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発明の名称 光ディスクの記録方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−65374
公開日 平成7年(1995)3月10日
出願番号 特願平5−232331
出願日 平成5年(1993)8月24日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
発明者 吉岡 一己 / 太田 威夫 / 秋山 哲也 / 磯村 秀己
要約 目的
記録膜の不均一な物質移動による部分的な膜厚変化を抑制して繰り返し記録回数を向上させることができる光ディスクの記録方法を提供すること。

構成
光ディスク上でのセクタ内での記録開始点を、D−FF11によって記録データWDTがセクタ内に収まる範囲でランダムに変化させて、かつ記録開始点の可変幅をマーク間間隔の内最大のものよりも長くすることにより、記録膜の物質移動がセクタ内で均一になるようにする。
特許請求の範囲
【請求項1】 光ディスクの各セクタにおける記録開始点を、記録データが前記各セクタ内に収まる範囲で、ランダムに変化させて記録する記録方法において、前記記録開始点の可変幅を、マークの間隔の内最大の間隔よりも長くすることを特徴とする光ディスクの記録方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光ディスクの記録方法に関するもので、具体的には直径1μm程度のレーザビームを光ディスク上に照射し、高密度に信号を記録再生し、かつ一旦記録した信号をレーザ照射により消去することによって、信号を繰り返し記録再生できる書換可能な光ディスクの記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の光ディスク装置における記録は、記録区間を示す信号と、記録データとにより、レーザ光強度を記録データで強度変調して行う。
【0003】上記光ディスク装置の一例を図13に示す。図13において、1は、光ディスクから再生されたRF信号により、アドレス信号Adを取り出すアドレス再生回路であり、2は、その取り出されたアドレス信号Adより、セクタ区間を示すセクタパルスSPを取り出すアドレス検出回路である。3は、セクタパルスSPに所定の時間遅れを与えてスタートパルスSTPを生成する遅延回路である。4は、そのスタートパルスSTPの入力をトリガとして、光ディスクに記録される記録データWDTと、記録区間を示す記録ゲートWGTを発生するデータ発生回路である。5は、発生された記録データWDT及び記録ゲートWGTに基づき、レーザ光を強度変調して、記録データWDTを光ディスクに記録するためのレーザ駆動回路である。
【0004】図14に、図13の光ディスク装置の動作タイミングチャートを示す。図14において、波形(a)は、アドレス再生回路1でRF信号より作られるアドレス信号Adである。波形(b)は、アドレス信号Adより得られたセクタ区間を表すセクタパルスSPである。波形(c)は、遅延回路3でセクタパルスSPに記録データがセクタ区間内に入るように、時間遅れΔtを与えられて生成されたスタートパルスSTPである。波形(d)は、スタートパルスSTPをトリガとして、データ発生回路4から発生された記録ゲートWGTであり、波形(e)は、その時同時に発生された記録データWDTである。記録ゲートWGTと記録データWDTとは、セクタ区間内に収まる範囲でオフになる。以上のような装置においては、記録ゲートWGTと記録データWDTの開始点が、スタートパルスSTPにより正確に決められているため、記録開始点(信号の一番最初に記録される位置と定義する)と再生の際の同期信号位置(以下フレームマーク部と称す)が常にセクタ内で同じ場所に記録される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】光ディスクにおける相変化方式の記録は、記録膜を融点以上に昇温して急冷させて非晶質マークを形成する。又、消去は記録膜を結晶化温度以上融点以下の温度まで昇温し、徐冷して行う。このため、図6に示すように、記録膜12の両側の誘電体からなる保護層13が記録、消去の熱で膨張収縮する。ここで保護層13は、レーザー光の進行方向に対して非対称に変形膨張する。このため溶融した記録膜12を押し出そうとする力が働き、記録膜12が冷えて固まる時に記録膜12が完全にもとの膜厚に戻らず一部厚くなり、例えば図7に示すような物質移動現象が生じる。このとき、同一位置にマークが記録される場合、物質移動はそのマーク内で起こる。しかし、図8に示すように既に記録されているマークの上に新しいマークを記録して一部だけが重なる場合は、重なりマーク内aで物質移動が発生する。このマークの重なり方の大小によってマーク内の物質移動の大きさ、すなわち記録膜12の物質移動の大小が変わる。フレームマークとフレームマークの間では毎回異なる信号を繰り返し記録するため、マークの重なり方が不均一となり記録膜12が物質移動を起こしトラック方向に移動する。そのためセクタ内で記録膜12の膜厚の不均一な部分が発生するという課題があった。
【0006】このような課題を解決するためにセクタ内での記録開始点をランダムに可変して記録し、セクタ内の全ての位置で物質移動を均一にする方法の特許(特開昭63−229625)が提案されている。しかしながら、記録開始点を単にランダムに可変させるだけでは物質移動を均一化させ繰り返し書換回数を伸ばすことはできないという課題がある。
【0007】本発明は、従来の記録方法のこのような課題を考慮し、記録膜の不均一な物質移動による部分的な膜厚変化を抑制して繰り返し記録回数を向上させることができる光ディスクの記録方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、ディスクの各セクタにおける記録開始点を、記録データが前記各セクタ内に収まる範囲で、ランダムに変化させて記録する記録方法において、前記記録開始点の可変幅を、マークの間隔の内最大の間隔よりも長くする光ディスクの記録方法。
【0009】
【作用】本発明は、光ディスク上でのセクタ内での記録開始点を記録データがセクタ内に収まる範囲でランダムに変化させて、かつ記録開始点の可変幅をマークの間隔の内最大の間隔よりも長くすることにより、記録膜の物質移動がセクタ内で均一になるようにする。
【0010】
【実施例】以下に、本発明をその実施例を示す図面に基づいて説明する。
【0011】図1は、本発明にかかる一実施例の光ディスクの記録方法を説明するための光ディスク装置のブロック図である。図1において、前述した図13の従来例と同じ番号のものは同様の回路であり説明を省略する。以下に従来例の光ディスク装置に新たに追加した回路について説明する。11はDタイプーフリップフロップ(以下D−FFと称す)であり、遅延回路3からのパルスSPDをデータ入力としてラッチし、出力QをスタートパルスSTPとしてデータ発生回路4に送る。D−FF11は、スタートパルスSTPに、データ入力SPDに対して非同期に発振するクロック入力CK1の周期でランダムな時間遅れを与える。従ってデータ発生回路4はスタートパルスSTPのランダムな時間遅れをもった記録ゲートWGTと記録データWDTとを同時に発生させ、セクタ内での記録開始点を可変する。10はカウンタで、ある周期をもつクロックCK2を分周して、データ入力パルスSPDとは非同期な適当な周期のクロックCK1を作り、D−FF11に供給する。このクロックCK1の周期はスタートパルスSTPに与える時間遅れが最大でも記録ゲートWGT、記録データWDTがセクタ区間の範囲に入るような値に選ばれる。
【0012】次に、上記実施例の光ディスクの記録方法の動作について、図面を参照しながら説明する。
【0013】まず、従来例で示したように、アドレス検出回路2によって、波形(a)のアドレス信号Adから、セクタ区間を示す波形(b)のセクタパルスSPが作られる。次に、セクタパルスSPは、遅延回路3で所定の時間遅れ△tを与えられ、波形(c)のパルスSPDとなりD−FF11に入力される。波形(d)はD−FF11のクロック入力CK1でD−FF11のデータ入力SPDとは非同期に、ある周波数で発振している。このためクロックCK1の発振周期の大きさで、D−FF11はランダムに波形(c)のSPDをデータとしてラッチし、波形(e)のスタートパルスSTPを出力する。すなわち、波形(e)のスタートパルスSTPは、クロックCK1の周期でランダムな時間遅れを与えられ変動している。波形(e)のスタートパルスSTPはデータ発生回路4にトリガとして入力され、ランダムな時間遅れをもつ波形(f)の記録ゲートWGTと波形(g)の記録データWDTとを同時に発生させる。記録ゲートWGTと記録データWDTとはレーザ駆動回路5に送られ、セクタ内の記録開始点がランダムに変更されて、記録ゲートWGTと記録データWDTとが全体にシフトして記録される。以上のようにデータ発生回路4の前にD−FF11を設けるだけで、セクタ内の記録開始点をランダムに変化させることができる。このような機能を付加した測定装置で実験を行った。
【0014】(実験1)記録開始点の可変幅をランダムに変化させるときに最長信号よりも短くして記録した場合について説明する。例えば2ー7変調で記録開始点の可変幅を0.5T〜2Tの範囲で0.5T刻みでランダムに変化させて毎回異なる信号を10万回オーバライトした。この条件ではフレームマーク部の最も長い信号、4Tの所に物質移動による波形劣化が発生した。
【0015】(実験2)次に記録開始点の可変幅を0.5T〜3Tの範囲で0.5T刻みでランダムに変化させて毎回異なる信号を10万回オーバライトした。この条件でもフレームマーク部の最も長い信号、4Tの所に物質移動による波形劣化が発生した。
【0016】(実験3)次に記録開始点の可変幅を0.5T〜3.5Tの範囲で0.5T刻みでランダムに変化させて毎回異なる信号を10万回オーバライトした。この条件でもフレームマーク部の最も長い信号、4Tの所に物質移動による波形劣化が発生した。
【0017】実験1〜3のように記録開始点の可変幅を最長信号よりも短くしてランダムに変化させた場合の波形劣化の写真を図9に示す。再生の際の同期信号部、すなわちフレームマーク部の所が等間隔に劣化しているのがわかる。図9において波形の上側が結晶で反射率が高い状態、下側が非晶質で反射率が低い状態を示す。波形劣化した所は正常部に比べて反射率が上り、振幅が低下している。このことから劣化の原因は記録膜の堆積による記録感度の低下が考えられる。
【0018】これを確認するために最初に記録したパワーよりも強いパワーで1回だけ記録してみたところ、図10に示す劣化部の拡大波形写真に対して、図11の写真に示すように、波形劣化した所の振幅が回復することが確認でき、振幅低下の原因は記録感度の低下によるものであることがわかった。この記録膜の堆積メカニズムについて図3、図4を用いて説明する。図3、図4において、実験1、2で記録膜が物質移動して最長信号4Tの所に堆積する原因は記録開始点の可変幅は最大2T、及び3Tであるため、波線で示す1回目の信号(a)に対して可変幅2Tの場合、Aの範囲では0.5Tから2Tのまでランダムに変化するため重なりマークにより物質移動するがBの範囲はマークが記録されないため、重なりマークがなく物質移動はしない。
【0019】そのため、最大2T変化させた所まで移動してきて堆積する。3Tの場合も図4に示すように、波線で示す1回目の信号(a)に対してCの範囲では0.5Tから3Tまでランダムに変化するため重なりマークにより物質移動するがDの範囲はマークが記録されないため、重なりマークがなく物質移動はしないで堆積する。
【0020】次に3.5T変化させた場合について図5を用いて説明する。1回目の信号(a)に対して、例えば0.5Tから3.5Tまで順番に0.5T刻みで変化させて記録したとすると見かけ上、フレームマーク部の最長信号4Tの間は0.5T刻みで均一に記録され、重なりマークにより物質移動はスムーズに行われ、記録膜の堆積はないはずである。しかし堆積が発生している。この理由は、1)最長信号4T部の間に図5のように記録しようとすると0.5Tから3.5Tまで0.5T刻みで8回変化させることで記録できる。フレームマーク部以外の信号の所は毎回異なる信号が記録されるためと、前述の0.5Tから3.5Tまで0.5T刻みでランダムに記録開始点を変化させているため、この2つの相乗作用により最長信号4T部に比べてフレームマーク部間の重なりマークによる物質移動量が多く、この両者の物質移動量の差により4T信号の所に堆積すると考えられる。
【0021】(実験4)次に記録開始点の可変幅を最長信号よりも長くしてオーバライトした場合について説明する。可変幅を0.5T〜8Tまでの範囲で0.5T刻みでランダムに変化させて毎回異なる信号を100万回オーバライトした。この条件では再生の際の同期信号の最も長い信号、4Tの所とデータ部の4Tの所、それ以外の所でも物質移動による記録膜の堆積のための波形劣化も図12の写真に示すように見られず、安定した記録ができていることが確認できた。
【0022】この理由は1)記録開始点の可変幅を最長信号4Tよりも長く変化させているため物質移動が止まるところがない。
【0023】2)最大8Tまで変化させていることで最長信号4T部の重なりマークによる物質移動とフレームマーク部以外の所の物質移動の量が略同一になったためと考えられる。
【0024】このように記録開始点をランダムに変化させ、かつ最長信号よりも長く変化させて記録することにより、記録トラック全体において記録マークを概略一様に記録した状態となる。その結果、記録膜の物質移動がセクタ内で均一になり、物質移動による記録膜の堆積が抑制されたためと考えられる。
【0025】以上の実験結果から記録膜の物質移動を抑制するためには、記録開始点をランダムに変化させ、記録開始点の可変幅を最長信号よりも長くすることが有効であるということが確認できた。
【0026】以上のように、記録膜の物質移動がセクタ内で均一になり、記録膜の部分的な膜圧変化が抑制されるため、繰り返し記録特性が飛躍的に向上し、その実用的効果は大きい。
【0027】なお、上記実施例では、2ー7変調の信号を用いて説明したが、この変調方式に限定されるものでなく、他の変調方式でも、またマークの両側のエッジ部に情報をもたせるPWM記録(PIT WIDTH MDURESION)方式においても効果があることは言うまでもない。
【0028】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように本発明は、記録開始点をランダムに変化させ、かつ記録開始点の可変幅を、マークの間隔の内最大の間隔よりも長くするので、記録膜の不均一な物質移動による部分的な膜厚変化を抑制して繰り返し記録回数を向上させることができるという長所を有する。




 

 


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