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発明の名称 積層型磁気ヘッド
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−65315
公開日 平成7年(1995)3月10日
出願番号 特願平5−207481
出願日 平成5年(1993)8月23日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】大島 一公
発明者 森 泰一
要約 目的
CSS特性に優れるα−ヘマタイト(α−Fe2 3 )を非磁性基板とし、Fe−Si−Al系合金を磁気コアとする積層型ヘッドにおいて、再生出力のばらつきをなくして、高い性能を安定して有する積層型ヘッドを提供する。

構成
磁気コア2を構成するFe−Si−Al系合金の飽和磁歪を−1.0×10-6以上で+0.1×10-6以下とするか、Fe−Si−Al系合金の組成を、Siが9.7重量%以上10.0重量%以下、Alが5.5重量%以上7.0重量%以下、Crが0重量%以上1.0重量%以下、残部がFeより構成することにより、磁気コア2の透磁率の応力による低下を防止して、安定した再生出力が得られる。
特許請求の範囲
【請求項1】 非磁性基板に挟持されたFe−Si−Al系合金膜を磁気コアとし、前記非磁性基板がα−ヘマタイト(α−Fe2 3 )を主成分とするセラミックスからなり、前記Fe−Si−Al系合金膜の飽和磁歪定数が−1.0×10-6以上で0.1×10-6以下である積層型磁気ヘッド。
【請求項2】 前記Fe−Si−Al系合金膜が、Siを9.7重量%以上10.0重量%以下、Alを5.5重量%以上7.0重量%以下、Crを0重量%以上1.0重量%以下含み、残部がFeより構成される請求項1記載の積層型磁気ヘッド。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】コンピューター用磁気ディスク装置に用いられる磁気ヘッドに関する。
【0002】
【従来の技術】最近の磁気記録媒体では、記録密度の向上の要求に応えるために、高保磁力化と共に磁気ヘッドの高性能化が図られている。磁気ヘッドにおいては、高保磁力の磁気記録媒体の性能を十分に引き出すために、従来のフェライトヘッドに代わって、高飽和磁束密度のFe−Si−Al系合金をギャップ近傍に配置したMIG(metal-in-gap)ヘッドが開発され、その記録能力は大幅に向上している。しかし、MIGヘッドは磁気コアの大部分がフェライトで形成されているので、フェライトに起因するノイズが発生し、またヘッドのインピーダンスも大きく、高周波での使用に対応できないという問題があった。
【0003】記録密度の向上に伴って、トラック幅が狭くなり、また転送レートも高くなり、磁気ヘッドは狭トラック化と高周波での良好な記録再生特性が要求されている。非磁性基板に挟持された金属磁性膜を磁気コアとする積層型磁気ヘッドは上記の要求に応えるために開発された磁気ヘッドである。図1に非磁性基板に挟持された金属磁性膜を磁気コアとする積層型磁気ヘッドの代表的な構造図を示す。積層型磁気ヘッドは、非磁性基板1に挟まれた金属磁性膜2のみが磁気コアとして動作するのでヘッドのインピーダンスが低く、また、そのトラック幅は金属磁性膜2の膜圧により決まるので、狭トラック化が容易である。積層型磁気ヘッドでは、その外観形状は、従来のフェライト製のバルク型ヘッドと同様であり、記録時には、巻線窓3に巻いたコイル4が、励磁コイルとして作用し、金属磁性膜2よりなる磁気コアを磁化して、磁気ギャップ5からの漏洩磁界により磁気媒体に記録を行う。また再生時には、コイル4がピックアップコイルとして動作し、磁気コア2を通過する記録媒体からの漏洩磁束の変化を誘導起電力として検出する。ここで、金属磁性膜2には飽和磁束密度が高く、また透磁率の周波数特性が良好なFe−Si−Al系合金等の材料が用いられる。このため、積層型磁気ヘッドは、フェライトヘッドに比べて優れた記録能力と高周波特性を有しており、保磁力1400Oe以上の高保磁力媒体への記録が可能で、10MHz以上の高周波域においても使用することができる。またフェライトが使われていないので、フェライトに起因するノイズもない。金属磁性膜2は多くの場合、高周波での渦電流損失を抑えるために二酸化珪素等の絶縁膜との積層構造をとる。
【0004】非磁性基板1として、α−ヘマタイト(α−Fe2 3 )を主成分とするセラミックスが用いられるが、その理由は、CSS(Contact Start Stop)特性の信頼性が高いからである。金属磁性膜2を構成するFe−Si−Al系合金は、スパッタリング法等の薄膜作製技術により作製される。Fe−Si−Al系合金膜は、その結晶磁気異方性定数と飽和磁歪定数λが共に十分に小さくなる組成域で、保磁力Hcが0.5Oe以下、5MHzでの実効透磁率が1000以上という良好な軟磁気特性が得られ、その組成範囲はSiが9.5重量%から10.0重量%、Alが5重量%から7重量%、残部がFeから構成される組成域である。上記の組成範囲では、飽和磁歪定数λはその絶対値が1×10-6以下(−1×10-6から+1×10-6の範囲)になっている。またFe−Si−Al系合金は、耐食性の向上のために1重量%以内の範囲でCrを添加することがあるが、1重量%以内であれば、磁気特性が影響を受けることがない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記のように組成範囲の保磁力Hcが0.5Oe以下、5MHzでの実効透磁率が1000以上という良好な軟磁気特性を有するFe−Si−Al系合金を磁気コアに用いても、積層型磁気ヘッドの再生出力が高い場合と低い場合があり、ヘッドの性能にばらつきが生じる。
【0006】本発明の目的は、性能のばらつきをなくして、高い性能を安定して有する積層型磁気ヘッドを提供しようとするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するために第1発明では、非磁性基板に挟持されたFe−Si−Al系合金膜を磁気コアとし、前記非磁性基板がα−ヘマタイト(α−Fe23 )を主成分とするセラミックスからなり、前記Fe−Si−Al系合金膜の飽和磁歪定数が−1.0×10-6以上で0.1×10-6以下である積層型磁気ヘッドとした。
【0008】また、第2発明では、Fe−Si−Al系合金の飽和磁歪定数λを上記の値にするために、磁気コアを形成するFe−Si−Al系合金の組成を、Siが9.7重量%以上10.0重量%以下、Alが5.5重量%以上7.0重量%以下、Crが0重量%以上1.0重量%以下、残部がFeより構成される組成とする。
【0009】
【作用】第1発明では、磁気コアを構成するFe−Si−Al系合金の飽和磁歪定数λが正の値にならないように制御することにより、積層型ヘッドの出力のばらつきの発生を防ぐことができる。また、第2発明では、Fe−Si−Al系合金の飽和磁歪定数λは、Si量およびAl量により決まっているので、Si量およびAl量を調整することにより、飽和磁歪定数λの値を制御して出力のばらつきの発生を防ぐことができるようになった。この作用が実現される理由は下記の通りである。
【0010】即ち、第1発明において、非磁性基板のα−ヘマタイトの熱膨張係数が110×10-7/℃前後、Fe−Si−Al系合金膜の熱膨張係数が130〜150×10-7/℃と推定されるので、非磁性基板がα−ヘマタイト、磁気コアがFe−Si−Al系合金により構成される積層型ヘッドでは、その加工時の熱処理工程において、非磁性基板と磁気コアの熱膨張係数の差によって熱応力が発生し、熱膨張係数の小さいFe−Si−Al系合金よりなる磁気コアには引っ張り応力が発生する。磁気コアに発生した応力は、積層型ヘッドの完成形状では、非磁性基板の厚みが200μm以下にまで薄くなることにより、その大部分は開放されている。しかし、磁気コアの磁路方向の応力については、磁路がギャップを介して接着されてリング形状を有しているので、磁路方向の応力は十分には開放されない。結果的に、非磁性基板がα−ヘマタイト、磁気コアがFe−Si−Al系合金により構成される積層型ヘッドでは、その完成形状において、磁気コアの磁路方向に引っ張り応力が残留している。
【0011】良好な軟磁気特性を有するFe−Si−Al系合金を磁気コアに用いても、積層型磁気ヘッドの再生出力にばらつきが生じる理由は、磁気コアの磁路方向に残留している引っ張り応力により、磁気コアの磁路方向の透磁率が変化するからである。応力による磁性膜の磁気特性の変化は、磁性膜の飽和磁歪定数λの符号とその大小により決まる。
【0012】磁路方向に引っ張り応力が残留する磁気コアでは、飽和磁歪定数λの符号が負の場合には、磁路方向に磁化困難軸が誘導され、透磁率が増加するので、磁気ヘッドの出力の低下は発生しない。しかし、飽和磁歪定数λの符号が正の場合には、磁路方向には磁化容易軸が誘導され、透磁率が減少し、磁気ヘッドの出力の低下が発生する。ただし、飽和磁歪定数λの符号が正でも、その値が非常に小さければ、磁気ヘッドの出力の低下は発生しない。従って、本発明では上記のような範囲の制限により出力のばらつきを防止させている。
【0013】
【実施例】図1は本実施例の積層型磁気ヘッドの構造図である。非磁性基板1はα−ヘマタイト(α−Fe2 3 )を主成分とするセラミックス、磁気コア2はFe−Si−Al系合金によりそれぞれ構成されている。磁気コア2を構成するFe−Si−Al系合金のSi量とAl量を変化させて、Fe−Si−Al系合金膜の組成と飽和磁歪定数λの関係さらに飽和磁歪定数λとヘッド出力の関係を調べた。
【0014】Fe−Si−Al系合金はスパッタリング法により形成し、Al組成を5.0から7.0重量%の範囲、Si組成を9.5から10.5重量%の範囲とし、Cr組成を0.7重量%に固定、残部をFeとした。図2に上記の組成範囲でのSi量およびAl量と飽和磁歪定数の関係を示すが、上記の組成範囲でFe−Si−Al系合金の飽和磁歪定数λは、−1.5×10-6から+1.0×10-6の値を有している。
【0015】なお、図2に示されているSi量およびAl量と飽和磁歪定数λの関係は、Cr組成を0から1.0重量%の範囲で変化させても変わらない。本実施例のFe−Si−Al系合金の軟磁気特性は、前述のように、飽和磁歪定数λの絶対値が1×10-6以下(−1×10-6から+1×10-6の範囲)の組成域において、保磁力Hcが0.5Oe以下、5MHzでの実効透磁率が1000以上という良好な特性が得られたが、飽和磁歪定数λの絶対値が1×10-6を越える組成域では、良好な軟磁気特性が得られていない。
【0016】本実施例の積層型ヘッドの機械寸法は、磁気コア2の厚みが7μmであり、トラック幅も7μmである。また、ギャップ長は0.3μmであり、ギャップ深さは4μmである。コイル4の巻線数は40ターンである。また、再生出力の測定は、保磁力が1450Oe、Brδが450Gμmの媒体を用いて、媒体速度8.26m/s、浮上量0.1μm、周波数6MHzでの自己記録再生にて行った。
【0017】図3は本実施例における磁気コア2のFe−Si−Al系合金の飽和磁歪定数λと積層型ヘッドの再生出力の関係を示している。飽和磁歪定数λの値が−1.0×10-6より小さくなると、再生出力が低下している。これは前述のように、Fe−Si−Al系合金の良好な軟磁気特性が得られるのが、飽和磁歪定数λの絶対値が1.0×10-6以下においてであり、飽和磁歪定数λの値が−1.0×10-6より小さくなると、Fe−Si−Al系合金の軟磁気特性が劣化して、磁気コア2の透磁率が低くなるからである。
【0018】また、飽和磁歪定数λの値が、+0.1×10-6より大きくなると、やはり再生出力が低下している。これは前述のように、磁気コア2の磁路方向に残留する引っ張り応力により、磁気コア2の磁路方向の透磁率が低下したからである。本実施例では磁気コア2のFe−Si−Al系合金の飽和磁歪定数λの値が−1.0×10-6以上で+0.1×10-6以下の場合に、300μVPP以上の高密度磁気ディスクドライブ装置に応用可能な高い再生出力が安定して得られており、磁気コア2のFe−Si−Al系合金の飽和磁歪定数λの値を上記範囲にすることにより、高い性能を安定して有する積層型ヘッドの製造が可能になる。
【0019】図2のFe−Si−Al系合金の組成と飽和磁歪定数λの関係から、磁気コア2のFe−Si−Al系合金の飽和磁歪定数λの値を−1.0×10-6以上で+0.1×10-6以下に制御するためには、磁気コア2を形成するFe−Si−Al系合金の組成を、Siが9.7重量%以上10.0重量%以下、Alが5.5重量%以上7.0重量%以下、Crが0重量%以上1.0重量%以下、残部がFeより構成される組成とすることが必要であることがわかる。なお、Al量を7.0重量%以下としたのは、Alが7.0重量%を越えると結晶磁気異方性が大きくなり、良好な軟磁気特性が得られなくなるからである。
【0020】
【発明の効果】本発明によれば、積層型ヘッドの再生出力のばらつきをなくして、高い性能を安定して有する積層型磁気ヘッドが提供できる。




 

 


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