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金属薄膜型磁気テープおよびその製造方法 - 松下電器産業株式会社
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発明の名称 金属薄膜型磁気テープおよびその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−110930
公開日 平成7年(1995)4月25日
出願番号 特願平5−254166
出願日 平成5年(1993)10月12日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 村居 幹夫 / 高橋 喜代司 / 小田桐 優 / 桑原 賢次 / 関 博司 / 植田 英之
要約 目的
本発明は高記録密度の金属薄膜型磁気テープに関するものである。特に、硬質炭素膜を保護膜としたテープの長期保存信頼性を飛躍的に向上することと、製造工程を短縮した製法を供給することを目的とする。

構成
バックコート層5に最適な潤滑剤を適量含ませることで、硬質炭素膜2上に常に潤滑剤層1を形成可能とすることで長期保存信頼性を向上する。
特許請求の範囲
【請求項1】非磁性基板の一方の面に強磁性金属薄膜を設け、この金属薄膜上へ硬質炭素膜を形成した金属薄膜型磁気テープにおいて、非磁性基板のもう一方の面に設けたバックコート層中に潤滑剤が含まれることを特徴とする金属薄膜型磁気テープ。
【請求項2】バックコート層中に含まれる潤滑剤の融点が60℃以下であり、かつその潤滑剤の量がバックコート液の固形分に対して重量で0.5%から6.0%であることを特徴とする請求項1記載の金属薄膜型磁気テープ。
【請求項3】バックコート中に含まれる潤滑剤がフッソ原子を含むことを特徴とする請求項2記載の金属薄膜型磁気テープ。
【請求項4】バックコート層中に含まれる潤滑剤は単独あるいはエステル系の低融点成分とカルボン酸系、またはカルボン酸アミン塩系の高融点成分との混合物であることを特徴とする請求項3記載の金属薄膜型磁気テープ。
【請求項5】バックコート層表面のフッソ原子と炭素原子の比(F/C)が0.3以上であることを特徴とする請求項3記載の金属薄膜型磁気テープ。
【請求項6】非磁性基板の一方の面に強磁性金属薄膜を設け、この金属薄膜上へ硬質炭素膜を形成した後、非磁性基板のもう一方の面に潤滑剤を含むバックコート層を設けることで、ロール状に巻き取り後、硬質炭素膜上に潤滑剤層を形成することを特徴とする金属薄膜型磁気テープの製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は強磁性金属薄膜を磁気記録層とする磁気記録媒体に関し、特にデジタルビデオテープレコーダや高精細度ビデオテープレコーダに最適な金属薄膜型磁気テープおよびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】強磁性金属薄膜を磁気記録層とする磁気記録媒体においては、様々な方法により耐食性、スチル耐久性、走行耐久性を向上する試みが続けられてきた。たとえば、強磁性金属薄膜上にカルボン酸系やリン酸系の潤滑剤を設ける方法、さらに強磁性金属薄膜上に非磁性金属の保護膜を設ける方法、またはシリカのような酸化物の保護膜を設ける方法がある。
【0003】さらに最近では、特開昭61ー142525号公報、特開昭61ー208622号公報のようにカーボン系の保護膜を設けたり、特開昭62ー219314号公報、特開昭61ー210518号公報のように硬いカーボン膜であるダイヤモンド状炭素膜を保護膜として用いている。また、特開平2ー137116号公報のように硬いカーボン膜であるダイヤモンド状炭素膜とプラズマ重合膜を保護膜として用いる例もある。強磁性金属薄膜の保護膜として硬いカーボン膜であるダイヤモンド状炭素膜を用いると、金属薄膜型磁気テープのスチル耐久性、走行耐久性が著しく向上したが、ダイヤモンド状炭素膜が不活性なために潤滑剤の配向が悪く、かつ発水性が低いため、高温高湿環境で走行性が悪くなり、ジッターが発生しやすくなっていた。そこで、ダイヤモンド状炭素膜とプラズマ重合膜を保護膜として、発水性はプラズマ重合膜にもたせることも考えられたが、これも潤滑剤が重合膜と反応していないので潤滑剤の大部分がバックコート側に移動し、潤滑剤不足による金属薄膜型磁気テープの耐久性の低下がおこっていた。
【0004】そこで、ダイヤモンド状炭素膜上のプラズマ重合膜に少量の金属を添加して潤滑剤の移動を制御しようとする特開平4−222922号公報、バックコート層表面にフッ素を含んだプラズマ重合膜を形成して潤滑剤の移動を抑えようとする特開平4−49520号公報もある。しかし、これらの方法でも硬いカーボン膜であるダイヤモンド状炭素膜を保護膜とした金属薄膜型磁気テープの長期使用安定性はダイヤモンド状炭素膜上の潤滑剤が徐々にバックコート層側へ移動して行くためもう一段の改良が必要であった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】硬質炭素膜を保護膜とした金属薄膜型磁気テープにおいては、硬質炭素膜上に設けられた各種潤滑剤が硬質炭素膜と反応性がないため、徐々にバックコート層側に移動して行き、最後にバランスが取れたところで移動が止まる。このとき、硬質炭素膜側の表面性が良ければ良いほど硬質炭素膜上に残る潤滑剤量が少なくなることを我々はみいだした。その結果、硬質炭素膜上の潤滑剤が不足し、金属薄膜型磁気テープのスチルライフの低下や目詰まりの増加となる。このことは、表面性の良い高出力の金属薄膜型磁気テープの長期保存後の信頼性に課題が残っていることを示している。
【0006】
【課題を解決するための手段】そこで、硬質炭素膜を保護膜とした表面性が良い、高出力の金属薄膜型磁気テープにおいて、この硬質炭素膜上の潤滑剤とリール状態でいつも接しているバックコート層内に最適な潤滑剤を最適な濃度で添加しておく。その結果、いつもバックコート層表面に適度な潤滑剤の層が形成され、この潤滑剤がある量だけ常に硬質炭素膜上に移動し、これが潤滑剤層としての役割をはたす。この技術によって硬質炭素膜の上に潤滑剤層をいつも形成させることができ、この2層の効果で金属薄膜型磁気テープの長期保存信頼性を確立出来るのである。硬質炭素膜がないとバックコート中に潤滑剤を添加して、磁性膜上に常に潤滑剤層を形成しても、硬く、ヘッドと凝着しないカーボン膜がないため金属薄膜型磁気テープの長期保存信頼性はもちろん初期の信頼性もを確立することがむづかしかった。また、硬質炭素保護膜がなく、磁性層だけの金属薄膜テープは、潤滑剤と磁性金属との間で化学的相互作用が存在するので潤滑剤がバックコート側に移動するという問題は発生しなかった。この発明は硬質炭素膜を設けた金属薄膜型磁気テープにのみ有効である。
【0007】
【作用】バックコート層内に最適な潤滑剤を最適な濃度で添加することにより、初期から長期保存後まで十分な信頼性、たとえば長いスチルライフ、目詰まりしないこと等を硬質炭素膜を保護膜とした金属薄膜型磁気テープに付与する事が出来る。
【0008】また、硬質炭素膜上に潤滑剤層を形成するためのコーテイング工程を省略する事が可能となり、金属薄膜型磁気テープの製造工程を短縮することも可能となる。
【0009】
【実施例】図1(a)および(b)はそれぞれ、バックコート形成直後およびロール状に巻取り後の金属薄膜型磁気テープの断面略図であり、この構成について説明する。
【0010】1は含フッソカルボン酸、含フッソカルボン酸エステルあるいは含フッソカルボン酸アミン塩を主とする潤滑剤層であり、厚みは30Åから50Åである。使用する潤滑剤の融点は60℃以下であり、上記潤滑剤単独あるいは低融点潤滑剤と高融点潤滑剤の混合で使用する。積極的に設けたのではなく、リール状に巻くことでバックコート側から移った結果形成された潤滑剤層である。
【0011】2は硬質炭素膜で、膜のビッカース硬度が約3000と高く、磁気テープのダメージを潤滑剤と共に防いでいる。製法はプラズマCVDが一般的であるが、製法には規定されない。厚みは100Åから200Åが信頼性と出力とのバランス上最適である。
【0012】3は強磁性金属薄膜であり、材料的にはCo−Ni−O,Co−O,Co−Cr等が使用可能である。その厚みは500Åから3000Åが一般的である。
【0013】4は非磁性基板であり、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリアミド、ポリイミド等のフルムが適している。基板の磁性面側表面はSTM分析で100Åから300Åの突起形成処理が施されているものが信頼性と出力を両立するうえで最適である。
【0014】5はバックコート層で、材料的にはポリウレタン、ニトロセルロース、ポリエステルとカーボン、炭酸カルシュウム等と各種潤滑剤を含んでいる。厚みは5000Åである。
【0015】以下製造条件と製造方法も含めて詳しく説明する。500mm幅の非磁性基板であるポリエチレンテレフタレートフイルム表面に、STM分析で高さが100Å、200Å、400Å、800Å、直径がそれぞれ2000Åの突起が1mm2あたり105から109個形成された非磁性基板4上へ、斜方真空蒸着法により酸素を導入しながら、Coー0からなる強磁性金属薄膜3を1800Åの厚みで形成する。
【0016】この強磁性金属薄膜3上にアルゴンガスとメタンガスを1:4の比で混合し、トータルガス圧を0.3Torrに保って、周波数20KHz、電圧1500Vの交流と1000Vの直流を放電管内の電極に重畳印加し、プラズマCVD法により硬質炭素膜2を150Åの厚みで形成する。この膜2のビッカース硬度は約3000であった。また、膜質分析の結果、アモルフアスな炭素膜であった。
【0017】次に、非磁性基板のもう一方の面にガラス転移点の高いポリウレタンとニトロセルロースを1:1に混合し、この中へ平均粒子径が0.1μmのカーボンブラックをバインダー総量に対して重量で20%添加したバックコート液をメチルエチルケトン、トルエン、シクロヘキサノンの混合溶液に溶かしてバックコート層5を5000Åの厚みで設けた。このときのバックコート液の固形分濃度は30%とした。
【0018】これらの硬質炭素膜を設けた金属薄膜型磁気テープ上に含フッソカルボン酸エステル潤滑剤、C613COOC817を乾燥後30Åの厚みで溶媒に溶かしてコーテイング法で設けたサンプルを比較例とし、サンプル1から4として(表1)に示した。
【0019】
【表1】

【0020】次にバックコート層の固形分総量に対してそれぞれ重量で0.1%,0.5%,1.0%,3.0%,5.0%,6.0%,7.0%の含フッソカルボン酸エステル、C613COOC817(融点が10℃前後)をバックコート溶液中に添加し、コーテイング法でバックコート層5を5000Å形成したものをサンプル5から32として(表2)に示した。しかし、これらサンプル5から32には潤滑剤層1は製造時には意図的に設けなかった。しかし、リール状に巻き取った後では硬質炭素膜2上に潤滑剤層1が形成されていることをESCA分析で確認した。
【0021】ESCAによるバックコート層表面のフッソ原子と炭素原子との比(F/C)は、サンプル5からサンプル8で0.1から0.2であり、サンプル9からサンプル12で0.3から0.4の間であった。さらに潤滑剤を加えたサンプル21からサンプル24では、0.7から1.0の間であった。
【0022】
【表2】

【0023】これらサンプル1から32を8mm幅に裁断して、8mmVTRで初期のスチルライフを調べた。また、長期保存信頼性に対応するものとして、50℃−90%環境へ7日間放置した後、同様に8mmVTRで保存後のスチルライフを調べた。さらに、保存後のサンプルは8mmVTRによって室温で目詰まり試験も行った。これらの結果もまとめて(表1)、(表2)に示した。
【0024】スチルライフは出力が初期から3dB低下するまでの時間を分単位で表示し、時間が長いほどテープの信頼性が高いことを示している。目詰まりは100時間再生時に出力の得られなかった時間(単位は秒)の合計で示し、こちらは短いほど信頼性が高いことを示している。
【0025】(表1)、(表2)の結果からサンプル9から32のようにバックコート層中の潤滑剤の重量濃度が0.5%から6.0%であれば、比較例1から4と比べて保存後のスチルライフも長く、保存後の目詰まりも少ないことがわかる。とくに、バックコート層中の潤滑剤の重量濃度が1.0%から5.0%の範囲が最適で、この範囲ではベースフイルムの表面粗さが100Åから200Åと高出力であるサンプル13、14、17、18、21、22は比較例1、2、と比べて保存後のスチルライフと目詰まりが飛躍的に改善されている。
【0026】次に、ベースフイルムの表面粗さが200Åのサンプルのバックコート層に各種潤滑剤をバックコートの固形分濃に対して重量で3.0%添加して潤滑剤の融点が金属薄膜型磁気テープの信頼性にどのような影響を与えるのか調べた。含フッソカルボン酸エステル類は融点が低くほとんどすべてのものが60℃以下であった。サンプル18以外に融点が0℃前後のC1835COOC817を使用したものをサンプル33、融点が20℃前後のC1837COOC817を使用したものをサンプル34とした。
【0027】含フッソカルボン酸、含フッソカルボン酸アミン塩は融点が高いものが多く、融点が50℃前後のC65CH2CH=CH(CH214COOHをしようしたものをサンプル35とし、融点が55℃前後のC1633CH−COOH(OCOC817)を使用したものをサンプル36とした。また、融点が65℃前後のC511(CH28COOHを使用したものをサンプル37とした。さらに、融点が110℃前後のC919O(CH220COOHを使用したものをサンプル38とした。また、融点が30℃前後のカルボン酸アミン塩、C1835COONH3CH3を使用したものをサンプル39とした。
【0028】これらサンプル33から39までの初期と50C−90%環境、7日放置後のスチルライフと目詰まり試験を行った。その結果を(表3)に示した。
【0029】
【表3】

【0030】(表3)の融点が60℃以上のサンプル37、38とその他のサンプルとの比較から、融点60℃以下の潤滑剤をバックコート層に適量添加すれば保存後のスチルライフと目詰まりが飛躍的に改善されることがわかった。カルボン酸で確認された融点の効果はカルボン酸アミン塩でも同様であった。
【0031】高融点潤滑剤と低融点潤滑剤の混合効果を調べるために低融点の含フッソカルボン酸エステルと高融点の含フッソカルボン酸、含フッソカルボン酸アミン塩を混合して調べた。ベースフイルムの表面粗さは200Å、潤滑剤はバックコート固形分に対して重量で2.0%添加した。その割合は低融点潤滑剤と高融点潤滑剤を等量混合して使用した。含フッソカルボン酸アミン塩、C1835COONH3CH3と含フッソカルボン酸エステル、C1837COOC817を使用したものをサンプル40とし、含フッソカルボン酸、C65CH2CH=CH(CH24COOHと含フッソカルボン酸エステル、C1835COOC817を使用したものをサンプル41とし、含フッソカルボン酸、C919(CH220COOHと含フッソカルボン酸エステル、C613COOC817を使用したものをサンプル42とした。
【0032】これらのサンプルの信頼性試験結果を(表4)に示した。
【0033】
【表4】

【0034】(表4)においても融点が60℃以下の潤滑剤を混合使用したサンプル40、41は融点が60℃以上の潤滑剤を用いたサンプル42よりも保存後のスチルライフと目詰まり特性が良く、比較例であるサンプル2よりも保存後の信頼性が飛躍的に向上した。
【0035】なお、以上の実施例はバックコート層中に潤滑剤が含まれる場合だけを説明したが、潤滑剤層をコーテイングで設けた後、同様の処理を施すことで信頼性がさらに向上することも確認した。また、バックコート層からの潤滑剤の移動を加速するために40℃から60℃の環境でアニールしても同様の効果が得られた。
【0036】
【発明の効果】以上のように本発明は硬質炭素膜を保護膜とした金属薄膜型磁気テープのバックコート層に最適な潤滑剤を最適な量含ませることで、ロール状に巻き取り後、硬質炭素膜上に潤滑剤層が形成でき、カセットでの長期保存後も潤滑剤を含んだバックコート層から硬質炭素膜上に潤滑剤の供給がなされるため、硬質炭素膜を保護膜とした金属薄膜型磁気テープの信頼性を飛躍的に改善することが可能となる。また、コーテイングによって潤滑剤層を設ける工程をなくすことも可能となり製造工程の短縮がはかられた。




 

 


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