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発明の名称 磁気記録媒体の製造方法および製造装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−110939
公開日 平成7年(1995)4月25日
出願番号 特願平5−256781
出願日 平成5年(1993)10月14日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 吉本 和也 / 東間 清和
要約 目的
イオン銃により高分子フィルム基板に劣化、損傷を与えることなく高分子フィルム基板の表面改質、脱ガス処理および帯電除去を蒸着工程と連続的に行う。

構成
イオン銃19からのイオンを高分子フィルム基板1の円筒状キャン2に接触する面に、イオンの進行方向と直交する磁界を発生する電磁石17を前方に設置したイオン銃16からのイオンを高分子フィルム基板が円筒状キャンの周面に沿う以前に高分子フィルム基板の表面に、かつ高分子フィルム基板が円筒状キャンの周面から離れた直後に高分子フィルム基板の円筒状キャンと接触した面に照射する。
特許請求の範囲
【請求項1】高分子フィルム基板を円筒状キャンの周面に沿って走行させ、前記高分子フィルム基板が前記円筒状キャンの周面に接触する以前に、前記高分子フィルム基板の前記円筒状キャンに接触する面にイオン銃からのイオンを照射することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【請求項2】イオン銃からのイオンを高分子フィルム基板に照射しつつ、円筒状キャンの周面に沿って走行する前記高分子フィルム基板上に薄膜型磁気記録媒体を形成する連続真空蒸着装置において、前記イオン銃前方に、前記イオン銃からのイオンの進行方向と直交する磁界を発生する電磁石を設置したことを特徴とする磁気記録媒体の製造装置。
【請求項3】請求項2記載の磁気記録媒体の製造装置を用い、前記イオン銃からのイオンを前記電磁石の発生磁界を通過した後に前記高分子フィルム基板に照射することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【請求項4】請求項2記載の磁気記録媒体の製造装置を用い、前記円筒状キャンに沿って走行しつつある前記高分子フィルム基板が前記円筒状キャンの周面に沿う以前に、前記高分子フィルム基板の薄膜形成面、かつ、前記高分子フィルム基板が前記円筒状キャンの周面から離れた直後に前記高分子フィルム基板の前記円筒状キャンに接触した面に、前記イオン銃からのイオンを前記電磁石の発生磁界を通過した後に照射することを特徴とする請求項3記載の磁気記録媒体の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、真空蒸着法により薄膜型磁気記録層を連続的に形成するための磁気記録媒体の製造方法および製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、高分子フィルム基板上に薄膜型磁気記録層を高い生産性で形成する方法として真空蒸着法がある。
【0003】以下、図面を参照しながら従来例の蒸着装置内部の一例について説明する。図4は従来の連続真空蒸着装置の概略図を示す。図4において、高分子フィルム基板1は円筒状キャン2の周面に沿って矢印Aの方向に走行する。高分子フィルム基板1上に蒸発源5からの蒸発原子が堆積し薄膜が形成される。3および4はそれぞれ高分子フィルム基板1の供給ロールおよび巻き取りロールである。7、8はフリーローラーである。蒸発源5としては、電子ビーム蒸発源、抵抗加熱蒸発源、誘導加熱蒸発源等が用いられる。蒸発源5と円筒状キャン2との間には蒸発源5から蒸発する蒸発原子の入射角を規定する遮蔽板6が配置されている。遮蔽板6はSで示されるように開口しており、この開口部Sを通過した蒸気が高分子フィルム基板1上に付着する。この際、高分子フィルム基板1の受けた熱を効率的に円筒状キャン2に逃がすために電子銃11により電子ビーム12を照射し高分子フィルム基板1を円筒状キャン2の周面に張り付ける。高分子フィルム基板1は薄膜形成後においても強く帯電した状態にあり、そのため走行が不安定になったり、また高分子フィルム基板1を円筒状キャン2の周面から剥離する際に火花放電して高分子フィルム基板1が損傷する場合もある。帯電を除去するためイオン銃14からイオン15を照射する。真空蒸着法により薄膜を形成する際、高分子フィルム1がガス(主に水)を含有していると、蒸発源5からの輻射熱や蒸発原子の凝縮熱等により高分子フィルム基板1からガスが放出され、高分子フィルム基板1と円筒状キャン2の周面との間にガスが放出されると、高分子フィルム基板1に膨れが生じる。そのため高分子フィルム基板1が受けた熱を効率的に円筒状キャン2本体に逃がすことができなくなり、高分子フィルム基板1が熱的ダメージを受けてしまう。また蒸着中に高分子フィルム基板1からガスが放出されると形成された薄膜の特性が劣化する問題があった。これらの問題を解決するために、高分子フィルム基板1の脱ガス処理が行われている。脱ガス処理の方法としては、予め高温円筒状キャンに沿って走行させることにより脱ガス処理を施した高分子フィルム基板1を用いる方法、または高分子フィルム基板1が円筒状キャン2の周面に沿う直前にイオン銃9からのイオン10の衝撃により脱ガス処理を行う工程と蒸着工程を連続して行う方法がある。この際放出されたガスが電子銃11側に回り込むのを防ぐために差圧板13が設けられている。イオン銃9のかわりに、輻射熱により脱ガス処理を行うランプあるいはヒーターを用いる場合もある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、予め高温円筒状キャンに沿って走行させることにより脱ガス処理を行う方法では走行回数が増加することになり高分子フィルム基板に傷が入る可能性が増える。またランプやヒーターを用いる熱輻射方式は加熱効率が悪く、そのため高分子フィルム基板近傍に設置するが、高分子フィルム基板との距離が変位した場合高分子フィルム基板が熱的ダメージを受けることがある。イオン銃を用いる場合は、脱ガス処理とともに表面改質を行うためイオンを高分子フィルム基板の蒸着面に照射するが、脱ガス効果を得るほどの高エネルギーのイオンを蒸着面に照射した場合、エッチング等により基板を劣化させてしまうという問題点を有している。したがって表面改質を主な目的とする場合脱ガス処理の効果は不十分なものとなる。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決するもので、高分子フィルム基板の脱ガス処理、表面改質および帯電除去を連続的に行うことのできる磁気記録媒体の製造方法および製造装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために第一の発明の磁気記録媒体の製造方法は、円筒状キャンの周面に沿って走行しつつある高分子フィルム基板が前記円筒状キャンの周面に沿う以前に、前記高分子フィルム基板の前記円筒状キャンに接触する面にイオン銃からのイオンを照射することを特徴としており、第2の発明の磁気記録媒体の製造装置は、イオン銃前方に電磁石を配設したことを特徴としており、第3の発明の磁気記録媒体の製造方法は、第2の発明の磁気記録媒体の製造装置を用い、円筒状キャンの周面に沿って走行しつつある高分子フィルム基板が前記円筒状キャンの周面に沿う以前に、前記高分子フィルム基板の表面に、かつ、前記高分子フィルム基板が前記円筒状キャンの周面から離れた直後に前記高分子フィルム基板の前記円筒状キャンと接触した面に、電磁石の発生磁界を通過したイオン銃からのイオンを照射することを特徴とする。
【0007】
【作用】本発明の磁気記録媒体の製造装置の概略を図1に示す。図1において、高分子フィルム基板1は円筒状キャン2の周面に沿って矢印Aの方向に走行する。高分子フィルム基板1上に蒸発源5からの蒸発原子が堆積し薄膜が形成される。23はガス導入ノズルである。3および4はそれぞれ高分子フィルム基板1の供給ロールおよび巻き取りロールである。7、8、18a、18b、18c、18d、18eはフリーローラーである。蒸発源5と円筒状キャン2との間には蒸発源5から蒸発する蒸発原子の入射角を規定する遮蔽板6が配置されている。遮蔽板6はSで示されるように開口しており、この開口部Sを通過した蒸気が高分子フィルム基板1上に付着する。この際、高分子フィルム基板1の受けた熱を効率的に円筒状キャン2に逃がすために電子銃11により電子ビーム12を照射し高分子フィルム基板1を円筒状キャン2の周面に張り付ける。13は差圧板である。以上は図4の従来装置とほぼ同様である。本発明の磁気記録媒体の製造装置が従来装置と異なる点は、イオン銃19と、イオン銃16の前方に設置した電磁石17である。まずイオン銃19について説明する。
【0008】イオン銃19はフリーローラー18dとフリーローラー18eの間の高分子フィルム基板1の蒸着面と反対の面(以下、裏面)にイオンを照射するように設置されている。高分子フィルム基板1の裏面は蒸着面に比べてそれほど表面性が要求されないため、高エネルギーのイオンを照射して脱ガス処理することができる。
【0009】次に、イオン銃16と電磁石17について説明する。図2は図1に示した装置を上方からみたイオン銃16、電磁石17a、17bの概略図である。イオン銃16はイオンビームスパッタリング、イオンミリング、基板の前処理等で使用されているものと同様のものである。イオン銃16のグリッド20からはAr、2、H2、O2等の加速されたイオン21が出てくる。尚、一般にはArが用いられる。電磁石17a、17bはイオン銃16の前方に、イオン21の進行方向と直交する磁界22を発生するように設置してある。電荷を持つ粒子は磁界中で円運動を行うので、電磁石の電流の大きさ、向きを変えて、磁界の大きさ、方向を変化させることにより、磁界を通過した後のイオンの進行方向を変化させることができる。磁界が電磁石17bから電磁石17aに向かう方向を正とすると磁界の方向が正の場合Arイオンは装置上方に、磁界の方向が負の場合Arイオンは装置下方に進行を変える。なお、磁界の大きさが0の場合、Arイオンは直進する。
【0010】図3に磁界の時間変化を示す。なお磁界の方向は、図2において磁界が電磁石17bから電磁石17aに向かう方向を正とする。図3における時間OA間に正の磁界HUを発生させるとArイオンは装置上方(図1における矢印U方向)に進行する。時間AB間に負の磁界HDを発生させるとArイオンは装置下方(図1における矢印D方向)に進行する。したがって、図3の磁界の時間変化を繰り返すことにより、図1における矢印U方向、矢印D方向の順にArイオンを繰り返し照射することができる。以下、図1における矢印U方向、矢印D方向に照射されたArイオンの作用について図1を用いて説明する。
【0011】矢印U方向に進行するArイオンはフリーローラー18aとフリーローラー18bの間の高分子フィルム基板1の蒸着面に照射され、主に表面改質を行う。矢印D方向に進行するArイオンは高分子フィルム基板1が円筒状キャン2から剥離する部分に照射され、帯電除去を行う。
【0012】以上のように、高分子フィルム基板の裏面にイオン銃からイオンを照射することにより脱ガス処理ができ、また前方に電磁石を設置したイオン銃により高分子フィルム基板の表面改質および帯電除去が可能となる。
【0013】
【実施例】以下に本発明の実施例について説明する。
【0014】図1に示した本発明の一実施例の磁気記録媒体の製造装置を用いて、コバルト−酸素(Co−O)膜を磁性層として成膜する場合について説明する。円筒状キャン2の直径は1mである。蒸発源5にコバルトを仕込み、70kWの電子ビームによって溶解し、高分子フィルム基板1の走行速度60m/min、ガス導入ノズル23からの導入酸素量毎分1.2リットルで蒸着を行った。このとき装置内の気圧は1.0×104Torrであった。この際にイオン銃16としてはカウフマン型を使用し、イオン銃の加速電圧は−300V、イオン電流密度は0.1mA/cm2、イオン銃への導入ガスはAr(流量は10cc/min)とした。電磁石から発生させる磁界は、図3における磁界HU、HDをそれぞれ1kOe、−1kOeとした。磁界の変化時間は図3における時間OA間、AB間をそれぞれ0.2秒とした。この条件で、図1における矢印U方向、矢印D方向に繰り返しArイオンを照射しながら蒸着を行ったところ、蒸着中に円筒状キャン2上で高分子フィルム基板1に膨れは起こらなかった。また高分子フィルム基板1が円筒状キャン2から離れる際、火花放電等は起こらず、蒸着終了後の高分子フィルム基板1に帯電はみられなかった。なお、イオン銃から照射されたイオンを中和するためのイオン銃のフィラメントからの電子が、電磁石17の磁界によりArイオンと反対方向に進行するため中和が成されないことが懸念されたが、本実施例では特に問題がなかった。フィラメントからの電子は速度が遅いため、磁界が変化してもArイオン照射部付近に残っているためであると考えられる。中和が成されないという問題が起こるときはArイオン照射部付近にフィラメントを設置すれば良い。
【0015】比較例として、イオン銃19からはイオンを照射せず、またイオン銃16については図1における矢印U方向にのみ(つまり図3における磁界HUは1kOe、時間AB間は0秒)Arイオンを照射しながら、実施例とほぼ同様の条件で蒸着を行った。蒸着時間とともに円筒状キャン2上で高分子フィルム基板1から発生したガスのために膨れが見られるようになり、また高分子フィルム基板1が円筒状キャン2から離れる際、火花放電がは起こり蒸着終了後の高分子フィルム基板1は帯電していた。
【0016】以上のように、高分子フィルム基板の裏面にイオン銃からイオンを照射することにより十分な脱ガス処理ができ、またイオン銃の前方に電磁石を設置することにより、一台のイオン銃により高分子フィルム基板の表面改質および帯電除去ができた。
【0017】なお本実施例においては磁界HU、HDをそれぞれ1kOe、−1kOe、時間OA間、AB間をそれぞれ0.2秒としたが、装置の規模に応じて適宜変更すれば良い。また磁界HU、HDを一定としたが、適当な振幅で振動させてArイオンの照射方向をスキャンさせても良い。蒸発源5の材料としてコバルトを用いたが、鉄、ニッケル等金属を用いても良い。あるいはコバルトークロム、コバルトーニッケル等合金であっても良い。また蒸着時にガスを導入しない蒸着法においても本発明が有効であることは言うまでもない。
【0018】
【発明の効果】この構成によって、イオン銃により高分子フィルム基板の表面改質、脱ガス処理および帯電除去が、高分子フィルム基板に劣化、損傷を与えることなく行うことが可能となり、蒸着工程と連続的に行うことによって生産性の向上を図ることが出来る。




 

 


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