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発明の名称 光学的輪郭抽出方法およびその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−73321
公開日 平成7年(1995)3月17日
出願番号 特願平5−216795
出願日 平成5年(1993)9月1日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】森本 義弘
発明者 武富 義尚 / 筒井 博司
要約 目的
コントラストが高く、鮮明な輪郭が得られる光学的輪郭抽出装置を実現する。

構成
レーザ光4が入射されて画像をコヒーレント画像に変換する画像表示装置3と、入射光をそれぞれの伝播方向がわずかに異なる2つの光ビーム5,6に変換する回折光学素子1と、前記光ビーム5,6により形成される干渉縞の基本周期と等しい間隔を有する1次元格子2とを備え、前記光ビーム5,6の相対的な位置ずれ量が前記干渉縞の基本周期にほぼ等しくなるような光軸上の位置に前記1次元格子2を配し、前記干渉縞の明線部を前記1次元格子2により遮蔽することにより、前記コヒーレント画像による光学的輪郭を抽出する構成とした。
特許請求の範囲
【請求項1】 画像の輪郭を取り出すための光学的輪郭抽出方法であって、原画像情報を読み出したコヒーレント光を、伝播方向の異なる2つの光ビームに変換し、前記光ビーム断面の光強度が一様な領域によって形成される干渉縞の明線部を、この干渉縞と同じ間隔の1次元格子で遮蔽することを特徴とする光学的輪郭抽出方法。
【請求項2】 画像の輪郭を取り出すための光学的輪郭抽出方法であって、原画像情報を読み出したコヒーレント光を、光軸を含む一つの平面内で伝播方向の異なる2つの光ビームおよび前記平面に直交しかつ光軸を含む平面内で伝播方向の異なる別の2つの光ビームに変換し、前記光ビーム断面の光強度が一様な領域によって形成される干渉縞の明線部を、この干渉縞と同じ間隔の2次元格子で遮蔽することを特徴とする光学的輪郭抽出方法。
【請求項3】 画像の輪郭を取り出すための光学的輪郭抽出装置であって、画像をコヒーレント画像に変換する画像表示装置と、入射光をそれぞれの伝播方向がわずかに異なる2つの光ビームに変換する回折光学素子と、前記光ビームにより形成される干渉縞の基本周期と等しい間隔を有する1次元格子とを備え、前記光ビームの相対的な位置ずれ量が前記干渉縞の基本周期にほぼ等しくなるような光軸上の位置に前記1次元格子を配し、前記光ビーム断面の光強度が一様な領域によって形成される前記干渉縞の明線部を前記1次元格子により遮蔽し、前記コヒーレント画像による光学的輪郭を抽出するように構成したことを特徴とする光学的輪郭抽出装置。
【請求項4】 透明基板上の一つの面に回折光学素子を形成し、もう一つの面に1次元格子を形成したことを特徴とする請求項3記載の光学的輪郭抽出装置。
【請求項5】 1次元格子の基本周期に対して開口部の幅の比を0.5以下にしたことを特徴とする請求項3記載の光学的輪郭抽出装置。
【請求項6】 画像の輪郭を取り出すための光学的輪郭抽出装置であって、画像をコヒーレント画像に変換する画像表示装置と、入射光をそれぞれの伝播方向がわずかに異なる2つの光ビームに変換する回折光学素子と、前記光ビームにより形成される干渉縞の基本周期と等しい画素間隔を有する撮像素子とを備え、前記光ビームの相対的な位置ずれ量が前記干渉縞の基本周期にほぼ等しくなるような光軸上の位置に前記撮像素子を配し、前記光ビーム断面の光強度が一様な領域によって形成される前記干渉縞の明線の位置と前記撮像素子の画素間にある不感帯の位置とを整列して配し、前記コヒーレント画像による光学的輪郭を抽出するように構成したことを特徴とする光学的輪郭抽出装置。
【請求項7】 回折光学素子を2値位相型グレーティングにより構成したことを特徴とする請求項3または請求項6記載の光学的輪郭抽出装置。
【請求項8】 回折光学素子を基本周期の異なる2つの多値位相型グレーティングにより構成したことを特徴とする請求項3または請求項6記載の光学的輪郭抽出装置。
【請求項9】 回折光学素子を基本周期の異なる2つのブレーズ型グレーティングにより構成したことを特徴とする請求項3または請求項6記載の光学的輪郭抽出装置。
【請求項10】 回折光学素子を基本周期の異なる2つの厚膜ホログラムにより構成したことを特徴とする請求項3または請求項6記載の光学的輪郭抽出装置。
【請求項11】 画像の輪郭を取り出すための光学的輪郭抽出装置であって、画像をコヒーレント画像に変換する画像表示装置と、入射光を光軸を含む一つの平面内でそれぞれの伝播方向がわずかに異なる2つの光ビーム、および前記平面に直交しかつ光軸を含む平面内でそれぞれの伝播方向がわずかに異なる別の2つの光ビームに変換する回折光学素子と、前記光ビームにより形成される干渉縞の基本周期と同じ間隔を有する2次元格子を備え、前記光ビームの相対的な位置ずれ量が前記干渉縞の基本周期にほぼ等しくなるような光軸上の位置に前記2次元格子を配し、前記光ビーム断面の光強度が一様な領域によって形成される前記干渉縞の明線部を前記2次元格子により遮蔽し、前記コヒーレント画像による光学的輪郭を抽出するように構成したことを特徴とする光学的輪郭抽出装置。
【請求項12】 透明基板上の一つの面に回折光学素子を形成し、もう一つの面に2次元格子を形成したことを特徴とする請求項11記載の光学的輪郭抽出装置。
【請求項13】 2次元格子のx方向、y方向のそれぞれの基本周期に対して開口部の幅の比を0.5以下にしたことを特徴とする請求項11記載の光学的輪郭抽出装置。
【請求項14】 画像の輪郭を取り出すための光学的輪郭抽出装置であって、画像をコヒーレント画像に変換する画像表示装置と、入射光を光軸を含む一つの平面内でそれぞれの伝播方向がわずかに異なる2つの光ビームおよび前記平面に直交しかつ光軸を含む平面内でそれぞれの伝播方向がわずかに異なる別の2つの光ビームに変換する回折光学素子と、前記光ビームにより形成される干渉縞の基本周期と等しい画素間隔を有する撮像素子とを備え、前記光ビームの相対的な位置ずれ量が前記干渉縞の基本周期にほぼ等しくなるような光軸上の位置に前記撮像素子を配し、前記光ビーム断面の光強度が一様な領域によって形成される前記干渉縞の明線の位置と前記撮像素子の画素間にある不感帯の位置とを整列して配し、前記コヒーレント画像による光学的輪郭を抽出するように構成したことを特徴とする光学的輪郭抽出装置。
【請求項15】 互いに直交する2つの2値位相型グレーティングにより回折光学素子を構成したことを特徴とする請求項11または請求項14記載の光学的輪郭抽出装置。
【請求項16】 x方向に第1の多値位相型グレーティングおよびこれと基本周期の異なる第2の多値位相型グレーティングを配し、y方向に第3の多値位相型グレーティングおよびこれと基本周期の異なる第4の多値位相型グレーティングを配することにより回折光学素子を構成したことを特徴とする請求項11または請求項14記載の光学的輪郭抽出装置。
【請求項17】 x方向に第1のブレーズ型グレーティングおよびこれと基本周期の異なる第2のブレーズ型グレーティングを配し、y方向に第3のブレーズ型グレーティングおよびこれと基本周期の異なる第4のブレーズ型グレーティングを配することにより回折光学素子を構成したことを特徴とする請求項11または請求項14記載の光学的輪郭抽出装置。
【請求項18】 x方向に第1の透過型厚膜ホログラムおよびこれと基本周期の異なる第2の透過型厚膜ホログラムを配し、y方向に第3の透過型厚膜ホログラムおよびこれと基本周期の異なる第4の透過型厚膜ホログラムを配することにより回折光学素子を構成したことを特徴とする請求項11または請求項14記載の光学的輪郭抽出装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、画像の輪郭をリアルタイムに抽出する光学的輪郭抽出方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、画像認識装置の実用化が活発化しているが、輪郭抽出という技術はその画像の特徴を効果的にとらえることができ、認識精度の向上、処理データの削減および処理速度の向上という観点からたいへん重要な要素技術である。特に、光学的手法によって輪郭抽出をリアルタイムに行う技術は前述した要求を満たす上で非常に効果的である。
【0003】光学的輪郭抽出方法としてはフーリエ変換を用いる方法(たとえば「光工学」、共立出版、1977、p.196)がよく知られているが、特殊なフィルタが必要であり、実現は容易ではない。ここでは従来例として特開昭55ー92982号公報を取り上げ解説する。
【0004】以下図面を参照しながら、上記した従来の光学的輪郭抽出方法の一例について説明する。図14(a)は従来の光学的輪郭抽出方法で用いられている、2つの平行光束を形成するための平行反射層を示した光学的輪郭抽出装置の概略図である。図14(a)において、21は平行反射層、22はオリジナル画像に従って振幅変調された平行コヒーレント画像光である。23は表面からの反射光、24は裏面からの反射光である。
【0005】次に、その動作について説明する。反射光24は平行反射層の厚み、屈折率、光線の入射角によって決まる量だけ、反射光23からわずかに変位しており、この2つの反射光がつくる像は、図14(b)に示されるように、わずかにずれて重なった2重像となる。2つの反射光23,24の相対的な位相差が波長の1/2となるように上記の厚み、屈折率、入射角を設定すると、この重なりあった領域ではお互いに弱め合うような干渉が起こり、画像は消失する。その結果、2つの反射光23、24が重なり合わなかったわずかな領域での光のみが残存することになり、これがオリジナル画像の輪郭を表すことになる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記のような構成では、2つの反射光の光強度を揃えることが下記の理由ににより困難であり、結果として輪郭部分のコントラストは高くできないという問題点を有している。すなわち、平行反射層21の表面反射率をRとすると、反射光23の光強度I1 はRに比例する。裏面に反射ミラーを形成し反射率を1にすれば、反射光24の光強度I2 は平行反射層を出たところで、(1ーR)2 となり、このI1 とI2 が等しくなるときに重なり合った部分の画像が完全に消失するわけである。この条件を満たすRの値は約0.38である。しかし、このときには、図15(a)に示されるような第3の反射光25が存在し、しかもその光強度は入射光の約15%にもなる。したがって、図15(b)に示されるような多重像が形成され、(1)輪郭のボケ、(2)輪郭部と背景とのコントラスト低下を生じるものである。
【0007】本発明は上記問題点に鑑み、さらにコントラストの高い、鮮明な輪郭を形成することができる光学的輪郭抽出方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の光学的輪郭抽出方法は、原画像情報を読み出したコヒーレント光を、伝播方向の異なる2つの光ビームに変換し、前記光ビーム断面の光強度が一様な領域によって形成される干渉縞の明線部を、この干渉縞と同じ間隔の1次元格子で遮蔽するものであり、また、原画像情報を読み出したコヒーレント光を、光軸を含む一つの平面内で伝播方向の異なる2つの光ビームおよび前記平面に直交しかつ光軸を含む平面内で伝播方向の異なる別の2つの光ビームに変換し、前記光ビーム断面の光強度が一様な領域によって形成される干渉縞の明線部を、この干渉縞と同じ間隔の2次元格子で遮蔽するようにしたものである。さらに、前記光ビームを回折光学素子により構成したものである。
【0009】
【作用】本発明は上記した構成によって(1)伝搬方向の異なる2つの光ビームの光強度を揃えることが容易である、(2)干渉縞の明線部を遮蔽してしまうことによって輪郭のコントラストが向上する、(3)輪郭の幅が格子開口部の幅に規制されることによりボケを生じない、などの作用を生じることとなり、従来の問題点が解決される。
【0010】
【実施例】以下本発明の一実施例の光学的輪郭抽出方法について、図面を参照しながら説明する。なお簡便のため、主に1次元方向の光学的輪郭抽出方法について説明を行う。図1は本発明の一実施例における光学的輪郭抽出装置の基本的な構成を示す図である。図1において、1は回折光学素子、2は回折光学素子1の後方に配置された1次元格子、3は回折光学素子1の前方に配置された画像表示装置、4はレーザ光よりなる入射光、5、6は回折光学素子1から出射される回折光である。
【0011】まず図1に示された回折光学素子1は、図2(a)のように光軸からの角度がθ5 であるような回折光5を形成する厚膜ホログラム7と、図2(b)のように光軸からの角度がθ6 であるような回折光6を形成する厚膜ホログラム8から構成され、実際には図2(c)に示されるように2つの厚膜ホログラムの機能を1つの媒質内に多重化された厚膜ホログラム9として構成され、入射光を伝播方向の異なる2つの光ビームに変換する。厚膜ホログラムの材料としては、フォトポリマー、重クロム酸ゼラチン、銀塩、または一部の電気光学結晶などから選択が可能であるが、特にフォトポリマーは回折効率を高くできるため、入射光4を効率よく回折光5、6に変換することができる。
【0012】1次元格子2は、ガラス基板上に形成された、入射光に対して不透明な金属膜(たとえばクロム、アルミなど)をエッチングによりパターニングしたもので、その基本周期は、前記回折光によって形成される干渉縞の周期と等しくなるように構成されている。さらに、この1次元格子2は、前記回折光の相対的な位置ずれがその基本周期に概略等しくなるような光軸上の位置で、かつ回折光が形成する干渉縞の明線部をその格子が遮蔽するような光軸垂直方向の位置に配置されている。
【0013】画像表示装置3は、透過型の液晶表示装置で、たとえば、図3に示すようなグレー(低透過率)の背景に白(高透過率)のパターンが表示されたものであり、入射光によって画像がコヒーレント画像として読み出される。説明を簡便化するために、図に示したような輪郭を含む観察領域のみを抜き出して矢印の方向に見た様子が図1に示されているものとする。
【0014】このように構成された光学的輪郭抽出装置について、以下その動作を説明するわけであるが、その前に準備として、図4を用いて干渉縞の性質を簡単に説明する。一般に干渉縞は、干渉を起こす2つの光束の光強度I1 、I2 が等しいときには図4(a)の細い曲線で示されるように光強度0の暗線部を有するが、I1≠I2 の場合には、太い曲線で示されるようにオフセットを持ち、暗線部の光強度が0ではなくなる。
【0015】ここで、図4(b)の斜線部として示されるような、暗線部中心x=x0 に対して±αの領域を考えると、この領域内に含まれる干渉縞の光量Sは次の(1)式で表すことができる。
【0016】
S=(I1 +I2 )α/2 − (I1 ×I2 1/2 sinα …(1)
α=π/4とおいて、四半周期分の信号Sの値を比較してみると、I1 =I2=1のときにはS=0.08となり、一方、I1 =1、I2 =1/4のときにはS=0.14となる。したがって、干渉を起こす2つの光束の光強度が等しくない場合の方が信号Sの値が大きくなり得ることがわかった。
【0017】以上述べてきた干渉縞の性質を、光学的輪郭抽出装置に応用するわけであるが、図1の基本構成と、上記干渉縞の関係を明確化するため、以下図5を用いてさらにその原理を説明する。なお図5は、入射光が図の上から下に向かう配置になっている点以外は図1と全く同じ構成である。
【0018】入射光4によって読み出された原画像パターンは回折光学素子1によって、回折光5、6に変換されるため、原画像パターンの輪郭部は回折光5、6によって、1次元格子2上の図中水平方向位置x5、x6にそれぞれ投影される。このx5、x6によって挟まれた部分をここでは領域1と呼び、x6より左の部分を領域2、x5より右の部分を領域3と呼ぶことにする。
【0019】領域1においては回折光5の光強度が高い部分と、回折光6の光強度の低い部分とが干渉を起こす。このとき上述した理由により干渉縞暗線部の光強度が0ではなくなる。一方領域2と領域3では回折光の光強度がそれぞれ等しくなるため、干渉縞暗線部の光強度は0となる。
【0020】さて、明線部の一部は1次元格子2により遮蔽されているので、その格子を通過する光は図の斜線部で表される光量を持つ。領域1、2、3において、格子を通過した光の光量をそれぞれS1 、S2 、S3 とおくとき、S1 がS2 とS3 よりも大きくなり、領域1が他の領域よりも明るくなるため、これによって輪郭部が強調、抽出されることになる。
【0021】この信号は、図6に示すような白(高透過率)と黒(透過率0)のパターンが表示された場合でも同様に得られる。このとき領域1では一様な強度の回折光5のみが存在し、領域2には光は達しない。
【0022】また図7からもわかるように、1次元格子2の開口部の大きさが小さいほど信号S2 、S3 の光強度の高い部分が遮蔽されることになる。一方、領域1では遮蔽による信号S1 の低下の割合が小さい。したがって、S1 /S2 を輪郭部のコントラストCと定義すれば、1次元格子2の開口部の大きさが小さいほどこのコントラストが向上すると予想される。
【0023】図8は、図6に示したような白黒パターンが表示されたときのS1 、S2 およびその比S1 /S2 をコントラストとしてプロットしたものである。予想された通り、開口幅比を小さくすることで高いコントラストが得られることがわかる。
【0024】図9は、横軸に光強度比、縦軸にコントラスト比をとり、開口幅比をパラメータにしてプロットしたグラフである。開口幅比は0.1から0.9まで0.1刻みに選んでプロットした。これより、開口幅比が小さいとき、特に0.5以下の場合には、回折光の光強度比が大きな場合でも高いコントラストが得られることがわかる。これはグレースケールの異なる画像パターンの輪郭抽出も可能であることを示唆している。なお、先ほど述べた白黒パターンの場合はこの図において光強度比が0の場合に相当する。
【0025】また、前述のように、領域1の幅|x5−x6|、すなわち回折光の相対的な位置ずれは1次元格子の基本周期に等しくなるように構成されているため、領域1は常に1つの開口部のみを含むことになり、抽出される輪郭の幅はこの開口部の幅に等しくなるよう規制されることになる。
【0026】なお、この相対的な位置ずれが1次元格子の基本周期よりも小さくなるような構成をとると、パターンの境界が格子上に投影されるような位置関係において、輪郭パターンが消えてしまう場合がある。一方、この相対的な位置ずれが1次元格子の基本周期よりも大きくなるような構成をとった場合には、同時に2つ以上の開口部において明るい出力が得られることとなり、結果として、輪郭がぼけることになる。但し、これを利用して、輪郭抽出、および画像認識の確度や安定性を確保することは可能である。
【0027】以上述べてきたように、本実施例により、コントラストの高い、鮮明な輪郭抽出が可能となる。なお、本実施例において、回折光学素子1と1次元格子2はそれぞれ独立した要素として示されていたが、回折光学素子1を透明基板上の1つの面に形成し、もう一方の面に前述の1次元格子2を構成してもよい。こうすることにより、輪郭抽出のための主要な要素を一体化することができ、安定した性能を実現することができるようになる。
【0028】また、本実施例では回折光学素子1を多重化された厚膜ホログラムで構成したが、図10に示すような、1つの2値位相グレーティングを用いてもよい。このとき、その+1次回折光と−1次回折光が回折光5、6として利用される。
【0029】また、2値位相グレーティングの図11(a)に替えて、図11(b)に示すような、階段状の位相構造を持つ多値位相グレーティングを用い、基本周期の異なる2つの多値位相グレーティングを合成、あるいは重ね合わせた構成や、図11(c)に示すような、線形的な位相構造を持つブレーズ型グレーティングを用い、基本周期の異なる2つのブレーズ型グレーティングを合成あるいは重ね合わせた構成は、光利用効率向上の観点からも好ましい構成である。このとき、それぞれの−1次回折光が抑制され、+1次回折光の効率が100%に近づくからである。
【0030】なお、ここで述べた基本周期の異なる2つのグレーティングを重ね合わせるという構成はUSP−3829219号明細書において、シアリング干渉計を構成する主要要素として、すでに述べられている。このUSP発明は、前述した構成のグレーティングを用いてレンズ、プリズムなどの光学部品を透過してきた光を2つに分割し、干渉させることによって前記光学部品の波面精度、すなわち光の位相差を干渉によってとらえようとするものであり、光の強度差をとらえようとする本発明の目的とは異なるものである。また、このUSP発明には干渉縞の明線部を格子により遮蔽するという概念は含まれていない。
【0031】また、本実施例において、1次元格子2をガラス基板上に蒸着された金属膜をエッチングによりパターニングしたもので構成したが、薄い金属板をたとえばレーザ加工などの方法でパターン抜き加工を施したものなど、干渉縞の明線部の光を遮蔽する機能を有するものであれば、いずれも本実施例の光学的輪郭抽出装置に利用可能である。
【0032】また、本実施例において、画像表示装置3を透過型の液晶表示装置としたが、反射型の表示装置を用いた構成も容易に実現できる。いずれの場合もコヒーレントな入射光4によって原画像情報が読み出せるものであればよい。
【0033】また図12に示すような構成も可能である。すなわち、ここでは(1)回折光学素子1と画像表示装置3との位置が入れ替わっている、(2)1次元格子2が省略され、撮像素子10が採用されている、ということが上述の実施例と異なる点である。一様な入射光4がまず回折光5、6に変換され、これによって画像表示装置3に表示された原画像パターンと読みだしても上述の実施例と同じ効果を得る。また、撮像素子10は、1つの画素11と他の画素11との間には光に対する感度を持たない不感帯12があり、この部分に回折光が形成する干渉縞の明線部をおけば、自ずと画素11は干渉縞の暗線部近傍の光を検出することになり、1次元格子2を配した場合と同じ効果を得ることができる。
【0034】以上、1次元方向の輪郭抽出装置について実施例を説明してきたが、これの2次元方向への拡張は極めて容易である。すなわち、1次元的な性質を有していた回折光学素子1、1次元格子2および撮像素子10を2次元に拡張すればよい。概念的にはこれらの部品を2つ用意して、一方を90度回転させてもう一方に重ね合わせる構成をとればよい。これは、あくまでも機能の重ね合わせであり、2つの個体が重ね合わされている形態に限定されるものではない。格子についても同様である。いずれも図13に網目模様として示される回折光学素子13、2次元格子14のように水平方向、鉛直方向に独立した機能を有するものである。
【0035】
【発明の効果】以上のように、本発明により、原画像パターンにならって形成される干渉縞の明線部を格子で遮蔽したことにより、光学的にコントラストが高く、鮮明な輪郭抽出を実現できる。




 

 


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