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発明の名称 磁気テープの製造方法および磁気テープ
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−65364
公開日 平成7年(1995)3月10日
出願番号 特願平5−207633
出願日 平成5年(1993)8月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 島崎 幸博
要約 目的
カレンダー性と磁気特性、機械的強度を両立し、高密度記録に適した平滑な表面性を有したドロップアウトの少ない電磁変換特性に優れた磁気テープを提供することである。

構成
磁性塗料製造の混練工程での固形分率が60から72重量%の範囲である第1の磁性塗料と固形分率75から85重量%の範囲である第2の磁性塗料を混合して単層の磁性層を非磁性基体上に形成するか、あるいは前記第1の磁性塗料と第2の磁性塗料を用いて複数の磁性層を非磁性基体上に塗布することで磁気記録テープを製造する方法とそれらの方法で製造された磁気記録テープ。
特許請求の範囲
【請求項1】強磁性粉、結合剤樹脂、非磁性粉体及び有機溶剤による混練工程を経て分散する磁性塗料の製造条件について異なる2種の磁性塗料を使用した磁気テープの製造方法であって、前記混練工程の磁性塗料が固形分率60から72重量%の範囲である第1の磁性塗料と、固形分率75から85重量%の範囲である第2の磁性塗料を混合して単層の磁性層を非磁性基体上に塗布するか、あるいは前記第1の磁性塗料と第2の磁性塗料を用いて複数の磁性層を非磁性基体上に塗布してなることを特徴とする磁気テープの製造方法。
【請求項2】請求項1記載の第1の磁性塗料と第2の磁性塗料を重量部で20対80〜80対20の割合で混合し、非磁性基体上に塗布し単層構造の磁性層を形成したことを特徴とする磁気テープ。
【請求項3】請求項1記載の第1の磁性塗料と第2の磁性塗料を使用して、非磁性基体上に複数の磁性層を塗布形成した磁気テープであって、最上層の磁性層には第2の磁性塗料が使用され、最上層の磁性層の厚みが0.1μm以上1μm以下であることを特徴とする磁気テープ。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、オーディオ機器、ビデオ機器、或はコンピューターなどに用いる磁気テープと磁気テープの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビデオ機器の高画質化の進行あるいはデジタル・ビデオ機器などの出現、発展に伴い、それらに使用される磁気テープにおいては、間隙損失を少なくして短波長記録時の電磁変換特性を向上するために磁性層表面は極度に平滑に仕上げなければならない。磁性層表面の粗さを平滑にするため従来より、磁性層に使用される強磁性粉や非磁性粉体の分散状態を良好にする、非磁性基体上に磁性塗料を塗布形成後、熱圧縮ロールで表面を鏡面加工すること(カレンダー処理)が実施されている。粉体の分散状態を向上させるために従来より強磁性粉、結合剤樹脂、非磁性粉体及び有機溶剤による混練工程を経て分散する磁性塗料の製造方法が提案され実施されている。例えば特開平1−106338号公報、特開平2−24835号公報がそれである。混練工程での固形分率を上げ、与えるせん断力を高くすればするほど分散が良好になり、磁性層の密度が上がり、磁気特性も良好になり、磁性層の機械的強度も上がり、磁気テープの信頼性が向上する。
【0003】これらの技術で磁気テープの磁気特性を向上させ、磁性層表面についても平滑になり電磁変換特性を向上させることができてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらこれら高密度磁気記録に使用される磁気テープは更に平滑な表面が要求される状態となっている。前記した様に磁性層に使用される強磁性粉や非磁性粉体の分散を高せん断力により良好にすると磁気特性の向上からも解るように、磁性層の密度が上がってくる、非磁性基体上に塗布形成した時点の磁性層密度も上昇し、塗布後の磁性層表面もより平滑になる。しかし塗布後の磁性層表面そのままでは磁気テープとして要求される表面とはほど遠く、より平滑な磁性層表面を得るため、塗布後のカレンダー処理は不可欠である。しかし塗布後の磁性層の密度が上昇していることから、つぶれ難くなっておりカレンダー処理性が悪くなるという課題がある。カレンダー性を重視してせん断力の比較的弱い領域で混練を行うと磁性層の機械的強度も比較的弱く、信頼性に欠け、粉落ちなどによるドロップアウトの多い磁気テープしか得られない。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上記課題を解決するものであり、混練工程において、固形分率60から72重量%の範囲である第1の磁性塗料と、固形分率75から85重量%の範囲である第2の磁性塗料を混合して単層の磁性層を非磁性基体上に塗布するか、あるいは第1の磁性塗料と第2の磁性塗料を用いて複数の磁性層を非磁性基体上に塗布することで磁気テープを製造する。また、単層構造の場合は、第1の磁性塗料と第2の磁性塗料を重量部で20対80〜80対20の割合で混合して磁性層を形成し、複数構造の場合は、第1の磁性塗料と第2の磁性塗料を使用し、特に最上層の磁性層には第2の磁性塗料を使用して、最上層の磁性層の厚みが0.1μm以上1μm以下である磁性層を形成して、それぞれ磁気テープとする。
【0006】
【作用】種々の検討の結果、強磁性粉、結合剤樹脂、非磁性粉体及び有機溶剤による混練工程を経て分散する磁性塗料の製造条件について異なる2種の磁性塗料を使用することでカレンダー性と磁性層の磁気特性・機械的強度を両立できることを見いだした。
【0007】固形分率60から72重量%の範囲である第1の磁性塗料と固形分率75から85重量%の範囲である第2の磁性塗料を混合して単層の磁性層を非磁性基体上に塗布するか、あるいは前記第1の磁性塗料と第2の磁性塗料を用いて複数の磁性層を非磁性基体上に塗布することで磁気記録媒体を製造すと、第1の磁性塗料は比較的弱いせん断力で混練してあるためカレンダー性は良好である。また第2の磁性塗料は比較的高いせん断力で混練してあるため磁気特性、機械的強度に関して良好である。
【0008】これらを使用して単層構造の磁性層を有する磁気テープを得る場合、第1の磁性塗料と第2の磁性塗料を固形分重量部で20対80から80対20の割合で混合して非磁性基体上に塗布することでカレンダー性と磁気特性、機械的強度を両立した磁性層を持った磁気テープを製造できる。磁性塗料の混合比はカレンダー性を向上させるために第1の磁性塗料は20%以上混合しなければならず、80%以上混合すると磁気特性、機械的強度に関する特性が低下する。
【0009】またこれら2種の磁性塗料を使用して複数の磁性層を形成しても上記と同様な効果が得られ、カレンダー性と磁気特性、機械的強度を両立した磁性層を持った磁気テープを製造できる。この場合は磁性層の最上層は機械的強度の高い第2の磁性塗料でなければならず、その最上層の磁性層厚みは0.1μm以上でないと効果はない。最上層にカレンダー性の悪い第2の磁性塗料を使用しても、第2層以下に使用された第1の磁性塗料のカレンダー性が良いためそれらの緩衝効果により全体のカレンダー性は良好で磁性層表面の粗さを小さくできる。よって第2の磁性塗料で形成される最上層が1μm以上であると緩衝効果が得られ難くなるため、第2の磁性塗料で形成される最上層の磁性層厚みは0.1μm以上1μm以下でないとカレンダー性と磁気特性、機械的強度を両立した磁性層を形成することができない。この様に塗料の製造条件のみ異なる磁性塗料を使用して多層磁性層構成の磁気テープを製造する場合、異なる組成の磁性塗料を使用して製造する場合と違い、それぞれの塗料粘度特性が殆ど同一であるため塗工適性が良く塗布工程でのトラブルも少ない。
【0010】これらによりカレンダー性と磁気特性、機械的強度を両立した磁性層を得ることができ高密度記録に適した平滑な表面性を有した磁気テープを製造することができる。
【0011】
【実施例】以下本発明の実施例について述べる。
【0012】以下の実施例、比較例で使用した磁性塗料の組成を以下に示す。混合混練時の組成、分散時の組成、非磁性基体上に塗布する時の組成は異なるのでそれぞれの工程に分けて示しており、各工程毎に示した材料組成になるように材料の添加を行う。各工程の固形分率は有機溶剤(メチルエチルケトントルエンシクロヘキサノン=3/3/1)で調整する。
【0013】混合混練工程にはプラネタリーミキサー、オープンニーダー、加圧ニーダー、2軸混練押し出し機の中から混練時の固形分率に適合した装置を使用した。
[混合混練物の組成]
強磁性金属合金粉末(BET法比表面積 55m2/g) 100重量部塩化ビニル系樹脂(平均重合度 Pn=320) 7.5重量部ポリウレタン系樹脂(数平均分子量 Mn=35000) 6重量部カーボンブラック(平均粒子サイズ=65mμ) 1重量部有機溶剤メチルエチルケトントルエンシクロヘキサノン=3/3/1(混練固形分率を調整)
[分散時の組成]
アルミナ(平均粒子サイズ=0.15μm) 12重量部メチルエチルケトントルエンシクロヘキサノン=3/3/1(分散時固形分率40%に調整)
[塗布用磁性塗料]
潤滑剤ミリスチン酸 2重量部ステアリン酸 1重量部n−ブチルステアレート 1重量部硬化剤ポリイソシアネート 3.5重量部有機溶剤メチルエチルケトントルエンシクロヘキサノン=3/3/1(塗布時固形分率33%に調整)
混合混練工程後、有機溶剤で固形分率40%まで希釈し分散工程を行うが、分散工程に使用する装置、条件を以下に示す。
[分散条件]
装置 DYNO−MILL TYPE KD−15スイス WAB社製分散メディア ガラスビーズ 直径1.6mm分散メディア充填率 80%ディスク周速 12m/sec塗料流量 1リットル/min分散パス回数 4回以上の条件で混練時の固形分率を60%、65%、69%、72%、75%、80%、85%と変化させ7種類の磁性塗料を作製した。それぞれ塗料60、塗料65、塗料69、塗料72、塗料75、塗料80、塗料85と以後記述する。
【0014】(実施例1)塗料60から塗料85までの磁性塗料7種のおのおのを10μm厚みのポリエチレンテレフタレート(非磁性基体)上に乾燥後の磁性層膜厚が約3.3μmになるように塗布し、カレンダー処理、50℃・50時間のエージング処理後磁性層を塗布した反対面上にバックコート層(約0.6μm厚み)を塗布する。これを1/2インチ幅に裁断し、磁気テープを試作した。所定のカセットに巻き込むかあるいはそのまま、磁性層の表面粗さ、静磁気特性、電磁変換特性、それに磁性層の機械的強度に影響される磁性層の粉落ちが反映されるドロップアウトを測定した。測定方法は後述する。その結果を(表1)に示す。
【0015】
【表1】

【0016】これからわかるように(発明が解決しようとする課題)に述べたように混練の固形分率を上げると塗布後の磁性層密度が高くなり、カレンダー性が悪くなり磁性層表面粗さを小さくすることができない。但し混練の固形分率を上げると磁性層の機械的強度が向上し磁性層からの粉落ちによるドロップアウトの発生が非常に少なくなる。磁気テープの特性として混練時の固形分率75%を境に極端な差が生じていることから第1の磁性塗料として塗料69、第2の磁性塗料として塗料80を各々選択して以下のテープを試作した。2種の塗料を表2に示す割合で混合し上記と同様に磁気テープを試作し、上記と同様な項目を測定した。その結果を(表2)に示す。
【0017】
【表2】

【0018】(表2)より第1の磁性塗料と第2の磁性塗料を混合した場合、カレンダー性の良好な第1の磁性塗料(塗料69)の混合割合が20%以上でないとカレンダーによる表面粗さの低下ができないことがわかる。またドロップアウトについても粉落ちの少ない第2の磁性塗料(塗料80)の混合割合が20%以上でないと効果が無い。
【0019】(実施例2)実施例1と同様に第1の磁性塗料として塗料69、第2の磁性塗料として塗料80を各々選択して、非磁性基体上に複数の磁性層を形成した多層構成の磁気テープを試作した。但し磁性層の最上層には粉落ちの少ない第2の磁性塗料を使用した。本実施例の構成図を図1に示す。ここで1は最上層磁性層(第2の磁性塗料を使用する)、2は下層磁性層(複数でも可能)、3は非磁性基体(ベースフィルム)、4はバックコート層である。磁気テープは10μm厚みのポリエチレンテレフタレート(非磁性基体)3上に乾燥後の磁性層の総厚みが3.3μmに一定とし、第2の磁性塗料で形成する最上層の磁性層1の厚みを0.1μmから1.4μmまで変化させた4種類の磁気テープを試作した。最上層以外の磁性層は塗料69を使用した。
【0020】これら4種類の磁気テープを実施例1と同じ評価をした、その結果を(表3)に示す。
【0021】
【表3】

【0022】これから明らかなように第2の磁性塗料で形成した最上層の厚みは0.1μm以上であれば効果が得られ、1μm以上ではカレンダー性が悪く表面粗さが大きく電磁変換特性が悪い。
【0023】(評価方法)
(1)磁性層の表面粗さ米国WYKO社製非接触式3次元表面粗さ測定器TOPO−3Dを用いてカレンダー処理後の磁性層の表面粗さを測定した。
(2)磁性層の静磁気特性東英工業(株)製振動試料型磁力計を用いて磁性層の飽和磁束密度、角形比を測定した。
(3)電磁変換特性D3方式VTR(松下電器産業(株)製、形式AJ−350E)を用い、検討テープの33.5MHzの出力を測定した。(実施例1)での塗料69を使用して試作した単層構成のテープを基準(±0dB)として相対比較を行なった。
(5)ドロップアウトの測定D3方式VTR(松下電器産業(株)製、形式AJ−350E)を用い、各検討テープのドロップアウトを30分間測定し、平均して1分当りのドロップアウトの個数を算出した。記録信号は33.5MHz、ドロップアウトサイズは幅0.2μsec、深さ−8dBである。
【0024】
【発明の効果】以上詳述したように本発明の磁気テープはカレンダー性と磁気特性、機械的強度を両立した磁性層を得ることができ高密度記録に適した平滑な表面性を有したドロップアウトの少ない磁気テープを製造する方法であり、電磁変換特性に優れた磁気テープを提供することができ、その実用上の価値は大なるものである。




 

 


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