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発明の名称 磁気記録媒体とその製造方法、磁気ヘッドおよび磁気記録再生装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−65434
公開日 平成7年(1995)3月10日
出願番号 特願平5−207573
出願日 平成5年(1993)8月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 村田 明夫
要約 目的
磁気テープを用いた磁気記録再生装置において、記録トラックのリニアリティーが悪くとも装置互換が保たれ、高トラック密度の記録再生が可能な磁気記録再生装置を提供する。

構成
光ビーム18に対して反射の異なる光ガイド部22と磁気記録部23とが交互且つ平行に主面上に配された磁気テープ7と、主面に対して磁気記録を行う磁気ヘッド部14と、主面に光ビーム18を照射する機能と反射される光ビーム18を受光して信号10に変換して出力する機能を有する光ヘッド部16と、磁気ヘッド部14と光ヘッド部16とを一体化してトラック幅方向に同時に可動とするヘッド可動機構部13と、信号10をもとにヘッド可動機構部13の動作を制御する信号8をヘッド可動機構部13へ出力するヘッド可動機構制御部2とを備えた構成である。
特許請求の範囲
【請求項1】少なくともフィルム状基体と硬質磁性体とからなる磁気記録媒体であって、その主面に所定の光ビームに対して反射の異なる光ガイド部と磁気記録部とが交互にかつ平行に配されていることを特徴とする磁気記録媒体。
【請求項2】光ガイド部もしくは磁気記録部の、いずれか一方が凹形状もしくは凸形状をなしていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
【請求項3】光ガイド部もしくは磁気記録部の、いずれか一方に所定の光ビームに対して高い反射率を示す反射膜が配されていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
【請求項4】光ガイド部もしくは磁気記録部の、少なくともいずれか一方に、所定の光ビームに対して高い吸収率を示す有色な光吸収膜が配されていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
【請求項5】光ガイド部に直流磁化された磁気光学効果を有する光磁気記録膜が配されていることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
【請求項6】光ガイド部が互いに平行な略直線上に連続的に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の磁気記録媒体。
【請求項7】光ガイド部が互いに平行な略直線上に離散的に形成されていることを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の磁気記録媒体。
【請求項8】硬質磁性体の一部もしくは全部を高エネルギービームを照射して昇華あるいはスパッタ除去して凹形状の光ガイド部を主面に得ることを特徴とした磁気記録媒体の製造方法。
【請求項9】フィルム状基体に凹凸形状を形成した後に硬質磁性体を形成することによって主面に前記凹凸形状と略同一形状の凹凸形状を転写して、いずれかが凹形状もしくは凸形状を有する光ガイド部と磁気記録部とを主面に得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【請求項10】フィルム状基体上に硬質磁性体を形成し、さらに前記硬質磁性体上にフォトクロミック材料からなる薄膜を主面に凹凸形状を有しない様に均一な厚みで形成した後に、前記フォトクロミック材料が有色化もしくは無色化する所定波長の光を照射して部分的な有色化もしくは無色化を行って光ガイド部を主面に得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【請求項11】フィルム状基体上に硬質磁性体を形成し、さらに前記硬質磁性体上に磁気光学効果を有する光磁気膜を形成し、前記光磁気膜を直流磁化して光ガイド部を主面に得ることを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【請求項12】所定の光ビームに対する反射が異なる光ガイド部と磁気記録部とが交互にかつ平行に配された主面を有する磁気記録媒体に対して、前記光ビームが前記光ガイド部を走査しながら磁気記録を行うことを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項13】磁気記録媒体の主面に対して磁気記録を行う磁気ヘッド部と、前記主面に光ビームを照射する機能と反射される光ビームを受光して第1の信号に変換して出力する機能を有する光ヘッド部と、前記磁気ヘッド部と前記光ヘッド部とを略一体化してトラック幅方向に同時に可動とするヘッド可動機構部と、前記光ヘッド部から入力される前記第1の信号をもとに前記ヘッド可動機構部の動作を制御する第2の信号を前記ヘッド可動機構部へ出力するヘッド可動機構制御部とから構成され、前記磁気ヘッド部が前記主面に対して記録を行う際に、前記主面の前記光ガイド部に前記光ビームが常に照射されるように前記ヘッド可動機構制御部が前記ヘッド可動機構部を制御することを特徴とする請求項12記載の磁気記録再生装置。
【請求項14】少なくとも薄膜状光導波路を有する光ヘッド部と、少なくとも磁性薄膜コアおよび導体薄膜コイルとからなる磁気ヘッド部とが、薄膜加工技術によって同一基板上に略一体化形成されていることを特徴とする磁気ヘッド。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、少なくともフィルム状基体と硬質磁性体とからなる磁気記録媒体と、磁気記録媒体に情報信号を記録再生する磁気記録再生装置と、磁気記録再生装置で用いられる電磁変換素子からなる磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】フィルム状基体と硬質磁性体とからなる磁気記録媒体として従来よく用いられているものには、オーディオ用磁気テープやビデオ用磁気テープやフロッピーディスク媒体などがある。これらの磁気記録媒体は、たとえばPET(ポリエチレンテレフタレート)などのフィルム状基体上に酸化鉄からなる硬質磁性体を塗布された構造からなり、最初の記録が行われる(フロッピーディスク媒体ではフォーマッティング作業)以前は、何の情報も記録されていない無記録状態である。従来の磁気記録再生装置の記録再生方法を磁気テープを用いたビデオテープレコーダー(以下VTRと呼ぶ)を例に以下に説明する。
【0003】従来の磁気記録再生装置では、少なくとも一対の磁気ヘッドが相対角180度で搭載された回転シリンダーに、磁気テープが斜めに巻き付けられて走行し、前記回転シリンダーが回転する毎に前記一対の磁気ヘッドが交互に磁気テープ上を走査し記録することによって、磁気テープ上にその幅方向に対して斜めな記録トラックを形成していた。
【0004】またこの時、複数の記録トラック間の隙間を無くしてトラック方向の記録密度を高めるために、先行する磁気ヘッドで書き込まれた記録トラックに対して後行する磁気ヘッドが部分的に重なるように走査して記録する、いわゆるガードバンドレス記録を行っていた。
【0005】したがってこの場合磁気テープ上に残る最終的な記録トラックは、前記一対の磁気ヘッドのうち先行するヘッドと後行するヘッドのそれぞれのヘッド走査軌跡の差であった。
【0006】しかしながらヘッド走査は、磁気テープの回転シリンダーへの斜め方向の巻き付け角度とシリンダー回転数と磁気テープの走行速度、さらに回転シリンダー上の磁気ヘッド間の相対高さ等によって決まるので、その軌跡は前記回転シリンダーの加工や組立精度(例えばリードの直線性や軸垂の精度)、回転ムラ、前記磁気テープの幅変動やウィービングやテープ送り速度の変動などによって影響されていた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら従来の磁気記録再生装置では、前述した各変動の程度は装置によって異なり、その結果、記録と再生を異なる装置で行ういわゆる装置互換に多大な悪影響を与えていた。装置互換を確保するためには、前記変動を出来るだけ少なくして全ての装置におけるヘッド走査(記録トラック)を直線に保つ必要があるが、機械的な加工や組立精度の制約のために実現可能な直線性は数μmが限界であった。したがって、10μm以下のトラックピッチを実現することは、出力にかなりの余裕のあるヘッド・媒体系を用いても困難であった。
【0008】また前記装置互換を改善する他の方法として、シリンダー回転中に出力を最大に保つようにトラッキングを行うことが可能ないわゆる自動トラッキング再生ヘッドを別に設けて、直線性の良くない記録トラックを正確に走査する方法も考えられる。しかしながらこのような場合でも、記録時の先行ヘッドと後行ヘッドのヘッド走査(ヘッド軌跡)が平行でない場合には、記録される時点でトラック幅は部分的に狭くなってしまい、部分的なトラック痩せによる出力低下は避けられないという問題があった。これは、磁気記録再生装置に対して前記出力低下分のマージン設計を要求することになり、記録密度向上を阻む重大な問題であった。
【0009】本発明の目的は、前記加工精度の制約を受けるヘッド走査の直線性の影響を受けずに平行な記録トラックを形成して装置互換を確保するとともに、前記マージンを必要とせず、磁気ヘッドと磁気記録媒体の性能を最大限に生かした高密度記録再生が可能な磁気記録再生装置と、磁気記録媒体およびその製造方法と、磁気ヘッドを提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は上記目的を達するため、所定の光ビームに対する反射が異なる光ガイド部と磁気記録部とが交互かつ平行に配されている主面を有する磁気記録媒体に対して、前記光ビームが前記磁気記録媒体主面の光ガイド部を走査しながら磁気ヘッドが磁気記録もしくは再生を行うものである。
【0011】より具体的には、前記主面に対して磁気記録を行う磁気ヘッド部と、前記主面に光ビームを照射する機能と反射光ビームを受光してその強度等に応じた信号に変換して出力する機能を有する光ヘッド部とが、トラック幅方向に可動なヘッド可動機構部に略一体化して固定され、前記ヘッド可動機構部の動作を制御するヘッド可動機構制御部が前記光ヘッド部から入力される前記信号に基づいて前記主面の光ガイド部に前記光ビームが常に照射されるように前記ヘッド可動機構部を制御することにより、略一体化された前記磁気ヘッドが前記光ガイド部と平行な走査を行いながら磁気記録もしくは再生を行うものである。
【0012】
【作用】本発明は、あらかじめ光ガイド部と磁気記録部が交互かつ平行に設けられた磁気テープに対して、光ヘッド部が前記光ガイド部をトラッキングすることによって前記光ヘッド部と略一体化された磁気ヘッド部が前記磁気記録部にトラッキングされ、前記磁気記録部に記録トラックを形成する構成なので、記録時のヘッド軌跡が非平行であるために生じる部分的な記録トラックの狭小化は起こり得ず、幅変動の無い平行な記録トラックを形成できる。
【0013】したがって本発明の磁気記録再生装置では従来のマージン設計の必要がなく、従来よりも高いトラック密度の記録再生が可能である。また前述のような高いトラック密度においても本発明では再生時にも記録時と同様のトラッキングがなされるので装置互換が可能である。
【0014】さらにまた前記光ヘッド部のトラッキング精度は、シリンダーの加工組立精度(軸垂の傾き、リードの直線性)や回転ムラ、磁気テープの幅変動やウィービングやテープ送り速度の変動には影響されないので、従来精度の機械部品を使用することは可能であり、前記諸要因を改善せずとも、より高密度の記録再生が実現できる。
【0015】
【実施例】以下、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。図1(a)は本発明の第1の実施例による磁気記録再生装置の構成と記録動作を示す図で、図1(b)は本実施例で用いる磁気テープ7の主面を模式的に示した図である。
【0016】まず磁気テープ7について図1(b)を用いて説明する。磁気テープ7の主面とは、回転シリンダー1と接する面のことである。20,22は、特定波長の光に対する反射率が低い光ガイド部であって、その幅はNである。21,23は、反射率が十分高い記録膜を有する磁気記録部であって、その幅はMである。図1(b)に示されているように磁気テープ7の主面には、光ガイド部20,22と磁気記録部21,23が交互に且つ平行にテープ幅方向に対して斜めにあらかじめ形成されている。その繰り返しピッチはM+Nであり、以下これをトラックピッチTp(Tp=M+N)と呼ぶ。
【0017】次に本実施例の装置構成を図1(a)を用いて説明する。7は図1(b)の主面を有する磁気テープであって、その主面が回転シリンダー1の外周面に接するように回転シリンダー1に巻き付けてある。14、15は通常の誘導型の磁気ヘッド部で、磁気ヘッド部14、15はギャップを有するリング状の軟磁性体にコイルを巻き付けたものであって、磁気テープ7に対して記録再生を行う。また、磁気ヘッド部14、15のトラック幅Twはともに前記磁気記録部の幅Mより大でTpより小とする(すなわちM<Tw<Tp)。
【0018】16と17は互いに同一の構成からなる光ヘッド部で、光ビーム18を磁気テープ7の主面に対して前記光ガイド部の幅Nより大きい直径のスポット形状で照射して、該主面で反射された光強度に比例した電圧の信号10を出力する機能を有している。12と13は互いに同一の構成からなるヘッド可動機構部で、たとえばボイスコイルモーター(VCM)を応用したヘッドアクチュエーターとヘッド支持体などから構成されており、前記ヘッド支持体には磁気ヘッド部14と光ヘッド部16とが磁気ヘッド部14のトラック幅中心と光ヘッド部16からの光ビーム18の中心とが前記トラック幅方向に0.5Tpだけオフセットされた状態で略一体支持され、入力されるフィードバック制御信号8に従って両者を同時にトラック幅方向に可動する機能を有している。前記光ヘッド部と前記磁気ヘッド部の略一体化は、従来の方法、たとえば紫外線硬化樹脂によって相対高さの調整と接着固定を同時に行う方法や、両者を接着した後に相対高さをレーザ照射によって行う方法(特開平4−310615号公報)などで行う。
【0019】2はヘッド可動機構制御部であり、光ヘッド部16もしくは17からの前記信号10もしくは11の電圧に従って、フィードバック制御信号8もしくは9をヘッド可動機構部13もしくは12へ出力し、その動作を制御するものである。前述した構成要素は回転シリンダー1に固定されて回転シリンダー1とともに矢印A方向に回転し、磁気テープ7は回転シリンダー1の1/2回転に対してTp分だけ矢印B方向に走行する。シリンダーの回転数やテープ走行速度の制御は従来法をそのまま用いた。
【0020】次に、記録動作について説明する。まず、先行する磁気ヘッド部14が光ヘッド部16とともに磁気テープ7の主面に接触する。この時、光ヘッド部16からは、磁気テープ7の主面の一部で反射された光強度に比例した電圧の信号10がヘッド可動機構制御部2に出力される。ヘッド可動機構制御部2では、信号10の電圧が最小値になるようにフィードバック制御信号8をヘッド可動機構部13へ出力している。このフィードバック制御信号8に従ってヘッド可動機構部13は、光ヘッド部16をトラック幅方向に上下動させて信号10が最小電圧を示す状態、即ち光ヘッド部16が光ガイド部20をトラッキングしている状態を保たせる。
【0021】この時、磁気ヘッド部14のトラック中心は、光ガイド部20と磁気記録部21の中心間距離(0.5Tp)と等しいオフセット量(0.5Tp)で光ヘッド部16と略一体化されているので、磁気ヘッド部14は磁気記録部21にトラッキングされる。つまり、光ヘッド部16を光ガイド部20上に常にトラッキングすることによって、同時に磁気ヘッド部14を磁気記録部21上に常にトラッキングさせて情報を記録しているのである。
【0022】後行する磁気ヘッド部15の場合も同様に、ただし今度は光ヘッド部17が光ガイド部22上に来るようにヘッド可動機構制御部2がヘッド可動機構部12を制御して、その結果、磁気ヘッド部15が磁気記録部23上にトラッキングされて情報を記録している。このように記録時には、磁気テープ7にあらかじめ設けられた反射率の低い部分での反射光強度をもとにしたトラッキングを行って磁気記録部に記録トラックを形成するので、先行する磁気ヘッド部14と後行する磁気ヘッド部15の軌跡が重なって記録トラックが部分的に幅狭くなることは有り得ない。また再生時も前記記録時と同様の動作を行い、磁気ヘッド部は磁気記録部に正確にトラッキングされて記録された信号を再生する。
【0023】図2を用いて本実施例の光ヘッド部の構成と動作をさらに詳しく説明する。図2(a)は、記録時において後行する磁気ヘッド部15が光ヘッド部17とともに磁気テープ7上を走査している状態を模式的に示したものである。光ヘッド部17は、レーザ発振源26とハーフミラー29と対物レンズ27と受光素子28とからなり、レーザ発振源26から発せられる光ビーム25は対物レンズ27で集光されて磁気テープ7の主面にスポット形状30として照射されている。磁気テープ7で反射された光ビーム25はハーフミラー29でさらに反射されて受光素子28に導かれる。反射光は、受光素子28で光電変換されて光強度に比例した電圧の信号11が図1に示したヘッド可動機構制御部2へ出力される。
【0024】信号11の出力電圧をトラック幅方向に対してプロットしたのが図2(b)である。図2(b)で出力電圧が落ち込んで低くなっているのは、光ビーム25が磁気テープ上の光ガイド部22に乱反射されて反射光の強度が小さくなっているためである。この信号11の電圧が最小値を示すとき、光ヘッド部は光ガイド部22上にオントラックされており、略一体化されている磁気ヘッド部15は磁気記録部21にオントラックされている。図2(c)はヘッド可動機構制御部2でこの信号11の最小値を精度良く検出するために信号11を2次微分したものであり、ヘッド可動機構制御部2では、そのピーク値を保つようにヘッド可動機構部を制御している。
【0025】本実施例で用いた光ガイド部22を有する磁気テープ7の構造について、以下図3(a)で説明する。図3(a)は、図1(b)の磁気テープ7のトラック幅方向の断面模式図である。
【0026】図3(a)において、21は磁気記録部で、磁気記録部21は凸形状をしており、ベースフィルム34と記録膜33と反射率を高めるための反射膜32と保護膜31とからなっている。22は光ガイド部で、光ガイド部22は凹形状をしており、記録膜33と反射膜32を除かれたベースフィルム34と保護膜31とからなる。本実施例では、ベースフィルム34は厚み7μmのポリエチレンテレフタレート(PET)で、記録膜33は厚み0.12μmのCoNiCr磁性薄膜で、反射膜32は厚み0.01μmのAl膜で、保護膜31は厚み0.01μmのダイヤモンド状カーボン膜である。
【0027】図3(a)の構造の磁気テープは、次のようにして作成される。まずベースフィルム34上に記録膜33と反射膜32を所定の厚みで形成し、図3(a)左側に示したように、加工用レーザ300を比較的高いピークパワーでテープ幅方向の所定方向に走査させながら照射して、照射部を昇華あるいはスパッタして反射膜32と記録膜33を除去し、最後に保護膜31を形成する。
【0028】この形成方法では光ガイド部22の幅Nは加工用レーザ300のスポット径に比例する。光ガイド部22の幅Nはガードバンドになるので出来るだけ狭いほうが好ましい。一般にスポット径はレーザ波長の2〜3倍が最小なので、スポット径が小さくなるように比較的波長の短いレーザを選ぶほうがよい。
【0029】本実施例では、エキシマレーザ(ArFレーザ:波長約0.19μm)を加工用レーザ300として用い、磁気テープ7の主面に対して斜め方向に幅いっぱいの照射をピッチ4.0μmで行った。その結果、本実施例における光ガイド部22の幅Nは約0.5μmとなり、磁気記録部の幅Mは約3.5μmであった。
【0030】以上述べてきたように本実施例では、あらかじめ光ガイド部と磁気記録部が交互かつ平行に設けられた磁気テープに対して、光ヘッド部が前記光ガイド部をトラッキングすることによって前記光ヘッド部と略一体化された磁気ヘッド部が前記磁気記録部にトラッキングされ、前記磁気記録部に記録トラックを形成する構成なので、記録時のヘッド軌跡が非平行であるために生じる部分的な記録トラックの狭小化は起こり得ず、幅変動の無い平行な記録トラックを形成できる。したがって本実施例の磁気記録再生装置では従来のマージン設計の必要がなく、従来よりも高いトラック密度の記録再生が可能である。
【0031】また前述のような高いトラック密度においても本実施例では再生時にも記録時と同様のトラッキングがなされるので装置互換が可能である。さらにまた前記光ヘッド部のトラッキング精度は、シリンダーの加工組立精度(軸垂の傾き、リードの直線性)や回転ムラ、磁気テープの幅変動やウィービングやテープ送り速度の変動には影響されないので、本実施例に従来精度の機械部品を使用することは可能であり、前記諸要因を改善せずとも、より高密度の記録再生が実現できる。
【0032】さらにまた本実施例では同一の磁気ヘッド部で記録再生を行う構成なので、自動トラッキング再生ヘッドを別個に設ける従来の装置に比較して、磁気ヘッド部が少なく構成できる。
【0033】なお、本実施例では、ヘッド可動機構部としてVCMを使ったヘッドアクチュエーターを用いたが、他のオートトラッキングヘッド用として良く知られている圧電材料をヘッド可動機構部に用いても良い。また磁気ヘッド部としては、再生に磁気抵抗効果などを用いる複合型ヘッドであっても良い。
【0034】さらに、本実施例で用いる事が可能な磁気テープとしては、図3(b)のほか図3(c)、(d)、(e)、(f)や(g)に示す構造の磁気テープがある。図3(b)に示した磁気テープは、前述した加工用レーザ300のピークパワーを低くして反射膜32だけを除去した場合である。図3(c)は、記録膜33の反射率が十分に高い場合で、反射膜32を設けず、比較的小さいピークパワーで加工レーザ300を照射して記録膜33の一部だけに凹部を設けて、反射率の低い光ガイド部22を形成した場合である。また図3(d)に示すように、ベースフィルム34にあらかじめ凹部38を設けておいて、その上に記録膜33や保護膜31を形成しても良い。
【0035】ここでは、光ガイド部21を形成するために加工用レーザを用いたが、高エネルギービームでありさえすれば同様の光ガイド部を形成することが可能である。高エネルギービームとしては、例えばイオンビームや電子ビームやX線などがある。さらにまた本実施例で用いた磁気テープは、磁気記録部での反射率が高く光ガイド部では低い反射率を有していたが、当然その逆でも良い。その場合は例えば図3(b)の反射膜32を磁気記録部21に設ける代わりに図3(e)に示したように光ガイド部22に形成すれば良い。
【0036】一方磁気記録部と反射率の異なる光ガイド部として反射膜や凹凸形状を利用するのではなく、特定波長の光を吸収する有色な薄膜を用いる方法がある。その場合は図3(e)の磁気記録部21にある反射膜32を、前記有色な薄膜で形成すれば良い。有色な薄膜としてフォトクロミック材料を用いれば、図3(f)に示すように、主面に凹凸がなく平坦で且つ反射率の異なる光ガイド部22を有する磁気テープを得ることが出来る。具体的には、磁気テープ主面の全面にフォトクロミック材料39を形成した後に所定部位22を有色化して(フォトクロミック現象を引き起こす波長の光を照射することで有色化する)特定波長を吸収する部分340を得ることができる。
【0037】また、本実施例では、磁気テープ主面上に反射率の異なる部分を設けて反射光強度を利用したトラッキングを行っているが、反射率の違いを利用するのではなく、反射光の偏向角を検出しても良い。例えば図3(e)に示した反射膜32として磁気光学効果を有する膜、例えばMnBi膜などを形成してあらかじめ所定方向へ直流磁化しておいて、図2(a)に示した光ヘッド部17の受光素子28の手前に偏向板を新たに設けて反射光の偏光角の変化にともなう受光量変化をもとにトラッキングを行ってもよい。さらに図3(f)の39を光磁気膜として、340を直流磁化して反射光が偏向する光ガイド部22を形成しても良い。
【0038】図3(g)は磁気テープ主面を示す図であって、図3(a)〜(f)に示したいずれかの断面構造を有する光ガイド部22が、図1(b)の様に磁気テープ主面の幅方向に対して斜めに連続的ではなく離散的に配置されている場合である。この場合、光ヘッド部から出力される信号は離散的になるが、トラッキングが可能な程度の周期以内で光ガイド部22を形成すれば良い。
【0039】このような離散的な光ガイド部は、特にそれが凹凸形状をしている場合にテープ巻取り時の不要な形状転写が起こりにくくなるメリットがあるし、さらに形成時に照射する加工用レーザ300をパルス化してエネルギーを高めたり、Qsw加工用レーザの集光レンズの移動スピードすなわち形成スピードを早めることが可能となるメリットがある。
【0040】次に本発明の第2の実施例を、図4を用いて説明する。本実施例の磁気記録再生装置は、第1の実施例の磁気ヘッド部と磁気テープを除いて全て同一の構成からなるものである。図4に示したように、本実施例では180度配置されたヘッド可動機構部41、44のそれぞれに2個の磁気ヘッド部と1つの光ヘッド部を略一体化して固定してあり、全体で4個の磁気ヘッド部を構成している。
【0041】略一体化の構成としては、例えばヘッド可動機構部41において、磁気ヘッド部42のトラック中心と、磁気ヘッド部43のトラック中心と、光ヘッド部16からの光ビーム18の中心とは互いにトラック幅方向に0.5Tpづつオフセットされた状態で固定されている。本実施例では、第1の実施例と同様な方法、すなわち光ヘッド部16からの光ビーム18の反射光強度に比例した出力信号45の電圧に応じたフィードバック制御信号48によって光ヘッド部16がトラッキングされることのよって、磁気ヘッド部42と磁気ヘッド部43が同時に磁気記録部にトラッキングされて記録する。
【0042】本実施例は2個以上の磁気ヘッド部を上記構成にて用いることにより、1個の光ガイド部で2個の磁気ヘッド部をトラッキングできるので光ヘッド部は第1の実施例のように磁気ヘッド部と同数配する必要がなく磁気ヘッド部の数の半分でよい。また同様に、磁気テープ上に設ける光ガイド部も記録トラックと同数配する必要がなく比較的少なくて済むので磁気テープの作成が容易になる。
【0043】なお、本実施例では、光ヘッド部1個と磁気ヘッド部2個を略一体化して同時にトラッキングさせているが、磁気ヘッド部の数は2個以上であっても同様の効果が得られ、その効果自体は略一体化させる磁気ヘッド部の数に比例して増大する。
【0044】次に本発明の第3の実施例を図5を用いて説明する。図5は、本実施例の磁気記録再生装置の磁気ヘッド部と光ヘッド部とが略一体化された構造を示した図であり、その他の部分は第2の実施例と同一の構成からなる。
【0045】51はAlTiC等の非磁性基板、52はアルミナ膜等の非磁性膜で、55の磁性薄膜と56の薄膜コイルと53の磁気的ギャップからなる磁気ヘッド部と、57のLiNbO3等からなる薄膜状の光導波路と58のハーフミラーと59の半導体レーザ源と60の受光素子からなる光ヘッド部とが、成膜プロセスとホトリソグラフィー技術による加工を経て同一基板上に一体形成されている。
【0046】以上のように本実施例によれば、第1、第2の実施例と同様の効果が得られるだけでなく、光ヘッド部と磁気ヘッド部の略一体形成が高精度な加工が可能なホトリソグラフィー技術によって成されるので、それらのオフセット量がより高精度に形成され、Tpをより小さくして、さらに記録密度を高めることが可能である。また、光ヘッド部の構造として光導波路を構成しているので光ビームを磁気テープ主面とほぼ接する位置まで導くことが出来るので、対物レンズによる集光をせずとも十分小さいビーム径の照射が可能となり、光ヘッド部の構成が簡素化される。
【0047】なお、薄膜プロセスとして一体形成される光ヘッド部は、光導波路だけを磁気ヘッド部と同時形成し、その後に別個に形成されたレーザ源と受光素子と一体化する場合でも上述の効果が得られるのは言うまでもない。また本実施例では、1個の光ヘッド部と略一体化させる磁気ヘッド部の数は2個であったが、1個以上でありさえすれば、本実施例の前述した効果は得られる。
【0048】
【発明の効果】以上のように本発明は、あらかじめ光ガイド部と磁気記録部が交互かつ平行に設けられた磁気テープに対して、光ヘッド部が前記光ガイド部をトラッキングすることによって前記光ヘッド部と略一体化された磁気ヘッド部が前記磁気記録部にトラッキングされ、前記磁気記録部に記録トラックを形成する構成なので、記録時のヘッド軌跡が非平行であるために生じる部分的な記録トラックの狭小化は起こり得ず、幅変動の無い平行な記録トラックを形成できる。したがって本発明の磁気記録再生装置では、従来のマージン設計の必要がなく、従来よりも高いトラック密度の記録再生が可能である。
【0049】また前述のような高いトラック密度においても本発明では再生時にも記録時と同様のトラッキングがなされるので装置互換が可能である。さらにまた前記光ヘッド部のトラッキング精度は、シリンダーの加工組立精度(軸垂の傾き、リードの直線性)や回転ムラ、磁気テープの幅変動やウィービングやテープ送り速度の変動にはほとんど影響されないので、従来精度の機械部品を使用することは可能であり、前記諸要因を改善せずとも、より高密度の記録再生が実現できる。
【0050】さらに本発明は、2個以上の磁気ヘッド部を1個の光ヘッド部と略一体化した構成によって、磁気テープ上の1つの光ガイド部で2個の磁気ヘッド部をトラッキングできるので、光ヘッド部は磁気ヘッド部の数の半分でよく、磁気テープ上に設ける光ガイド部は少なくて済み、磁気テープの作成が容易になる。
【0051】さらにまた本発明では、光ヘッド部と磁気ヘッド部の略一体化が高精度な加工が可能なホトリソグラフィー技術によって成すことができるので、それらのオフセット量がより高精度に形成され、Tpをより小さくしてさらに記録密度を高めることが可能である。
【0052】また、光ヘッド部の構造として光導波路を構成しているので光ビームを磁気テープ主面とほぼ接する位置まで導くことが出来るので、対物レンズを不要とし光ヘッド部の構成が簡素化される。




 

 


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