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発明の名称 磁気記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−85448
公開日 平成7年(1995)3月31日
出願番号 特願平5−231213
出願日 平成5年(1993)9月17日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 坂本 和▲のり▼
要約 目的
本発明は磁性塗料をベースフィルム上に塗布して形成される塗布型磁気記録媒体において、特にデジタルオーディオ用として電磁変換特性、エラーレートに優れ走行耐久性の良好なテープを提供することを目的とする。

構成
平均粒子径、モース硬度を適切にコントロールした2種類の研磨剤とカーボンブラック、更にガラス転移温度を適切に設定した結合剤樹脂を各々適当量に配合させることによって、耐摩耗性、高走行性、高温耐候特性等に優れたB.C層を形成しその結果初期、及び耐久後において電磁変換特性、エラーレートに優れたデジタルオーディオテープを得る。
特許請求の範囲
【請求項1】非磁性支持体上の一方の面に強磁性粉末と結合剤樹脂を主成分とする磁性層を設け、他方の面に非磁性顔料と結合剤樹脂を主成分とするバックコート層をもうけてなる磁気記録媒体において、上記バックコート層は非磁性顔料として平均粒子サイズ200nm以下のカーボンブラックと、平均粒子サイズ80〜200nmのモース硬度6以下の第1の研磨剤と、平均粒子サイズ150nm以下のモース硬度8以上の第2の研磨剤を用い、各々の研磨剤がカーボンブラック100重量に対し、上記第1の研磨剤については50〜100重量部、上記第2の研磨剤については1〜5重量部含有されており、ガラス転移温度が40℃以上である結合剤樹脂が非磁性顔料全体100重量部に対し70〜150重量部含有されていることを特徴とする磁気記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は非磁性支持体上に磁性塗料を塗布することにより磁性層が形成される塗布型の磁気記録媒体に関するもので、特にデジタルオーディオ用カセットテープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年磁気テープにおいては機器の発達にともない高密度記録化の傾向が著しい。さらに記録方式についても従来のアナログ記録からデジタル記録へと変化しつつある。特にオーディオの分野においては民生用においてもデジタルオーディオテープ(以下DATと略す)が、開発商品化され市場投入されている。
【0003】しかしDATはヘッドが従来のビデオテープレコーダー(以下VTRと略す)と同様の回転シリンダー上に設置され、しかもテープ走行メカはVTRとほぼ同様の構造になっており、DAT専用テープしか録音再生できない。そのため商品化し市場投入されて5年余りが経過するが、未だに普及は不十分である。この様な背景をふまえアナログ記録のコンパクトカセット(以下CCと略す)と互換性のあるデジタル録音可能なシステムの開発が要求されていた。これについては従来より各メーカーとも鋭意開発を行ってきたが、最近になって半導体の薄膜形成技術の応用による固定型マルチチャンネルヘッドの開発、さらには信号圧縮技術の発達により、デジタルコンパクトカセットシステムが開発され提案された。そしてそのシステムに対応した高性能な新しいデジタルコンパクトカセットテープ(以下DCCテープと略す)の開発を各テープメーカーとも行なっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】CCとの上位互換を保ちしかもデジタル記録可能なシステムを考慮した場合、ヘッドとテープの相対速が非常に遅い状態(4.8cm/sec)で高密度記録を達成しなくてはならない。そのためには最短記録波長が1μm以下の短波長記録及びヘッドのマルチチャンネル化による狭トラック化が予想される。この様なシステムにおいてメディアに対しては、高磁気エネルギーを有し、高出力であること、低速で安定したヘッドタッチを達成するための良好な走行性が要求される。
【0005】特に高出力の磁性層を設計するためには、従来のCCに比べて表面性を著しく向上させねばならない。そのためには平滑な表面性のベースフィルムを使用する必要がありその結果VTRテープの場合と同様に走行性が悪化することが予想される。またテープ走行によってベースフィルム面がカセットのガイド部と摺動することで削れ、それが磁性層面に転移することでドロップアウトとなりシンボルエラーレート(以下SERと略す)悪化の要因になることも予想される。以上の理由からDCCテープではバックコート層(以下B.C層と略す)が付与された設計とすることが必要である。
【0006】従来よりCCテープについては殆どB.C層を付与している商品はない。これはCCがテープ裏面より毛状のパッドによって押し付けることで、磁性層面をヘッドへタッチさせる構造となっておりB.C層をテープ裏面に設けることでパッドとB.C層の摩擦係数が増加しひどい場合にはテープ鳴きが発生することが原因である。つまり特にパッドとの摩擦係数の低いB.C層を設計することが必要である。
【0007】またB.C層はカセットのガイド部、或はパッドから摺動によって削られないことはもちろん重要であるが、逆にテープ走行における重要な駆動部分であるキャプスタンピンを削らないことも重要である。余りにB.C層の耐摩耗性を向上させると逆にキャプスタンピンを削ってしまい結果としてテープ走行に支障をきたす。特にキャプスタンピンの長さが短くピンチローラー圧の小さい設計となっているポータブルタイプのデッキではその影響が顕著に現れる。
【0008】更に使用されている薄膜マルチチャンネルヘッドは電気、磁場等の影響をうけやすくわずかな外部からの静電気によって電磁変換特性に支障をきたし、SERの悪化あるいは最悪の場合には配線ショート等のヘッドダメージを起こす場合がある。そのためにはテープ全体の電気抵抗を下げる必要があり、特にB.C層の設計にも考慮する必要がある。
【0009】またDCCはCCと同様にカーDCC、ポータブルDCCに代表されるアウトドアユースが主流となることが十分予想される。特にカーにおける使用においては80℃以上の高温での放置等が考えられ、その場合にはテープ巻芯部におけるハブ、クランプによる写りによるSERの悪化や、最悪の場合にはB.C層と磁性層間の層間粘着によるブロッキングが生じる。
【0010】以上のようにDCCの高い電磁変換特性と高走行性を両立するためには、パッドとの摩擦係数が低く、パッド、カセットガイド部に対し耐摩耗性が良くそしてキャプスタンピンを削らず、電気抵抗が低くヘッドダメージをおこさない、高温放置によってSERの悪化やブロッキングを起こさないB.C層を設計することが必要不可欠であった。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の構成は非磁性支持体上の一方の面に強磁性粉末と結合剤樹脂を主成分とする磁性層を設け、他方の面に非磁性顔料と結合剤樹脂を主成分とするバックコート層をもうけてなる磁気記録媒体において、上記バックコート層が非磁性顔料として平均粒子サイズ200nm以下のカーボンブラックと、第1の研磨剤として、a)平均粒子サイズ80〜200nmのモース硬度6以下の研磨剤と、第2の研磨剤として、b)平均粒子サイズ150nm以下のモース硬度8以上の研磨剤を用い、各々の研磨剤がカーボンブラック100重量部に対し、a)については50〜100重量部、b)については1〜5重量部含有されており、ガラス転移温度が40℃以上である結合剤樹脂が非磁性顔料全体100重量部に対し70〜150重量部含有されることによって達成される。
【0012】
【作用】本発明の構成によれば、高強度で高走行性を満たしたDCCテープ用のB.C層を得ることが出来る。平均粒子サイズ200nm以下の粒子径のカーボンブラックを使用することによって、B.C層の表面粗さを適切に設定することができパッドとカセットガイド部という全く異なった部材との摩擦係数を両方低減することが可能となる。これ以上カーボンブラックの粒子径を大きくすると表面性が悪化しそれが磁性層面に転写してSERの劣化を起こしたり、パッドとの摩擦係数が高くなり走行性が悪化しひどい場合にはテープ鳴きを生じる。
【0013】さらに硬度、粒子径の異なる2種類の研磨剤を各々適当量使用することによってパッド、カセットガイド部に対し耐摩耗性が高く、なおかつキャプスタンピンを摩耗しないB.C層とすることが可能となる。本発名者の検討によればモース硬度6以下で平均粒子径80〜200nmの研磨剤a)をカーボンブラック100重量部に対し50〜100重量部、モース硬度8以上で平均粒子径150nm以下の研磨剤b)をカーボンブラック100重量部に対し1〜5重量部混合して用いることが望ましい。研磨剤a)、b)の平均粒子径がこれより大きい場合或は添加量が多い場合にはB.C層の表面粗さが悪化して、磁性層表面に転写し磁性層面の電磁変換特性の悪化、ひどい場合にはSERの劣化を招く。特に研磨剤b)の場合モース硬度が高いため粒子径が大きくなる或は添加量が多くなるとB.C層の研磨性も高くなりキャプスタンピンの摩耗を起こし走行性の悪化を招く。これは研磨剤a)のモース硬度が6よりも高くなった場合でも同様に生じる。逆に研磨剤a)の平均粒子径が小さい、或はa)、b)の添加量が少ない場合にはB.C層の耐摩耗性が劣化し、特に低温環境下においてパッド或はカセットガイド部との摺動によって削れが発生しこれによってSERが悪化する。
【0014】さらに使用される結合剤樹脂のガラス転移温度は40℃以上、使用される量は非磁性顔料全体100重量部に対し70〜150重量部であることが望ましい。ガラス転移温度がこれより低ければ磁性層とB.C層が高温環境下で保存すると粘着を起こし、激しい場合には貼りついてテープが切れる。また使用される量がこの範囲より多くなるとこの場合にも高温環境下での保存における磁性層との粘着を起こしたり、相対的にカーボンブラックのB.C層中の含有量が減少するために電気抵抗の増加をもたらしSERの悪化を招く。逆にこの範囲より少なくなるとB.C層中のカーボンブラック等の非磁性顔料の含有量が多くなりB.C層の表面性が悪化しその結果パッドとの摩擦係数の増加を招き激しい場合にはテープ鳴きを生じる。
【0015】
【実施例】本発明のB.C層において用いられる研磨剤a)としてはBaSO4、CaCO3、α−Fe23、TiO2、ZnO、MgO等が好適なものとして用いられる。これらの研磨剤は単独で用いても、2種類以上混合して用いても良い。また研磨剤b)としては、α−Al23、Cr23等が好適なものとして用いられる。これらの研磨剤は単独で用いても、2種類以上混合して用いても良い。
【0016】また結合剤樹脂としては、従来当業界で知られた結合剤、例えば熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、反応型樹脂が使用される。熱可塑性樹脂としては、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−酢酸ビニル−ビニルアルコール共重合体、塩化ビニル−塩化ビニリデン共重合体、ニトロセルロース、ポリエステル樹脂、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、セルロース−アセテート−ブチレート等が、熱硬化性樹脂、反応性型樹脂としてはポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ポリビニルアセタール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリイソシアネートなどが好適なものとして用いられる。これらの樹脂は単独で用いても良いが通常は2種類以上を混合して用いられる。
【0017】更に上記B.C層の構成材料を有機溶媒に分散することによって磁性塗料を調製し、これを非磁性ベース上に塗布するが、その場合の磁性塗料の溶剤としてはケトン類(例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなど)、アルコール類(例えばメタノール、エタノール、プロパノール、ブタノールなど)、エステル類(例えばメチルアセテート、エチルアセテート、エチルラクテート、グリコールアセテート、モノエチルエーテルなど)、グリコールエーテル類(例えばエチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジオキサンなど)、芳香族炭化水素(例えばベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族炭化水素(例えばヘキサン、ヘプタンなど)、ニトロプロパン等が挙げられる。
【0018】このB.C層を塗布するベースは非磁性であって、ポリエステル(例えばポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、ポリオレフィン(例えばポリプロピレン、ポリエチレンなど)、セルロース誘導体(例えばセルローストリアセテート、セルロースジアセテートなど)、ポリ塩化ビニル、ポリイミド、ポリアミド等が好適なものとして挙げられる。
【0019】一方磁性層は強磁性粉末を結合剤樹脂とともに有機溶剤中に分散し調整される磁性塗料を上記非磁性支持体の反対の面に塗布して形成される。強磁性粉末としては、針状形の微細なγ−Fe23、Co被着γ−Fe23 のような金属酸化物系の強磁性粉末をあげることが出来る。またこれらの金属酸化物には高温高湿環境下における耐候性を目的として、Al−Si系酸化物、Si系酸化物により表面処理を施したものも使用可能である。結合剤樹脂は上記B.C層中に使用されているものと同等の結合剤樹脂を使用することが可能である。またこの他に磁性層に研磨剤として、α−Fe23、TiO2、ZnO、MgO等を、滑剤として高級脂肪酸、及び脂肪酸エステルを、帯電防止剤としてカーボンブラック等を添加することも可能である。
【0020】以下本発明の実施例について詳細に説明する。まず以下のごとくにして磁性層を非磁性支持体上に形成した。
【0021】
磁性層 Co−γ−Fe23 100重量部(保磁力 54000A/M 長軸長 0.20μ )
カーボンブラック 3重量部(東海カーボン(株)シーストGS)
メチルエチルケトン 6重量部 トルエン 6重量部 シクロヘキサノン 2重量部上記材料を50リットルプラネタリーミキサー中に投入し、1時間撹はん混合を行う。
【0022】
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体 10重量部(日本ゼオン(株) MR−110)
ポリウレタン樹脂 10重量部(東洋紡績(株) UR−8300)
メチルエチルケトン 12重量部 トルエン 12重量部 シクロヘキサノン 4重量部さらに上記材料を別のタンクから2時間かけて徐々に投入し、投入後さらに1時間撹拌混合する。
【0023】
メチルエチルケトン 1重量部 トルエン 0.5重量部 シクロヘキサノン 0.5重量部次に上記に示す量の混合溶剤を2時間かけて徐々に投入し、混練物を大きな塊とし混練機の消費電力が最大となることを確認した後、さらに8時間混練を行う。
【0024】
メチルエチルケトン 48重量部 トルエン 48重量部 シクロヘキサノン 16重量部次に上記に示す量の混合溶剤を3時間かけて徐々に投入し混練物を希釈する。
【0025】以上の工程を経て得られた希釈物を別のタンクに移送後、さらに以下に示すような組成の材料を添加し、ディゾルバーにて撹拌混合した後、サンドグラインダーを用いてさらに分散を行って磁性塗料とした。
【0026】
希釈物 279重量部 α−Al23(0.2μm粒状) 5重量部 メチルエチルケトン 15重量部 トルエン 15重量部 シクロヘキサノン 5重量部得られた磁性塗料全量に対してさらに以下の組成の材料を添加し、塗工を行った。
【0027】
ステアリン酸 2重量部 ステアリン酸−n−ブチル 1重量部 コロネートL 5重量部 メチルエチルケトン 5重量部 トルエン 5重量部 シクロヘキサノン 3重量部塗工は厚さ10μm、表面粗さ15nmのポリエステルベースフィルム上に乾燥膜厚が2.5μmとなるように行い、その後配向磁界を印加して配向させ、ついで熱風によって乾燥させた。さらに80℃でカレンダー処理を行った後、60℃のオーブン中に24時間保持して硬化処理を施した。さらに以下に示す処方でB.C層用の塗料を作成し磁性層と反対側の面に乾燥後の膜厚が0.7μmとなるように塗布を行った。その後3.78mm幅にスリットを行いデジタルオーディオテープとした。
【0028】(実施例1)
カーボンブラック(平均粒子サイズ 150nm) 100重量部 研磨剤a) CaCO3 80重量部 (平均粒子サイズ 100nm モース硬度 3)
研磨剤b) α−Al23 3重量部 (平均粒子サイズ 130nm モース硬度 9)
ニトロセルロース 40重量部 (1/2秒面 ガラス転移温度 105℃) ポリウレタン樹脂 40重量部 (重量平均分子量 35000 ガラス転移温度 0℃)
(ニトロセルロースとポリウレタン樹脂の平均ガラス転移温度 55℃)
メチルエチルケトン 263重量部 トルエン 263重量部 シクロヘキサノン 87重量部以上に示す材料をディゾルバーにて撹拌混合した後、サンドグラインダーを用いて分散を行った。得られたB.C塗料全量に対してさらに以下の組成の材料を添加し、塗工を行いデジタルオーディオテープとした。
【0029】
コロネートL 20重量部 メチルエチルケトン 330重量部 トルエン 330重量部 シクロヘキサノン 110重量部(実施例2〜4)実施例1のB.C層に使用した研磨剤a)を(表1)に示すように変える以外は実施例1と同様にしてB.C層塗料を得、これを用いてオーディオテープを作成した。
【0030】
【表1】

【0031】(比較例1〜9)実施例1において使用した研磨剤a)、及びb)の平均粒子径、及びモース硬度、更にはカーボンブラックに対する添加量を(表2)に示すように変える以外は実施例1と同様にしてB.C層塗料を得、これを用いてオーディオテープを作成した。
【0032】
【表2】

【0033】(比較例10〜12)実施例1のB.C層に使用した結合剤樹脂の添加量、及びガラス転移温度を(表3)に示すように変える以外は実施例1と同様にしてB.C層塗料を得、これを用いてオーディオテープを作成した。
【0034】
【表3】

【0035】(比較例13)実施例1のB.C層に使用したカーボンブラックの平均粒子径を250nmのものを使用するように変える以外は実施例1と同様にしてB.C層塗料を得、これを用いてオーディオテープを作成した。
【0036】(表4)に実施例及び比較例によって得られたオーディオテープのエラーレート(SER)、電磁変換特性、B.C層の電気抵抗、ブロッキング、B.C層削れ、キャプスタンピン削れ、摩擦係数、テープ鳴きの測定結果を示す。
エラーレート市販のDCCデッキ(松下電器(株)製 RS−DC10)及び、エラーレート測定装置(日本フィリップス(株)製 DEMS2000)を用い、初期及び耐久走行後のエラーレートを測定した。尚耐久走行の環境は以下の通りである。
【0037】3C80%RH 100パス40C80%RH 100パス電磁変換特性市販のDCCデッキ(松下電器(株)製 RS−DC10)を用い、9.6kHz、及び48kHzの出力を測定した。なお測定値はすべて実施例1を0dBとして示した。
電気抵抗市販の電気抵抗測定機(松下電器(株)製 RS−DC10)を用い、500Vの電圧でB.C層表面の電気抵抗を測定し単位面積当りの数値に換算して示した。
ブロッキング高温環境下(85℃)で20時間放置した後のカセット巻芯部における磁性層面とB.C層面のブロッキング状態を目視で判定した。
【0038】○:全くブロッキングは起こっていない。
△:若干ブロッキング気味であり巻芯部のSERが悪化する。
【0039】×:ブロッキングを起こし貼りついており、テープが切断する。
B.C層削れ市販のDCCデッキ(松下電器(株)製 RS−DC10)を用い、3℃80%の環境下で100時間走行させた場合のB.C層面の削れ状態を目視で判定した。
【0040】○:B.C層削れは全く認められない。
△:若干B.C層削れを生じキャプスタンピンが汚れている。
【0041】×:B.C層が全面にわたり削れておりキャプスタンピンの汚れが激しくテープ走行性が悪化している。
キャプスタンピン削れ市販のDCCデッキ(松下電器(株)製 RS−DC10)を用い、3℃80%の環境下で100時間走行させた場合のキャプスタンピンの削れ状態を目視で判定した。
【0042】○:キャプスタンピン削れは全く認められない。
△:若干キャプスタンピン削れが生じている。
【0043】×:キャプスタンピン全体がの激しく削れておりテープ走行性が悪化している。
摩擦係数テープのB.C層面とパッド間の摩擦係数を測定した。ステンレスピンにテープパッドを接着しそれにテープのB.C層面を180度の角度で巻き付けた状態で4cm/secで走行させた時の、入側テンションTiと出側テンションToの値を読みだし次式より求めた。
【0044】μk=ln(To/Ti)/πなおμk1は1パスめの摩擦係数、μk50は50パスめの摩擦係数を示す。
テープ鳴き市販のDCCデッキ(松下電器(株)製 RS−DC10)を用い、テープを23℃60%の環境下で走行させた場合のテープ鳴きの状態を示した。
【0045】○:テープ鳴きは全くおこらない。
△:湿度を上げると(80%以上)若干テープ鳴きを生じる。
【0046】×:走行させるとすぐにテープ鳴きを生じる。
【0047】
【表4】

【0048】(表4)より明らかなように、本発明の構成によれば実施例1〜5に示す様に適切な粒子径、モース硬度を有する研磨剤を組み合わせて適当量B.C層に添加することによって、SERが良好で電磁変換特性も高くしかもB.C層削れもなくキャプスタンピン削れのない耐久性のよいオーディオテープを得ることができる。また結合剤樹脂のガラス転移温度、樹脂量を適切にコントロールしているために、高温環境下における放置によってもブロッキングを起こさず耐候保存性のよいしかもパッドとの摩擦係数も低く走行安定性の良好なテープとすることが可能となる。
【0049】一方比較例1、3、7、9、13の様に研磨剤a)、b)、或はカーボンブラックの平均粒子径が大きくなる、或は添加量を多くするとB.C層の表面が荒れて磁性層へ転写しその結果磁性層表面の表面性が悪化し電磁変換特性の劣化、或はSERの劣化を招く。逆に比較例2、5、6、8の様に研磨剤a)、b)の平均粒子径を小さくする或は添加量を少なくする、モース硬度を低くする、などしてB.C層の耐摩耗性を低下させるようになると低温における耐久走行によってB.C層がパッド、カセットガイド部によって削れ走行を悪化させ、耐久後のSERの著しい劣化を起こす。また比較例4、9の様に研磨剤a)、b)にモース硬度の高いものを用いた場合にはB.C層の耐摩耗性は向上するが逆にキャプスタンピンの削れを起こし、これもまたテープ走行性を悪化させ特に低温環境化における耐久後のSERの劣化を生じる。
【0050】B.C層の摩擦係数は研磨剤、或はカーボンブラックの平均粒子径を大きくしたり、添加量を多くすると増加する傾向があるが、特に比較例10の様に使用する結合剤樹脂の量が少ない場合には、著しく高くなり常温常湿環境化での走行によってもテープ鳴きをしょうじる。これはB.C層中の非磁性顔料の含有比率が相対的に高くなり、B.C層表面の非磁性顔料がパッドに擦れその結果摩擦が高くなりテープ鳴きを起こしている。逆に比較例11、12の様に結合剤樹脂の量を多くしたりガラス転移温度を低くした場合、B.C層中のカーボンブラックの含有比率が小さくなるために電気抵抗が増加したり、高温環境放置によって磁性層面との間でブロッキングを生じたりしてこれも目標とするデジタルオーディオテープとすることが出来ない。
【0051】
【発明の効果】以上述べてきたように本発明は、耐摩耗性、高走行性に優れしかも高温耐候特性、キャプスタン削れの良好なB.C層を形成することにより、初期及び耐久走行後において、電磁変換特性及びエラーレートの良好な優れたオーディオテープを供給するものであり、その効果は非常に大なるものがある。




 

 


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