米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 計算機;電気通信 -> 松下電器産業株式会社

発明の名称 ローディング制御装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−65446
公開日 平成7年(1995)3月10日
出願番号 特願平5−211528
出願日 平成5年(1993)8月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
発明者 西田 理史 / 藤岡 総一郎
要約 目的
テープ巻径が大きく変化するカセットに対しても、テープの過度なテンションやたるみを防ぎ、ローディングの高速化も可能にすること。

構成
誤差検出器15はテンション指令手段13の出力するローディング時における目標テンション値とテンション検出手段14によって検出されたテープ2のテンション値が入力され、その差分値を誤差信号として出力する。微分手段16は誤差検出手段15の出力する誤差信号を微分する。可変利得加算手段18は誤差検出手段15の誤差信号と微分手段16の出力信号を利得指令手段100から入力される指令値に応じた利得で加算し、駆動回路12は可変利得加算手段12の出力に応じてモータ11を駆動する。利得指令手段100は第1のリール1のテープ巻径および慣性モーメントの比に応じた利得指令値を可変利得加算手段18に出力し、装着されたカセットに応じたテンション制御系を実現する。
特許請求の範囲
【請求項1】 カセット内の第1のリールおよび第2のリールに巻かれたテープをローディングポストによって引き出し磁気ヘッドの搭載されるシリンダに巻付けを行なうローディング制御装置において、前記テープのテンションを検出するテンション検出手段と、前記テープの目標テンション値を出力するテンション指令手段と、前記テンション検出手段の出力値と前記テンション指令手段の出力値との差を求める誤差検出手段と、前記誤差検出手段の出力を微分処理する微分手段と、前記第1のリールのテープ巻径および前記第1のリールの慣性モーメントに応じて前記誤差検出手段と前記微分手段の出力に対する利得の指令値を出力する利得指令手段と、前記誤差検出手段の出力と前記微分手段の出力を前記利得指令手段の出力に応じた利得で加算する可変利得加算手段と、前記第1のリールに取り付けられるモータと、前記可変利得加算手段の出力に応じたトルクを前記モータに発生させる駆動回路とを具備することを特徴とするローディング制御装置。
【請求項2】 利得指令手段は、前記第1のリールのテープ巻径と前記第1のリールの慣性モーメントとの比を検出するパラメータ検出手段と、前記パラメータ検出手段の出力に実質上比例した前記可変利得加算手段の利得の指令値を出力する利得係数設定手段とを具備することを特徴とする請求項1記載のローディング制御装置。
【請求項3】 利得係数設定手段は、前記パラメータ検出手段による出力が得られるまでの間所定の初期値を出力する初期値設定手段を含めて構成されることを特徴とする請求項2記載のローディング制御装置。
【請求項4】 パラメータ検出手段は、テープ引き出し速度を変化させると共にテープ引き出し速度に変化を与えていることを示す速度変化判別信号を出力する速度変化手段と、前記速度変化手段の速度変化判別信号の出力時に前記テンション検出手段の出力変化量を検出するテンション変化検出手段と、前記テンション変化検出器の出力から前記第1のリールのテープ巻径と前記第1のリールの慣性モーメントとの比を求め、前記利得係数設定手段に出力するパラメータ変換手段とを具備することを特徴とする請求項3記載のローディング制御装置。
【請求項5】 パラメータ変換手段は、前記第1のリールのテープ巻径と前記第1のリールの慣性モーメントとの複数の比の値に関して、前記速度変化手段のテープ引き出し速度変化によって発生するテンション変化量をあらかじめ求めて記憶しておく記憶手段と、前記記憶手段のデータを参照し、前期テンション変動検出手段の出力と略等しいテンション変動量に対応する前記第1のリールのテープ巻径と前記第1のリールの慣性モーメントとの比を出力するデータ選択手段とを具備することを特徴とする請求項4記載のローディング制御装置。
【請求項6】 速度変化手段は、前記第1のリールと前記テンション検出手段と前記誤差検出手段と前記微分手段と前記可変利得加算手段と前記駆動回路と前記モータによって実現されるテンション制御ループのゲイン交点周波数以下で、前記微分手段と前記誤差検出手段の出力を所定の利得で加算することによって構成されるフィルタの折れ点周波数以上の帯域に含まれる周波数のテープ引き出し速度変化を与えるようにすることを特徴とする請求項4記載のローディング制御装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ビデオテープレコーダ(以下、VTRと記す)などの磁気記録再生装置に用いられるローディング制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カセットテープを用いる磁気記録再生装置、例えばVTRやディジタルオーディオテープレコーダ(DAT)においては、カセット内のリールに巻かれたテープを所定の位置まで引き出し、磁気ヘッドの搭載されているシリンダに巻き付けるローディング動作が必要である。このようなローディングをコントロールする装置をローディング制御装置と呼ばれている。
【0003】ここで図を参照しながら、従来のローディング制御装置について説明する。図9は従来のローディング制御装置の構成例を示すブロック図である。図9では、ローディング機構は簡略化し、テープ2を案内するローディングポスト4、5、テープ2を巻き付け磁気ヘッドをヘリカル走査するシリンダ6、ローラーポスト7、8、9、10のみを図示している。
【0004】ローディング時テープ2は第1のリール1より引き出される。モータ11は第1のリール1を直接駆動するためのモータである。駆動回路12は入力信号に応じたトルクをモータ11に発生させる回路である。また、第2のリール3はローディング時に回転しないように固定されている。ローディング時には、ローディングポスト4、5をそれぞれ矢印A、Bの方向に移動させることにより、第1のリール1に巻かれたテープ2を引き出し、所定の角度でシリンダ6に巻き付ける。また、テープ2に所定のバックテンションを与えるため、テンション指令手段13とテンション検出手段14と誤差検出手段15と微分手段16と加算手段17によるフィードバックのテンション制御ループを構成し、所定のバックテンションになるようにモータ11のトルクを制御している。
【0005】誤差検出器15にはテンション指令手段13の出力するローディング時における目標テンション値Frとテンション検出手段14によって検出されるテープ2のテンション値Fが入力され、その差分値(Fr−F)をテンションの誤差信号として出力する。微分手段16は誤差検出手段15の出力する誤差信号を微分し、この微分信号をダンピング信号として加算手段17に与える。また、加算手段17は誤差検出手段15の誤差信号と微分手段16のダンピング信号を所定の利得で加算し、その出力をトルク制御信号として駆動回路12に出力する。
【0006】このような構成を取ることにより、テンションFが目標テンションFrより小さくなる場合加算手段17の出力するトルク制御信号が大きくなりテープ2の巻き取りトルクを増加させテンションFを大きくする。また、逆の場合には加算手段17の出力するトルク制御信号が小さくなりテープ2の巻き取りトルクが減少しテンションFが小さくなる。このような動作によりテンションが目標テンションFrになるように制御される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、近年の磁気記録再生装置において、長時間記録のためのテープ薄型化や、ローディング速度の高速化に伴い、さらにテンション安定性に優れたローディング制御系を構成することが必要となってきている。
【0008】一方、VTRやDATのカセットには、記録時間の異なるものが存在し、リールに巻かれたテープ量が異なる。また、同種のカセットであっても、VTRに装着された時点でのリールのテープ巻径は様々に異なる。この様に、ローディング時におけるリールのテープ巻径、さらには慣性モーメントは装着されたカセットにより異なる。そのため、従来の構成のローディング制御装置では、想定されるリールのテープ巻径や慣性モーメントに対し、すべての状態でテンション制御系の安定を確保できるようにゲイン等の設計を行ってきた。
【0009】そのため、リールのテープ巻径や慣性モーメントが大きく変化するカセットが使用される場合には、テンション制御系の性能をあまり上げることができず、その結果、ローディング時の走行負荷変動やモータのトルクリップルによるテンション変動によりテープの損傷が発生する場合があった。また、急峻なテープ引き出し速度の変化時に、過度なテンションやテープたるみによるテープ走行路からの脱落が発生し、大きなテープ損傷が生じてしまうという問題点があった。
【0010】また、ローディングの時間を短縮しようとするとこのようなテンション変動はさらに増大するため、高速ローディングを実現する上で大きな障害となっている。
【0011】本発明は上記従来のローディング制御装置の課題に鑑み、ローディング動作時のテープのたるみや過度なテンションを抑制し、さらには高速ローディングを可能とするローディング制御装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のローディング制御装置は、カセット内の第1のリールおよび第2のリールに巻かれたテープをローディングポストによって引き出し磁気ヘッドの搭載されるシリンダに巻付けを行なうローディング制御装置において、テープのテンションを検出するテンション検出手段と、テープの目標テンション値を出力するテンション指令手段と、テンション検出手段の出力値とテンション指令手段の出力値との差を求める誤差検出手段と、誤差検出手段の出力を微分処理する微分手段と、第1のリールのテープ巻径および第1のリールの慣性モーメントに応じて誤差検出手段と微分手段の出力に対する利得の指令値を出力する利得指令手段と、誤差検出手段の出力と微分手段の出力を利得指令手段の出力に応じた利得で加算する可変利得加算手段と、第1のリールに取り付けられるモータと、可変利得加算手段の出力に応じたトルクをモータに発生させる駆動回路とを具備することを特徴とするものである。
【0013】
【作用】本発明は上記した構成により、利得指令手段、可変利得加算手段を通して制御利得がリールのテープ巻径や慣性モーメントに応じて可変される。その結果、装着されたカセットに応じたフィードバックテンション制御系が構成されるため、従来の構成に対して、テープ引き出し速度変化や走行負荷変動やモータのトルクリップルに対するテンション変動を抑えることができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例のローディング制御装置について図面を参照しながら説明する。
【0015】図1は本発明の一実施例のローディング制御装置の構成を示すブロック図である。同図において、第1のリール1、テープ2、第2のリール3、ローディングポスト4、5、シリンダ6、ローラーポスト7、8、9、10、モータ11、駆動回路12、テンション指令手段13、テンション検出手段14、誤差検出手段15、微分手段16が設けられていることは従来例と同一であり、その説明は省略する。
【0016】従来の構成による加算手段17に対して、本発明では可変利得加算手段18が設けられており、誤差検出手段15の出力と微分手段16の出力を入力指令値に応じた利得で加算する構成になっている。さらに第1のリール1のテープ巻径や慣性モーメントに応じた利得指令値を可変利得加算手段18に出力する利得指令手段100が設けられている。
【0017】次に、図2はテンション制御系におけるテープ引出し速度VからテンションFまでの伝達特性を示すブロック図である。ブロック20はローディングポスト4、5によるテープ引き出し速度と第1のリール1が送り出しているテープ速度の差をテープ2の伸び量に変換するブロックであり、1/sは積分を示している。ブロック21はテープ2の伸び量をテンションに変換するブロックであり、Ctはテープ2のコンプライアンスである。ブロック22はテンションを電圧に変換するテンション検出手段14に相当するブロックであり、Ksは検出感度である。ブロック23は微分手段16と可変利得加算手段18に相当するブロックであり、KD、KPは可変利得加算手段18における微分手段16の出力に対する利得、誤差検出手段15の出力に対する利得を示している。ブロック24は可変利得加算手段18の出力電圧をモータ11に流す電流に変換する駆動回路12に相当するブロックであり、gmは駆動回路12のコンダクタンスである。ブロック25はモータ電流をモータトルクに変換するブロックであり、Ktはモータ11のトルク定数である。ブロック26はモータトルクを第1のリール1の回転角速度に変換するブロックであり、Jは第1のリール1に巻かれたテープ2とモータ11のロータを含む第1のリール1の慣性モーメントで、gは重力加速度である。ブロック27は第1のリール1の回転角速度を第1のリール1から送り出しているテープ速度に変換するブロックであり、rは第1のリール1のテープ巻径である。
【0018】従来の構成では、KP、KDを所定の固定値で与えている。また、想定される第1のリール1の慣性モーメント、テープ巻径のすべての値に対してテンション制御系が安定になるように利得KP、KDを設計している。その結果、従来の構成のテープ引き出し速度VからテンションFまでの伝達特性(F/V)は、折れ線近似を用いてボード線図で示すと図3で与えられる。
【0019】一般に、図2のブロック図から、図3での伝達特性F/Vにおいて、右下がりのグラフは、【0020】
【数1】

【0021】で表され、周波数軸に並行なグラフは、【0022】
【数2】

【0023】で表され、右上がりのグラフは、【0024】
【数3】

【0025】で表される。
【0026】この(数2)、(数3)から解るように右下がりのグラフおよび周波数軸に並行なグラフは、第1のリール1の慣性モーメントとテープ巻径の比に応じて上下方向に移動することになる。
【0027】図3において例えばaは第1のリール1の慣性モーメントとテープ巻径の比(J/rと呼ぶ)が最小になるときのグラフであり、bはJ/rが最大になるときのグラフである。
【0028】誤差検出手段15,微分手段16,加算手段17あるいは可変利得加算手段18(ブロック23)の処理を行う場合、テンション検出手段14(ブロック22)の出力電圧をA/D変換によりマイクロコンピュータに取り込み、離散的に信号を処理し、D/A変換を通じて駆動回路12(ブロック24)に出力することがよく行われる。この場合、移動平均やサンプルホールドの特性を考慮し、テンション制御ループのゲイン交点周波数の最大値が離散処理のサンプリング周波数fsの約1/α以下(αは例えば15)に設定することが安定性を確保するために必要である(f1=fS/αに設定)。また、ダンピング特性を考慮するとテンション制御系のゲイン交点周波数がブロック23のフィルタの折れ点周波数のβ倍以上(βは例えば4)に設定することが必要である(f2=βf3に設定)。この2つの条件を満たすようにKPおよびKDが決定される。その結果、従来の構成における伝達特性F/Vは図3の特性になり、J/rの値に応じてグラフaとグラフbの間の特性をとる。その結果テープ引き出し速度変化に対するテンション変動をグラフbの特性以下に抑えることができる。
【0029】一方、図2のテンション制御系のブロック図から、第1のリール1のテープ巻径rと慣性モーメントJに応じてテンション制御系の特性が変化することがわかる。そこで、本発明では、利得指令手段100を設け装着されたカセットの第1のリール1のテープ巻径および慣性モーメントに応じて利得KD、KPを変化させる。
【0030】テンション制御ループのゲイン交点周波数f4を常に離散処理のサンプリング周波数fsの1/αにし(条件1)、テンション制御系のゲイン交点周波数f4をブロック23のフィルタの折れ点周波数f5のβ倍にする(条件2)ようにKP、KDの値を変化させる。(条件1)を満たすためには、【0031】
【数4】

【0032】を満たせばよい。(数4)より微分手段16の出力に対する利得KDは、【0033】
【数5】

【0034】で与えられる。また、(条件2)を満たすために、誤差検出手段15の出力に対する利得KPは、【0035】
【数6】

【0036】で与えられる。(数5)および(数6)から第1のリール1の慣性モーメントおよびテープ巻径が決まれば、常に(条件1)および(条件2)を満たすようにすることができる。さらに、(数5)および(数6)から(条件1、2)を満たすためには、第1のリール1の慣性モーメントJとテープ巻径rのそれぞれの値を検出する必要がなく、第1のリール1の慣性モーメントJとテープ巻径の比J/rの値のみを検出できればよい。そこで、本発明ではさらに利得指令手段100として、J/rの値を検出するパラメータ検出手段19と、パラメータ検出手段19の出力するJ/rの値に比例した利得KD、利得KPをそれぞれ(数5)、(数6)より計算し可変利得加算手段18に利得指令値として出力する利得係数設定手段20を備える。
【0037】本発明の構成におけるテープ引き出し速度VからテンションFまでの伝達特性(F/V)は、折れ線近似を用いてボード線図で示すと図4で与えられる。図中に示すグラフcは本発明の特性であり、グラフa、bは図3で示した従来の構成による特性である。図4の矢印に示すようにテープ引き出し速度変化によって発生するテンション変動を従来の構成に比べさらに抑えることが可能である。
【0038】さらに、走行負荷変動やモータ11のトルクリップルなどのトルク外乱に対するテンション変動の特性について述べる。図5はテンション制御系における外乱トルクTDからテンションFまでの伝達特性を示すブロック図である。図5において図2と同じ番号が付けられているものは図2のブロックと同一のものを表している。このブロック図より、従来の構成における外乱トルクTDからテンションFまでの伝達特性(TD/V)は、折れ線近似を用いてボード線図で示すと図6で与えられる。図6におけるグラフd、eはそれぞれ第1のリール1の慣性モーメントとテープ巻径の比J/rが最小の場合と最大の場合を示している。トルク外乱TDによるテンション変動はグラフd以下に抑えられる。
【0039】これに対して、本発明の構成における外乱トルクTDからテンションFまでの伝達特性(TD/V)は、テープ引き出し速度からテンションまでの伝達特性の場合と同様に考察を行うことにより、折れ線近似を用いたボード線図で図7で与えられる。グラフf、gはそれぞれ第1のリール1の慣性モーメントとテープ巻径の比J/rが最小の場合と最大の場合を示している。トルク外乱TDに対するテンション変動は、従来の構成ではグラフd以下であったのが本構成ではグラフf以下に抑えることが可能になる。
【0040】このように本発明では走行系負荷変動やモータ11のトルクリップルに対してもテンション変動をより抑制することができる。
【0041】ここで、第1のリール1の慣性モーメントとテープ巻径の比J/rの検出方法について説明する。図2でテンション制御系を表すブロック図を示した。テープ引き出し速度VからテンションFまでの伝達特性は、テンション制御系の制御帯域ではブロック22〜27で構成されるパスによって決まり、【0042】
【数7】

【0043】で与えられる。(数7)より伝達特性はJ/rを変数とする関数で与えられている。その結果、制御帯域内の周波数の速度変動を与えるとその時のテンション変動量はJ/rに比例することがわかる。本発明はこの点に注目し、パラメータ検出手段19で必要なJ/rの検出を(数7)で表される関係を用いて検出を行う。
【0044】また、J/rの検出としては次のような方法をとることもできる。ローディング直後にテープ引き出し量と第1のリール1の回転角度から第1のリール1のテープ巻径を検出する。テープの巻径から第1のリール1に巻かれているテープ2の慣性モーメントを計算し、空リールの慣性モーメントとモータ11のロータの慣性モーメントをさらに加算し第1のリール1の慣性モーメントを求める。そして、第1のリール1の慣性モーメントとテープ巻径の比を計算し、J/rの値を得る。
【0045】しかし、この方法では空リールに複数の種類があり慣性モーメントが異なるような場合には空リールの種類を判別しなければ第1のリール1の慣性モーメントを計算することができない。また、テープ2の巻径が大きくなると少しのテープ巻径の変化に対して慣性モーメントが大きく変化するため、テープ巻径の大きなカセットを用いるような場合には、かなり高精度にリール巻径の検出を行うことが必要である。さらに、第1のリール1に巻かれたテープ2の体積密度のばらつきにより慣性モーメントの演算結果の精度が落ちるという問題がある。
【0046】本発明の方法はテープ引き出し速度変化とテンション変動の関係から直接J/rを求めるためこのような方法における問題点を解決することができる。
【0047】次に、本発明のJ/rの検出方法について動作を説明する。図1に示すように、利得係数設定手段20はローディング開始時、第1のリール1の慣性モーメントやテープ巻径のすべての状態に対し安定な制御系になるような利得KD、KPを設定し、可変利得加算手段18に利得指令として出力する。速度変化手段28はローディング開始直後後、テープ引き出し速度を変化させてもテープダメージが発生しないメカタイミングでローディングポスト4、5の移動速度を変化させる。同時に、速度変化手段28はテープ引き出し速度に変化を与えていることを知らせる速度変化判別信号をテンション変化検出手段29に出力する。テンション変化検出手段29は、速度変化判別信号を受信している間のテンション変化量を検出しパラメータ変換手段30にその値を出力する。パラメータ変換手段30はテンション変化量の大きさに応じて対応するJ/rを求め、利得係数設定手段20に出力する。利得設定手段20は、上述したようにJ/rの値に応じた利得指令値を求め可変利得加算手段18に利得の指令値を出力し、装着されたカセットに応じたテンション制御系が構成される。
【0048】上記パラメータ変換手段30は図8に示される記憶手段31とデータ選択手段32を備えることによりごく簡単な構成で実現できる。テンション制御系の帯域に含まれる周波数のテープ引き出し速度変動を与えた場合に発生するテンション変動量は(数7)の関係を用いて求めることができる。そこで第1のリール1の慣性モーメントとテープ巻径の比J/rをパラメータにして、速度変化手段28によって発生させるテープ引き出し速度変化に対するテンション変動量をシミュレーションあるいは実測であらかじめ求めておき、ロムなどで実現できる記憶手段31にテープ変動量とJ/rの関係をデータとして記憶しておく。そして、ローディング時テンション変化手段29から出力される値からデータ選択手段32は記憶手段31のデータを検索し、最も近いテンション変動量の値に対応するJ/rの値を抽出し、利得設定手段20に出力する。
【0049】最後に本発明の速度変化手段28のテープ引出し速度変化の与え方について説明する。ローディング開始直後、第1のリール1の慣性モーメントとテープ巻径の比の検出がまだ行われていないため、利得係数設定手段20ではあらかじめ設定された初期値、つまり従来の構成と同じ利得指令値を可変利得加算手段18に出力する。この状態でのテープ引き出し速度からテンション変動までの伝達特性は例えば図3で与えられる。この特性を考慮し本発明ではテンション制御系のゲイン交点周波数f2と図2のブロック23のフィルタの折れ点周波数f3の間の周波数になるようにテープ引き出し速度変化の周波数を設定する。その結果、テープ速度変化に対するテンション変動の感度が高くなるため、S/Nに優れた高精度な検出をすることができる。さらに、この帯域ではテープ引き出し速度とテンション変化の関係が比例関係になるため、テープ引き出し速度変化量とテンション変化量の比をもとめ、さらに固定値との乗算を行うという簡単な演算によりJ/rの比を求めることも可能となる。
【0050】なお、本発明の実施例においてテープ引き出し速度変化はローディングポスト4、5の移動速度を変化させることにより実現するとしたが、ローディングポスト4、5を強制的に変化させるのではなく、メカによって決まっているテープローディング経路などによって自然に発生するテープ引き出し速度を用いて実現してもよい。
【0051】また、本発明は第1のリール1のテープ巻径および慣性モーメントに応じてテンション制御系の利得を変化させるものであり、上述した実施例では、第1のリール1のテープ巻径と慣性モーメントの比に応じてテンション制御系の利得を変化させる場合について説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0052】また、本発明の実施例ではテンション制御系の利得の設計法として上述した(条件1、2)の場合について説明したが、本発明はこの方法に限定されるものではない。
【0053】また、本発明の実施例では、第2のリール3を固定し、第1のリール1からテープを引き出す場合について説明したが、第2のリール3にモータを取付け、一定トルクで駆動しているような場合など同様に成り立つ。このように、本発明は実施例の場合に限定されるものではない。
【0054】
【発明の効果】以上の説明より明らかなように、本発明によれば、リールの慣性モーメントおよびリールのテープ巻径に応じてテンションフィードバック制御系のループの利得を変化させるため、装着されたカセットのリールに応じた最適なテンションフィードバック制御系を実現することができる。
【0055】その結果、テープ引き出し速度の変化や走行負荷変動あるいはリールモータのトルクリップルなどによってローディング時に発生するテンション変動を抑制することができテープの損傷を防ぐことができる。さらには、ローディング速度の高速化を可能にする。
【0056】また、テンション制御系の特性変化がリールのテープ巻径と慣性モーメントの比によって変化していることに注目し、リールのテープ巻径と慣性モーメントの比に比例した制御利得設定をする。このため、リールのテープ巻径と慣性モーメントの値をそれぞれ独立に求める必要なく最適なテンション制御系を実現できる。
【0057】また、本発明のパラメータ検出手段が、リールのテープ巻径と慣性モーメントの比J/rの値をテープ引き出し速度変化とその時のテンション変化量の関係から求める場合、テープが巻かれる空リールの違いやリールに巻かれているテープの体積密度のばらつきに影響されず、実際のリールのテープ巻径と慣性モーメントの比を直接正確に検出することが可能である。また、テープ巻径の大きなリールに対しても精度良く検出することができる。
【0058】また、本発明の速度変化手段は、テープ引き出し速度変化の周波数を微分手段と誤差検出手段の出力を所定の利得で加算することによって構成されるフィルタの折れ点周波数とテンション制御系のゲイン交点周波数との間の周波数にする。その結果、テープ引き出し速度変化に対するテンション変動の検出感度が高くなりリールのテープ巻径と慣性モーメントの比を優れたS/Nで精度良く求めることができる。さらに、この帯域のテープ引き出し速度変化に対しては(数2)からわかるようにテープ引き出し速度変化波形とテンション変化波形が完全な比例関係になるため、テープ引き出し速度変化量とテンション変化量の比をもとめ、さらに固定値との乗算を行うという簡単な演算によりJ/rの比を求めることも可能となる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013