを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のスピーカ。
【請求項8】 前記トッププレートの上面に取付けられ、前記センターポールの外周面と対向し、前記トッププレートの上面と前記センターポールの上面までの高さに位置する部分の内径は、前記トッププレートの内径と同一であり、前記センターポールの上面より上部に位置する部分の内径は、前記トッププレートの内径より大きくなるように形成された略円環状のトップリングを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のスピーカ。
【請求項9】 前記トッププレートの上面に取付けられ、前記センターポールの外周面と対向する部分で、前記トッププレートの上面と近接する部分の内径は、前記トッププレートの内径と同一であり、前記トッププレートの上面と一定距離以上隔たった部分の内径は、前記トッププレートから離れるにつれて前記トッププレートの内径より徐々に大きくなるように形成された略円環状のトップリングを設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のスピーカ。
【請求項10】 前記トップリングは、前記トッププレート及び前記ヨークより高い電気伝導率及び熱伝導率を有する非磁性材料から構成されることを特徴とする請求項7,8,9のいずれか1項記載のスピーカ。
【請求項11】 前記磁石及び前記アンダーポールの外周面に設けられ、前記センターポールの外周面と近接する部分の外径は、前記センターポールの外径と同一であり、前記センターポールの下面と一定距離以上隔たった部分の外径は、前記センターポールの外径より小さくなるように形成された略円筒状のインナーリングを設けたことを特徴とする請求項1記載のスピーカ。
【請求項12】 前記磁石及び前記アンダーポールの外周面に設けられ、前記センターポールの外周面と近接する部分の外径は、前記センターポールの外径と同一であり、前記センターポールの下面と一定距離以上隔たった部分の外径は、前記アンダープレートに近づくにつれて徐々に前記センターポールの外径より小さくなるように形成された略円筒状のインナーリングを設けたことを特徴とする請求項1記載のスピーカ。
【請求項13】 前記インナーリングは、前記センターポール及び前記アンダーポールより高い電気伝導率及び熱伝導率を有する非磁性材料から構成されることを特徴とする請求項11又は12記載のスピーカ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はボイスコイルの磁気ギャップ部を改良したスピーカに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタル信号処理技術が飛躍的に進歩したため、スピーカに供給される電気信号は大幅にその質が向上し、これを忠実に再生するスピーカが求められてきている。特に、低音域では振動系の振幅が大きくなり、ボイスコイルが磁気ギャップを外れると駆動力が大きく変化し、再生音に高調波歪が多く含まれるようになる。そこで、現在スピーカの駆動力歪を減少させる対策として、センターポールと磁気ギャップを形成するトッププレートの厚みに対してボイスコイルの巻幅を大きくとるロングボイスコイル方式のスピーカが用いられる。
【0003】以下に従来のスピーカについて説明する。図9は従来のムービングコイル型のスピーカの構造を示す断面図であり、中心軸に対して右半分を示している。本図においてスピーカの中心軸にはセンターポール1と磁石2とが取付けられる。磁石2はセンターポール1の下面に接着され、厚み方向に着磁されている。又磁石2の下面にはアンダープレート3が接合されている。アンダープレート3は円盤状の磁性体であり、センターポール1や磁石2の直径より大きい。
【0004】アンダープレート3の外周部にはヨーク4が接合されている。ヨーク4は円筒状の磁性体であり、センターポール1と一定の空間を隔てて取付けられている。そしてヨーク4の上端面にトッププレート5が接合されている。トッププレート5は円環状の磁性体であり、センターポール1の円柱部と一定の空隙を有するよう中心部が開口されている。トッププレート5の内周面とセンターポール1の外周面との空隙は磁気ギャップとなっている。
【0005】この磁気ギャップには、ボイスコイル6が回巻されたボイスコイルボビン(以下、ボビンという)7が軸方向に振動自在に保持されている。ボイスコイル6は円筒状のボビンの軸に沿って回巻されている。ここでボイスコイル6の巻幅はトッププレート5の厚みより大きく、その取付け位置はトッププレート5の内周面から見て幾何学的にほぼ上下対称である。
【0006】ボビン7の上端部は振動板8に接続されている。振動板8はコーン状に成形され、エッジ11を介してフレーム9に振動自在に取付けられている。エッジ11はフレーム9に対しロール状に接続されている。又ボビン7の外周部とフレーム9の内面とにはダンパ10が取付けられている。エッジ11は振動板8の外周部を弾性的に保持し、ダンパ10はボビン7を粘弾性的に保持する働きをしている。
【0007】このような構成のスピーカでは、磁気ギャップに十分な磁束密度を確保するため、磁石2は直径が大きなものが用いられる。このためセンターポール1は磁石2の上部から磁気ギャップ側に向かって円錐状に絞り込んだ形状となっている。又、磁気ギャップの外部では、センターポール1の下外周部が円錐状であるため、磁気回路がボビン7の振動方向に対して非対称形となっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】低音域の大振幅時において駆動力を一定とするには、ボイスコイル6の巻幅を、ボイスコイル6の振幅量よりも大きくとる必要がある。しかしながら、従来の磁気回路ではフェライト磁石が用いられるのが一般的であり、磁気ギャップ中に充分な磁束密度を得るには、大きな磁石2が必要となる。
【0009】磁石2の軸と直角方向の断面積が大きくなると、センターポール1は磁石2側から磁気ギャップ側に向かって必然的に絞り込んだ形状となるため、絞り込んだ部分の外周面の面積が大きくなる。この円錐状の外周面とヨーク4の内周面及びトッププレート5の下面との間で磁気漏洩が増大し、磁石の利用効率が低下するという問題があった。一方、この磁気漏洩を減少させるため、センターポール1の絞り込んだ外周面と、ヨーク4の内周面及びトッププレート5の下面との距離を大きくとると、磁気回路の外寸及び重量が大きなものとなってしまい、スピーカとして実用上好ましくない。
【0010】又、磁気ギャップの上下方向では磁気回路構造が非対称となるため、磁束密度分布も非対称となる。ロングボイスコイル方式ではボイスコイル6の巻幅がトッププレート5の厚みよりも大きいため、ボイスコイル6のかなりの部分が磁気ギャップの外部に存在することになり、駆動力の非対称性が生じて音の歪が生じてしまう。
【0011】更に磁気ギャップ内では、ボイスコイル6の内外周面の一部がセンターポール1の外周面とトッププレート5の内周面に隣接している。従ってこの部分でボイスコイル6に発生する熱は、センターポール1及びトッププレート5に伝達しやすい。しかし磁気ギャップ外部では、センターポール1の外周面を除きボイスコイル6の内外周面に隣接面が存在しないため、この部分のボイスコイル6に発生する熱は放熱されにくい。従って駆動電流の大入力時にはボイスコイル6が高温となる。このためボイスコイル6の抵抗値が大きくなり、入力に応じた出力が得られなくなってしまういう欠点があった。
【0012】本発明はこのような従来の問題点に鑑みてなされたものであって、より広範囲の低域周波数帯で一定の駆動力が得られ、磁気ギャップを外れた磁気回路の領域においても磁束密度分布の対称性がよく、ボイスコイルの温度上昇を低減でき、磁石の利用効率の高い小型磁気回路を有し、駆動力歪の少ないスピーカを実現することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明は、円柱状のセンターポールと、センターポールの下面に接合され、センターポールより小さい直径を有し、厚み方向に着磁された円盤状の磁石と、磁石の下面に接合され、磁石と略同一の直径を有する円柱状のアンダーポールと、アンダーポールの下面に接合され、アンダーポールより大きい直径を有する円盤状のアンダープレートと、アンダープレートの上部に同軸に接合され、センターポールの直径より大きな内径を有する円筒状のヨークと、ヨークの上端面に接合され、センターポールの直径より大きな内径を有する円環状のトッププレートと、センターポールの外周面とトッププレートの内周面との空隙にボビンを介して振動自在に保持されるボイスコイルと、を具備し、ボイスコイルの振動方向の巻幅を少なくともトッププレートの厚み以上とし、センターポールの外周面とトッププレートの内周面とで磁気ギャップが形成され、センターポールの厚みがトッププレートの厚みよりも大きく、センターポールの上面とトッププレートの上面間の距離と、センターポールの下面とトッププレートの下面間の距離とを互いに等しくしたことを特徴とするものである。
【0014】本願の請求項2の発明は、円柱状のセンターポールと、センターポールの下面に接合され、センターポールと同一の直径を有し、厚み方向に着磁された円盤状の磁石と、磁石の下面に接合され、磁石と略同一の直径を有する円柱状のアンダーポールと、アンダーポールの下面に接合され、アンダーポールより大きい直径を有する円盤状のアンダープレートと、アンダープレートの上部に同軸に接合され、センターポールの直径より大きな内径を有する円筒状のヨークと、ヨークの上端面に接合され、センターポールの直径より大きな内径を有する円環状のトッププレートと、センターポールの外周面とトッププレートの内周面との空隙にボビンを介して振動自在に保持されるボイスコイルと、を具備し、ボイスコイルの振動方向の巻幅を少なくともトッププレートの厚み以上とし、センターポールの外周面とトッププレートの内周面とで磁気ギャップが形成され、センターポールの厚みがトッププレートの厚みよりも大きく、センターポールの上面とトッププレートの上面間の距離と、センターポールの下面とトッププレートの下面間の距離とを互いに等しくしたことを特徴とするものである。
【0015】本願の請求項3の発明は、ヨークの内周面に取付けられ、センターポールの外周面と対向し、トッププレートの下面と近接する部分の内径は、トッププレートの内径と同一であり、少なくとも磁石及びアンダーポールの外周面と対向する部分の内径は、トッププレートの内径より大きくなるように形成された略円筒状のアウターリングを設けたことを特徴とするものである。
【0016】本願の請求項4の発明は、ヨークの内周面に取付けられ、センターポールの外周面と対向し、トッププレートの下面からセンターポールの下面までの高さに位置する部分の内径は、トッププレートの内径と同一であり、磁石及びアンダーポールの外周面と対向する部分の内径は、トッププレートの内径より大きくなるように形成された略円筒状のアウターリングを設けたことを特徴とするものである。
【0017】本願の請求項5の発明は、ヨークの内周面に取付けられ、センターポールの外周面と対向し、トッププレートの下面と近接する部分の内径は、トッププレートの内径と同一であり、磁石及びアンダーポールの外周面と対向する部分の内径は、アンダープレートの方に近づくにつれてトッププレートの内径より徐々に大きくなるように形成された略円筒状のアウターリングを設けたことを特徴とするものである。
【0018】本願の請求項7の発明は、トッププレートの上面に取付けられ、センターポールの外周面と対向し、トッププレートの上面と近接する部分の内径は、トッププレートの内径と同一であり、トッププレートの上面と一定距離以上隔たった部分の内径は、トッププレートの内径より大きくなるように形成された略円環状のトップリングを設けたことを特徴とするものである。
【0019】本願の請求項8の発明は、トッププレートの上面に取付けられ、センターポールの外周面と対向し、トッププレートの上面とセンターポールの上面までの高さに位置する部分の内径は、トッププレートの内径と同一であり、センターポールの上面より上部に位置する部分の内径は、トッププレートの内径より大きくなるように形成された略円環状のトップリングを設けたことを特徴とするものである。
【0020】本願の請求項9の発明は、トッププレートの上面に取付けられ、センターポールの外周面と対向する部分で、トッププレートの上面と近接する部分の内径は、トッププレートの内径と同一であり、トッププレートの上面と一定距離以上隔たった部分の内径は、トッププレートから離れるにつれてトッププレートの内径より徐々に大きくなるように形成された略円環状のトップリングを設けたことを特徴とするものである。
【0021】本願の請求項11の発明は、磁石及びアンダーポールの外周面に設けられ、センターポールの外周面と近接する部分の外径は、センターポールの外径と同一であり、センターポールの下面と一定距離以上隔たった部分の外径は、センターポールの外径より小さくなるように形成された略円筒状のインナーリングを設けたことを特徴とするものである。
【0022】本願の請求項12の発明は、磁石及びアンダーポールの外周面に設けられ、センターポールの外周面と近接する部分の外径は、センターポールの外径と同一であり、センターポールの下面と一定距離以上隔たった部分の外径は、アンダープレートに近づくにつれて徐々にセンターポールの外径より小さくなるように形成された略円筒状のインナーリングを設けたことを特徴とするものである。
【0023】
【作用】このような特徴を有する本願の請求項1又は2の発明によれば、ボイスコイルが低音領域で駆動されて一定の音圧が出力される場合、ボイスコイルの振動振幅は中音領域に比べて過大となる。このときボイスコイルの振動範囲はセンターポールとトッププレートとが形成する磁気ギャップから上下にはみ出すようになる。そこでセンターポールの上面とトッププレートの上面間の距離と、センターポールの下面とトッププレートの下面間の距離とを互いに等しくすると、振動の中立点から見て磁束密度分布が磁気ギャップをはずれた領域においても上下で対称となる。このためボイスコイルの電磁力はその振動振幅に係わらず対称となり、大振幅時に置いても磁束密度分布の非対称性による音の歪みが発生しなくなる。
【0024】又本願の請求項3,4又は5の発明によれば、請求項1又は2の発明の作用に加えて、アウターリングがヨークの内周面に形成されているので、ボイスコイルに発生した熱がセンターポールの外周面とアウターリングの内周面に吸収され易くなり、ボイスコイルの温度上昇は少なくなる。又アウターリングはボイスコイルの電流の歪みを低減する効果を有する。
【0025】本願の請求項7,8又は9の発明によれば、請求項1又は2の発明の作用に加えて、トップリングがトッププレートの上面に形成されているので、ボイスコイルに発生した熱がセンターポールの外周面とトップリングの内周面に吸収され易くなり、ボイスコイルの温度上昇は少なくなる。又トップリングもボイスコイルの電流の歪みを低減する効果を有する。
【0026】更に請求項11又は12の発明によれば、請求項1又は2の発明の作用に加えて、インナーリングが磁石とアンダーポールの外周面に形成されているので、ボイスコイルに発生した熱がセンターポールとアンダーポールとの外周面に吸収され易くなり、ボイスコイルの温度上昇は少なくなる。又インナーリングにおいてもボイスコイルの電流の歪みを低減する効果を有する。
【0027】
【実施例】本発明の第1実施例のスピーカについて図1を用いて説明する。図1は第1実施例のスピーカの構造を示す断面図であり、中心軸に対して右半分を示している(以下同様)。本図においてスピーカの中心軸にはセンターポール12,磁石13,アンダーポール14が夫々取付けられる。センターポール12は円盤状の磁性体である。磁石13は円盤状でありセンターポール12の下面に接合され、その直径はセンターポール12より小さく、厚み方向に着磁されている。又磁石13の下面には磁石13と同径のアンダーポール14が接合されている。そしてアンダーポール14の下面にはアンダープレート15が接合されている。アンダープレート15は円盤状の磁性体であり、その直径はセンターポール12より大きく、磁石13より遥かに大きい。
【0028】アンダープレート15の外周部にはヨーク16が接合されている。ヨーク16は円筒状の磁性体であり、磁石13及びアンダーポール14と一定の空間を隔てて取付けられている。ヨーク16の上端面にトッププレート17が接合されている。トッププレート17は厚みがTpの中空円盤状の磁性体であり、センターポール12の板厚方向に対し磁気ギャップが上下対称となるよう取付けられている。そしてトッププレート17の内周面と、センターポール12の外周面とが作る一定の空隙は磁気ギャップとなっている。
【0029】この磁気ギャップには、従来例と同様にボイスコイル18が回巻されたボビン19が軸方向に振動自在に保持されている。ボイスコイル18の巻幅Tvはトッププレート17の厚みより大きく、センターポール12の厚みと同程度であり、その取付け位置はトッププレート17の内周面から見て上下対称とする。ボビン19の上端部には振動板20が接続されている。振動板20はコーン状に成形された振動板であり、エッジ23を介してフレーム21に振動自在に取付けられている。又ボビン19の外周部とフレーム21の内面とにはダンパ22が取付けられている。
【0030】このように構成された第1実施例のスピーカにおいて、磁石13より供給される磁束の大部分は、センターポール12の外周面とトッププレート17の内周面とで形成される空隙を通過するが、それ以外の磁束は磁気ギャップ上部及び下部の周囲に広く分布することになる。
【0031】ロングボイスコイル方式で駆動力歪を低減するには、振動板20の所望の最大振幅量に対してボイスコイル18が磁気ギャップ内に存在すればよい。即ちボイスコイル18が振動の中立点から上方へ移動する場合には、その移動距離が(Tv−Tp)/2以内であれば、ボイスコイル18の磁気ギャップ中に存在する体積が一定となる。逆にボイスコイル18が下方へ移動する場合には、その移動距離が−(Tv−Tp)/2以内であれば、ボイスコイル18の磁気ギャップ中に存在する体積が一定となる。従って振幅量が±(Tv−Tp)/2以内ではボイスコイル18の駆動力がほぼ一定となる。
【0032】センターポール12の厚みをトッププレート17の厚みよりも大きくとり、トッププレート17の上面とセンターポール12の上面間の距離と、トッププレート17の下面とセンターポール12下面間の距離とを等しくすれば、磁気ギャップの上部及び下部を含めた空間に対して上下方向の磁気回路構造が対称形となり、磁気ギャップ外部の磁束密度分布も対称となる。こうすれば、従来のように磁気ギャップ外部の磁束密度分布の非対称性による駆動力の歪が発生しない。
【0033】近年、希土類元素を含む高エネルギー積磁石が普及し、スピーカ用の磁気回路にも用いられてきている。こうした高エネルギー積磁石を用いれば、磁石13の直径をセンターポール12の直径以下とすることが可能であるため、従来のようにセンターポール12を磁石13側から磁気ギャップ側へ絞り込む必要がなくなる。よって、絞り込む部位の磁気回路の外寸が縮小できるだけでなく、磁石13の下面に磁石13と同径のアンダーポール14を設け、磁石13の位置を磁気ギャップ側に近づけた構造とすることで、磁気ギャップ下部のセンターポール12の外周面積を縮小できる。したがって、この外周面と磁気的に対極するアンダープレート15の上面と、ヨーク16の内周面及びトッププレート17の下面との間での磁気漏洩を低減できるため、磁石の利用効率が高くなる。
【0034】又、磁気回路がこのような構造をとる場合、従来の磁気回路に比べてセンターポール12の上面の位置がトッププレート17の上面の位置より高いために、ボイスコイル18の内周面全体がセンターポール12の外周面と隣接することとなる。このためボイスコイル18に発生する熱が放射又は対流により、熱伝動率の高いセンターポール12に吸収され易くなり、ボイスコイル18の温度上昇が緩和される。従って駆動電流の大入力時にもボイスコイル18の抵抗値が従来例のように増加せず、音圧出力レベルの低下が抑えられる。
【0035】次に、本発明の第2実施例におけるスピーカについて図2を用いて説明する。尚、第1実施例と同一部分は同一符号を用いて説明を省略する。ここで、第1の実施例と大きく異なるのは、磁石13aとアンダーポール14aの直径をセンターポール12aの直径と同一にしたことである。仮に第1実施例と同じ大きさの磁石13aを用いた場合、図1のセンターポール12に比べてセンターポール12aの方が小径となるため、磁気回路の外寸をさらに小さくすることが可能となる。
【0036】又、ボイスコイル18が振動して振動の中立点よりも下方に位置している場合、ボイスコイル18の内周面はセンターポール12a、磁石13a及びアンダーポール14aの外周面に隣接することになる。このためこれらの外周面にボイスコイル18に発生した熱が早く伝達し、第1実施例よりもボイスコイル18の温度上昇を抑制することができる。
【0037】次に、本発明の第3実施例におけるスピーカについて図3を用いて説明する。尚、第1実施例と同一部分は同一符号を用いて説明を省略する。本実施例ではヨーク16の内周部にアウターリング24が新たに設けられる。その他の部分の構成については第1実施例のスピーカと同一である。アウターリング24はヨーク16の内周面に密着するように円筒状に形成された部材で、その上端部はトッププレート17の内周面と同一になるようその内径が小さくなっている。アウターリング24は少なくともヨーク16及びトッププレート17より高電気伝導率、かつ高熱伝導率の非磁性材料で構成される。尚図3ではアウターリング24の上端部の厚みをセンターポール12の下面より高くなるようにしたが、センターポール12の下面と同一高さになるようにしてもよい。
【0038】本実施例の動作も第1及び第2実施例と同様であるが、アウターリング24の内径をセンターポール12と対向する部分でトッププレート17の内径と等しくしているので、磁気ギャップの下部においてボイスコイル18の外周面がアウターリング24の内周面に隣接することになる。したがって、ボイスコイル18に発生した熱がセンターポール12の外周面のみならず、アウターリング24の内周面にも伝達することになり、ボイスコイル18の温度上昇はより一層抑制される。
【0039】又、アウターリング24の内径をアンダープレート15側で大きくすると、大振幅時においてボビン19のローリングが発生したとき、ボイスコイル18が振動の中立点より下方に位置する場合に、その外周面がアウターリング24の下内周面に接触しにくくなり、異常音の発生を防止することができる。一方、ボイスコイル18自身の作る磁界によってセンターポール12及びトッププレート17等に発生していた誘導電流が、電気伝導率の高いアウターリング24に流れることで、ボイスコイル18に流れる駆動電流の歪を低減する効果を生じる。
【0040】尚、アウターリング24のトッププレート17の内径と等しい領域を、センターポール12の下面の位置の高さまでとすれば、ローリング発生時において、ボイスコイル18の内周面とセンターポール12の外周面との接触、及びボイスコイル18の外周面とアウターリング24の内周面との接触とがほぼ同時に発生するようになる。従ってセンターポール12の外周面とアウターリング24の内周面の何れか一方のみがボイスコイル18と接触することがなくなる。ボイスコイル18の内周面とセンターポール12の外周面、及びボイスコイル18の外周面とアウターリング24の内周面との隣接面積が大きくなり、ボイスコイル18に発生する熱がより早く伝達されやすくなる。尚、図3の示すアウターリング24は第1実施例の同一構造のスピーカに設けたものであるが、第2実施例のスピーカにおけるヨーク16に設けても同様の効果が得られる。
【0041】次に、本発明の第4実施例におけるスピーカについて図4を用いて説明する。尚、第1実施例と同一部分は同一符号を用いて説明を省略する。本実施例ではヨーク16の内周部に第3実施例と異なる形状のアウターリング24aが設けられる。その他の部分の構成については第1実施例のスピーカと同一である。本実施例では、アウターリング24aはその内径がトッププレート17側からアンダープレート15側へ向かって徐々に増加するよう形成されている。
【0042】本実施例の動作も第3実施例と同様であるが、アウターリング24aの上部の内径が徐々に拡大する傾斜部を設けることで、磁気ギャップの下部ではアウターリング24aの内周面の傾斜領域分だけ、ボイスコイル18の外周面がアウターリング24内周面に接近することになり、ボイスコイル18に発生した熱が伝達しやすくなっている。
【0043】次に、本発明の第5実施例におけるスピーカについて図5を用いて説明する。尚、第1実施例と同一部分は同一符号を用いて説明を省略する。本実施例ではトッププレート17の上面にトップリング25が取付けられる。トップリング25は段付円環状の部材で、その内周下部はトッププレート17の内周面と同一面になるよう形成され、上部は内径が大きくなっている。トップリング25はヨーク16及びトッププレート17より、高電気伝導率、高熱伝導率の非磁性材料で構成される。尚図5ではトップリング25の下部の厚みをセンターポール12の上面以下となるようにしたが、センターポール12の上面と一致させるようにしてもよい。
【0044】本実施例の動作も第1及び第2実施例と同様であるが、トップリング25を新たに設けると共に、その内径を下面側でトッププレート17側の内径と等しくすれば、磁気ギャップの上部においてボイスコイル18の外周面がトップリング25の内周面に隣接することになる。したがって、ボイスコイル18に発生した熱がトップリング25の内周面にも伝達することになり、ボイスコイル18の温度上昇が抑制される。
【0045】又、トップリング25の内径をその上面側でトッププレート17側の内径よりも大きくすることで、大振幅時においてローリングが発生しても、ボイスコイル18が振動の中立点より上方に位置する場合に、ボイスコイル18の外周面がトップリング25の内周面に接触しにくくなり、異常音が発生しなくなる。更にトップリング25はボイスコイル18の電流歪を低減する効果を有する。
【0046】尚、トップリング25のトッププレート17の内径と等しい領域を、トッププレート17の上面の位置の高さからセンターポール12の上面の位置の高さまでとすれば、ローリング発生時において、ボイスコイル18の内周面とセンターポール12の外周面との接触、及びボイスコイル18の外周面とトップリング25の内周面との接触とがほぼ同時に発生する。従ってセンターポール12の外周面とトップリング25の内周面の何れか一方のみが、ボイスコイル18に接触することがなくなり、ボイスコイル18の内周面とセンターポール12の外周面、及びボイスコイル18の外周面とトップリング25の内周面との隣接面積が大きくなる。このためボイスコイル18に発生する熱が伝達されやすくなる。尚、図5は第1実施例のスピーカにトップリング25を取付けたが、第2実施例によるスピーカのトッププレート17にトップリング25を取付けても同様の効果が得られる。
【0047】次に、本発明の第6実施例におけるスピーカについて図6を用いて説明する。尚、第1実施例と同一部分は同一符号を用いて説明を省略する。本実施例ではトッププレート17の上面には第5実施例と異なる形状のトップリング25aが取付けられる。トップリング25aは略円環状の部材で、その内周部の下面はトッププレート17の内周面と同一になるよう形成され、内周部の上面は擂鉢状になっている。トップリング25aは非磁性、高電気伝導率、高熱伝導率の材料で構成される。
【0048】本実施例の動作も第5実施例と同様であるが、トップリング25aに内径が徐々に拡大する傾斜部を設けることで、磁気ギャップの上部ではトップリング25aの内周面の傾斜領域分だけ、ボイスコイル18の外周面がトップリング25aの内周面に接近することになる。このためボイスコイル18に発生した熱が伝達しやすくなる。
【0049】次に、本発明の第7実施例におけるスピーカについて図7を用いて説明する。尚、第1実施例と同一部分は同一符号を用いて説明を省略する。本実施例では磁石13とアンダーポール14の外周面にインナーリング26が取付けられる。インナーリング26は円筒状の部材で、その外周部の上面はセンターポール12の外周面と同一になるよう形成され、外周部の下面は外径が小さくなっている。インナーリング25はセンターポール12及びアンダーポール14より高電気伝導率、高熱伝導率の非磁性材料で構成される。
【0050】本実施例の動作も第1実施例と同様であるが、インナーリング26を新たに設け、その外径を上部側でセンターポール12の外径と等しくすることで、ボイスコイル18が大きく振動して振動の中立点より下方に位置する場合に、ボイスコイル18の内周面がインナーリング26の外周面に隣接することになる。従ってボイスコイル18に発生した熱がインナーリング26の外周面にも伝達することになり、ボイスコイル18の温度上昇が抑制される。
【0051】又、インナーリング26の外径をアンダープレート15側で小さくすることで、大振幅時においてローリングが発生し、ボイスコイル18が振動の中立点より下方に位置する場合に、ボイスコイル18の内周面がインナーリング26の下外周面に接触しなくなり、異常音の発生を防止することができる。更にインナーリング26はボイスコイル18の電流歪を低減する効果も生じる。
【0052】次に、本発明の第8実施例におけるスピーカについて図8を用いて説明する。尚、第1実施例と同一部分は同一符号を用いて説明を省略する。本実施例では磁石13とアンダーポール14の外周面に第7実施例と異なる形状のインナーリング26aが取付けられる。インナーリング26aは略円筒状の部材で、その外周部の上面はセンターポール12の外周面と同一になるよう形成され、外周部の下面はその外径が徐々に小さくなり、更にその下は外径が一定となっている。インナーリング26aは非磁性、高電気伝導率、高熱伝導率の材料で構成される。
【0053】本実施例の動作も第7実施例と同様であるが、インナーリング26aに外径が徐々に縮小する傾斜部を設けることで、磁気ギャップの下部ではインナーリング26aの外周面の傾斜領域分だけ、ボイスコイル18の内周面がインナーリング26aの外周面に接近することになり、ボイスコイル18に発生した熱が伝達しやすくなる。
【0054】以上の各実施例では、アウターリング24,24a、トップリング25,25a、インナーリング26,26aを夫々単独で用いたが、これらを組み合わせて用いれば、ボイスコイル18の温度上昇の緩和及び電流歪の低減に一層の効果が得られる。
【0055】
【発明の効果】このような特徴をユニット本願の請求項1,2記載の発明によれば、トッププレートとセンターポールとが対向する空隙では均一な磁束密度分布が得られ、更に磁気ギャップ内部を外れた領域においてもセンターポールの軸方向の磁束密度分布の対称性がよくなる。このため、ロングボイスコイル方式のスピーカにおいて、ボイスコイルを大振幅で駆動しても、磁束密度分布の非対称性による駆動力歪が大きくなることはない。
【0056】又本願の請求項3〜13の発明によれば、請求項1の発明の効果に加えて、ボイスコイルに隣接した部分にアウターリング、トップリング又はインナーリングの何れかを設けることにより、ボイスコイルで発生した熱はより早く吸収されるので、温度上昇を低減できる。更にボイスコイルの電流歪が低減し、磁束の利用効率の高い小型磁気回路を備えたスピーカが実現できる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013