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発明の名称 磁気記録再生装置およびドラムの製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−98906
公開日 平成7年(1995)4月11日
出願番号 特願平6−180000
出願日 平成6年(1994)8月1日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 長谷川 賢治 / 溝尾 嘉章 / 養田 広
要約 目的
従来より低いテープ速度領域においてテープを浮上させることによりテープと固定ドラムとの摩擦を少なくし、テープ駆動系の負荷を減らすとともに磁気テープの損傷を防ぐことを目的とする。

構成
固定ドラム1のテープ接触面2には、テープ走行方向7と平行でない凹凸が形成されている。以上の構成により、従来より低いテープ速度領域において、テープ6が固定ドラム1から浮上するため、テープ6と固定ドラム1との摩擦を少なくし、テープ駆動系の負荷を減らすとともにテープの損傷を防ぐことができる。
特許請求の範囲
【請求項1】少なくとも磁気ヘッドを支持した回転ドラムと、1つ以上の固定ドラムとからなる磁気記録再生装置において、前記固定ドラムのテープと接触する外周面に、テープ走行方向に対して平行でない凹凸が形成されていることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項2】磁気記録再生装置に用いられる回転ドラムまたは固定ドラムを、金型に原材料を流し込む方法によって作製することを特徴とするドラムの製造方法。
【請求項3】少なくとも磁気ヘッドを支持した回転ドラムと、1つの固定ドラムとからなる磁気記録再生装置において、金型に原材料を流し込む方法によって作製した前記固定ドラムのテープと接触する外周面に、テープ走行方向に対して平行でない凹凸が形成されていることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項4】固定ドラムの磁気テープと接触する外周面に、テープ走行方向に対して45゜以上の角度を持つ凹凸が形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。
【請求項5】固定ドラムの磁気テープと接触する外周面に形成された凹凸の角度が、テープ入り側ではテープ走行方向に対して小さく、テープ出側になるにつれて大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。
【請求項6】固定ドラムの磁気テープと接触する外周面に形成された凹凸の大きさが、テープ入り側では大きく、テープ出側になるにつれて小さくなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録再生装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転ドラムと固定ドラムを有するビデオ・テープ・レコーダー(VTR)やディジタル・オーディオ・テープ・レコーダー(DAT)などの磁気記録再生装置およびドラムの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、この種の磁気記録再生装置は、急速に小型化され、これに伴って回転ドラム等も小型化が進んでいる。
【0003】従来この種の磁気記録再生装置は、図9および図10に示すように、磁気ヘッド74を支持した回転ドラム73が、固定ドラム71と同軸で所定の間隔を空け取り付けられている。回転ドラムは、反時計回り方向78に回転し、テープは、回転ドラムの回転方向78に対して順方向77に走行するものが多かった。前記固定ドラム71上には、テープ76が斜めに走行するため、外周面にリード75が所定の角度で設けられ、テープ76の下端がリード75に沿って走行するようになっている。また、固定ドラム71には、テープ76が接触する外周面(以下テープ接触面と記す。)72にテープ76との貼り付きを防ぐために、テープ走行方向77と平行な凹凸が形成されている。
【0004】なお、図9において、図中のドラムの形状を分かりやすくするため、テープを1点鎖線で表示した。
【0005】また、一般的に回転ドラムおよび固定ドラムは、アルミニウム合金から作製され、鍛造または鋳造で成形した後、機械研削加工で表面の凹凸が形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような構成では、テープを早送り、巻戻しおよび高速サーチ等の操作をした場合、テープと固定ドラムは接触しているので接触摩擦が大きい。そのため、テープ出側のテンションが上がってテープ駆動系に負荷がかかったり、テープに損傷を与えるという問題を有していた。
【0007】本発明は、かかる従来の問題点を解消するもので、従来より低いテープ送り速度領域においてテープを浮上させることにより、テープの早送り、巻戻しおよび高速サーチ等の時にテープと固定ドラムの接触摩擦を少なくし、テープ駆動系の負荷を減らすとともにテープの損傷を防ぐことを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明の磁気記録再生装置は、少なくとも磁気ヘッドを支持した回転ドラムと、1つ以上の固定ドラムとからなる磁気記録再生装置において、前記固定ドラムのテープと接触する外周面に、テープ走行方向に対して平行でない凹凸が形成されているという構成を備えたものである。
【0009】
【作用】本発明は、上記した構成によって、従来より低いテープ送り速度領域において、テープが固定ドラムから浮上するために、テープと固定ドラムの摩擦がほとんどなくなる。これは、テープ走行方向と垂直方向の粗さがあることによるスクイズ効果によってテープが浮上し、テープとドラムの真実接触面積が減り、摩擦力が減少することによって成されるものである。
【0010】スクイズ効果とは、相対運動する2面間のすきまが、面の持つ粗さ等によって変動する場合に発生する動的圧力効果のことである。
【0011】直径が62mmで最大表面粗さ0.3μmの凹凸を形成した回転ドラムにテープを平行に掛け、相対速度を上げたときの摩擦係数と巻き付け角度が90°の位置の浮上量を測定した結果を図15に示す。図15より相対速度が0.02m/sぐらいから徐々に浮上し始め、摩擦係数もテープの浮上に合わせて小さくなって行くことがわかる(長谷川、溝尾、養田 ”テープとドラムの摩擦解析”、日本機械学会第71期全国大会講演論文集(1993)、pp597−599)。
【0012】本発明は、このテープが浮上し始める速度をドラムの形状で制御することにより信頼性の優れた磁気記録再生装置を提供する。
【0013】
【実施例】以下、本発明の第1実施例を添付図にもとづいて説明する。
【0014】図1において、磁気ヘッド4を支持した回転ドラム3が、固定ドラム1と同軸で所定の間隔を空け取り付けられている。回転ドラム3は、反時計回り方向8に回転し、テープ6は、回転ドラム3の回転方向8に対して順方向7に走行するものとする。前記固定ドラム1上には、テープ6が斜めに走行するため、外周面にリード5が所定の角度で設けられ、テープ6の下端がリード5に沿って走行するようになっている。そして、固定ドラム1には、テープ接触面2に、テープ走行方向7に対して60゜の角度をなす凹凸が、機械研削加工で形成されている。凹凸の形状は、例えば深さ5μm、ピッチ80μmのV字型の溝形状である。
【0015】上記した構成において、テープ6の巻戻し時、早送り時および高速サーチ時において、図9に示した従来のドラム構成よりテープ6が固定ドラム1から浮上しやすくなる。例えばテープ送り速度が0.02m/sでテープが固定ドラムから浮上し始める。これは、テープ6と固定ドラム1の摩擦を少なくするように作用し、テープ駆動系の負荷を減らし、またテープ6の損傷も防ぐという効果がある。また、テープ駆動系の負荷が軽減されるため、モーターの小型化や省電力化も図ることができる。ただし、実際に浮上し始める速度は、テンションや走行系によって異なる。
【0016】本発明の効果を調べるために計算機で浮上現象解析を行った。解析法を以下に示す。
【0017】フレキシブルな磁気テープの浮上現象と接触は、有限要素法を用いた構造/流体の連成問題として扱える。VTRのドラム上での浮上量は一般に100μm以下である。従って(数1)で示すスリップ流れを考慮した修正レイノルズ方程式で気体潤滑膜は記述できる。
【0018】
【数1】

【0019】ここで、テープの浮上量Hは(数3)で示される算術平均で表わす平行隙間と(数4)で示される調和平均で表わす垂直隙間の混合平均和で(数2)で表わされる。
【0020】
【数2】

【0021】
【数3】

【0022】
【数4】

【0023】シェル方程式は磁気テープの機械的異方性を考慮し、面内変形成分として(数5)、(数6)を、曲げ変形成分として(数7)を用いる。
【0024】
【数5】

【0025】
【数6】

【0026】
【数7】

【0027】ドラムとテープの摩擦は(数8)で、ドラムリードとテープの摩擦は(数9)で、空気の粘性抵抗は(数10)を用い、各節点に境界条件として付加する。
【0028】
【数8】

【0029】
【数9】

【0030】
【数10】

【0031】これらの方程式を有限要素法を用いて離散化し、連立方程式を解く。修正レイノルズ方程式が非線形なのでニュートン・ラフソン法を用いて収束解を得る。
【0032】ここで、dは磁気テープ厚み、Ex、Eyは磁気テープのヤング率、Gxyは磁気テープのせん断剛性率、Hは磁気テープと回転ドラム、固定ドラム、磁気ヘッドの間の平均隙間、pは圧力、Paは大気圧、Tは磁気テープの走行テンション、Uは磁気テープと回転ドラムのx方向の相対速度、Vは磁気テープと回転ドラムのy方向の相対速度、εは磁気テープに発生する歪、λは空気の平均自由行程、νx、νyは磁気テープのポアッソン比、σは磁気テープの面内応力、ρは磁気テープの密度、τはせん断応力、ωは磁気テープの変位である。μr1はドラムとテープの動摩擦係数、μr2はドラムのリードとテープの間の動摩擦係数、Nz、Nyは接触力である。添字のxは磁気テープの長手方向、yは幅方向を示す。VTRにおけるドラム回転時の磁気テープの浮上現象を流体(空気膜)と構造物との連成問題として解析し、ドラムとテープの間の接触による摩擦、流体による粘性抵抗を扱う(例えば、溝尾、長谷川、養田、喜多、小寺 ”テープとドラムの摩擦解析”、日本機械学会第71期全国大会講演論文集(1993)、pp594−596)。
【0033】この計算手法を用い、以下に示すモデルで計算を行った。直径62mmのドラムにテープを180゜平行に巻き付け、相対速度5.8m/sで相対運動させる。
【0034】なおこの計算は、ドラムやテープだけが回転または走行しているという概念はなく、ドラムとテープがある相対速度でお互いに運動してしているという仮定をしている。
【0035】ドラムのテープ接触面には、断面形状の寸法が幅200μm、深さ50μm、ピッチが1.8mmの凹凸が形成されており、テープ走行方向の角度を0゜とした時に、0゜、30゜、45゜、67.5゜、90゜に凹凸の方向を持たせたときのテープの浮上量とテープ・ドラム間の摩擦力を計算した。
【0036】計算結果を図12と図13に示す。図12より凹凸の角度を大きくするにつれて浮上量が大きくなり、図13より浮上量が大きくなると摩擦力が小さくなることが分かる。
【0037】従って、固定ドラムのテープ接触部にテープ走行方向と平行でない凹凸を形成することによって、従来よりテープが浮上しやすくなる。さらに同じ相対速度では浮上量が大きい方が、摩擦力も小さいことが分かる。
【0038】次に本発明の第2実施例を添付図にもとづいて説明する。図2において、磁気ヘッド14を支持した回転ドラム13が、固定ドラム11と同軸で所定の間隔を空け取り付けられている。回転ドラム13は、反時計回り方向18に回転し、テープ16は、回転ドラム13の回転方向18に対して順方向17に走行するものとする。前記固定ドラム11上には、テープ16が斜めに走行するため、外周面にリード15が所定の角度で設けられ、テープ16の下端がリード15に沿って走行する。そして、固定ドラム11には、テープ接触面12に、テープ走行方向17に対して15゜の角度をなす凹凸が、機械研削加工で形成されている。凹凸の形状は、例えば深さ5μm、ピッチ80μmのV字型の溝形状である。
【0039】上記の構成により相対速度が従来より低い速度、例えば0.05m/sでテープが浮上し始め、摩擦力も小さくなる。
【0040】常温常湿の環境で厚さ18.5μmのテープをドラムに巻き付け、0.005m/sで走行させたときの入り側と出側のテンション測定しオイラーの式として知られている(数11)によって摩擦係数μを求めた。
【0041】
【数11】

【0042】ここで、θは巻き付け角、TOUTはテープ出側のテンション、TINはテープ入り側のテンションを表す。
【0043】図14に入り側テンションと摩擦係数μの関係図を示す。図14より、本実施例の方が従来例に対して約10%ぐらい摩擦係数が小さいことが分かった。このことより、本実施例のドラムは、テープがドラムから浮上していない時、つまりテープとドラムが接触している時においても摩擦を小さくする効果があることが分かる。
【0044】次に、第3実施例を図3にもとづいて説明する。始めに図3の固定ドラム21の射出成形による製造方法の一例を示す。原材料として樹脂材料を使用する場合、金型の微細な隙間にも樹脂材料が入るように、低粘度の材料を用いる。例えば、金型から取り外せるように、樹脂には数%離型剤を加えたメチルメタクリレート(MMA)樹脂を使用しする。金型は、出来上がる固定ドラム21の外周面に、リード25を所定の角度で設け、テープ接触面22に例えばテープ走行方向に対して20の角度を持つ凹凸を形成するように作製する。凹凸の形状は、例えば深さ5μm、ピッチ80μmのV字型の溝形状である。製造工程は、まず樹脂材料に気泡が生じないように脱気しておく。次に、その樹脂材料を注入する前に、金型の内部を真空にし、そして樹脂材料を高い圧力で注入する。樹脂の硬化とストレス除去のための熱処理は、収縮分を補償するため、高圧力下(10MPa)で、150℃で行う。
【0045】図3において、磁気ヘッド24を支持した回転ドラム23が、前記固定ドラム21と同軸で所定の間隔を空け取り付けられている。回転ドラム23は、反時計回り方向28に回転し、テープ26は、回転ドラム23の回転方向28に対して順方向27に走行するものとする。前記固定ドラム21上には、テープ26が斜めに走行するため、外周面にリード25が設けられ、テープ26の下端がリード25に沿って走行するようになっている。そして、固定ドラム21には、テープ接触面22に凹凸がテープ走行方向に対して20゜の角度で形成されている。
【0046】上記した構成において、テープ26の巻戻し時、早送り時および高速サーチ時において、従来のドラムよりテープ26が浮上しやすくなる。つまり、従来のドラムでテープが浮上し始める速度より低い速度、例えば0.05m/sからテープが浮上し始める。これは、この時のテープ26と固定ドラム21の摩擦を少なくするように作用し、テープ駆動系の負荷を減らし、またテープ26の損傷も防ぐという効果がある。また、テープ駆動系の負荷が軽減されるため、モーターの小型化や省電力化も図ることができる。
【0047】また、固定ドラム21は、金型に原材料を流し込んで作製されるため、成形後の機械研削加工が省ける。また、今後ドラムの小型化が進んでも、複雑な形状や微細な形状も金型を使用してドラムを作れば、安価に大量生産することができる。
【0048】次に第4の実施例を図4を用いて説明する。図4において、磁気ヘッド34を支持した回転ドラム33が、例えば射出成形等で作製したプラスチック材料からできている固定ドラム31と同軸で、所定の間隔を空け取り付けられている。回転ドラム33は、反時計回り方向38に回転し、テープ36は、回転ドラム33の回転方向38に対して順方向37に走行するものとする。前記固定ドラム31上には、テープ36が斜めに走行するため、外周面にリード35が設けられ、テープ36の下端がリード35に沿って走行するようになっている。そして、固定ドラム31は、テープ接触面32に、テープ走行方向37と70°の角度で凹凸が形成されている。凹凸の形状は、例えば深さ5μm、ピッチ80μmのV字型の溝形状である。また、固定ドラム31は、金型に原材料を流し込んで作製されるため、機械研削加工では難しい固定ドラム31の微細な凹凸も容易に、しかも安価に成形することができる。
【0049】上記した構成において、テープ36の巻戻し時、早送り時および高速サーチ時において、従来のドラム構成より低いテープ送り速度、例えば0.03m/sでテープ36が浮上し始める。これは、この時のテープ36と固定ドラム31の摩擦を少なくするように作用し、テープ駆動系の負荷を減らし、またテープ36の損傷も防ぐという効果がある。また、テープが浮上したときの浮上量が入側から出側まで均一になるため安定したヘッドタッチを得ることもできる。
【0050】本実施例において、固定ドラム31を射出成形等でプラスチック材料から作製した例を示したが、回転ドラム33についても、同様に作製してもよいことはもちろんである。
【0051】次に第5の実施例を図5を用いて説明する。図5において前記第1実施例と相違する点は、固定ドラム41のテープ接触面42に、テープ走行方向47に対して45°の角度を持つ凹凸が形成されているとしたことである。凹凸の形状は、例えば深さ5μm、ピッチ80μmのV字型の溝形状である。固定ドラムのテープ接触面の凹凸をテープ走行方向に対して45゜の角度にすると、テープ走行方向に平行な凹凸の場合にくらべて浮上量も大きく、テープ入り側から出側まで安定した浮上量が得られる。また、テープとテープ接触面の間の摩擦力も半減する。
【0052】この構成によれば、テープ46が、固定ドラム41と接触している時の摩擦が小さく、また、巻戻し時、早送り時および高速サーチ時おいて、従来のドラム構成より低いテープ送り速度、例えば0.04m/sで浮上し始める。これは、テープ46と固定ドラム41の摩擦を少なくし、テープ駆動系の負荷を減らすとともに、テープ46の損傷も防ぐことができる。
【0053】また、本実施例において、固定ドラム41を金型に原材料を流し込んで作製する方法、例えばプラスチック材料を用いて射出成形等の製造方法で作製しても同様の効果が得られる。
【0054】次に第6の実施例について図6を用いて説明する。図6において第1の実施例と相違する点は、固定ドラム51のテープ接触面52に、入り側では、例えばテープ走行方向57に対して30゜の角度を持った凹凸を形成し、出側に向かうにつれて徐々に角度を大きくし、出側部分では例えば90゜の角度で凹凸を形成したことにある。凹凸の形状は、例えば断面が深さ5μm、幅80μmのV字型の溝形状である。
【0055】この構成によれば、凹凸の大きさを変えないで凹凸の角度を変えることにより、入り側の浮上量を抑え、出側の浮上量を大きくすることが出来る。この効果によりテープを入側から出側まで均一に浮上させることができ、テープ浮上時でも安定したヘッドタッチを得ることができる。また、テープの巻戻し時、早送り時および高速サーチ時おいて、従来のドラム構成より低いテープ送り速度、例えば0.05m/sでテープ56が浮上し、また固定ドラム51から均一に浮上する。これは、この時のテープ56と固定ドラム51の摩擦を少なくするように作用し、テープ駆動系の負荷を減らし、テープ56の損傷も防ぐことができる。
【0056】また、本実施例において、固定ドラムを金型に原材料を流し込んで作製する方法、例えばプラスチック材料を用いて射出成形等の製造方法で作製しても同様の効果が得られる。
【0057】次に第7実施例を図7、図8を用いて説明する。図7において前記第1実施例と相違する点は、固定ドラム61のテープ接触面62に、テープ走行方向67と35゜の角度をなす凹凸で、図8に示すように凹凸の大きさが、テープ入り側69のA部分(図8(A))では大きく、そしてテープ出側70のB部分(図8(B))に行くにつれて小さくなるように形成したことにある。凹凸の形状は、例えば入り側69で深さ10μm、幅160μmのV溝形状で、出側70で深さ5μm、幅80μmのV溝形状である。
【0058】この構成によれば、テープ66の巻戻し時、早送り時および高速サーチ時において、従来のドラム構成より低いテープ送り速度、例えば0.06m/sでテープ66が固定ドラム61から浮上し始め、テープ入り側69ではテープ66の浮上量を抑えるように作用するため、全体的に浮上量が均一になる。このため、安定したヘッドタッチを得るとともに、テープ66と固定ドラム61との摩擦が少なくなり、テープ駆動系の負荷が減って、テープの損傷も防ぐ効果がある。
【0059】また、本実施例において、固定ドラム61を金型に原材料を流し込んで作製する方法、例えばプラスチック材料を用いて射出成形等の製造方法で作製しても同様の効果が得られる。
【0060】また、本発明の実施例においては、1つの固定ドラムと1つの回転ドラムから構成される磁気記録再生装置について示したが、図11に示すような2つの固定ドラム81、89と1つの回転ドラム83から構成される磁気記録再生装置においても、両固定ドラム81、89のテープ接触面82、90にテープ走行方向87と平行でない凹凸を形成することにより同様の効果が得られる。
【0061】本発明の実施例では、ドラムを射出成形で作製した例を示したが、圧縮成形などの他の成形方法でもよい。また、原材料としてメチルメタクリレート(MMA)樹脂を使用した場合について示したが、他の材料としてポリエチレン、ポリスチレン、塩化ビニル樹脂といった熱硬化樹脂や、メラニン樹脂、ユリア樹脂といった熱硬化樹脂を使用してもよい。さらにセラミックス等の材料や、金属材料を使用してもよいのは言うまでもない。また、樹脂中に各種の無機補強剤、有機補強剤を加えることも有効である。
【0062】また、本発明の実施例では、固定ドラムの凹凸について述べたが、回転ドラムにおいても同様に、テープと接触する外周面に、テープ走行方向に対して平行でない凹凸を形成したり、そのドラムを金型に原材料を流し込む方法によって成形したりすることは、テープの浮上量を制御する上で効果的である。
【0063】また、本実施例においては、回転ドラムの回転方向が反時計回り方向の場合を示したが、逆方向の時計回り方向に回転させる構成の磁気記録再生装置においても同様の効果がある。
【0064】なお、本実施例で示したドラムの各正面図において、図中のドラムの形状を分かりやすくするため、テープを1点鎖線で表示した。
【0065】また、固定ドラムのテープ接触面を機械研削加工で形成したと述べたが、エッチング等の方法で凹凸を形成してもよい。
【0066】本実施例において、凹凸の形状をV字型の溝形状の場合を示したが、U字型やその他の形状でも同様の効果がある。
【0067】本発明において、固定ドラムのテープ接触面の凹凸が、最大表面粗さ1μm以下の場合はテープがドラムに貼り付いて走行が出来なくなるため適さない。
【0068】
【発明の効果】以上のように本発明の磁気記録装置によれば、固定ドラムのテープと接触する外周面に、テープ走行方向に対して平行でない凹凸が形成されているので、テープの巻戻し時、早送り時および高速サーチ時等の従来より低いテープ速度領域において、テープが固定ドラムから浮上するため、この時のテープと固定ドラムの摩擦を少なくするように作用し、テープ駆動系の負荷を減らし、またテープの損傷も防ぐという効果が得られる。




 

 


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