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発明の名称 自動トラッキング制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−65449
公開日 平成7年(1995)3月10日
出願番号 特願平5−206557
出願日 平成5年(1993)8月20日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
発明者 岸本 憲一
要約 目的
エンベロープの低下を最小限に抑えることができ、画質劣化を最小限に抑えるようにトラッキング位相を自動的に調整することができる自動トラッキング制御装置を提供すること。

構成
回転磁気ヘッドA1,B1,A2,B2 で再生された信号の、トラック上に設定された複数箇所の検出点におけるエンベロープの大きさをそれぞれ検出するエンベロープ検出手段102と、その検出されたエンベロープの大きさの変化量をそれぞれ検出する変化量検出手段103 と、トラッキング位相を所定量だけ変化させた場合の変化量の極性に基づき、エンベロープの低下を最小限に抑えるようにトラッキング位相を制御するマイクロ・コンピュータ101とを備える。
特許請求の範囲
【請求項1】 再生時に回転磁気ヘッドの回転位相に対する再生コントロール信号の位相が所定の位相となるように磁気テープの走行を制御する自動トラッキング制御装置において、前記回転磁気ヘッドで再生された信号の、トラック上に設定された複数箇所の検出点におけるエンベロープの大きさをそれぞれ検出するエンベロープ検出手段と、各位相における各エンベロープの大きさのうち、最も小さい大きさに着目し、それらの着目した大きさのうち最も大きい値を与える位相をトラッキング位相とする位相制御手段とを備えたことを特徴とする自動トラッキング制御装置。
【請求項2】 再生時に回転磁気ヘッドの回転位相に対する再生コントロール信号の位相が所定の位相となるように磁気テープの走行を制御する自動トラッキング制御装置において、前記回転磁気ヘッドで再生された信号の、トラック上に設定された複数箇所の検出点におけるエンベロープの大きさをそれぞれ検出するエンベロープ検出手段と、その検出されたエンベロープの大きさの変化量をそれぞれ検出する変化量検出手段と、トラッキング位相を所定量だけ変化させた場合に、前記変化量検出手段により検出された変化量の極性がすべて一致する時は、前記エンベロープの大きさが増加する方向に、かつ前記エンベロープの大きさがすべて最大になるまでトラッキング位相を変更し、又、前記変化量の極性が一致しない時は、エンベロープの大きさが増加する群とエンベロープの大きさが減少する群のそれぞれにおいてエンベロープの大きさが最も小さいエンベロープの大きさが互いに一致する方向に、かつ互いに実質上一致するまでトラッキング位相を変更する位相制御手段とを備えたことを特徴とする自動トラッキング制御装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、VTR(ビデオ・テープ・レコーダ)等の磁気記録再生装置における、コントロール方式の自動トラッキング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来のコントロール方式のトラッキング制御を行なうVTRでは、一般に回転磁気ヘッドの回転位相に対するコントロール信号の位相を所定の一定量ずつシフトさせ、再生信号のエンベロープの平均値が最大となるようにトラッキング位相を自動的に調整する方法を用いている。
【0003】以下、図面を参照しながら、上述した従来の自動トラッキング制御装置の一例について説明する。図3は、従来の自動トラッキング制御装置の構成をVTRのテープ走行系及び制御系の構成とともに示すものである。図3において、A1、B1、A2、B2は回転磁気ヘッド、102は再生信号のエンベロープを検出するエンベロープ検出手段、104は回転磁気ヘッドA1,B1,A2,B2が取り付けられたシリンダー、105はシリンダー104を駆動するシリンダー・モータ、106はシリンダーFG、107はシリンダーPG、108は磁気テープ117を走行させるためのキャプスタン、109はキャプスタン108を駆動するキャプスタン・モータ、110はキャプスタンFG、111は再生コントロール信号を検出するコントロール・ヘッド、112はヘッド切り換え信号発生回路(HSW)、113はシリンダー・モ−タ105の回転速度を制御するシリンダー制御回路、114は信号を遅延させる遅延回路、115は位相比較器、116はキャプスタン・モータ109の回転速度を制御するキャプスタン制御回路、117は映像信号が記録された磁気テープ、118は回転磁気ヘッドA1,B1,A2,B2を切り換える切り換えスイッチ、120、121は再生信号を増幅する増幅回路、122、123は増幅された信号の検波を行う検波回路、128は検波された信号を加算する加算回路、129は加算された信号に基づき平均値を求める平均値回路、130はトラッキング位相を制御するためのマイクロ・コンピュータである。
【0004】ここで、磁気テープ117はシリンダー104に斜めに巻き付けられ、キャプスタン108によって駆動される。
【0005】まず、シリンダー104の回転制御について説明する。シリンダーFG106はシリンダー・モータ105の回転数に比例した周波数のパルスを出力する。又、シリンダーPG107はシリンダー・モータ105の回転位相に同期してパルスを出力する。シリンダーPG107から出力されたパルスはヘッド切り換え信号発生回路112に入力され、そのパルスに同期したヘッド切り換え信号を出力する。出力されたヘッド切り換え信号はシリンダー104の回転位相と対応しており、シリンダー制御回路113に入力される。このシリンダー制御回路113は、他方シリンダーFG106から出力されるパルスの周波数を検出し、シリンダー・モータ105が所定の一定速度で回転するように速度制御すると同時に、内部で発生する基準位相信号とヘッド切り換え信号とが所定の位相差になるように位相制御を行なう。
【0006】次に、キャプスタン108の回転制御について説明する。キャプスタン・モータ109に近接して設置されたキャプスタンFG110は、キャプスタン・モータ109の回転数に比例した周波数のパルスを出力する。コントロール・ヘッド111から出力された再生コントロール信号は遅延回路114によって遅延された後、位相比較器115に入力される。位相比較器115は、遅延回路114によって遅延された信号とヘッド切り換え信号を位相比較し、キャプスタン位相誤差信号をキャプスタン制御回路116へ出力する。キャプスタン制御回路116は、キャプスタンFG110の出力するパルスの周波数を検出し、キャプスタン・モータ109が所定の速度で回転するように速度制御すると同時に、位相比較器115から出力されるキャプスタン位相誤差信号が所定の位相となるように位相制御を行なう。
【0007】回転磁気ヘッドA1,B1,A2,B2は、図4(a)に示すように、シリンダー104に取り付けられている。回転磁気ヘッドA1,B1,A2,B2の出力信号は、ヘッド切り換え信号発生回路112の出力するヘッド切り換え信号に応じて、シリンダー104が180度回転するごとに切り換えスイッチ118によって切り換えられ、増幅回路120,121によってそれぞれ増幅された後、検波回路122,123によって検波される。その後、各検波回路122,123より出力される2系統の信号は、加算回路128で加算された後、平均値回路129で平均化され、マイクロ・コンピュータ130に入力される。また、マイクロ・コンピュータ130には、動作タイミングを与えるためにヘッド切り換え信号発生回路112から出力されるヘッド切り換え信号が入力される。マイクロ・コンピュータ130は、遅延器114に対して遅延量の指令を与える。
【0008】以上のように構成された自動トラッキング制御装置について、以下そのトラッキング位相補正の動作を説明する。
【0009】図4(a)に示す回転磁気ヘッドA1,B1,A2,B2によって、記録時には図4(b)に示すように、磁気テープ117に記録トラックが形成される。回転磁気ヘッドA1とA2、B1とB2はそれぞれアジマス角が等しく、A1とB1はアジマス角が逆である。この場合、回転磁気ヘッドA1,B1,A2,B2に対応するトラックはそれぞれ、T1、T2、T3、T4である。また、再生時にはトラックT1、T2、T3、T4に記録された信号は、それぞれ回転磁気ヘッドA1,B1,A2,B2によって再生される。
【0010】図5(a)、(b)、(c)は、トラッキング位相を変化させた時のエンベロープの大きさの変化を示す図である。仮に、回転磁気ヘッドのヘッド幅とトラック・ピッチが等しく、トラック・リニアリティにずれがないとすると、トラッキング位相を変化させた時のエンベロープの大きさの平均値の変化、すなわち平均値回路129の出力信号の変化は、例えば図5(a)のようになる。マイクロ・コンピュータ130は遅延回路114に対して指令を送り再生コントロール信号の遅延量を変化させることにより、トラッキング位相を変化させることができ、エンベロープの大きさの平均値は平均値回路129より得られる。
【0011】従って、例えばトラッキング位相θ7 からトラッキング位相の補正を開始した場合、まず、トラッキング位相を所定の一定量だけ減少させθ6 としてエンベロープの大きさをトラッキング位相がθ7 の時と比較する。この場合、エンベロープの大きさは減少しているので、次にトラッキング位相をθ8 にする。今度はエンベロープの大きさは増加しているので、さらにトラッキング位相を所定量だけ増加させθ9 とする。この場合は、エンベロープの大きさが減少しているので、トラッキング位相をθ8 に戻し、トラッキング位相の補正動作を完了する。このトラッキング位相θ8 では、エンベロープの大きさの平均値が最大となる。
【0012】以上のように、トラッキング位相を所定の一定量ずつずらし、その前後の再生信号のエンベロープの大きさを比較するという一連の動作を繰り返し行なうことにより、自動的にトラッキング位相を補正することができる。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような構成では、エンベロープの大きさを平均値で検出しているので、トラック・リニアリティが悪い磁気記録再生装置における互換再生では、エンベロープが大きく低下するポイントが発生する場合があり、この場合、画質劣化が生じる恐れがあるという課題がある。一般に、エンベロープの低下が大きいほど、画質劣化の度合が大きいからである。
【0014】例えば、図4(b)のトラックT1、T2、T3、T4において太線で示した箇所をエンベロープの大きさの検出点とする。すなわち各トラック当り3箇所、合計12箇所の検出点があり、それぞれの検出点における、トラッキング位相に対するエンベロープの変化曲線が図5(b)に示すようであったとする。また、同図において、1C、2C、3C、4Cの変化曲線を示す検出点がそれぞれ1箇所、3箇所、3箇所、5箇所ずつあったとする。ところが、このときの平均値回路129の出力信号の変化は、図5(c)に示すようなものとなるため、上述したトラッキング位相補正の動作によるとトラッキング位相はθ9 の値に補正される。ところが、トラッキング位相がθ9 の場合、1Cの変化曲線を示す検出点においては、エンベロープの大きさが大幅に低下しており、画質劣化が生じてしまう。
【0015】本発明は、従来のトラッキング制御のこのような課題を考慮し、エンベロープの低下を最小限に抑えることができ、画質劣化を最小限に抑えるようにトラッキング位相を自動的に調整することができる自動トラッキング制御装置を提供することを目的とするものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、再生時に回転磁気ヘッドの回転位相に対する再生コントロール信号の位相が所定の位相となるように磁気テープの走行を制御する自動トラッキング制御装置において、回転磁気ヘッドで再生された信号の、トラック上に設定された複数箇所の検出点におけるエンベロープの大きさをそれぞれ検出するエンベロープ検出手段と、各位相における各エンベロープの大きさのうち、最も小さい大きさに着目し、それらの着目した大きさのうち最も大きい値を与える位相をトラッキング位相とする位相制御手段とを備えた自動トラッキング制御装置である。
【0017】請求項2の本発明は、再生時に回転磁気ヘッドの回転位相に対する再生コントロール信号の位相が所定の位相となるように磁気テープの走行を制御する自動トラッキング制御装置において、回転磁気ヘッドで再生された信号の、トラック上に設定された複数箇所の検出点におけるエンベロープの大きさをそれぞれ検出するエンベロープ検出手段と、その検出されたエンベロープの大きさの変化量をそれぞれ検出する変化量検出手段と、トラッキング位相を所定量だけ変化させた場合に、変化量検出手段により検出された変化量の極性がすべて一致する時は、エンベロープの大きさが増加する方向に、かつエンベロープの大きさがすべて最大になるまでトラッキング位相を変更し、又、変化量の極性が一致しない時は、エンベロープの大きさが増加する群とエンベロープの大きさが減少する群のそれぞれにおいてエンベロープの大きさが最も小さいエンベロープの大きさが互いに一致する方向に、かつ互いに実質上一致するまでトラッキング位相を変更する位相制御手段とを備えた自動トラッキング制御装置である。
【0018】
【作用】本発明は、エンベロープ検出手段が、トラック上に設定された複数箇所の検出点におけるエンベロープの大きさをそれぞれ検出し、位相制御手段が、各位相における各エンベロープの大きさうち、最も小さい大きさに着目し、それらの着目した大きさのうち最も大きい値を与える位相をトラッキング位相として、再生時に回転磁気ヘッドの回転位相に対する再生コントロール信号の位相が所定の位相となるように磁気テープの走行を制御する。
【0019】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基づいて説明する。
【0020】図1は、本発明にかかる一実施例の自動トラッキング制御装置のブロック図である。図1ではVTRの走行系及び制御系の構成とともに示している。図1において、101はマイクロ・コンピュータ、102はエンベロープ検出手段、103はエンベロープの変化量を検出する変化量検出手段、104はシリンダー、105はシリンダー・モータ、106はシリンダーFG、107はシリンダーPG、108はキャプスタン、109はキャプスタン・モータ、110はキャプスタンFG、111はコントロール・ヘッド、112はヘッド切り換え信号発生回路、113はシリンダー制御回路、114は遅延回路、115は位相比較器、116はキャプスタン制御回路、117は磁気テープ、118は切り換えスイッチであり、エンベロープ検出手段102は、増幅回路120,121及び検波回路122,123により構成され、変化量検出手段103は、切り換えスイッチ119、書き込みアドレス発生回路124、A/D変換器125、メモリ126及び、比較器127により構成されている。
【0021】以上の構成において、図3の従来例と同じ番号の回路は同様のものであるので、説明を省略し、異なる部分のみ以下に説明する。
【0022】検波回路122,123の出力信号はスイッチ119で切り換えられた後、A/D変換器125に入力されアナログ信号からディジタル信号に変換された後、メモリ126に入力される。書き込みアドレス発生回路124は、ヘッド切り換え信号発生回路112から出力されるヘッド切り換え信号によりメモリ126への書き込みアドレスを出力すると同時に、スイッチ119を切り換えメモリ126へ入力する信号を選択する。マイクロ・コンピュータ101は、メモリ126へのデータの書き込みタイミングを管理しており、メモリ126に対して書き込み指令を送る。メモリ126は2系統の出力ポートを備えており、マイクロ・コンピュータ101の出力する出力ポート選択信号と読み出しアドレス制御信号により、指定されたアドレスに記憶されたデータを2系統のうち指定された方の出力ポートに出力する。比較器127はメモリ126から出力される2系統のデータの大きさを比較し、その結果をマイクロ・コンピュータ101に送る。マイクロ・コンピュータ101は、遅延回路114に対して遅延量の指令を送り、トラッキング位相をコントロールする。
【0023】以上のように構成された自動トラッキング制御装置について、以下図1、図2、図4、図5を参照しながらその動作を説明する。ここで、従来例の動作についての説明と重複する部分の説明は省略する。また、回転磁気ヘッドA1,B1,A2,B2の構成及び、これらとトラックとの関係についても従来例における説明と同様である。
【0024】まず、各検出点におけるエンベロープの大きさはエンベロープ検出手段102により検出され、その検出された信号は、スイッチ119、A/D変換器125を通過した後、書き込みアドレス発生回路124が指定するメモリ126のアドレスに、マイクロ・コンピュータ101の出力する書き込み指令によって記憶される。次に、トラッキング位相を所定量だけずらした後にも、同様の動作により各検出点におけるエンベロープの大きさがメモリ126に記憶される。メモリ126に記憶されたこれらの各検出点におけるエンベロープの大きさの値は、マイクロ・コンピュータ101がメモリ126に送る出力ポート選択信号と読み出しアドレス信号によって、比較すべき2つの値が比較器127に出力される。比較器127は、これら2つの値を比較し、その結果をマイクロ・コンピュータ101に送るので、マイクロ・コンピュータ101は、各検出点におけるエンベロープの大きさの増減を検出することができる。
【0025】ここでは、従来例と同様、回転磁気ヘッドA1,B1,A2,B2によってそれぞれ再生されるトラックT1、T2、T3、T4について、図4(b)の太線に示すように各トラック3箇所、合計12箇所の検出点を設定するものとする。なお、1トラックあたりの検出点はある程度数が多い方がより最適なトラッキング補正動作が可能であるが、ここでは説明上1トラックあたり3箇所とする。又、回転磁気ヘッドA1,B1,A2,B2のヘッド幅はトラック・ピッチより若干広いとする。
【0026】まず、トラック・リニアリティずれが比較的小さい場合について説明する。トラック・リニアリティずれがあるとトラッキング位相を変化させた時の各検出点におけるエンベロープの大きさの変化曲線は一致しない。ずれが小さい場合、例えば、図2(a)に示すような変化曲線を示し、各検出点におけるエンベロープの大きさの変化曲線は1a、2a、3aのいずれかに該当しているとする。いま、トラッキング位相θ1 からスタートし、次にトラッキング位相を所定量だけ増加させθ2 とする。この時、1aについてはエンベロープの大きさに変化はないが、2a、3aについては増加しているので、さらにトラッキング位相を所定量だけ増加させθ3 とする。この時は、1a、2aについてはエンベロープの大きさに変化はないが、3aについては増加しているので、さらにトラッキング位相を所定量だけ増加させθ4 とする。この時は、2a、3aについてはエンベロープの大きさに変化はないが、1aについては減少しているので、トラッキング位相をθ3 に戻す。
【0027】このように、トラッキング位相を所定量だけずらした前後において各検出点における変化極性は一致しているので、各検出点におけるエンベロープの大きさが増加する方向に、かつ各検出点におけるエンベロープの大きさがすべて最大になるまでトラッキング位相をずらすことにより、トラッキング位相を最適な位相に補正することができる。
【0028】次に、トラック・リニアリティずれが比較的大きい場合について説明する。トラッキング位相を変化させた時の各検出点におけるエンベロープの大きさの変化曲線が図2(b)に示すようでであるとする。さらに、各検出点におけるエンベロープの大きさの変化曲線は1b、2b、3b、4bのいずれかに該当しているとする。いま、トラッキング位相θ1 からスタートし、次にトラッキング位相を所定量だけ増加させθ2 とする。この時、1bについてはエンベロープの大きさに変化はないが、2b、3b、4bについては増加している。すなわち、各検出点における変化極性が一致しているので、さらにトラッキング位相を所定量だけ増加させθ3 とする。この時は、2bについてはエンベロープの大きさに変化はないが、1bについては減少し、3b、4bについては増加している。すなわち、この場合は各検出点における変化極性が一致していない。
【0029】この時、エンベロープの大きさが増加する検出点群の中でエンベロープの大きさが最も小さいのは4bであり、エンベロープの大きさが減少する検出点群の中でエンベロープの大きさが最も小さいのは1bである。そこで、エンベロープの大きさが増加する検出点群の4bとエンベロープの大きさが減少する検出点群の1bとが、互いに一致する方向にトラッキング位相をずらす。このトラッキング位相θ3 では、4bより1bの方が大きいので、さらにトラッキング位相を所定量だけ増加させθ4 とすると、4bと1bの大きさが等しくなる。このトラッキング位相θ4 はエンベロープの低下が最小限に抑えられるトラッキング位相であることを示している。このように、トラッキング位相を所定量だけずらした前後において、変化量の極性が一致しない時は、エンベロープの大きさが増加する検出点群とエンベロープの大きさが減少する検出点群のそれぞれについて、エンベロープの大きさが最も小さいものに着目し、それらエンベロープの大きさが互いに一致する方向に、かつ互いにほぼ一致するまでトラッキング位相をずらすことにより、トラッキング位相を最適な位相に補正することができる。
【0030】以上のように、トラッキング位相を所定量だけずらした前後において、変化量検出手段103により検出された各検出点における変化量の極性がすべて一致する時は、各検出点におけるエンベロープの大きさが増加する方向にトラッキング位相をずらす。その結果、すべての検出点におけるエンベロープが最大になれば、トラッキング位相の補正動作を完了するが、すべての検出点におけるエンベロープが最大なので、このトラッキング位相が最適なトラッキング位相となる。
【0031】一方、変化量の極性が一致しない時は、エンベロープの大きさが増加する検出点群とエンベロープの大きさが減少する検出点群のそれぞれにおいて、エンベロープの大きさが最も小さい検出点におけるエンベロープの大きさが、互いに一致する方向にトラッキング位相をずらす。その結果、両者がほぼ一致した時にトラッキング位相の補正動作を完了するが、この時のトラッキング位相は、エンベロープの大きさの低下が最小限に抑えられるトラッキング位相である。なぜなら、エンベロープの大きさが増加する検出点群とエンベロープの大きさが減少する検出点群のそれぞれにおいて、エンベロープの大きさが最も小さい検出点におけるエンベロープの大きさをそれぞれL1 、L2 とし、このトラッキング位相θM においてL1 =L2 =LM とすると、トラッキング位相がθM からずれると、L1>LM >L2 、あるいは、L1 <LM <L2 となるからである。従って、このトラッキング位相が最適なトラッキング位相となる。
【0032】このようにしてトラック・リニアリティが良好な磁気記録再生装置における互換再生だけでなく、トラック・リニアリティが悪い磁気記録再生装置における互換再生においても、エンベロープの低下による画質劣化が最小限に抑えられる自動トラッキング制御動作が行なわれる。
【0033】なお、上記実施例では、トラッキング位相をθ1 からスタートする場合について説明したが、これに限らず、θ1 以外のトラッキング位相、例えばθ0 あるいはθ5 等からスタートしてもよく、その場合でも同様の結果となる。
【0034】また、上記実施例では、エンベロープの大きさの変化量を検出して、その変化量を比較することによりトラッキング位相を制御したが、これに限らず、各位相における各エンベロープのうち、エンベロープの大きさが最小のものに着目し、その着目したエンベロープの大きさが最も大きくなるような位相を求めるようにすれば、他の方法を用いてトラッキング位相を制御してもよい。
【0035】また、上記実施例では、回転磁気ヘッドA1,B1,A2,B2のヘッド幅はトラック・ピッチより若干広いとしたが、これに限らず、回転磁気ヘッドA1,B1,A2,B2のヘッド幅がトラック・ピッチと等しい場合、例えば各検出点におけるエンベロープの変化が図5(b)に示すような場合でも、上述と同様なトラッキング位相の補正動作によりトラッキング位相を最適な位相、すなわち各検出点におけるエンベロープの低下が最も小さいトラッキング位相であるθ7 に補正することができる。
【0036】また、上記実施例では、回転磁気ヘッドの個数が4つの場合について、また、トラック上の検出点については1トラックあたり3箇所の場合について説明したが、回転磁気ヘッドの個数あるいは1トラックあたりの検出点の個数が異なる場合についても同様のトラッキング位相の補正動作を行なうことができることは言うまでもない。
【0037】また、上記実施例では、各回転磁気ヘッドあるいはエンベロープ検出手段において、感度ばらつきがないとして説明したが、これに限らず、感度ばらつきがある場合に、これらの出力信号のレベルを補正した後に、上述した同様のトラッキング位相の補正動作を行なうことができる。
【0038】また、上記実施例では、トラッキング位相の制御にマイクロ・コンピュータ101を用いてソフトウェア的に構成したが、これに代えて、同様の機能を有する専用のハードウェアにより構成してもよい。
【0039】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本発明は、トラック上に設定された複数箇所の検出点におけるエンベロープの大きさをそれぞれ検出するエンベロープ検出手段と、各位相における各エンベロープの大きさのうち、最も小さい大きさに着目し、それらの着目した大きさのうち最も大きい値を与える位相をトラッキング位相とする位相制御手段とを備えているので、エンベロープの低下を最小限に抑えることができ、画質劣化を最小限に抑えるようにトラッキング位相を自動的に調整することができるという長所を有する。




 

 


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