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発明の名称 磁気記録媒体の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−114730
公開日 平成7年(1995)5月2日
出願番号 特願平5−260759
出願日 平成5年(1993)10月19日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 榑松 道男 / 畠中 秀夫 / 久保田 和典 / 坂本 和▲のり▼
要約 目的
本発明は、磁気記録媒体に関するもので、デジタル信号を正確に記録再生が可能でかつ耐久性に優れた磁気記録媒体を供給することを目的とする。

構成
本発明は、強磁性粉体と結合剤および前記強磁性粉体100重量部に対し、40〜70重量部の研磨剤を主成分とする組成物を、溶剤を用いて混練、希釈した後、分散して得られる磁性塗料を、非磁性支持体に塗布して成る磁気記録媒体の製造方法であって、前記組成物の混練時と希釈時に加える結合剤の総重量を前記磁性塗料中の結合剤総重量の90〜100重量%とすることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
特許請求の範囲
【請求項1】強磁性粉体と結合剤および前記強磁性粉体100重量部に対し、40〜70重量部の研磨剤を主成分とする組成物を、溶剤を用いて混練、希釈した後、分散して得られる磁性塗料を、非磁性支持体に塗布して成る磁気記録媒体の製造方法であって、前記組成物の混練時と希釈時に加える結合剤の総重量を前記磁性塗料中の結合剤総重量の90〜100重量%とすることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【請求項2】研磨剤のモース硬度が5〜7であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項3】混練および希釈が連続式二軸混練装置を用いて行われることを特徴とする請求項1または2記載の磁気記録媒体の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオテープ、ビデオテープ、磁気ディスク等に用いる磁気記録媒体、特にデジタル記録対応磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年磁気テープにおいては機器の発達にともない高密度記録化の傾向が著しい。さらに記録方式についても従来のアナログ記録からデジタル記録へと変化しつつある。特にオーディオの分野においては民生用においてもデジタルオーディオテープ(以下DAT)が、開発商品化され市場投入されている。
【0003】しかしDATはヘッドが従来のビデオテープレコーダー(以下VTR)と同様の回転シリンダー上に設置され、しかもテープ走行メカはVTRとほぼ同様の構造になっており、DAT専用テープしか録音再生できない。そのため商品化し市場投入されて5年余りが経過するが、未だに普及は不十分である。この様な背景をふまえアナログ記録のコンパクトカセット(以下ACC)と互換性のあるデジタル録音可能なシステムの開発が要求されていた。これについては従来より各メーカーとも鋭意開発を行ってきたが、最近になって半導体の薄膜形成技術の応用による固定型マルチチャンネルヘッドの開発、さらには信号圧縮技術の発達により、デジタルコンパクトカセットシステムが開発され市場投入された。そしてそのシステムに対応した高性能な新しいデジタルコンパクトカセットテープ(以下DCCテープ)の開発を各テープメーカーとも行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ACCとの上位互換を保ちしかもデジタル記録可能なシステムを考慮した場合、ヘッドとテープの相対速度が非常に遅い記録・再生システム(4.76cm/sec)で高密度記録を達成しなくてはならない。そのためには最短記録波長が1μm以下の短波長記録及びヘッドのマルチチャンネル化による狭トラック化が必要とされる。
【0005】システムとして良好なエラーレートを達成するためには、電磁変換特性に優れた磁気テープであること、磁性層中あるいは磁性層上に異物がなく、ドロップアウトの少ない磁気テープとすることはもちろん重要であるが、それ以上に走行を安定させることが非常に重要である。固定型ヘッドでしかもテープとの相対速度が非常に遅いため、その走行を安定化させることは非常に困難となっている。これまでの改善策としては、潤滑剤の種類と量、また表面粗さの検討を行ってきたが、それらの方策面の検討だけでは極低温から高温多湿の各環境下におけるエラーレートの改善を行うのは困難であった。上記改善策として、本発明者らは、強磁性粉体に対し多量の研磨剤を組み合わせることで、かなりの改善効果が得られることを既に見いだしていた(特願平5−79239号明細書)。しかし、組成面での検討のみでは、未だ十分満足すべき結果には至っていなかった。
【0006】
【課題を解決するための手段】解決策は、強磁性粉体と結合剤および前記強磁性粉体100重量部に対し、40〜70重量部の研磨剤を主成分とする組成物を、溶剤を用いて混練、希釈した後、分散して得られる磁性塗料を、非磁性支持体に塗布して成る磁気記録媒体の製造方法であって、前記組成物の混練時と希釈時に加える結合剤の重量を前記磁性塗料中の結合剤総重量の90〜100重量%としたものである。
【0007】
【作用】本発明は、上記した構成により、エラーレートの良好な磁気記録媒体の製造方法を提供するものである。すなわち、強磁性粉体と結合剤および前記強磁性粉体100重量部に対し、40〜70重量部の研磨剤を主成分とする組成物を、溶剤を用いて混練、希釈した後、分散して得られる磁性塗料を、非磁性支持体に塗布して成る磁気記録媒体の製造方法であって、前記組成物の混練時と希釈時に加える結合剤の総重量を前記磁性塗料中の結合剤総重量の90〜100重量%とすることにより、最少量の結合剤量で強磁性粉体の表層に樹脂を均一に吸着させることができ、結果として磁性層表面の余剰樹脂を少なくすることができるため、極低温から高温多湿の環境下において走行性に優れるとともに、削れ、粉落ちの無い、耐久性に優れた磁性層を得ることができ、その結果エラーレートの良好な磁気テープを得ることができる。ただし、塗工直前に添加する架橋剤(ポリイソシアネート)重量は、磁性層中の結合剤総重量には含まないものとする。
【0008】請求項1に記載の本発明の手段における混練および希釈に用いる装置としては、特に制限はないが、連続式二軸混練装置が最適である。必要最少量の結合剤で強磁性粉体表面を均一に覆うことができるため、強磁性粉体の分散性を良好にすることのみならず、かつ連続的に塗料生産が行うことのできる混練機としての効果が非常に大きいことがその理由として挙げられる。
【0009】本発明者らの検討によれば、強磁性粉体の総量100重量部に対する結合剤の総重量は30〜40重量部とすることが望ましい。これよりも結合剤量が多ければ、電磁変換特性面で不利になるだけでなく、強磁性粉体等の無機粉体との結合力が不十分となった余剰の樹脂が増加し、磁性層表層の樹脂量が増える。その結果テープ−ヘッド間の摩擦係数が増大し走行不安定化を発生させ、走行耐久性においては固定ヘッドによって磁性層がダメージを受け、粉落ち、削れが発生し、それが磁性層表面に異物として存在しエラーレートの急激な悪化を招く。また、これよりも結合剤量が少なければ、無機粉体を覆う結合剤が不足し、塗膜強度が急激に劣化する。
【0010】請求項1に記載の本発明における磁性塗料製造においては、混練または希釈時の結合剤量を、添加すべき結合剤総重量の90〜100重量%にすることが好ましい。これよりも結合剤重量が少ないと分散時に添加する樹脂量が増大し、無機粉体との結合力が弱まり、必要とする樹脂量が多い時と同様に強磁性粉体等の無機粉体との結合力が不十分となった余剰の樹脂が増加し、磁性層表層の樹脂量が増える。その結果、テープ−ヘッド間の摩擦係数が増大し走行不安定化を発生させ、走行耐久性においては固定ヘッドによって磁性層がダメージを受け、粉落ち、削れが発生し、それが磁性層表面に異物として存在しエラーレートの急激な悪化を招く。また、強磁性粉体の総重量100重量部に対し、モース硬度4〜9の非磁性粉体を50〜80重量部含むことにより、高強度の塗膜が得られ、あらゆる環境において粉落ちが無く、走行耐久性に優れたものとなる。
【0011】モース硬度が5より小さいものでは、補強効果が得られず、逆に7を越えるものでは、磁気ヘッドの摩耗が大きくなり過ぎ、補強効果との両立が困難となる。その添加量については、70重量部より多ければ、表面性が悪化することにより出力が取れないばかりか、磁気ヘッドを摩耗させてしまうし、逆に40重量部より少ないと、十分な補強効果を得ることは不可能となる。
【0012】
【実施例】以下本発明を具体的に説明する。
【0013】本発明に用いる磁性層の強磁性粉体としては特に制限はなく、針状形の微細なγ−Fe23、CrO2、 Co被着γ−Fe23 のような金属酸化物系の強磁性粉体、あるいはFe、Fe−Co、Fe−Co−Niなどの強磁性金属粉体をあげることが出来る。特にこれら強磁性金属粉体については、耐候性、または製造時の焼結防止などを考慮して、Al、Cr、Siなどの微量の添加元素を含有あるいは被着させたものも用いることが出来る。またこれらの強磁性粉体は単独で用いても良いし、2種類以上混合して用いてもよい。
【0014】本発明の磁性層に用いる研磨剤としては、モース硬度が5〜7のものが好適で、強磁性粉体100重量部に対し、40〜70重量部の組合せで用いられる。モース硬度が5〜7の研磨剤としては、α酸化鉄、二酸化チタン、酸化亜鉛、酸化マグネシウム等が好適なものとして単独または複数種組み合わせて用いられる。
【0015】また本発明において用いられる結合剤樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、セルロース−アセテート−ブチレート、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂などが好適なものとして用いられる。これらの樹脂は単独で用いても良いが、通常は2種類以上混合して用いられる。
【0016】また磁性層には、必要に応じ、潤滑剤として高級脂肪酸、及び脂肪酸エステルを、帯電防止剤としてカーボンブラック等を添加することも可能である。
【0017】更に磁性層の構成材料を有機溶剤に分散することによって磁性塗料を調製し、これを非磁性ベース上に塗布するが、その場合の磁性塗料の溶剤としてはケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど)、エステル類(例えばメチルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート、グリコールアセテート、モノエチルエーテルなど)、グリコールエーテル類(例えばエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなど)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素(例えばヘキサン、ヘプタンなど)、ニトロプロパン等が挙げられる。
【0018】この磁性塗料を塗布するベースは非磁性であって、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン(例えばポリプロピレン、ポリエチレンなど)、セルロース誘導体(例えばセルローストリアセテート、セルロースジアセテートなど)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリアミド等が好適なものとして挙げられる。
【0019】以下本発明の実施例について詳細に説明する。
(実施例1)
磁性層用塗料の作製強磁性粉体 100重量部ベンガラ 45重量部カーボンブラック 7重量部塩ビ共重合樹脂 15重量部ポリウレタン樹脂 13.5重量部混合溶剤 181重量部上記組成を連続式二軸混練機で混練および希釈、サンドミルで一次分散した磁性塗料にディスパーで撹拌しながらポリウレタン樹脂 1.5重量部混合溶剤 92重量部を添加し、サンドミルで二次分散した後、1μmの平均孔径を有するフィルターを用いて濾過した磁性塗料にディスパーで撹拌しながらミリスチン酸 1重量部ステアリン酸 1重量部オリーブ油 1重量部ポリイソシアネート 8重量部を添加し、磁性層用塗料を作製した。この時、樹脂溶液用の有機溶剤はメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノンを重量比で3/3/1にしたものを用いた。この塗料を支持体上に塗布、乾燥した後、カレンダー処理による鏡面加工を施して2.5μmの磁性層を作製した。
【0020】バックコート層用の塗料の作製カーボンブラック1 100部カーボンブラック2 10部CaCO3 100部ニトロセルロース樹脂 50部ポリウレタン樹脂 50部混合溶剤 2000部上記組成をディスパー、サンドミルで分散した塗料にディスパーで撹拌しながらオリーブ油 3部ポリイソシアネート 20部を添加し、バックコート塗料とした。この時、樹脂溶液用の有機溶剤はメチルエチルケトン/トルエン/シクロヘキサノンを重量比で6/3/1にしたものを用いた。磁性層とは反対側の支持体上にこの塗料を塗布、乾燥して0.7μm厚のバックコート層を作製し、3.8mm幅に切断してオーディオテープ試料を得た。
【0021】(実施例2〜8)
(表1)に示したような添加量以外は、実施例1と同様に塗料を作製し、オーディオテープ試料を得た。
【0022】
【表1】

【0023】(比較例1〜16)
(表2)に示したような添加量以外は、実施例1と同様に塗料を作製し、オーディオテープ試料を得た。
【0024】
【表2】

【0025】得られた各試料について以下の評価を行った。
(1)磁性層のスクラッチ強度[g]
磁性層表面に剛球を40gの荷重で当て往復させ、塗膜が削れたパスをもって塗膜のスクラッチ強度とした。
(2)粘着強度[g]
磁性層硬化後の巻芯側の原反にばねばかりを取り付け、原反を剥していくときの荷重を測定し、粘着強度とした。
(3)摩擦係数オーディオテープを4φのステンレスピンに180度の角度で巻き付けた状態で、4cm/secで走行させたときの、入側テンションTiと出側テンションToの値を読みだし次式より求めた。
【0026】μk=ln(To/Ti)/πなお、50パス目の摩擦係数をそのテープの摩擦係数とした。
(4)電磁変換特性(SER)
市販のDCCカセットデッキ(松下電器産業(株)製 RS−DC10)を用い、ディジタル・エラーレイト測定装置(フィリップス社製 DEMS)を用い、50℃80%の環境下での耐久試験前後のSER(シンボル・エラー・レイト)を測定した。得られた結果を(表3)に示した。
【0027】
【表3】

【0028】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明によれば、上記した構成すなわち、強磁性粉体と結合剤および前記強磁性粉体100重量部に対し、40〜70重量部の研磨剤を主成分とする組成物を、溶剤を用いて混練、希釈した後、分散して得られる磁性塗料を、非磁性支持体に塗布して成る磁気記録媒体の製造方法であって、前記組成物の混練時と希釈時に加える結合剤の総重量を前記磁性塗料中の結合剤総重量の90〜100重量%とする磁気記録媒体の製造方法により、その磁性層と磁気ヘッドとの摩擦係数が低減され、微小振動を除去することができる。これらの構成により電磁変換特性の低下を招来することなく、走行性、走行耐久性を向上させ、正確な記録再生を行うことができる。




 

 


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