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発明の名称 磁気記録媒体の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−65367
公開日 平成7年(1995)3月10日
出願番号 特願平5−207631
出願日 平成5年(1993)8月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 石田 達朗 / 杉田 龍二 / 東間 清和 / 吉本 和也
要約 目的
連続蒸着装置を用いた斜方蒸着において、蒸発原子の入射角を規制する遮蔽板への蒸発原子の堆積により初期設定された入射角が経時的に変化する現象を防止し、長尺に渡って安定な蒸着を実現する。

構成
真空蒸着法によって円筒状キャン1の周面上を走行する長尺の高分子基板上に磁性層を連続形成する過程において、蒸発源7と前記円筒状キャン1との間に設けられた遮蔽板2を少なくとも蒸発原子の高分子基板への入射角を規制する部分近傍において磁性層の構成材料よりも高い融点を有する高融点材料により構成し、かつ前記遮蔽板2の高融点材料部4を磁性層の構成材料の融点以上に加熱しながら蒸着を行う。
特許請求の範囲
【請求項1】真空蒸着法によって円筒状キャンの周面上を走行する長尺の高分子基板上に磁性層を連続形成する過程において、蒸発源と前記円筒状キャンとの間に設けられた遮蔽板を少なくとも蒸発原子の高分子基板への入射角を規制する部分近傍において磁性層の構成材料よりも高い融点を有する高融点材料により構成し、かつ前記遮蔽板の高融点材料部を磁性層の構成材料の融点以上に加熱しながら蒸着を行うことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【請求項2】前記円筒状キャンと遮蔽板との間に、遮熱板を設けることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項3】前記遮蔽板の高融点材料部を、Ta、W、Moのいずれかより構成することを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項4】前記遮蔽板の高融点材料部を電子ビーム加熱により磁性層の構成材料の融点以上に加熱しながら蒸着することを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項5】磁性層の構成材料の融点以上の融点を有する高融点材料よりなる板を折り曲げ、折り曲げ部の凸側のエッジ部により蒸発原子の高分子基板への入射角を規制し、かつ前記折り曲げ部の凹側に電子ビームを照射して加熱を行うことを特徴とする請求項4記載の磁気記録媒体の製造方法。
【請求項6】前記遮蔽板の高融点材料部を抵抗加熱により磁性層の構成材料の融点以上に加熱しながら蒸着することを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、薄膜型磁気テープ等の磁気記録媒体の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、磁気記録再生装置は小型化、高密度化の傾向にあり、従来の塗布型媒体の高密度化の限界を越えるものとして金属薄膜型媒体が注目されている。これに関しては、CoとNiとOを主成分とする金属薄膜型媒体がVTR用の磁気テープとして実用化され市販されている。このような磁気記録媒体を生産性良く形成するためには、例えば円筒状キャンを用いた連続真空蒸着装置などにより、長尺の高分子基板を移動させながらその上に磁性層を連続して蒸着すればよい。この際、真空容器内に酸素を導入して磁性層をCoとNiの部分酸化物よりなる強磁性薄膜にするともに、斜方蒸着の手法を用いることにより、磁性層の膜面に垂直方向の磁化成分の寄与によって従来の塗布型媒体に比べて高密度記録再生特性を向上させている。上記技術による金属薄膜型磁気テープは、次世代の家庭用小型ディジタルVTR、特にハイビジョン対応ディジタルVTRに対応する磁気テープとしても応用が期待され、さらに記録再生性能を向上させるための研究開発が進められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の連続蒸着装置を用いた製造方法により、金属薄膜型テープを作製する際には、蒸発原子の高分子基板への入射角の制御が非常に重要である。これは、作製された磁性層の磁気特性および記録再生特性さらには実用信頼性までが、入射角に大きく依存するからである。このために従来の製造装置においては、図4に示すように円筒状キャンと蒸発源との間に遮蔽板を設けて蒸発原子の基板への入射角を制御していた。
【0004】しかしながら図4に示す従来の構成においては、長時間、長尺に渡って蒸着を行う場合、遮蔽板にも蒸発原子が堆積し、蒸発原子が通過して基板に到達するための遮蔽板の開口部が、経時的に狭くなってくるという問題点があった。すなわち、初期設定において蒸発原子の基板への堆積領域は図4のαによって示されるが、蒸着開始後一定の時間を経過すると、蒸発原子の遮蔽板への堆積により、蒸発原子の基板への堆積領域は例えばβに示されるように初期設定αよりも狭くなってしまうのである。 これによって、基板への蒸発原子の堆積速度が時間とともに低下してくるほか、蒸発原子の基板への入射角が時間とともに変化するため、長尺方向において磁気特性、記録再生特性、実用信頼性が変化してくる。このことは、長尺に渡って安定な生産が出来ないという点で量産時の際の大きな欠点であり、実用的な改善が望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解決するための金属薄膜型磁気テープの製造方法を提供するものであり、真空蒸着法によって円筒状キャンの周面上を走行する長尺の高分子基板上に磁性層を連続形成する過程において、蒸発源と前記円筒状キャンとの間に設けられた遮蔽板を少なくとも蒸発原子の高分子基板への入射角を規制する部分近傍において磁性層の構成材料よりも高い融点を有する高融点材料により構成し、かつ前記遮蔽板の高融点材料部を磁性層の構成材料の融点以上に加熱しながら蒸着を行うことを特徴とする。
【0006】
【作用】遮蔽板の蒸発原子の基板への入射角を規制する部分を磁性層の構成材料の融点以上に加熱することにより、遮蔽板に到達した蒸発原子は蒸気あるいは溶融状態を維持し、遮蔽板への堆積を防止することが出来る。この際、遮蔽板の加熱される部分は、加熱による溶融を防ぐために磁性層の構成材料の融点よりも高い融点を有する必要がある。以上の構成により、遮蔽板への蒸発原子の堆積による入射角の経時変化という従来の問題を解決することが出来る。
【0007】
【実施例】遮蔽板の蒸発原子の基板への入射角を規制する部分を磁性層の構成材料の融点以上に加熱する手段は多様である。しかし、蒸発原子の入射角を厳密に制御するためには、前記の入射角を規制する部分を出来る限り円筒状キャンに近づける必要があり、この近傍に大規模な装置を設けることは好ましくない。すなわち、遮蔽板の蒸発原子の基板への入射角を規制する部分と円筒状キャンとの距離が大きい場合には、蒸発原子が両者の間に回り込み易くなる。このような回り込み原子による極薄層の堆積層は、磁性層の磁気特性を著しく低下させてしまう。このような観点から、高融点材料部を出来る限り円筒状キャンに近づけることの可能な手段として、以下に示す電子ビーム加熱または抵抗加熱による方法が好ましい。
【0008】(実施例1)図1に、遮蔽板2の蒸発原子の基板への入射角を規制する部分を蒸発源材料の融点以上に加熱する手段として、電子ビーム加熱を用いた装置の例を示す。遮蔽板2の材料は、その全体を磁性層の構成材料の融点以上の融点を有する高融点材料としてもよいが、材料コスト等の点で問題となる場合は、図1の様に蒸発原子の入射角を規制する遮蔽板の開口部8の近傍のみを高融点材料部4として構成しても本発明の効果は十分に得られる。但しこの場合には、遮蔽板2の高融点材料部4以外の部分が、加熱によって溶融しないよう十分に構成を工夫する必要がある。
【0009】また装置の構成によって、高融点材料部4を加熱する際の輻射熱によって高分子基板が損傷を受ける恐れのある場合には、円筒状キャン1と遮蔽板2との間にさらに遮熱板3を設けることが望ましい。遮熱板3は、例えばステンレス鋼板等により構成され、必要に応じて水冷することが好ましい。ただし、遮熱板3が設定された蒸発原子の基板への入射角を変えないよう、蒸発源7や遮蔽板2の高融点材料部4との相対位置関係に十分配慮して設計を行う必要がある。また既述の蒸発原子の回り込みを防ぐという観点から、遮熱板3の設置による高融点材料部4と円筒状キャン1との距離の増加は最小限におさえることが好ましい。
【0010】図1には、遮蔽板2の高融点材料部4が蒸発原子の入射角を規制する部分が、高入射側と低入射側の2箇所に存在する。しかし、高入射側において蒸発原子の基板接線方向入射成分(高分子基板の法線に対する入射角が90度となる成分)を入射させる場合には、高入射側(図1の右側)の規制部分は必要なく、本発明の構成は図1左側の低入射側の規制部分にのみ寄与することになる。
【0011】現在の金属薄膜型テープの磁性層を構成する材料が、Co−O、Co−Ni−O、Co−Cr等のCo基の磁性材料であることを考慮すると、これらの構成材料以上の融点を有するものとして、高融点材料部4を構成する材料には、Ta、W、Mo等の高融点金属材料が適している。またこれらの材料は、実施例3に記述する抵抗加熱による加熱手段にも用いることが出来る。
【0012】(実施例2)図1に示す構成においては、高融点材料部4を加熱する電子ビーム6を、遮蔽板の開口部8近傍の蒸発原子の高分子基板への入射角を規制するエッジ部分に正確かつ安定に照射する必要がある。なぜならば、電子ビーム6が蒸発原子の高分子基板への入射角を規制するエッジ部分をわずかにはずれて遮蔽板の開口部8に入射した場合には、円筒状キャン1の周面上を走行する高分子基板に照射されることになり、高分子基板および円筒状キャン1が損傷を被るからである。従って電子銃5としては、電子ビーム6の照射位置を正確かつ安定に制御することの出来る性能が要求されるが、電子銃5内の突発的な異常放電の発生等まで考慮すると、電子ビーム6の照射位置の変動を皆無とすることは困難であると考えられる。
【0013】図2は上記のような電子ビーム6の照射位置の変動があっても高分子基板や円筒状キャン1の損傷を防ぎ、安定な蒸着を行うことの出来る構成を提供するものである。図2においては、高融点材料よりなる板を折り曲げて遮蔽板の開口部8近傍を構成する。すなわち、折り曲げ部の凸側のエッジ部により蒸発原子の高分子基板への入射角を規制し、その裏側すなわち折り曲げ部の凹側に電子ビームを照射して加熱を行う構成となっている。図2の構成においては、電子ビーム6の照射位置が多少変動しても、蒸発原子の高分子基板への入射角を規制するエッジ部分から鍔状に突き出た部分によってビームが遮られ、遮蔽板の開口部8を通って高分子基板へ照射されることはない。これによって電子ビーム6照射位置の変動によって高分子基板や円筒状キャン1が損傷を受ける恐れもなく、より安定な蒸着が実現される。
【0014】(実施例3)図3に、遮蔽板2の蒸発原子の基板への入射角を規制する部分を磁性層の構成材料の融点以上に加熱する手段として、抵抗加熱を用いた装置の例を示す。図3は、図1に示す蒸発源7の位置から見た遮蔽板の開口部8近傍を示すものであり、9は真空容器の外部に設けられる抵抗加熱用の電源である。
【0015】実施例1と同様に、遮蔽板2の材料は、その全体を磁性層の構成材料の融点以上の融点を有する高融点材料としてもよいが、蒸発原子の入射角を規制する遮蔽板の開口部8の近傍のみを高融点材料部4として構成しても本発明の効果は十分に得られる。但しこの場合には、遮蔽板2の高融点材料部4以外の部分が、加熱によって溶融しないよう留意する他、遮蔽板2の高融点材料部4以外の部分が導電材料の場合には、高融点材料部4との間に然るべき耐熱性を有するセラミックなどの絶縁材料10を挿入する必要がある。このような高融点材料部4を構成する材料としては、Ta、W、Mo等を用いることが出来る。
【0016】図5は、実施例1、2および3に示す本発明の構成を用いて長時間の蒸着を行った際の膜堆積速度の経時変化を示したものである。比較のために、図4の従来構成の蒸着装置を用いて行った結果を同時に示す。なお各構成において、蒸着中の蒸発源7加熱用の電子銃への投入電力は一定とし、また蒸発源の溶湯量が経時変化しないように蒸発源には磁性層の構成材料を適宜供給しながら蒸着を行った。
【0017】従来構成では時間の経過とともに膜堆積速度が低下している。これは遮蔽板2に蒸発原子が堆積して遮蔽板開口部8を狭くするためであり、同時に磁気特性も長尺方向において変化していることが確認された。
【0018】一方、本発明の構成においては、実施例1、2および3ともに膜堆積速度は一定に保たれており、また長尺方向において磁気特性の変化が殆ど無いことも確認された。
【0019】図5の結果から、本発明の構成において従来構成よりも長時間、長尺に渡って安定な蒸着が可能となることがわかる。
【0020】
【発明の効果】本発明の製造方法によれば、長時間、長尺に渡る蒸着に際して、遮蔽板に堆積した蒸発原子が初期設定された入射角を変化させる現象を防止することが出来る。これにより、従来構成で問題であった磁性層の長尺方向における磁気特性、記録再生特性、実用信頼性等の諸特性の変化を防ぐことが出来る。




 

 


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