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発明の名称 スピンドルモータ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−98928
公開日 平成7年(1995)4月11日
出願番号 特願平5−244547
出願日 平成5年(1993)9月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 脇谷 明彦 / 森反 憲重
要約 目的
OA分野のHDD機器のディスク回転駆動に使用される磁気ディスクの読み書きに支障をきたさない小型のスピンドルモータを提供する。

構成
磁気ディスクを搭載し回転するハブ1と、このハブを回転可能に支承する2つのボールベアリング2、これらのボールベアリングを支持する固定シャフト3を有し、ハブと固定シャフトは異なる熱膨張係数を有する部材からなり、ハブに、内径側に開口部を有する座ぐり部12と外側に開口する座ぐり部14を設けることにより、ボールベアリングの温度変化による予圧荷重を一定にすることができ、磁気ディスクの読み書きに支障をきたさないスピンドルモータが得られる。
特許請求の範囲
【請求項1】 磁気ディスクを搭載し回転する円筒状ハブと、前記ハブを回転可能に支承する2つのボールベアリングと、前記ボールベアリングを支持する固定シャフトとを有するスピンドルモータにおいて、前記磁気ディスクの搭載側ボールベアリングの外周部とこのボールベアリング外周部に対応するハブ外周部との間にハブ内径側に開口する座ぐり部を設けたことを特徴とするスピンドルモータ。
【請求項2】 前記磁気ディスクの搭載側ボールベアリングの外周部とこのボールベアリングを保持するハブの保持部との間に、前記ハブの外側に開口する座ぐり部を設けたことを特徴とする請求項1記載のスピンドルモータ。
【請求項3】 磁気ディスクを搭載し回転するハブと、前記ハブを回転可能に支承する2つのボールベアリングと、前記ボールベアリングを支持し中空円筒状部を有する固定シャフトと、前記固定シャフトの中空部内面において固定されている補強板と、前記補強板に固定されている印刷配線基板とを備えたスピンドルモータ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、主として磁気ディスク駆動装置に使用されるスピンドルモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、OA分野のHDD機器は高密度化が進展しており、その中でディスクを回転駆動するスピンドルモータ(以下、モータと略称する)も同時に極めて安定な回転精度を要求され、そのレベルは年々厳しくなっている。
【0003】以下、従来のモータの構成について図3を参照しながら説明する。図に示すように、ハブ1を回転可能にするボールベアリング2を2個有し、そのボールベアリング2は固定シャフト3aにより支えられている。ハブ1の内面には固定シャフト3aに対向するようにヨーク4が設置され、さらにヨーク4の内面にマグネット5が設置されている。固定シャフト3aはステータコア6を支え、ホール素子7は回転ハブ1の位置を検出している。ハブ1の両端部には磁性流体シール8を2個有し、一方は磁性流体ホルダー9により支えられている。そして補強板10aは固定シャフト3a外面に設置され、補強板10aは印刷配線基板11を支えており、モータはディスクエンクロージャー13にクランプされることにより支持されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
(1)このような従来のモータでは、ハブ1と固定シャフト3aの部材が異なり熱膨張係数が異なるので、ハブ1と固定シャフト3aを連結しているボールベアリング2が温度により変形してボールベアリング2に作用する予圧を一定にすることができず、磁気ディスクの支持剛性が変化して読み書きが正常にできなくなるおそれがあった。
【0005】(2)また、固定シャフト3aと補強板10aの接合部に段差を生じるため、印刷配線基板11とディスクエンクロージャー13との寸法Lを小さくすることができず、小さくしようとすると補強板10aと固定シャフト3aの接合部分の長さが十分確保できないために、接合部分の強度の信頼性に欠けるという問題点があった。
【0006】本発明は上記問題点を解決するもので、ボールベアリング2に作用する予圧を一定にしてハブ1の支持剛性変化を防ぎ、磁気ディスクの読み書きに支障をきたさない小型で信頼性の高いモータを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために本発明のスピンドルモータは、磁気ディスク搭載側ボールベアリングの外周部とこのボールベアリング外周部に対応するハブ外周部との間にハブ内径側に開口する座ぐり部を、またこのボールベアリングの外周部とこのボールベアリングを保持するハブ保持部との間に座ぐり部を設けた構成、さらに固定シャフトの中空円筒状部内面に、補強板との接合部を設けた構成を有している。
【0008】
【作用】この構成によれば、異なる材質からなるハブと固定シャフトの熱膨張係数の違いにより生じるハブのボールベアリング支持剛性変化を、ハブの肉厚の薄いベアリング保持部の変形に転移させることにより相対的になくし、ボールベアリングに作用する予圧荷重を一定にし、その結果として磁気電ディスクへの読み書きが正常に行われることとなる。
【0009】また、固定シャフトの内面に補強板との接合部を設けることにより、固定シャフトの外面に補強板との段差がなくなり、その結果としてディスクエンクロージャーに対して補強板の接合部分である円筒状部の影響がなくなり、印刷配線基板とディスクエンクロージャーとの寸法Lを小さくすることができる。
【0010】さらに、補強板の接合部分である円筒状部分は固定シャフトの内側にあるためにディスクエンクロージャーの影響を受けることがなく、このために補強板の接合部分である円筒状部分を長くすることが可能になり、固定シャフトと補強板との接合強度を増すことができる。
【0011】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の一実施例について図1を参照しながら説明する。
【0012】図に示すように、2つのボールベアリング2により回転可能に支承されているハブ1は材質がアルミニウムからなっており、磁気ディスク搭載側ボールベアリング2の外周部とこの外周部に対応するハブ1の外周部との間に肉厚の薄い部分を有する構造をもつ座ぐり部12が、またボールベアリング2の外周部とハブ1のボールベアリング保持部の一部分との間に設けた座ぐり部14がそれぞれ設けられている。ハブ1の内面には、もう一方のボールベアリング2を支持するヨーク4とさらにその内面にマグネット5が設置されている。
【0013】材質が鉄からなる固定シャフト3aはステータコア6とホール素子7を支えている。ハブ1の端部には磁性流体シール8および磁性流体ホルダー9を有している。10aは補強板、11は印刷配線基板、13はディスクエンクロージャーである。
【0014】本実施例によるモータの予圧荷重の特性と従来のモータの予圧荷重は、その温度に対する特徴を図4に比較して示している。この図4は常温(23度)においてボールベアリング2に作用する予圧荷重を基準値に取り、この予圧荷重の温度に対する変化を予圧荷重の基準値に対する比により示している。
【0015】この図4から明らかなように、本実施例によるボールベアリング2に作用する予圧荷重は、温度変化に対して安定している点で優れた効果が得られる。
【0016】以上のように本実施例によれば、ボールベアリング2により支承されているハブ1の支持部に座ぐり部12を設け、またボールベアリング2とボールベアリング保持部との間に座ぐり部14を設けることにより肉厚の薄い部分を有する構造をもつベアリング保持部を設け、ボールベアリング2に作用する予圧荷重を温度変化に対して一定にして温度変化によるハブ1の変位を防ぎ、使用される温度範囲全域において磁気ディスクの読み書きに支障をきたさないモータを提供することができる。
【0017】(実施例2)以下本発明の第2の実施例について、図面を参照しながら説明する。
【0018】図2において図1の構成と異なるのは、図1における固定シャフト3aと補強板11aの接合部を固定シャフト3bの中空円筒状部内面において補強板10bを支持した点である。
【0019】以上のように、固定シャフト3bの中空円筒状部内面に補強板10bとの接合部を設けることにより、固定シャフト3bの外面に補強板10bとの段差がなくなり、印刷配線基板11とディスクエンクロージャー13の寸法Lを小さくすることができる。また、補強板10bと固定シャフト3bの接合部分の長さを十分確保できるために接合部分の強度を増すことが可能になり、接合強度の信頼性を上げることができる。
【0020】なお、第1の実施例において固定シャフト3aの材質を鉄、ハブ1の材質をアルミニウムとし異なる材質からなるものとしたが、固定シャフト3aとハブ1は熱膨張係数の異なる同じ材質からなるものとしても良い。また、固定シャフト3aとハブ1の材質は前記の2つの材質に限定せず、熱膨張係数の異なるあらゆる材質に対して適用できるものである。
【0021】
【発明の効果】以上の実施例からも明らかなように本発明は、ハブに座ぐり部を設けてボールベアリングに作用する予圧荷重を温度変化に対して安定させており、また固定シャフトの中空円筒状部内面に補強板との接合部を設けることにより長さ寸法が小さく、磁気ディスクへの読み書きが正常に行われるモータを提供できる。




 

 


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