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発明の名称 周波数シフトキーイング・データ復調器
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−107126
公開日 平成7年(1995)4月21日
出願番号 特願平5−246620
出願日 平成5年(1993)10月1日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 吉村 康男 / 堀池 良雄 / 長谷川 誠 / 三村 政博
要約 目的
局部発振、キャリア間の周波数ずれに対する許容性が高く、かつ集積回路での構成に適した直接変換受信器にし、小型化、低消費電力化を図る。

構成
変調信号の直接変換によって得られたI、Q信号についてそれぞれ微分を行う第1、第2の電圧変化検出手段10、14が設けられ、またそれぞれの電圧変化信号とI信号、またはQ信号とを乗算する第1、第2の乗算手段12、16が設けられている。さらに、切換信号発生手段22からの切換信号によって、第1、第2の乗算手段12、16からの出力信号を切り換えて出力する切換手段18が設けられている。
特許請求の範囲
【請求項1】互いに位相が直交し、かつ周波数偏移変調である信号の搬送波周波数からの周波数偏移の上下により、互いの位相関係が相対的に反転する第1、第2のベースバンド信号に対し、前記第1のベースバンド信号を入力して信号電圧の増減を検出し第1の電圧変化信号を出力する第1の電圧変化検出手段と、前記第1の電圧変化信号と前記第2のベースバンド信号とを乗算する第1の乗算手段と、前記第2のベースバンド信号を入力して信号電圧の増減を検出し第2の電圧変化信号を出力する第2の電圧変化検出手段と、前記第2の電圧変化信号と前記第1のベースバンド信号とを入力して乗算する第2の乗算手段と、前記第1のベースバンド信号と前記第2のベースバンド信号とを入力して振幅を比較し切換信号を出力する切換信号発生手段と、前記切換信号に応じて前記第1の乗算手段の出力信号と前記第2の乗算手段の出力信号とを切り換えて出力する切換手段と、前記切換手段の出力信号を用いてデータ復調を行う復調手段とを備えた周波数シフトキーイング・データ復調器。
【請求項2】互いに位相が直交し、かつ周波数偏移変調である信号の搬送波周波数からの周波数偏移の上下により、互いの位相関係が相対的に反転する第1、第2のベースバンド信号に対し、前記第1のベースバンド信号と前記第2のベースバンド信号とを入力して振幅を比較し切換信号を出力する切換信号発生手段と、前記第1のベースバンド信号を入力して信号電圧の増減を検出し第1の電圧変化信号を出力する第1の電圧変化検出手段と、前記切換信号に応じて前記第1のベースバンド信号と前記第1の電圧変化信号とを切り換えて出力する第1の切換手段と、前記第2のベースバンド信号を入力して信号電圧の増減を検出し第2の電圧変化信号を出力する第2の電圧変化検出手段と、前記切換信号に応じて、前記第2のベースバンド信号と前記第2の電圧変化信号とを切り換えて出力する第2の切換手段と、前記第1の切換手段からの出力信号と前記第2の切換手段からの出力信号とを入力して乗算する乗算手段と、前記乗算手段の出力信号を用いてデータ復調を行う復調手段とを備えた周波数シフトキーイング・データ復調器。
【請求項3】切換信号発生手段は、第1のベースバンド信号の信号電圧の2乗と第2のベースバンド信号の信号電圧の2乗とを比較し切換信号を出力する請求項1または2記載の周波数シフトキーイング・データ復調器。
【請求項4】互いに位相が直交し、かつ周波数偏移変調である信号の搬送波周波数からの周波数偏移の上下により、互いの位相関係が相対的に反転する第1、第2のベースバンド信号に対し、前記第1のベースバンド信号を入力して、Δt遅延させたときの電圧変化量から信号電圧の増減を検出する電圧変化検出手段と、第2のベースバンド信号を入力して(Δt/2)遅延させる遅延手段と、前記電圧変化検出手段の出力信号と前記遅延手段の出力信号とを乗算する乗算手段と、前記乗算手段の出力信号を用いてデータ復調を行う復調手段とを備えた周波数シフトキーイング・データ復調器。
【請求項5】互いに位相が直交し、かつ周波数偏移変調である信号の搬送波周波数からの周波数編移の上下により、互いの位相関係が相対的に反転する第1、第2のベースバンド信号に対し、第1のベースバンド信号を入力して(Δt/2)遅延させる第1の遅延手段と、前記第1の遅延手段の出力信号を入力して、(Δt/2)遅延させる第2の遅延手段と、第1のベースバンド信号と前記第2の遅延手段の出力信号の電圧変化量から信号電圧の増減を検出する第1の減算手段と、第2のベースバンド信号を入力して(Δt/2)遅延させる第3の遅延手段と、前記第3の遅延手段の出力信号を入力して、(Δt/2)遅延させる第4の遅延手段と、第2のベースバンド信号と前記第4の遅延手段の出力信号の電圧変化量から信号電圧の増減を検出する第2の減算手段と、前記第1もしくは第2の電圧変化検出手段の出力信号と前記第3もしくは第1の遅延手段の出力信号とを乗算する乗算手段と、前記乗算手段の出力信号を用いてデータ復調を行う復調手段とを、備えた周波数シフトキーイング・データ復調器。
【請求項6】Δtは1ビット長の1/2以下とする請求項4または5記載の周波数シフトキーイング・データ復調器。
【請求項7】外部からの信号によってΔtを可変とする構成とした請求項4、5または6記載の周波数シフトキーイング・データ復調器。
【請求項8】Δtの異なる遅延手段を複数備え、前記遅延手段からの出力信号を選択することによってΔtを可変とする構成とした請求項7記載の周波数シフトキーイング・データ復調器。
【請求項9】電圧変化検出手段にアナログ/ディジタル変換手段を用い、ディジタル演算処理によってΔtを可変とする構成とした請求項7記載の周波数シフトキーイング・データ復調器。
【請求項10】第1、第2のベースバンド信号は、受信信号と局部発振器からの出力信号との周波数の差の信号であり、復調手段からの出力信号で前記局部発振器手段からの出力信号の周波数を前記受信信号の搬送波周波数と等しくなる方向に制御する周波数補正手段とを備えた請求項1、2、3、4、5、6、7、8または9記載の周波数シフトキーイング・データ復調器。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として無線通信の直接変換受信機に適用される周波数シフトキーイング・データ復調器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】最近、無線通信において、周波数偏移変調(FSK:Frequency Sift Keying;周波数シフトキーイング)信号を用いた直接変換受信器が、集積回路化に適した構成として検討されている。
【0003】例えば、特開昭58−19038号公報に記載されている構成が知られている。以下、図11を参照して従来のFSKデータ復調器について簡単に説明する。
【0004】図11において、入力60に加えられたFSK受信信号は、ミキサ61に供給されると同時に、90度移相器62を通してミキサ63に供給され、それぞれ局部発振器64の信号と混合することによりダウンコンバートし、ベースバンド信号のみを通過する低域通過フィルタ65、66を通し、I信号67とQ信号68を得る。I信号67は、振幅制限増幅器69によりディジタル信号70とし、Q信号68は90度移相器71により移相した後、振幅制限増幅器72によりディジタル信号73とする。そして、ディジタル信号70、73を入力とする論理演算回路74で、データの復号を行う。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、伝送データのシンボルレートが周波数偏移と同等もしくはそれよりも高くなるような高速データ通信の場合、従来の技術の項に記載した受信機の正確な復調には、低域周波数から変調周波数偏移とシンボルレートとの和のオーダーの周波数まで移相する必要があるので、非常に広帯域の90度移相器が要求される。一般的に、低域周波数から移相可能な90度移相器は、構成回路に大きなコンデンサを使用する必要があるため、集積化が困難で、低消費電力化や、小型化への障害となる。直接変換受信機の構成を採る主な理由として、回路構成が簡単になるため回路の集積化が容易であることがあげられるが、上記課題点は、その目的と相反するものである。
【0006】また、従来の構成による実際の受信機では、前述のような高速変調信号を受信する場合、移相すべき信号に不連続点が多く含まれるため、90度移相器による移相が完全に行われず、復調が困難になるという課題を有していた。
【0007】本発明は上記課題を解決するもので、伝送データのシンボルレートが周波数偏移よりも高くなるような高速データ通信にも対応可能で、集積回路化に向いた簡潔な回路構成の、直接変換受信機に適応したFSKデータ復調器の実現を目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため、本発明は、変調信号の直接変換によって得られたI、Q信号についてそれぞれ電圧の増減の有無を検出する第1、第2の電圧変化検出手段と、それぞれの電圧変化信号とI信号、またはQ信号とを乗算する第1、第2の乗算手段と、I信号とQ信号とを比較して切換信号を出力する切換信号発生手段と、切換信号によって第1、第2の乗算手段からの出力信号を切り換えて出力する切換手段とから構成される。
【0009】
【作用】第1の乗算手段によって、I信号の電圧変化信号とQ信号からの複号結果を得る。第2の乗算手段によって、Q信号の電圧変化信号とI信号との複号結果を得る。切換手段により、I信号とQ信号とを比較した大小に応じて、これらの複号結果を切り換える。
【0010】
【実施例】以下、図1〜図4を参照しながら本発明の第1の実施例について説明する。図1は、本発明のデータ復調器を適用した受信機の主要部である、図1において、1aはアンテナ、1bは増幅器、1は受信したFSK変調信号、2は局部発振器、3は局部発振器2の信号を移相する90度移相器、4は変調信号1を局部発振器2の信号と混合する第1の混合器、5は変調信号1を90度移相器3の出力信号と混合する第2の混合器、6、7は混合器4、5の出力信号からベースバンドI、Q信号を得る第1、第2の低域通過フィルタである。
【0011】なお、第1の混合器4には変調信号1と、局部発振器2の出力信号を供給し、混合器4の出力を第1の低域通過フィルタを通し、第1のベースバンド信号として、I信号8を得る。第2の混合器5には変調信号1と、局部発振器2の出力信号を90度移相器3により移相した信号を供給し、混合器5の出力を第2の低減通過フィルタを通し、第2のベースバンド信号として、Q信号9を得る。10は第1の電圧変化検出回路で、I信号8を入力とし、電圧変化判定結果として電圧変化信号11を出力する。12は第1の乗算回路で、電圧変化信号11とQ信号9とを入力して、乗算結果として信号13を出力する。14は第2の電圧変化検出回路で、Q信号9を入力とし、電圧判定結果として電圧変化信号15を出力する。16は第2の乗算回路で、電圧変化信号15とI信号8とを入力して、乗算結果として信号17を出力する。22はI信号8とQ信号9と入力して振幅を比較し切換信号23を出力する切換信号発生手段である。切換回路18は、切換信号23に応じて出力信号13と出力信号17とを切り換えて信号19を出力する。20は復調手段で、信号19を入力して復調信号21を出力する。
【0012】以上の回路構成による信号処理の詳細を説明する。前記の受信した変調信号1をR(t)とし、以下の(数1)で定義する。
【0013】
【数1】

【0014】但し、(数1)において、Aは受信波の振幅、ωcは搬送波周波数、ωdは周波数偏移、D(t)は時刻tにおける送信データをあらわす関数である。
【0015】また前記局部発振器2の出力をL(t)とし、下記(数2)で定義する。
【0016】
【数2】

【0017】但し、(数2)において、Δωは搬送波、局部発振器間の周波数差、φはt=0における受信信号と、局部発振器出力間の位相差である。
【0018】すると、I信号8、Q信号9として以下の(数3)に示す、I(t)、Q(t)を得る。
【0019】
【数3】

【0020】今、簡単にするために、搬送波、局部発振器間の周波数差、Δω=0、受信信号と、局部発振器出力間の位相差、φ=0とする。この設定は、受信時における理想的な状況を示すもので、復調器の動作本質の説明になんら影響がないものである。
【0021】本実施例では、I信号の位相象限を信号の電圧変化方向の検出により判定し、判定した位相象限と、Q信号の電圧符号の関係により、送信信号のマーク、スペースを判定し複号を行う。I信号の各象限と、各々の象限における信号の電圧変化と、その90度位相がずれた信号の電圧状態を(表1)に示す。
【0022】
【表1】

【0023】従って、(1)I信号の位相象限が0〜πの場合、I信号の電圧変化の方向は負となる。このとき、Q信号の電圧が正であればマーク、負であればスペースと判定できる。
【0024】(2)I信号の位相象限がπ〜2πの場合、I信号の電圧変化の方向は正となる。このとき、Q信号の電圧が負であればマーク、正であればスペースと判定できる。
【0025】すなわち、I信号8の増減方向を電圧変化検出回路10で検出し、出力信号である電圧変化信号11とQ信号9とを乗算し、その結果が正であればスペース、負であればマークと判定する。
【0026】また、Q信号の位相象限を信号の電圧変化方向の検出により判定し、判定した位相象限と、I信号の電圧符号の関係により、送信信号のマーク、スペースを判定し復号を行うことも可能である。Q信号9の増減方向を電圧変化検出回路14で検出し、出力信号である電圧変化信号15とI信号8とを乗算し、その結果が負であればスペース、正であればマークと判定する。
【0027】従って、I信号の位相象限とQ信号の電圧から得た複号結果と、Q信号の位相象限とI信号の電圧から得た復号結果の2つを有効に用いることにより、それぞれの過程において生じた、同相の雑音を相殺する効果が得られる。また、信号処理の冗長性から、復号結果の信頼性を上げることができる。
【0028】その動作原理を説明する。図1において、乗算回路12、16の代わりにXOR回路を用いてディジタル処理とすることが可能である。XOR回路の入力を二値化する必要があるが、XOR回路はアナログ乗算回路に比べてIC化が容易となる。図2に示すようにI信号8(図中a)とQ信号9(図中b)との振幅を比較して切換信号23(図中c)を得る。I信号8>Q信号9のときにI信号8は変曲点(たとえば図中t1)のときに、第1の電圧変化検出回路10にてノイズの影響を受け易い。また同時にQ信号もゼロクロス点となり、このときノイズの影響を受け易い。したがってこのようなI信号8>Q信号9のときには、第1の乗算(XOR回路)12の出力信号13はノイズの影響を受け易く(図中e)、第2の乗算回路(XOR回路)16の出力信号17(図中d)を復調に用いる。I信号8>Q信号9のときには切換信号23がHighとなり、切換回路18は第2の乗算回路(XOR回路)16の出力信号17(図中d)を復調手段20に出力する(図中f)。I信号8<Q信号9のときは切換信号23がLowとなり切換回路24は第1の乗算回路(XOR回路)12の出力信号13を復調手段20に出力する。このように切換信号発生手段22と切換回路18によってノイズの影響を受けにくい方を選択し、復調結果の信頼性を上げることができる。また、変調信号1の搬送波周波数と局部発振器2の出力信号の周波数とがずれてくると、I信号8、Q信号9の周期が共に変化する。このようなときにも、I信号8とQ信号9との振幅を比較して切換信号23を得るため周期の変化に対応でき有効である。
【0029】次に、図3を用いて切換信号発生手段22の構成について説明する。図3において、41はQ信号9を反転して出力する信号反転器、42はI信号8とQ信号9とを比較する第1の比較回路、43はI信号8と信号反転器41の出力信号を比較する第2の比較回路、44は第1の比較回路42の出力信号と第2の比較回路43との出力信号とのXORを演算して切換信号23を出力するXOR回路で構成される。第1の比較回路でI信号8とQ信号9とを大きさを比較した結果と、第2の比較回路でI信号8とQ信号9の反転信号とを大きさを比較した結果が、共にI信号8の方が大きいときおよび小さいときに切換信号23はHighとなる。これはI信号8とQ信号9とで振幅を比較し、I信号8の方が大きいときである。信号反転器41は演算素子で、比較回路42、43はコンパレータでそれぞれ容易に実現できる。あるいは、I信号の信号電圧の絶対値とQ信号の信号電圧の絶対値とを比較したり、図4のようにI信号の信号電圧の2乗をミキサー51aで、Q信号の信号電圧の2乗をミキサー51bで演算し、これを比較回路52で比較し切換信号を出力する構成としても同様の効果が得られる。
【0030】次に、図5を用いて切換回路24の構成について説明する。図5において、45は切換信号23を反転して出力するNOT回路、46は乗算信号13と切換信号23とのNANDを演算して信号49を出力する第1のNAND回路、47は乗算信号17とNOT回路45の出力信号とのNANDを演算して出力する第3のNAND回路である。切換回路24は、切換信号23によって出力信号を切り換え、切換信号23がHighであれば乗算信号13を、Lowであれば乗算信号17を出力する。なお、これと同じ構成でなくても、同一動作を行うものであればよい。
【0031】さらに、IC化を容易にするため、乗算回路を1個とした回路構成が考えられる。図6を参照しながら本発明の第2の実施例について説明する。図6に示すように、切換回路を2個用意して第1の切換回路18a、第2の切換回路18bとする。第1の切換回路18aは切換信号23に応じてI信号8とその電圧変化信号11とを切り換える。第2の切換回路18bは切換信号23に応じてQ信号9とその電圧変化信号15とを切り換える。切換信号23がHighのときは、第1の切換回路18aからI信号の電圧変化信号11が、第2の切換回路18bからQ信号9が出力される。この2信号を乗算回路12で乗算し、復調手段20へ乗算信号を出力する。切換信号23がLowのときは、第1の切換回路18aからI信号8が、第2の切換回路18bからQ信号の電圧変化信号15が出力される。この2信号を乗算回路12で乗算し、復調手段20へ乗算信号を出力する。乗算回路が1個減るため低消費電力化が図れる。
【0032】次に電圧変化検出回路の構成について説明する。図7において31は遅延回路、32は減算回路である。遅延回路31は入力信号であるI信号8を一定量Δt遅らせる。減算回路32は、I信号8と遅延回路31の出力信号とを比較して信号差ΔVの符号を判定、電圧変化信号11を出力する。
【0033】ここで、電圧変化信号11はI信号8と比べて(Δt/2)時間遅延し、第1の乗算回路12において電圧変化信号11とQ信号9との間に時間ずれが生じる。この時間ずれは復調誤りとなるため、従来Δtは微小量とされていた。また、Δtが微小であるため、電圧変化検出回路10内の減算回路32においてΔVがノイズの影響を受け易かった。そこで本発明ではΔtが大きいときでも電圧変化信号11とQ信号9との間の時間のずれが問題とならないようにした。その結果、Δtを大きくすることによって耐ノイズ性が向上する。図8に示すように遅延回路31を挿入することによってI信号8、Q信号9を(Δt/2)遅延させた。また、図1のように2つの復号結果を用いる構成であれば、図9に示す構成がより実用的である。第1の電圧変化検出回路10内で遅延回路31a、31bの二段構成として(Δt/2)ずつ遅延させ、(Δt/2)時間遅延した信号8aをNAND回路16に入力する。第2の電圧検出分回路についてもΔtを同じ値とする。Δtを大きくすることによってΔVが大きくなり、I信号8に大きなノイズ成分が含まれるときでも電圧変化信号11を得ることが可能となる。Δtが変調周波数の1/2周期であるとき、ΔVが最大となりS/N特性が最も優れる。しかしその一方でΔt遅延させることによって復調誤り(最大Δt)が発生し、Δtを単に大きくすれば良いわけではない。そこで、復調手段20内にローパスフィルタを備え、このフィルタによって誤り補正可能である最大時間長をΔtとすることが考えられる。ローパスフィルタとしてロールフィルタを用いた場合、この最大時間長は1ビット長の1/2である。しかし実際にはノイズによっても復調誤りが発生するので、Δtは1ビット長の1/2以下でなければならない。これらを考慮して、第1の電圧変化検出回路10と第2の電圧変化検出回路14とを共にΔt=1ビット長の1/4程度とするのがよい。
【0034】さらに、ノイズレベルなどの信号によってΔtを変化させ、耐ノイズ性と復調誤りとのバランスを調整する構成が考えられる。たとえば電圧変化検出回路を図10のように構成する。Δtの異なる遅延回路系33を複数用意し、選択回路34によってΔtを選択する。選択回路34にはノイズレベルを入力してノイズの大きさに応じてΔtを調整したり、伝送速度が変化する場合にはその伝送速度に応じてΔtを変化させる。また、遅延回路については、可変抵抗や可変容量を用いてΔtを変化させてもよい。
【0035】なお、電圧変化検出回路を、アナログ/ディジタル変換手段を用いてマイクロコンピュータで数値比較して電圧変化信号を出力してもよい。マイクロコンピュータでの演算処理によってノイズ除去処理を行うことが可能となる。たとえば、Δtの時間内に変化するΔVの最大値を見積ることができる。数値比較した値がこの最大値を越えたときはこれをノイズの影響を判断し取り除く。これはΔtを大きくしなくても、ノイズに強い正確な電圧変化検出を行うことができる。加えて、そのときのノイズの大きさなどによってΔtを調整することも数値比較なので容易となる。
【0036】最後に、変調信号1の搬送波周波数と局部発振器2の出力信号の周波数とがずれに対して、より復号結果の信頼性をあげるため、復調手段20の出力信号の直流電圧を周波数補正手段で検出し、この直流電圧がある基準値になるように局部発振器2の出力信号の周波数を制御すれば効果的である。基準値は周波数ずれがないときの復調手段20からの出力信号の直流電圧とする。周波数補正手段は抵抗とコンデンサーより構成されるローパスフィルタを用い、このローパスフィルタの出力で局部発振器2の出力信号の周波数を制御する。あるいは、復調手段20の出力信号の直流電圧をアナログ/ディジタル変換した後マイクロコンピュータ処理によって、局部発振器2の出力信号の周波数を制御する直流電圧を制御する。
【0037】
【発明の効果】以上の説明から明かのように本発明の周波数シフトキーイング・データ復調器によれば次の効果が得られる。
【0038】(1)2系統の復号経路からの出力を有効に用いることにより、それぞれの過程において生じた、同相の雑音を相殺する効果が得られる。また、信号処理の冗長性から、復号結果の信頼性を上げることができる。さらに、IC化を容易にするため、乗算回路を1個とすることができる。
【0039】(2)電圧変化検出過程における遅延量Δtに関して、ノイズの影響を受けにくく、かつ復調誤りの少ない値をとることができる。また、Δtを可変として受信状況に応じてこれを調整することができる。
【0040】(3)変調信号の搬送波周波数と局部発振器の出力信号の周波数とがずれたときに、これを検出して局部発振器の出力信号の周波数を搬送波周波数に合わせ周波数ずれによる影響を取り除くことができる。




 

 


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