米国特許情報 | 欧州特許情報 | 国際公開(PCT)情報 | Google の米国特許検索
 
     特許分類
A 農業
B 衣類
C 家具
D 医学
E スポ−ツ;娯楽
F 加工処理操作
G 机上付属具
H 装飾
I 車両
J 包装;運搬
L 化学;冶金
M 繊維;紙;印刷
N 固定構造物
O 機械工学
P 武器
Q 照明
R 測定; 光学
S 写真;映画
T 計算機;電気通信
U 核技術
V 電気素子
W 発電
X 楽器;音響


  ホーム -> 計算機;電気通信 -> 松下電器産業株式会社

発明の名称 光ディスクとその製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−50034
公開日 平成7年(1995)2月21日
出願番号 特願平6−116615
出願日 平成6年(1994)5月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 虫鹿 由浩 / 後藤 芳和 / 美間 総一郎 / 篠田 雅之
要約 目的
マグネットクランプ方式によりディスククランプ装置に固定される光ディスクとその製造方法に関し、低コストで信頼性の高い光ディスクを提供することを目的とする。

構成
センター孔1aを有し、片面に記録層2を持ち、かつ記録層側の面のセンター孔1aの周囲に同心円状に、凹部1bを設けた一対のディスク基板1を、記録層2が対面する状態で貼り合わせ、かつ一対のディスク基板1の凹部1bによって形成された隙間に強磁性体材料より成る円盤状の吸着板4を内包させる。
特許請求の範囲
【請求項1】 中心に芯出しを行うセンター孔を設け、片面に前記センター孔と概同心円状に凹部を設けた、円盤状の一対のディスク基板と、強磁性体あるいは強磁性体を含む材質よりなる吸着板とからなり、前記一対のディスク基板を前記凹部が対面する状態で貼り合わせると共に、前記吸着板を前記一対のディスク基板の凹部によって形成された隙間に内包させた光ディスク。
【請求項2】 ディスク基板の厚さが0.3〜0.8mmであることを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
【請求項3】 吸着板が弾性を有する部材よりなり、前記吸着板を弾性変形させた状態で一対のディスク基板の凹部によって形成された隙間に内包させたことを特徴とする請求項1記載の光ディスク。
【請求項4】 吸着板の中心に貫通孔を有し、前記貫通孔の直径がディスク基板のセンター孔よりも大きい請求項1記載の光ディスク。
【請求項5】 一対のディスク基板のセンター孔近傍部分どうしが、接合された請求項4記載の光ディスク。
【請求項6】 中心に芯出しを行うセンター孔を設け、片面に前記センター孔と概同心円状に凹部を設けた、円盤状の一対のディスク基板と、強磁性体あるいは強磁性体を含む材質よりなり、前記一対のディスク基板の凹部に各々埋設された一対の吸着板とからなり、前記一対のディスク基板を前記凹部が対面する状態で貼り合わせ、前記一対の吸着板を前記一対のディスク基板の凹部によって形成された隙間に内包させた光ディスク。
【請求項7】 中心に芯出しを行うセンター孔を設け、片面に前記センター孔と概同心円状に凹部を設け、かつ前記センター孔に複数の切欠きを設けた円盤状の一対のディスク基板と、強磁性体あるいは強磁性体を含む材質よりなり、前記ディスク基板の凹部に嵌合し、かつ前記センター孔に設けた切欠きに対応する位置に板面より突出する爪部を有した、円盤状の吸着板とからなり、前記一対のディスク基板を前記凹部が対面する状態で貼り合わせると共に、前記吸着板を前記一対のディスク基板の凹部によって形成された隙間に内包させ、かつ吸着板の爪部を前記ディスク基板のセンター孔に設けた切欠きに係止させた光ディスク。
【請求項8】 下記の(1)〜(3)の工程よりなる請求項1記載の光ディスクの製造方法。
(1)第1のディスク基板の凹部を有する面に接着剤を塗布する工程。
(2)前記接着剤を塗布した第1のディスク基板の前記凹部に吸着板を挿入する工程。
(3)前記接着剤を塗布し吸着板を挿入した第1のディスク基板に、凹部が対面する状態で第2のディスク基板を貼り合わせる工程。
【請求項9】 下記の(1)〜(3)の工程よりなる請求項1記載の光ディスクの製造方法。
(1)第1のディスク基板の凹部に吸着板を挿入する工程。
(2)前記吸着板を挿入した第1のディスク基板の前記凹部を有する面に、接着剤を塗布する工程。
(3)前記吸着板を一体化し接着剤を塗布した第1のディスク基板に、凹部が対面する状態で第2のディスク基板を貼り合わせる工程。
【請求項10】 中心に芯出しを行うセンター孔を設け、片面に記録層を設けた円盤状の第1のディスク基板と、中心に前記センター孔よりも大径の凹部を設けた円盤状の第2のディスク基板と、強磁性体あるいは強磁性体を含む材質よりなる吸着板とからなり、前記第1と第2のディスク基板を、前記記録層と前記凹部とが対面する状態で貼り合わせると共に、前記吸着板を前記第2のディスク基板の凹部によって形成された隙間に内包させた光ディスク。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、マグネットクランプ方式によるディスククランプ装置と、これに固定される光ディスクとその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マグネットクランプ方式はディスククランプ装置に設けたマグネットでディスクに設けた強磁性体を吸着するディスクの保持方式であり、装置の薄型化が容易といった特徴がある。
【0003】光ディスクに強磁性体よりなるマグネットクランプ用の吸着板を取り付けた従来の構成は、例えば特開平2−50347号公報に開示されており、図14にそのディスククランプ装置の断面図を示す。図14に基づいて従来の光ディスクとディスククランプ装置について説明する。
【0004】101はリング状の磁性体からなる吸着板で、ディスク基板102に接着されている。このディスクがディスククランプ装置にセットされると、ターンテーブル105の回転中心に設けられた芯出し部材104がディスク基板102のセンター孔に係合して、ディスクの芯出しが行われる。さらに、吸着板101がターンテーブル105に設けられたマグネット103の磁力により吸着され、ディスクがターンテーブル105に固定される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の光ディスクにおいては、吸着板とディスク基板との接着が剥離した場合、ディスクをターンテーブルに固定できなくなり、ディスクが使用不能になるという課題があった。
【0006】光ディスクは、吸着板とディスク基板との熱膨張係数の差などがあり、使用時や保管時の温度変化による伸縮を繰り返すうちに、接着部が剥離してしまうことがある。こうした場合、吸着板はディスク基板から脱落し、ディスクが使用不能となり、信頼性の点で大きな問題であった。
【0007】また、光ディスクの製造工程において、吸着板とディスク基板とを接着する工程が必要であり、光ディスクの製造コストが高くなるという課題があった。
【0008】本発明は上記課題を解決し、低コストで信頼性の高い光ディスクを提供するものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の光ディスクは上記目的を達成するために、センター孔を設け、片面に前記センター孔と概同心円状に凹部を設けた円盤状の一対のディスク基板を、前記凹部が対面する状態で貼り合わせ、かつ前記一対のディスク基板の凹部によって形成された隙間に強磁性体あるいは強磁性体を含む材質よりなる円盤状の吸着板を内包させた構造をとる。
【0010】さらに、本発明はこのような構造の光ディスクを下記の(1)〜(3)の工程により製造する方法をとる。
【0011】(1)ディスク基板の凹部に吸着板を挿入する工程。
(2)前記ディスク基板の凹部を有する面に接着剤を塗布する工程。
【0012】(3)前記ディスク基板を凹部が対面する状態で他のディスク基板と貼り合わせる工程。
【0013】
【作用】上記本発明の光ディスクの構成では、吸着板を一対のディスク基板の凹部によって形成された隙間に内包させるため、吸着板とディスク基板との接着状態の変化によって吸着板が脱落することがない。また、ディスククランプ装置装着時に、ディスク基板のセンター孔でディスクの芯出しを行うので、吸着板とディスク基板との接着状態はディスクの芯出し精度に影響をおよぼさない。この結果、吸着板とディスク基板との接着状態によらずディスクは使用可能となり、ディスクの信頼性が大きく向上する。
【0014】さらに、本発明の光ディスクの製造方法によると、吸着板とディスク基板との接着工程が不要で、接着工程が一対のディスク基板どうしを接着する1回だけで済み、接着硬化にかかる時間を低減でき光ディスクの製造コストを削減することができ、かつ量産性が向上する。
【0015】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の第1の実施例について図1、図2を参照して説明する。
【0016】図1は本発明の第1の実施例における光ディスクの断面図であり、図2は第1の実施例における光ディスクをクランプ装置に装着した状態を示す図である。
【0017】本実施例の光ディスクは両面型光ディスクであり、一対のディスク基板1を凹部1bが対面する状態で、厚み50μmの接着剤層3により貼り合わせ構成される。
【0018】ディスク基板1は外径120mmの円盤形状を有し、厚み0.6mmのほぼ均等肉厚のポリカーボネート樹脂成形品である。ディスク基板1の中心には直径15mmのセンター孔1aを設け、片側の面に記録層2を形成する。記録層2のある側の面には、センター孔1aの周辺に同心円状に直径30mmで記録層2との段差が0.3mmの凹部1bを設ける。凹部1bの外周面1cはディスク基板面に垂直に設けている。また、ディスク基板1の記録層2のない側の面には、センター孔1aと同心に高さ0.3mmの凸部1dを設ける。凸部1dの外周は斜面1eとし、基板面に対し20〜30゜の傾斜を与えてディスクの成形性を向上させている。
【0019】貼り合わせた一対のディスク基板1の凹部1bが形成する隙間に厚み0.5mmの強磁性体板である吸着板4を内包させる。吸着板4は外径29.9mmで、ディスク基板の凹部1bの直径よりもわずかに小さくし、凹部の外周面1cによって位置規制される。吸着板4には中心に直径15.5mmのセンター孔を設け、ディスク基板のセンター孔1aの直径より大きくしている。吸着板4は厚み75μmの接着層5で一方のディスク基板1に固定している。
【0020】次に、本実施例の光ディスクがディスククランプ装置に装着される機構について図2を参照し説明する。
【0021】ディスククランプ装置は、スピンドル軸9に固定したターンテーブル8と、ターンテーブル8に設けたマグネット6およびバックヨーク6aと、スピンドル軸9に上下に可動な状態で設けられバネ10により上方に付勢された芯出し部材7よりなる。
【0022】マグネット6は外径22mm、内径17mm、厚さ1.5mmで4極着磁された希土類磁石であり、バックヨーク6aは厚さ1mmのSPCC板である。また、マグネット6の上面はターンテーブル8のディスク載置面よりも0.2mm低く設け、マグネット6がディスクと接触しないようにしてマグネット6の破損を防止している。
【0023】前記ディスククランプ装置に光ディスクを装着すると、センター孔1aに芯出し部材7が嵌合して芯出しが行われつつ、マグネット6によって吸着板4が吸引されてディスクがクランプ装置に固定される。このとき吸着板4はディスク基板1内に内蔵されているため、芯出しの障害になることはない。
【0024】ディスクの記録再生時の回転数は900〜2500rpmとし、ディスクの線速度が常に一定になるようにヘッドがディスク内周側にある程ディスク回転数を上げるCLV方式としている。
【0025】上記の構成により、吸着板4は一対のディスク基板の凹部1bによって形成された隙間に内包されているため、接着層5による接着がディスク基板より剥離した場合でも吸着板4の脱落を防止できる。また、ディスククランプ装着時における芯出しは、センター孔1aによるため、吸着板4が非接着の際でも芯出し精度は左右されない。このように、吸着板4とディスク基板1との接着が剥離した場合でも、光ディスクは使用可能で信頼性が向上する。
【0026】また、吸着板4は単純形状の円板1枚だけの構成であり、製造コストを低減できる。
【0027】なお、本実施例においては、吸着板4は接着剤でディスク基板1に接着しているが、超音波融着、かしめ等によって接着しても良い。
【0028】また、吸着板4をディスク基板1に接着せず、一対のディスク基板1の凹部1bが形成する隙間の中で自由に移動するものでも良い。このように吸着板4を可動な状態にしておくと、マグネット6の磁力が吸着板4に作用した際、吸着板4はマグネット6との吸着力が最大となるようにディスク内を移動し吸着される。その結果、前記吸着板4を接着固定した場合に比べて、より強い吸着力が得られる。
【0029】また、本実施例においては、記録層2をそれぞれのディスク基板1に形成して両面型光ディスクとしているが、一方のディスク基板のみに記録層を形成した片面型光ディスクでもよい。
【0030】なお、本実施例ではディスク基板の肉厚0.6mmとしたが、ディスク基板の肉厚tを変化させた場合の、クランプ力と評価を(表1)に示す。このように、ディスク基板厚が0.3〜0.8mmのときに良好な結果が得られた。
【0031】
【表1】

【0032】(実施例2)以下、本発明の第2の実施例について図3を参照して説明する。
【0033】図3は本発明の第2の実施例における光ディスクの断面図である。本実施例の光ディスクは両面型光ディスクであり、一対のディスク基板と、弾性を有する強磁性体の吸着板で構成される。
【0034】ディスク基板11は肉厚0.6mmで、直径15mmのセンター孔11aと、記録層12とを有する。記録層12のある側の面には、センター孔11aと同心円状に内径16.2mm、外径30mmで記録層12との段差が0.3mmの凹部11bを設ける。凹部11bの内周面11cはディスク基板面に垂直に設け、凹部11bの外周面11dはディスク基板面に対し20〜30゜の傾斜を与えている。また、ディスク基板11の記録層12のない側の面には、センター孔11aと同心に高さ0.3mmの凸部11eを設ける。凸部11eの外周11fは斜面11dと同じ角度の傾斜を有する。
【0035】吸着板14は厚み0.3mmのステンレス鋼板SUS430を円周方向に破線で示すよう波型の形状を有するようにプレス成形したもので、中心に直径16.3mmのセンター孔を設け、また直径30mm、自由高さは0.8mmである。
【0036】一対のディスク基板11の凹部11bを対面させた状態で、凹部11bが形成する間隔約0.6mmの隙間に吸着板14を内包させ、50μm厚の接着剤層13で接着する。このとき、吸着板14は波形形状をしており厚さ方向に弾性を有するため、圧縮されガタなく取り付けられる。接着剤層13はセンター孔11a近傍の面11gにおいてもディスク基板11どうしを接着する。
【0037】以上のように構成した光ディスクによれば、吸着板14は波形形状で厚さ方向に弾性を有し、かつ弾性変形させた状態で一対のディスク基板の凹部11bによって形成された隙間に内包させているため、厚さ方向に復元力が発生し、吸着板14とディスク基板11とを接着しない場合でも吸着板14をガタなく安定に取り付けることができ、回転時の振動の発生を抑えられる。
【0038】また、一対のディスク基板11をセンター孔11a近傍の面11gで接着し、センター孔11aの壁面を段差のないほぼ連続的な一円筒面としているために、ディスクの構造強度の向上やセンター孔近傍における異物付着が防止できる。
【0039】(実施例3)以下、本発明の第3の実施例について図4を参照して説明する。
【0040】図4は本発明の第3の実施例における光ディスクの断面図である。本実施例の光ディスクは両面型光ディスクであり、一対のディスク基板と、2枚の強磁性体の吸着板で構成される。
【0041】ディスク基板1、記録層2、接着剤層3は実施例1で示したものと同じものを用いる。吸着板24は厚み0.2mmの強磁性体板で、厚み50μmの接着層25によりディスク基板1に固定している。ディスク基板の凹部1bの深さは0.3mmであるため、吸着板24の上面は記録層2よりも約50μm低い面にある。
【0042】このように、吸着板24を埋設した一対のディスク基板1を凹部1bが対面する状態で接着剤層3により貼り合わせて構成する。
【0043】以上のように構成した光ディスクによっても、実施例1において説明した如く、吸着板24とディスク基板1との接着が剥離した場合でも光ディスクの使用が可能である。
【0044】(実施例4)以下、本発明の第4の実施例について図5、図6を参照して説明する。
【0045】図5は本発明の第4の実施例における光ディスクの断面図であり、図6は第4の実施例における光ディスクをクランプ装置に装着した状態を示す図である。
【0046】本実施例の光ディスクは両面型光ディスクであり、一対のディスク基板と、ディスク基板のセンター孔を塞ぐように設けた1枚の吸着板により構成される。
【0047】ディスク基板31は肉厚0.6mmで、中心に直径15mmのセンター孔31aを設け、かつ片側の面に記録層を有する。記録層のある側の面には、センター孔の周辺に同心円状に記録層32との段差が0.2mmの凹部31cを設ける。また、記録層のない側の面には、センター孔31aの周囲にセンター孔31aの上面31bが記録層32と1.4mmになるように凸部31dを設ける。ディスク基板31の中心とセンター孔31aの中心との偏心量は射出成形の型精度とパンチ加工精度により15μm以下としている。
【0048】貼り合わせた一対のディスク基板31の凹部31cが形成する隙間に厚み0.3mmの強磁性体板である吸着板34を内包させ、厚み75μmの両面粘着テープ35で一方のディスク基板31に固定する。
【0049】次に、本実施例の光ディスクがディスククランプ装置に装着される機構について図6を参照し説明する。
【0050】ディスククランプ装置は、スピンドル軸39に固定したターンテーブル38と、ターンテーブル38に設けたマグネット36と、スピンドル軸39に上下に可能な状態で設けられバネ40により上方に付勢された芯出し部材37よりなる。
【0051】前記ディスククランプ装置に光ディスクを装着すると、センター孔31aに芯出し部材37が嵌合して芯出しが行われつつ、マグネット36によって吸着板34が吸引されてディスクがクランプ装置に固定される。このとき吸着板34はディスク基板31内に内蔵され、凸部31dにより芯出し部材37の上面との隙間を確保されているため、芯出しの障害になることはない。
【0052】以上のように構成した光ディスクによっても、実施例1と同様に、吸着板34とディスク基板31との接着が剥離した場合でも光ディスクの使用が可能である。
【0053】(実施例5)以下本発明の第5の実施例について図7を参照して説明する。図7(a)、(b)は本発明の第5の実施例における光ディスクの平面図及び断面図である。
【0054】本実施例の光ディスクは両面型光ディスクであり、一対のディスク基板と吸着板で構成され、ディスク基板には実施例4で示した構造のディスク基板に、さらにセンター孔41aの三箇所を切欠くことにより切欠き41dを設けている。また、前記切欠き41dの切断面の一部は、記録層側の面からディスクの中心に向かって傾斜する傾斜面41eとしている。
【0055】吸着板44は強磁性体材料よりなるセンター孔大の円板で、円板の周囲の前記センター孔の切欠き41dに対応する3箇所に、曲げ加工により適当な弾性を有する爪部44aを形成している。また爪部44aの先端には吸着板44の外側方向に傾斜するかぎ部を形成する。さらに、円板の周囲の爪部を設けた部分以外には、ディスク基板の凹部に嵌合するフランジ部45を設けている。
【0056】吸着板44をディスク基板の記録層42側からセンター孔の切欠きと吸着板の爪部の位置を合わせた状態で押し込むことにより爪部44aが傾斜面41eに沿って弾性変形し切欠き41dに挿入され、先端のかぎ部が切欠き41dの周縁に係止され、吸着板44がディスク基板41の凹部41cに固定される。
【0057】また、吸着板44のフランジ部45の上部にエンボス加工により3つの突起44bを設け、同様にフランジ部45の下部にエンボス加工により3つの突起44cを設ける。突起44bの先端と突起44cの先端との距離は、2枚のディスク基板41の凹部41cが形成する隙間の距離と等しく設定する。これにより、吸着板44は一対のディスク基板41の凹部41cが形成する隙間の中間に固定され、つまり吸着板44は二枚の両ディスク基板表面から等距離に位置決めされるので、両面でのクランプ力が一定とできる。
【0058】また、突起44bと突起44cとを上下に重ならない位置に形成しているので、加工誤差により上記突起先端間の距離が上記隙間距離よりも大きくなった場合でも、吸着板44自身の微小な変形によって誤差分が吸収され、ディスク基板41に無理な応力がかかることを防ぐことができる。
【0059】なお、爪部44aを吸着板44の両面に設けると、2枚のディスク基板双方の切欠きに爪部が係止し、吸着板が両ディスク基板に固定されることとなり、より安定性が増す。
【0060】上記の構成を持つ両面型光ディスクは、吸着板44をディスク基板41に固定する際、接着、かしめ等の工程を必要とせず、押し込み動作だけで簡単に行え、工程所要時間を短縮できる。
【0061】この接合方法は、製造工程上での仮固定としては十分な強度を持ち、さらに最終製品形態としては、吸着板44を2枚のディスク基板41間に内包させているため、吸着板44が脱落することがない。
【0062】また、吸着板44とディスク基板41との熱膨張率が異なっても、両者は完全には密着していないためディスク基板41の熱によるひずみを防ぐことができる。また、ディスクを回転させる際には、吸着板44とディスク基板41とは回転面に対して垂直に係合しているので、確実に動力を伝達することができる。
【0063】なお、本実施例では、切欠き41dをセンター孔41aの一部を切欠いて設けており、切欠き41dが最もディスク内周部寄りに配置され、切欠き41dは記録層42から離れた位置に設けられる。これにより切欠き41d周辺にディスク基板の製造時に生じるヒケ等による複屈折の影響が記録層42周辺に及ぶことを防止しているが、切欠き41dをさらにディスク外周側に配置してセンター孔41aと完全に分離した構成も可能である。
【0064】(実施例6)以下、本発明の第6の実施例について図8〜図10を参照して説明する。本実施例では、実施例5で説明した一対の第1、第2のディスク基板と吸着板より成る両面型光ディスクの製造方法について説明し、次の3工程からなっている。
(1)吸着板を第1のディスク基板に固定する工程。
(2)第1の工程で吸着板を挿着した第1のディスク基板に接着剤を塗布する工程。
(3)第1の工程で吸着板を挿着し、第2の工程で接着剤を塗布した第1のディスク基板と第2のディスク基板を貼り合わせる工程。
【0065】以下、第1の工程を図8を参照し説明する。図8は吸着板をディスク基板に固定する装置の構成図である。
【0066】ステージ53上に記録層を上にして第1のディスク基板51を載置する。前記第1のディスク基板51の中心の真上に中心が位置するようにプローブ54を設け、このプローブ54の先端に、強磁性体よりなる吸着板52をプローブ54に設けた電磁石の磁力により吸着保持する。
【0067】このとき、吸着板52の中心に設けた中心孔に、プローブ54の中心に設けた突起54aを嵌合することにより中心位置合わせを行う。
【0068】次に、吸着保持した吸着板52の爪部とステージ53上に載置した第1のディスク基板51のセンター孔に設けた切欠きとの位置合わせを行い、プローブ54をステージ53まで下降させ、爪部を切欠きに挿入し係止させる。
【0069】次に、プローブ54の電磁石への通電を停止して吸着板52を解放し、プローブ54を上昇させる。
【0070】以上の工程により、吸着板52が第1のディスク基板51に固定される。次に、第2の工程を図9を参照し説明する。図9は、第1の工程により吸着板を挿着したディスク基板に接着剤を塗布する装置の概略構成を示したものである。
【0071】タンク56内で加熱溶融されたホットメルト接着剤55は、ブレード59により膜厚を一定にされ、塗布ロール57上に塗布される。塗布ロール57と、塗布ロールに対応させて設けたバックアップロール58との間を、第1の工程で吸着板52を挿着された第1のディスク基板51を記録層側を塗布ロール57側にして通過させることにより、塗布ロール57上に塗布されたホットメルト接着剤55を、ディスク基板51の記録層側の面に転写する。
【0072】以上の工程により、吸着板52を挿着された第1のディスク基板51に接着剤55が塗布される。
【0073】次に、第三の工程を図10を参照し説明する。図10は第1、第2の工程で吸着板を挿着し接着剤を塗布した第1のディスク基板と第2のディスク基板を貼り合わせる装置の概略構成を示したものである。
【0074】ステージ60上に第1、第2の工程により吸着板を固定し、接着剤を塗布した第1のディスク基板51を接着剤層を上にして載置する。載置した第1のディスク基板51の中心の真上に中心が位置するようにホルダー61を設置し、このホルダー61に、第2のディスク基板62を中心を合わせコンプレッサーとバルブにより減圧吸着し保持する。ホルダー61をステージ60まで下降させ、接着剤層の上に第2のディスク基板62を圧接保持しホルダー61の減圧を解除し、ホルダー61を解放した後ホルダー61を上昇させ、第1のディスク基板51と第2のディスク基板62とを接着する。
【0075】以上の工程からなる両面型光ディスク製造方法では、吸着板をディスク基板とを一体化する工程は単純な押し込み動作だけであるため迅速に完了でき、工程の所要時間を削減できる。また全工程において接着工程は第1と第2のディスク基板を貼り合わせる工程しかなく、接着剤の硬化に伴う待ち時間が減少し、量産性が向上する。
【0076】なお、本実施例の製造方法は実施例5で説明した光ディスクを例にとって説明したが、これに限定されるものではない。
【0077】(実施例7)以下、本発明の第7の実施例について図11、図12を参照して説明する。本実施例では、実施例5で説明した一対の第1、第2のディスク基板と吸着板より成る両面型光ディスクの他の製造方法について説明し、次の3工程からなっている。
(1)吸着板を第1のディスク基板に固定する工程。
(2)第2のディスク基板に接着剤を塗布する工程。
(3)第1の工程で吸着板を挿着した第1のディスク基板と、第2の工程で接着剤を塗布した第2のディスク基板を貼り合わせる工程。
【0078】なお、吸着板52を第1のディスク基板51に挿入する第1の工程は、図8で示した第6の実施例の第1の工程と同様であるため、以下、第2の工程について図11を参照し説明する。図11は、第2のディスク基板62に接着剤を塗布する装置の概略構成を示したものである。
【0079】タンク56内で加熱溶融されたホットメルト接着剤55は、ブレード59により膜厚を一定にされ、塗布ロール57上に塗布される。塗布ロール57と、塗布ロールに対応させて設けたバックアップロール58との間を第2のディスク基板62を記録層側を塗布ロール57側にして通過させることにより、塗布ロール57上に塗布されたホットメルト接着剤55を、第2のディスク基板62の記録層側の面に塗布する。
【0080】次に、第3の工程を図12を参照し説明する。図12は第1の工程で吸着板52を挿着した第1のディスク基板51と、第2の工程で接着剤63を塗布した第2のディスク基板62を貼り合わせる装置の概略構成を示したものである。
【0081】ステージ60上に第2の工程により接着剤63を塗布した第2のディスク基板62を接着剤層を上にして載置する。載置した第2のディスク基板62の中心の真上に中心が位置するように設置したホルダー61に、第1の工程により吸着板52を挿着した第1のディスク基板51を中心を合わせ、コンプレッサーとバルブにより減圧吸着し保持する。ホルダー61をステージ60まで下降させ、接着剤層63の上に吸着板52を挿着した第1のディスク基板52を圧接保持しホルダー61を解放した後、ホルダー61を上昇させ第1のディスク基板51と第2のディスク基板62とを接着する。
【0082】以上の工程からなる両面型光ディスク製造方法では、吸着板をディスク基板と一体化する工程は単純な押し込み動作だけであるため迅速に完了でき、工程の所要時間を削減できる。また全工程において接着工程は第1と第2のディスク基板どうしを貼り合わせる工程しかなく、接着剤の硬化に伴う待ち時間が減少し、量産性が向上する。
【0083】また、接着剤を吸着板の挿着していない状態の第2のディスク基板に塗布するので、吸着板44に接着剤が付着せず、吸着板44とディスク基板41との密着が防げる。その結果、両者の熱膨張率の差によるディスク基板41のひずみの発生を確実に防ぐことができる。
【0084】なお、本実施例の製造方法は実施例5で説明した光ディスクについて説明したものだが、他の光ディスクにも応用できる。
【0085】(実施例8)以下、本発明の第8の実施例について図13を参照して説明する。
【0086】図13は本発明の第8の実施例における光ディスクの断面図である。本実施例の光ディスクは片面型光ディスクであり、センター孔と記録層を有する平板状の第1のディスク基板と、凹部を有する第2のディスク基板と、強磁性体の吸着板で構成される。
【0087】第1のディスク基板71は肉厚0.6mmの平板状の円板で、直径15mmのセンター孔71aと、記録層72とを有する。第2のディスク基板75は中心に外径30mmで深さ0.3mmの凹部75aを設ける。
【0088】吸着板74は厚み0.2mmの強磁性体板で、厚み50μmの接着層76によりディスク基板の凹部75aに固定される。ディスク基板の凹部75aの深さは0.3mmであるため、吸着板74の上面は記録層72よりも約50μm低い面にある。
【0089】第1のディスク基板71と第2のディスク基板75とは、記録層72と凹部75aとが対面する状態で接着剤層73により貼り合わせて構成される。
【0090】上記の構成によっても、実施例1において説明した如く、吸着板74とディスク基板75との接着が剥離した場合でも光ディスクの使用が可能である。また、本実施例では記録層を有する第1のディスク基板には凹部を設けず平坦な円板としたため、成形時のソリや複屈折が少ない成形性の良好な光ディスクを提供できる。
【0091】
【発明の効果】以上のように本発明の光ディスクでは、吸着板を一対のディスク基板の凹部によって形成された隙間に内包させるため、吸着板とディスク基板との接着状態によらず吸着板が脱落することがない。また、ディスククランプ装置装着時に、ディスク基板のセンター孔でディスクの芯出しを行っているために、吸着板とディスク基板との接着状態はディスクの芯出し精度に影響がない。この結果、吸着板とディスク基板との接着状態に左右されずディスクは使用可能であり、ディスクの信頼性が大きく向上する。
【0092】さらに、本発明の光ディスクの製造方法では、吸着板とディスク基板とを接着する工程を特別に設けることなく、接着の必要な工程が一対のディスク基板どうしを接着する1回だけで済むため、接着硬化にかかる時間を低減でき光ディスクの製造コストを削減することができる。




 

 


     NEWS
会社検索順位 特許の出願数の順位が発表

URL変更
平成6年
平成7年
平成8年
平成9年
平成10年
平成11年
平成12年
平成13年


 
   お問い合わせ info@patentjp.com patentjp.com   Copyright 2007-2013