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発明の名称 ワイドテレビジョン信号の伝送装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−75068
公開日 平成7年(1995)3月17日
出願番号 特願平5−216741
出願日 平成5年(1993)8月31日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
発明者 安本 吉雄 / 川井 清幸 / 木俣 省英
要約 目的
高画質なワイドテレビジョン信号を、従来のテレビジョン信号と両立性を保ちつつ伝送する。

構成
順次走査のワイドテレビジョン信号源101から発生される信号を4−3変換器103によってレターボックス変換し、順次−飛越変換器111から出力される動画補強信号から、フィールドメモリ116を用いて生成した、相関の高いと思われる1フィールド前の主画面成分を減算器112によって差し引くことにより、信号成分を減少させて上下の黒い部分に多重して伝送する。受信側では、この信号を受信し主画面の相関の高い成分を足し合わせることにより、動画補強信号を再生して、もとの順次走査のワイドテレビジョン信号を再生表示する。
特許請求の範囲
【請求項1】送信側におけるワイドテレビジョン信号の伝送装置であって、アスペクト比が16:9のワイドテレビジョン信号を現行のアスペクト比が4:3のテレビジョン信号規格と互換性を有しつつ伝送するため、画面の縦方向の中央部の略3/4にワイドテレビジョン信号の情報をすべて挿入し、画面の上下の各々略1/8の部分の上下の無画部に、ワイドテレビジョン信号を順次走査から飛越走査に変換する時に失われる情報のうち走査線間差信号からなる動画補強信号もしくは垂直解像度補強信号もしくはその両方を多重し、この上下の無画部多重信号からそれと相関の有する1フィールド前のワイドテレビジョン信号の一部を補正信号としてあらかじめ差し引くことを特徴とするワイドテレビジョン信号の伝送装置。
【請求項2】画面の縦方向の中央部の略3/4で伝送するアスペクト比が16:9のワイドテレビジョン飛越走査線信号を用い、180TV本周辺を通過帯域とする垂直バンドパスフィルタにより取り出した信号を、一定の利得調整をした後補正信号とし、画面の上下の各々略1/8の部分で多重伝送される無画部多重信号から差し引くことを特徴とする請求項1記載のワイドテレビジョン信号の伝送装置。
【請求項3】補正信号を生成する垂直バンドパスフィルタの係数が−1/4,1/2,−1/4の3タップからなることを特徴とする請求項2記載のワイドテレビジョン信号の伝送装置。
【請求項4】補正信号を生成する場合の利得調整回路の利得が正信号入力時は1/3、負信号入力時は1/6であることを特徴とする請求項2記載のワイドテレビジョン信号の伝送装置。
【請求項5】補正信号を生成する場合の利得調整回路の利得が正信号入力時は1/2、負信号入力時は1/4であることを特徴とする請求項2記載のワイドテレビジョン信号の伝送装置。
【請求項6】補正信号を生成する場合の利得調整回路の利得が正信号入力時は3/8、負信号入力時は3/16であることを特徴とする請求項2記載のワイドテレビジョン信号の伝送装置。
【請求項7】画面の縦方向の中央部に位置するワイドテレビジョン飛越走査線信号を用いて生成した補正信号を、その水平帯域を無画部多重信号と同じ1.4MHzに制限し、かつ時間軸圧縮および無画部への並べ換えをした後、画面の上下の各々略1/8の部分で多重伝送される無画部多重信号から差し引くことを特徴とする請求項1記載のワイドテレビジョン信号の伝送装置。
【請求項8】受信側におけるワイドテレビジョン信号の伝送装置であって、画面の縦方向の中央部の略3/4にアスペクト比が16:9のワイドテレビジョン信号を、また画面の上下の各々略1/8の部分にはワイドテレビジョン信号を順次走査から飛越走査に変換する時に失われる情報のうち、走査線間差信号からなる動画補強信号から中央部で伝送される1フィールド前のワイドテレビジョン信号のうち相関のある補正信号を差し引いた信号を、それぞれ含む現行方式と互換性のある信号を受信し、中央部で伝送するワイドテレビジョン信号から差し引かれた補正信号を復元する手段を有し、画面の縦方向の中央部で伝送されてくるワイドテレビジョン信号を順次走査信号に変換する手段を有することを特徴とするワイドテレビジョン信号の伝送装置。
【請求項9】画面の縦方向の中央部の略3/4で伝送されるアスペクト比が16:9のワイドテレビジョン飛越走査線信号を用い、これを1フィールド遅延し、180TV本周辺を通過帯域とする垂直バンドパスフィルタにより取り出した信号を、一定の利得調整をした後、画面の上下の各々略1/8の部分で多重伝送される無画部多重信号に加えることを特徴とする請求項8記載のワイドテレビジョン信号の伝送装置。
【請求項10】補正信号を生成する垂直バンドパスフィルタの係数が−1/4,1/2,−1/4の3タップからなることを特徴とする請求項9記載のワイドテレビジョン信号の伝送装置。
【請求項11】補正信号を生成する場合の利得調整回路の利得が正信号入力時は1/3、負信号入力時は1/6であることを特徴とする請求項9記載のワイドテレビジョン信号の伝送装置。
【請求項12】補正信号を生成する場合の利得調整回路の利得が正信号入力時は1/2、負信号入力時は1/4であることを特徴とする請求項9記載のワイドテレビジョン信号の伝送装置。
【請求項13】補正信号を生成する場合の利得調整回路の利得が正信号入力時は3/8、負信号入力時は3/16であることを特徴とする請求項9記載のワイドテレビジョン信号の伝送装置。
【請求項14】画面の縦方向の中央部に位置するワイドテレビジョン飛越走査線信号を用いて生成した補正信号を、その水平帯域を無画部多重信号と同じ1.4MHzに制限し、かつ時間軸圧縮および無画部への並べ換えをした後、画面の上下の各々略1/8の部分で多重伝送される無画部多重信号に加えることを特徴とする請求項8記載のワイドテレビジョン信号の伝送装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、現行のテレビジョン放送で使用されている伝送帯域内で、現行のテレビジョン放送との両立性を保ちながら、現行のテレビジョンに比べて高画質でアスペクト比が大きい画像を伝送できるワイドテレビジョン信号の伝送装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現行の日本のカラーテレビジョン放送は、走査線数525本、2:1飛び越し走査、輝度信号水平帯域幅4.2MHz、アスペクト比4:3という諸仕様を有しているが、昭和35年に開始されて以来、すでに30年以上が経過している。その間、高精細な画面に対する要求とテレビジョン受信機の性能向上に伴い、各種の新しいテレビジョン方式が提案されている。
【0003】このような背景のもとで現行放送との両立性及び、画面のワイド化を図ったワイドテレビジョン信号放送方式が提案されている。そのひとつは、図5(a)に示したように、いわゆるレターボックス方式として知られているもので、有効走査線数をフレーム当たり480本から360本に圧縮し上下に黒の部分(以下、無画部と称する)を残す。こうすることによって、アスペクト比は16:9になるが、垂直の解像度が落ちるのでこれを補正するために垂直補強信号が無画部で伝送される。
【0004】また、信号源として1:1の順次走査を用いたものを使用する場合には、2:1飛び越し走査に変換する際に生成される走査線間差信号を動画補強信号として、これも上下の無画部で伝送することが考えられている。この順次−飛び越し変換を説明したものが図5(b)である。ここでは、順次走査の原信号から係数が−1/8、1/4、3/4、1/4、−1/8の5タップの垂直の低域通過フィルタを通過させた信号を2本に1本を間引いたものを主画面として伝送し、原信号から係数が−1/4、1/2、−1/4の3タップの垂直の高域通過フィルタを通過させた信号を2本に1本を間引いたものを走査線間差信号として伝送する。図示したように、主画面信号と走査線間差信号の選択する走査線は互い違いになっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このようなワイドテレビジョン信号伝送装置においては、動画補強信号は1:1の順次走査信号から2本に1本の走査線を選択し、伝送しない走査線から生成する。伝送しない走査線は走査線間差信号として上下の無画部を利用し、フレーム当たり360本で伝送する。走査線間差信号をそのまま上下の無画部に多重したのでは、現行の受信機で見た時に妨害となるちらつきが顕著になる。そこで、動画補強信号の効果を極力減じることなく、何らかの振幅制限などの制約を設けることが必要となる。
【0006】本発明はかかる問題に鑑みてなされたもので、現行のテレビジョン放送との互換性を保ちながら、無画部で伝送する動画補強信号による現行受信機での妨害が極力小さくなるような、ワイドテレビジョン信号の伝送装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題を解決するために、本発明のワイドテレビジョン信号の伝送装置では、上下無画部に多重された走査線間差信号から、1フィールド前の主画面部で伝送される信号のうち、走査線間差信号と相関の高い成分を補正信号として抽出して、この補正信号を走査線間差信号から差し引くことにより、現行の受信機で受信したときの上下の無画部の妨害を低減する。
【0008】
【作用】本発明は、走査線間差信号から補正信号を差し引くことにより、静止画像に近い部分においては両者の相関が高いために、走査線間差信号の振幅が減少し現行受信機への妨害が低減する。動画像に近い部分では逆に増加することもあるが稀である。このように、従来方式の走査線数525本、2:1飛び越し走査、輝度信号水平帯域幅4.2MHzの形式を維持しつつ、高画質でワイドな画面を伝送することができる。また、現行受信機で受信した場合の無画部の妨害の影響を視覚上少なくし、走査線間差信号からなる動画補強信号を多重伝送することができる。
【0009】
【実施例】以下、本発明の一実施例におけるワイドテレビジョン信号の伝送装置について、図面を参照しながら説明する。
【0010】図1は本発明のワイドテレビジョン信号の伝送装置の一実施例における送信側のブロック図を示す。ワイドテレビ信号源101は走査線数が525本(有効走査線数は480本)、順次走査で、アスペクト比が16:9の輝度信号Y及び色差信号I、Qを出力する。垂直LPF(ローパスフィルタ=低域通過フィルタ)102は、有効走査線を480本から360本に変換するのに先立って折り返し防止のため、垂直解像度を360TV本以下に制限するためのものである。次にこの出力信号は4−3変換器103に入力され、走査線が480本から360本に変換される。
【0011】このようなレターボックス処理により失われた垂直解像度を補正するため垂直補強信号VHが生成される。垂直HPF104によって輝度信号の垂直高域成分(360TV本から480TV本までの成分)を取り出す。さらに4−3変換器105で、情報を失うことなく480本の走査線を360本に変換される。この垂直の高域成分を順次−飛越変換器106によって360本の走査線から180本の走査線に変換される。
【0012】次に、この垂直補強信号は水平LPF107で水平帯域が1.4MHz に制限され、さらに15Hz変調器108によって15Hzで変調される。この変調器はフレーム毎に信号を反転することと等価である。この変調処理は次にこの信号を動画補強信号と加算するための前処理として行なわれるもので、受信側での両者の信号の分離を容易にする目的を持つ。
【0013】一方、360本に変換された4−3変換器103の出力信号のうち輝度信号は垂直LPF109と垂直HPF110に入力される。始めに主画面を構成する信号経路について説明する。
【0014】垂直LPF109は主として現行の受信機で主画面を見た場合のフリッカの低減を目的とする。垂直LPF109の一例としては、−1/8、1/4、3/4、1/4、−1/8の5タップのものでもよい。順次−飛越変換器115は順次走査信号を飛越走査信号に変換するためのもので、360本の走査線から180本の走査線を間引いて抜き出す。このようにして順次−飛越変換器115の出力はフィールド当たり主画面部は180本となる。4−3変換器103の出力信号のうち、色差信号は順次−飛越変換器114により360本の走査線から180本の走査線に間引いて出力される。順次−飛越変換器114の出力と順次−飛越変換器115の出力はNTSCエンコーダ122に入力され、輝度信号Yと色差信号IとQが合成されNTSC信号が生成される。次に、動画補強信号は垂直HPF110において垂直の高域成分とし求められる。この垂直HPF110の係数は、−1/4、1/2、−1/4という3タップのものを用いてもよい。さらに、順次−飛越変換器111によって360本の走査線から180本の走査線を間引いて出力することにより、信号成分を垂直の低域に変換する。
【0015】本発明の主眼である、動画補強信号から差し引く補正信号の生成は次のようにして行なう。順次−飛越変換器115で出力される主画面部の180本の飛越走査信号をフィールドメモリ116によって1フィールド時間遅延させる。垂直HPF117は動画補強信号と相関のある成分を抽出することを目的とする。このフィルタは係数が、−1/4,1/2,−1/4という3タップの簡単な構成でもかまわない。この出力は利得調整器118に入力され、通常は入力信号の正負に応じて違う利得の値をとる。例えば正で1/3、負で1/6としてもよい。この値は垂直HPF110の利得に関係し、動画補強信号の振幅に応じたものとする。利得調整器118の出力が補正信号となる。最後に、減算器112では順次−飛越変換器111から出力される動画補強信号からこの補正信号を減じる。
【0016】補正された動画補強信号は水平LPF113で水平帯域が1.4MHz に制限される。最後に加算器119により垂直補強信号と加算され、並べ替え処理回路120により1/3に時間軸圧縮をすると同時に上下の無画部に並べ替えられる。フィールド当たり180本の信号はこの処理により60本に収まる。この多重信号は変調器121で色副搬送波fscで変調される。
【0017】最後に、フィールド当たり60本で変調された垂直及び動画補強信号と、NTSCエンコーダ122からの主画面信号は合成器123で合成される。合成器123では、レターボックスの180本の期間にはNTSCエンコーダ122からのNTSCエンコードされた主信号を、上下の無画部には動画補強信号及び垂直補強信号が切替えて合成される。合成器123の出力は映像搬送波変調器124によって通常のNTSC信号と同様に変調されて送信を行なう。
【0018】図2は本発明のワイドテレビジョン信号の伝送装置の他の実施例における送信側のブロック図である。以下、図を参照しながら説明する。
【0019】このエンコーダは、動画補強信号の補正信号による減算処理部が映像搬送波変調器の直前に位置していることが特徴で、それ以外のブロックは図1で示したエンコーダと同じである。以下には図1と相違する部分のみを説明する。
【0020】垂直補強信号と補正信号を差し引かない動画補強信号は加算器113で加算され、並べ替え処理回路120で時間軸を1/3に圧縮されて上下の無画部に並べ替えられる。この多重信号は変調せずに合成器123で主画面信号と合成される。
【0021】次に、補強信号分離器126で主画面と無画部に分離される。主画面からは補正信号を生成するためにフィールドメモリ127、垂直HPF128、利得調整器129、水平LPF130、及び並べ替え処理回路131の各ブロックを経由される。これらの動作は図1で説明したとうりである。次にこのようにして生成された補正信号は、減算器132で分離された無画部の多重信号から差し引かれ、変調器133で色副搬送波で変調されて、合成器134で再び主画面と合成される。
【0022】一般に、現行の放送局のスタジオ内はフィールド単位の処理を行なっている。一方、補正信号を差し引いた動画補強信号は、フィールド間にまたがる処理をするのでスタジオ内の処理には不適当である。そこで、上述したような順序で処理することにより、合成器123と補強信号分離器126の間にスタジオ内の処理を位置づけると都合がよい。すなわち、映像搬送波変調器124に入力する前に補強信号分離器126以下のフィールド間にまたがる処理を行なうことになるので、シーンカットなどの処理を考えると運用上極めて都合が良いという特長を持っている。
【0023】図3は本発明のワイドテレビジョン信号の伝送装置の一実施例における受信側のブロック図である。以下、図に従って順に説明する。
【0024】送信側でエンコードされたワイドテレビジョン信号をアンテナ300によって受信し、チューナ301を通り映像搬送波復調器302により復調されたベースバンド信号は補強信号分離器303に入力される。この分離器では、画面中央部に配置された主画面であるフィールドあたり180本の走査線と、上下無画部に多重されているフィールドあたり60本の補強信号部分とを分離する。補強信号分離器303によって分離された180本の走査線を有する主画面部は、フィールドメモリ304によって1フィールド時間遅延される。垂直HPF305は、送信側の図1に示した垂直HPF117と同じ特性を有するフィルタを使用する。次に、利得調整器306で補正信号の利得を調整する。
【0025】さらに、水平LPF307により1.4MHz以下に帯域を制限し、並べ替え処理回路308で時間軸を1/3に圧縮したのち、上下の無画部に並べ替えをする。これが、送信側で動画補強信号から差し引いた補正信号となる。
【0026】補強信号分離器303で分離された無画部信号は復調器327で復調された後、加算器309で補正信号と加算され、本来の動画補強信号を復元して出力する。合成器310は上下無画部と中央部の主画面を合成し、元の信号に合成している。
【0027】合成器310の出力は補強信号分離器311に入力され、この補強信号分離器311では垂直補強信号VHと、動画補強信号LDと主画面を分離しそれぞれ出力する。出力された主画面を含む信号はNTSCデコーダ314に入力され、輝度信号Y、色差信号I及びQに分離される。一方、垂直補強信号は並べ換え処理回路313へ入力され、時間軸が3倍に伸長されると同時に主画面の位置に配置される。さらに、並べ換えられた信号は水平LPF316により水平帯域が1.4MHz以下に制限される。さらに、垂直補強信号は3−8走査線変換器318で垂直方向に伸長され、480本の走査線に変換される。
【0028】分離された動画補強信号は、並べ換え処理回路312により3倍に時間軸が伸長されると同時に主画面の位置に配置される。この動画補強信号は水平LPF315により1.4MHzに帯域が制限された後、0挿入回路322、垂直HPF326へ入力される。この垂直HPFの係数は、−1/4,−1/2,3/2,−1/2,−1/4の5タップのものであってもよい。
【0029】一方、主画面信号は0挿入回路321、垂直LPF325へ入力された後、合成器320で動画補強信号と加算される。この垂直LPFは係数が1/2,1,1/2の3タップのものであってもよい。
【0030】この一連の処理は飛び越し信号から順次信号への変換である。これで360TV本の帯域を有する順次走査信号が復元された。ただし、これは輝度信号の1.4MHzまでの信号についてであって、それ以上の帯域の輝度信号や色差信号については動画補強信号が存在しないので、完全に元の順次走査信号を復元することはできない。
【0031】このようにして再生された元の360本の順次走査の信号は3−4走査線変換器319で走査線変換することにより、480本で順次走査のワイドテレビジョン信号が再生される。3−8走査線変換器318の出力である垂直補強信号は合成器320に供給され、360TV本から480TV本までの成分を主信号に付加する働きをする。最後に表示器328へ供給され画像が表示される。
【0032】図4は本発明のワイドテレビジョン信号の伝送装置の他の実施例における受信側のブロック図である。本図は図3と違い、動画補強信号の補正ブロックがNTSCデコーダの後に位置していることが特徴で、それ以外のブロック図は図3と同じになっている。この構成にすることにより、ハード規模が削減できるという特徴を持っている。 以下、図3との相違点のみ図4を参照して説明する。NTSCデコーダ314から出力された主画面部の180本の走査線の信号はフィールドメモリ304に入力され1フィールド時間遅延し、さらに垂直HPF305、利得調整器306、水平LPF307へ導入される。これは図3の場合と同様の処理である。補正信号を上下の無画部の位置に並べ替え処理をせずに、すでに主画面位置に並び替えされた動画補強信号と加算器317で加算される。
【0033】飛越−順次変換をする、0挿入回路321と垂直LPF325では、伝送されてきた主画面部の180本の走査線に1本毎に0挿入され、所定の垂直LPF処理が施される。一方、補正された動画補強信号にも0挿入回路322と垂直HPF326で走査線1本毎に0挿入され、所定の垂直HPF処理が施される。これらの両信号は合成器327で加算され、元の順次信号となる。
【0034】このようにして復元された順次走査信号は、3−4走査線変換器319で360本から480本に変換する、いわゆる3−4変換が施される。そして合成器320では、3−4走査線変換器319の出力と3−8走査線変換器318から供給される垂直補強信号とが加算され、垂直解像度が480TV本まで有する元のワイドテレビジョン信号が再生され、表示器328に表示される。
【0035】本実施例の構成によれば補正信号を並べ替えすることがないため、回路が簡単になる利点があり、受信器の構成の点で都合がよい。ただし、受信器の構成はこれらに限ったものではなく、送信側で妨害低減を目的に補正された動画補強信号を復元する機能を有すればよい。
【0036】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、現行のテレビジョン放送方式と互換性を保ちつつ、画面をワイドにするいわゆるレターボックス方式のワイドテレビジョン方式においては、上下の無画部に多重する信号が与える現行受信機への妨害をできるだけ低減する必要があり、本発明の伝送装置では、必要とされる動画補強信号の走査線数を少なくしたり振幅を減じることなく、1フィールド前の主画面で伝送される相関のある信号成分を差し引くことにより、必要とされる動画補強信号をレターボックス方式の画面の上下の無画部を用いて極力妨害が少なくなるように伝送し、受信側ではこれを再生して元の順次走査のワイドテレビジョン信号を復元することができる。また、本発明の伝送装置によれば、動画像の再生時でも、この動画補強信号の効果によってフリッカが少なくなるなど、優れた画像を伝送することができる。




 

 


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