米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 計算機;電気通信 -> 松下電器産業株式会社

発明の名称 磁気ヘッドスライダ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−93928
公開日 平成7年(1995)4月7日
出願番号 特願平5−239655
出願日 平成5年(1993)9月27日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 川崎 幹雄 / 冨安 弘 / 大森 ▲高▼広
要約 目的
磁気ディスクの内外周の浮上量差を抑える空気膜剛性を向上させ、寸法誤差等の外乱による浮上量変動を改善し、信頼性の高い磁気ヘッドスライダの提供を目的とする。

構成
磁気ディスク表面に対向する浮上面に形成された1対の空気ベアリング面4,5と、その両側部に空気ベアリング面4,5より一段低い段差部19,20,21,22とを有する磁気ヘッドスライダであって、空気ベアリング面4,5の磁気ギャップ13側の幅が磁気ギャップ13と反対側の幅を越えないように形成された空気ベアリング面4,5と、段差部19,20,21,22がベアリング面4,5の磁気ギャップ13側端部から磁気ヘッドスライダ1aの全長の1/5以上前端部2寄りの両側部に長さ100μm以上でかつ空気ベアリング面4,5から深さ0.1μm〜4μmの一段低い段差部を備えた。
特許請求の範囲
【請求項1】磁気ディスク表面に対向する浮上面に形成された1対の空気ベアリング面と、前記空気ベアリング面の両側部に前記空気ベアリング面より一段低い段差部とを有する磁気ヘッドスライダであって、前記空気ベアリング面の磁気ギャップ側の幅が前記磁気ギャップと反対側の前記空気ベアリング面の幅を越えないように形成された空気ベアリング面と、前記段差が前記空気ベアリング面の磁気ギャップ側端部から磁気ヘッドスライダ全長の1/5以上前端部寄りの両側部に長さ100μm以上でかつ前記空気ベアリング面から深さ0.1μm〜4μmの一段低い段差部を備えたことを特徴とする磁気ヘッドスライダ。
【請求項2】前記空気ベアリング面の両側部に各々形成された前記段差部の内、磁気ディスクの内周側の段差部の幅が外周側の段差部の幅より広く形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。
【請求項3】前記空気ベアリング面の両側部に各々形成された前記段差部の内、磁気ディスクの内周側の段差部の幅と外周側の段差部の幅が等しく、かつ、前記内周側の段差部が前記外周側の段差部より磁気ギャップ側に長く形成されていることを特徴とする請求項1記載の磁気ヘッドスライダ。
【請求項4】磁気ディスク表面に対向する浮上面に形成された1対の外側空気ベアリング面と、前記外側空気ベアリング面の内側に形成された中央空気ベアリング面と、を有する磁気ヘッドスライダであって、前記中央空気ベアリング面の磁気ギャップ側の幅が前記磁気ギャップと反対側の前記空気ベアリング面の幅を越えないように形成された中央空気ベアリング面と、前記中央空気ベアリング面の磁気ギャップ側端部から磁気ヘッドスライダ全長の1/5以上前端部よりの両側部に長さ100μm以上でかつ前記中央空気ベアリング面から深さ0.1μm〜4μmの一段低い段差部を備えたことを特徴とする磁気ヘッドスライダ。
【請求項5】前記中央空気ベアリング面の両側部に形成された前記段差部の内、磁気ディスクの内周側の段差部の幅が外周側の段差部の幅より広く形成されていることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッドスライダ。
【請求項6】前記中央空気ベアリング面の両側部に形成された前記段差部の内、磁気ディスクの内周側の段差部の幅と外周側の段差部の幅が等しく、かつ、前記内周側の段差部が前記外周側の段差部より磁気ギャップ側に長く形成されていることを特徴とする請求項4記載の磁気ヘッドスライダ。
【請求項7】前記外側空気ベアリング面の磁気ギャップ側端部から前記磁気ギャップと反対方向に磁気ヘッドスライダ全長の1/5〜1/2の長さで、かつ前記外側空気ベアリング面から深さ0.1μm〜4μmの一段低い後端側段差部が形成されていることを特徴とする請求項4乃至6の内いずれか1に記載の磁気ヘッドスライダ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は固定磁気ディスク装置等に用いられる磁気ヘッドスライダに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの外部記憶装置は、その高速性や大容量性から固定磁気ディスク装置の普及が広まりつつある。そして、より大容量の固定磁気ディスク装置を小型化するために高い記録密度を目的とする高い線密度が求められている。この高い線密度は記録波長の微小な領域で動作させるために磁気ヘッドの磁気ギャップをより狭くし、かつ磁気ギャップと磁気ディスクとの間隙(以下浮上面と称す)をより低くする必要が生じてきている。しかし、低浮上量では磁気ディスクと磁気ヘッドスライダ(以下単にスライダと称す)とが接触しやすくなり、磁気ディスクの記録面を破壊する可能性が高くなる。そのため、これらの浮上面を有するスライダでは浮上量を低く一定に維持することが望まれている。従来一般的なスライダとしては特公昭57−569号公報に記載されているテーパーフラットスライダと呼ばれるスライダが知られている。また、特開昭61−2780087号公報には空気ベアリング面の側部にテーパあるいは微小段差などの方法により横方向空気加圧部を設けて、浮上量の変化を一定にした横方向加圧断面形スライダ(以下TPCスライダと称す)と呼ばれるスライダが開示されている。
【0003】以下に従来の磁気ヘッドスライダについて説明する。図7は従来のTPCスライダの浮上面の形状を示す底面図である。1は磁気ヘッドのスライダ、2はスライダ1の前端部、3はスライダ1の後端部、4,5はスライダ1を磁気ディスク上で浮上させるためにスライダ1の前端部2から後端部3まで形成された2本の空気ベアリング面(以下ABSと称す)、6,7はABS4,5の前端部2側に形成されたテーパ部、8,9及び10,11は2本のABS4,5の両側部に約1μmの深さに形成された空気を加圧するための段差部、12は段差部9,10を隔離する深さ10μm以上の溝部、13は2本のABS4,5の少なくともいずれか一方の後端部3側に配置された磁気ギャップである。ここで、2本のABS4,5は実質的に同一平面である。
【0004】以上のように構成された磁気ヘッドスライダについて、以下その動作について説明する。図8は回転形アクチュエータを有する固定ディスク装置の模式図であり、図9はスキューθ≠0°のときの空気流と磁気ヘッドスライダの関係を示す図である。図8において、14はスライダ1を固定するサスペンション、15は駆動アーム、16は磁気ディスクである。図9において、17はスライダの長手方向、18は流入する空気流である。スライダ1は接着剤や合成樹脂などによりサスペンション14に固定され、更にサスペンション14は駆動アーム15にかしめ固定されている。磁気ディスク16上のスライダ1は駆動アーム15の回転に伴い矢印Aの方向に回転する磁気ディスク16により生じる空気流18と浮上面の長手方向17とのなす角、すなわちスキューθが変化する。このスキューθの最大値は磁気ディスク16の回転方向に対しておよそ±15°程度である。このスキューθが0°から変化した場合、浮上面の前端部2のテーパ部6,7により加圧された圧縮空気がABS4,5に十分な浮上力を与える前にABS4,5の側方から流出し、スライダ1の浮上量の減少やスライダ1のロールの増加が生じる。これを防止するためにABS4,5の前端部2側にテーパあるいは微小段差を設けてスキューθが大きくなったときの浮上力の低下を段差部8,9,10,11で横方向の空気を加圧することで補っている。また、磁気ディスク16の内周での周速低下による浮上力の低下を補うために、ABS4,5の各々の磁気ディスク16の内周側に位置する段差部8,10の幅は段差部9,11よりも幅広に形成されており、磁気ディスク16の全域にわたって略一定の浮上量が得られるように設計されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来の構成では、スキューθが大きくなった場合、スライダ後端部近くのABSに加わる圧力に対してはスライダ後端近くの空気加圧部により発生する圧力が支配的になるが、スライダ後端近くの空気を加圧するための段差部はABS後端までの距離が短く空気膜剛性に大きく寄与するABSの実質的な長さと幅の比が小さいためにスキューθがゼロの場合に比べ極端に低下し、外乱に対する浮上量の変動が大きくなり、特に0.10μm以下の低浮上領域では、磁気ディスク面との接触によるデータ破壊の可能性が高くなり、高い信頼性が要求される高性能の固定磁気ディスク装置には用いることが難しいという問題点を有していた。
【0006】本発明は上記従来の問題点を解決するもので、磁気ディスクの内外周の浮上量差を抑える空気膜剛性を向上させ、寸法誤差等の外乱による浮上量変動を改善し、信頼性の高い磁気ヘッドスライダを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明の請求項1記載の磁気ヘッドスライダは、磁気ディスク表面に対向する浮上面に形成された1対のABSと、前記ABSの両側部に前記ABSより一段低い段差部とを有するスライダであって、前記ABSの磁気ギャップ側の幅が前記磁気ギャップと反対側の前記ABSの幅を越えないように形成されたABSと、前記段差が前記ABSの磁気ギャップ側端部からスライダ全長の1/5以上の長さだけ前端部寄りの両側部に長さ100μm以上でかつ前記ABSから深さ0.1μm〜4μmの一段低い段差部を備えた構成を有しており、請求項2記載の磁気ヘッドスライダは、請求項1において、前記ABSの両側部に各々形成された前記段差部の内、磁気ディスクの内周側の段差部の幅が外周側の段差部の幅より広く形成されている構成を有しており、請求項3記載の磁気ヘッドスライダは、請求項1において、前記ABSの両側部に各々形成された前記段差部の内、磁気ディスクの内周側の段差部の幅と外周側の段差部の幅が等しく、かつ、前記内周側の段差部が前記外周側の段差部より磁気ギャップ側に長く形成されている構成を有しており、請求項4記載の磁気ヘッドスライダは、磁気ディスク表面に対向する浮上面に磁気ギャップと垂直方向に形成された1対の外側ABSと、前記ABSの内側に形成された中央ABSと、を有するスライダであって、前記中央ABSの磁気ギャップ側の幅が前記磁気ギャップと反対側の前記ABSの幅を越えないように形成された中央空ABSと、前記ABSの磁気ギャップ側端部からスライダ全長の1/5以上前端部よりの両側部に長さ100μm以上でかつ前記中央ABSから深さ0.1μm〜4μmの一段低い段差部を備えた構成を有しており、請求項5記載の磁気ヘッドスライダは、請求項4において、前記中央ABSの両側部に形成された前記段差部の内、磁気ディスクの内周側の段差部の幅が外周側の段差部の幅より広く形成された構成を有しており、請求項6記載の磁気ヘッドスライダは、請求項4において、前記中央ABSの両側部に形成された前記段差部の内、磁気ディスクの内周側の段差部の幅と外周側の段差部の幅が等しく、かつ、前記内周側の段差部が前記外周側の段差部より磁気ギャップ側に長く形成されている構成を有しており、請求項7記載の磁気ヘッドスライダは、請求項4乃至6の内いずれか1において、前記外側ABSの磁気ギャップ側端部から前記磁気ギャップと反対方向にスライダ全長の1/5〜1/2の長さで、かつ前記外側ABSから深さ0.1μm〜4μmの一段低い後端側段差部が形成された構成を有している。
【0008】ここで、ABSの両端部に形成された空気を加圧するための段差部は、ABSの磁気ギャップ側端部からスライダ全長の1/5以上前端部寄りに長さ100μm以上形成されており、スライダ全長の1/5以下の場合はスライダ後端の圧力に与える影響が大きく空気膜剛性向上の効果が1/5以下となり好ましくない。また、この段差部は長さが100μm以上でかつABSから0.1μm〜4μmの深さに形成されており、この範囲外の場合は空気圧縮効果が小さく実用上十分な浮上力を得ることが困難であり好ましくない。また、外側ABSの磁気ギャップ側端部に形成された後端側段差部は外側ABSの磁気ギャップ側端部から磁気ギャップと反対方向にスライダの全長の1/5〜1/2の長さで形成されている。この後端側段差部が磁気ヘッドスライダ全長の1/5以下の長さの場合は、外側ABSの最も後端部よりの部分の浮上量が中央ABSの後端部の浮上量よりも低い場合が生じ、また、1/2以上の長さの場合は、外側ABSに加わる浮上力が低下し、ローリング方向の振動に対して不安定となるので好ましくない。また、外側空気ベアリング面からの深さは中央ABSの両側部の段差部と同様に0.1μm〜4μmであり、この範囲を越えると外側ABSの空気圧縮効果が小さく好ましくない。また、スキューθが大きくなった場合の空気膜剛性の低下を防ぐためにABSの両側部の段差部をスライダの前端部側に配置したが、スライダの圧力に影響を与えない程度にABSの後端部側の幅を広くして空気膜剛性の低下を防止するようにしてもよい。
【0009】
【作用】この構成によって、スライダの後端部近傍に空気を加圧する段差部が存在しないために、スライダ後端部近傍のABSに加わる圧力に対しては、スライダ前端部寄りに配置された段差部により発生する圧力が支配的であり、ABSの実質的な長さと幅の比を大きく取ることができスキューθが大きくなった場合でも空気膜剛性が極端に低下することがないので外乱に対する浮上量の変動を抑えることができる。
【0010】
【実施例】
(実施例1)以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施例における磁気ヘッドスライダの全体斜視図であり、図2は本発明の一実施例における磁気ヘッドスライダの浮上面の形状を示す底面図である。2は前端部、3は後端部、4,5はABS、6,7はテーパ部、12は溝部、13は磁気ギャップであり、これらは従来例と同様なもので同一の符号を付し説明を省略する。1aは本発明の第1実施例の磁気ヘッドスライダ、19,20及び21,22は2本のABS4,5の後端部3から少なくとも500μm以上前端部2側よりの部分の両側部にABS4,5面から深さ4μm以下に形成された空気を加圧するための段差部である。
【0011】ここで、ABS4,5の各々の磁気ディスクの内周側に位置する段差部19,21の幅は磁気ディスク内周での周速低下による浮上力の低下を補うために段差部20,22よりも幅広に形成されている。
【0012】以上のように構成された磁気ヘッドスライダについて、以下その動作を説明する。
【0013】従来例と同様にサスペンションに固定されたスライダ1aが磁気ディスクのトラック面をアクセスする場合において、スキューθが大きくなった場合、スライダ1aの浮上力の低下は段差部19,20,21及び22の横方向からの空気流を加圧することで補われる。また、スライダ1aの後端部3側近くには空気を加圧するための段差部が存在しないために、スライダ1aの後端部3側近くのABS4,5に加わる圧力に対しては、スライダ1aの前端部2側に配設された段差部19,20,21及び22により発生する圧力により浮上させることになる。従って、ABSの実質的な長さと幅の比を大きく取れるので、空気膜剛性が極端に低下するのを防止することができる。
【0014】(実験例)本実施例のスライダについて、以下の条件でスライダの浮上量の電算機シュミレーションを行った。スライダ1aの長さ2mm、幅1.5mm、ABS4,5の幅が各々180μm、ABS4,5の磁気ディスクの内周側の一段低い段差部19,21の幅が145μm、ABS4,5からの深さ0.25μm、ABS4,5の磁気ディスク外周側の一段低い段差部20,22の幅が60μm、ABS4,5からの深さ0.25μm、段差部19,20,21,22はスライダ1aの後端部3から1.0mmの位置まで配置した。また、使用した磁気ディスク装置の構成は直径3.5インチ磁気ディスク装置、回転数5400rpm,内外周でのスキューθが+9°から−14°とし、スライダ1aの中心に4gfの荷重を与え、その結果を図3に示す。図3は磁気ヘッドスライダの磁気ディスク半径位置による浮上量の変化を示した図である。図3から明らかなように本実施例のスライダの浮上量は、磁気ディスク全域に渡り略一定であり、従来のTPCスライダと略同等である。また、スキューθがゼロのときの空気膜剛性が84gf/μm、磁気ディスクの最外周の空気膜剛性が41gf/μmであり、従来のTPCスライダと略同等の空気膜剛性であるが、磁気ディスクの最内周での空気膜剛性は67gf/μmであり、従来のTPCスライダに比べ43%向上することができた。
【0015】以上のように本実施例によれば、ABSの両側部の空気を加圧する段差部をABSの前端部側のみに形成することにより、磁気ディスク全域に渡り浮上量を一定にし、かつ磁気ディスクの最内周での空気膜剛性の向上を図り、高い信頼性を得ることができる。
【0016】(実施例2)以下本発明の第2の実施例について、図面を参照しながら説明する。図4は本発明の第2の実施例における磁気ヘッドスライダの浮上面の形状を示す底面図である。実施例1と異なるのはABS幅を浮上面の前端部2側で広く、後端部3側で狭くしたABS4a,5aが形成されている点であり、1bは本発明の第2実施例の磁気ヘッドスライダである。
【0017】この構成により、スキューθが大きくなった場合でも、スライダの前端部2側で生成された圧縮空気がスライダの側方からの流出が最小限に抑えられるので、空気膜剛性をより向上させることができる。例えば、磁気ディスク最内周での空気膜剛性が72.3gf/μm、スキューθがゼロのときの空気膜剛性が64.7gf/μm、磁気ディスクの最外周で46.5gf/μmであり、スキューθがゼロのときの空気膜剛性はTPCスライダに比較して低下するものの、最内周で52%、最外周では13%向上することができた。従って、空気膜剛性が低下する磁気ディスクの最内周あるいは最外周での特性向上が図れ、TPCスライダよりも実用的である。また、その他の浮上特性については実施例1と実質的に同一であり説明を省略する。
【0018】以上のように本実施例によれば、ABSの後端部3側の幅を前端部2側より狭くすることにより磁気ディスク全域に渡り浮上量が一定で、かつ、磁気ディスクの最内周においても空気膜剛性を向上させることができる。
【0019】(実施例3)以下本発明の第3の実施例について、図面を参照しながら説明する。図5は本発明の第3の実施例における磁気ヘッドスライダの浮上面の形状を示す底面図である。実施例1と異なるのは空気を加圧するための段差部19,20a,21,22aの幅が全て同一に形成され、磁気ディスクの内周側に位置する段差部19,21が段差部20a,22aよりも後端部3側に長く形成され、磁気ディスク内周での周速低下による浮上力の低下を補っている点であり、1cは本発明の第3実施例の磁気ヘッドスライダである。浮上力を生じるABS4,5の外側に位置する段差部20a,22aを段差部19,21の幅と同一にし、スライダ幅方向の圧力の中心とスライダの重心を一致させているためにスライダ1cのローリングに対する安定性を向上させることができる。例えば、スキューθがゼロのときの空気膜剛性が84gf/μmであり、従来のTPCスライダと略同等の空気膜剛性であるが、磁気ディスクの最内周での空気膜剛性は67gf/μmであり、従来のTPCスライダに比べ43%向上し、磁気ディスクの最外周での空気膜剛性は46gf/μmであり、従来のTPCスライダに比べ12%向上することができた。また、その他の浮上特性については実施例1と実質的に同一であり説明を省略する。
【0020】以上のように本実施例によれば、実施例1と同様に磁気ディスクの全体に渡り浮上量を一定にし、かつ、ローリングに対するスライダの安定性の向上を図ることができる。
【0021】(実施例4)以下本発明の第4の実施例について、図面を参照しながら説明する。図6は本発明の第4の実施例における磁気ヘッドスライダの浮上面の形状を示す底面図である。1dは本発明の第4実施例の磁気ヘッドスライダ、2は前端部、3は後端部、4b,5bはスライダ1dの浮上面の外側に浮上面の前端部2から浮上面の後端部3よりも前端寄りの位置まで形成された外側ABS、6a,7aは外側ABS4b,5bの各前端部2側に形成されたテーパ部、23はスライダ1dの浮上面の略中央に前端部2よりも後端部3寄りの位置から後端部3まで形成された中央ABS、24,25は中央ABS23の両側部に中央ABSより一段低く深さ4μmで形成された空気を加圧するための段差部、26,27は外側ABS4b,5bの磁気ギャップ側端部から磁気ギャップと反対方向にスライダ1dの全長の1/5の長さで段差部24,25と同じ深さに形成された後端側段差部、28は外側ABS4b,5bと段差部24,25とを分離している溝部、29は中央ABS23の後端部3側に形成された磁気ギャップである。
【0022】ここで、外側ABS4b,5bの後端部3側の幅は前端部2側における幅を越えることのない幅を有している。また、2本の外側ABS4b,5b及び中央ABS23は実質的に同一平面である。更に中央ABS23の磁気ディスクの内周側に位置する段差部24,25は中央ABS23の後端部3側から少なくともスライダ1dの全長の1/5以上の長さだけ前端部2側よりの部分から長さ100μm以上に形成されており、段差部24の幅は磁気ディスク内周での周速低下による浮上力の低下を補うために段差部25よりも幅広に形成されている。
【0023】以上のように構成された磁気ディスクスライダについて、以下その動作を説明する。図6から明らかなように、浮上力を外側ABS4b,5b及び中央ABS23の外側に余分な質量を有するものがなく、スライダ1dの幅方向の圧力の中心とスライダ1dの重心が一致しているために、ローリングに対して高い安定性を有している。また、後端側段差部26,27は4μmの段差であるために、この後端側段差部26,27と外側ABS4b,5bとの境界の近傍に負圧が生じる。この負圧力により垂直方向及びローリング方向の空気膜剛性が改善されスライダ1dを小型化した場合でも、ピッチングやローリングに対して高い安定性を発揮する。例えば、磁気ディスク最内周での空気膜剛性が70.5gf/μm、スキューθがゼロのときの空気膜剛性が63.6gf/μm、磁気ディスク最外周での空気膜剛性が48.0gf/μmであり、スキューθがゼロのときの空気膜剛性はTPCスライダに比較して低下するものの、最内周で49%、最大外周では17%向上することができた。従って、空気膜剛性が低下する磁気ディスク最内周あるいは最外周での特性向上が図れ、TPCスライダよりも実用的である。また、浮上特性については実施例1と実質的に同一であり説明を省略する。
【0024】以上のように本実施例によれば、ピッチングやローリングに対して高い安定性を有し、磁気ディスクの全域に渡り浮上量を一定に抑えることができる。
【0025】
【発明の効果】以上のように本発明は、スライダの後端部近傍に空気を加圧するための段差部が存在しないためにスキューθが大きくなった場合でも空気膜剛性が低下することがないので磁気ディスクの内外周の浮上量差を抑えることができ、寸法誤差等の外乱による浮上量変動を改善できる歩留りの高い信頼性に優れた磁気ヘッドスライダを実現できるものである。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013