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発明の名称 光記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−50014
公開日 平成7年(1995)2月21日
出願番号 特願平5−194614
出願日 平成5年(1993)8月5日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 守屋 充郎 / 大原 俊次 / 松本 泰樹 / 山田 真一
要約 目的
高精度なトラッキング制御ができ、容易に製造できる高密度記録に好適な光記録媒体を提供する。

構成
光記録媒体101上に凸状の溝トラック102と凹状の溝トラック103の2本のスパイラル状の溝トラック104が設けられている。セクタ108はID領域105、サーボ領域106、情報領域107より構成され、溝トラック104の一周当り複数個設けられている。ID領域105内のピット109は凹状の溝トラック103と凸状の溝トラック102の双方にまたがるように形成され、第1のウォブルピット111と第2のウォブルピット112は溝トラック104の中心線110に対して対称でかつトラック方向に離間して設けられている。従って、ピット109の幅を広くでき、光記録媒体の製造が容易となり、また第1、第2のウオブルピットより溝トラック104の中心を正確に検出でき、高精度なトラッキング制御が容易に行える。
特許請求の範囲
【請求項1】凹凸状の溝トラックを有する基板上に記録薄膜が形成され、凹状の溝トラック上と凸状の溝トラック上の双方に情報が記録される円盤状の光記録媒体であって、記録領域を識別するために前記凹状の溝トラックと前記凸状の溝トラックの双方にまたがるように形成された識別情報用のピットと、前記凹状または凸状の溝トラックの中心線に対して対称でかつトラック方向に離間した2つのウオブルピットとを設けた光記録媒体。
【請求項2】識別情報用のピット幅を凸状の溝トラック幅または凹状の溝トラック幅とほぼ等しくした請求項1記載の光記録媒体。
【請求項3】識別情報用のピット幅を凸状の溝トラック幅または凹状の溝トラック幅より広くし、かつ凸状の溝トラック幅と凹状の溝トラック幅を加算した値の8割以下とした請求項1記載の光記録媒体。
【請求項4】ウォブルピットの幅を凸状の溝トラック幅または凹状の溝トラック幅より狭くした請求項1記載の光記録媒体。
【請求項5】識別情報用ピットの後に2つのウォブルピットを設けた請求項1記載の光記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、収束された光ビームを照射し、光ビームによる熱で情報を記録する光記録媒体に関し、特に凹凸状の溝トラックを有する光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報を記録できる光記録媒体は、大容量のデータを保持できることから音声情報データ・映像情報データ・各種情報機器データを蓄積するものとして重要な地位を占めつつある。しかしながら、さらに大容量化が求められており、この要求を満たすためには光記録媒体上の情報記録密度をさらに向上させなければならない。光記録媒体の情報密度は情報トラックのピッチおよびトラック方向の情報密度すなわち情報の線密度で決まり、光記録媒体上の情報密度を向上させるにはトラックピッチを狭くし、線密度を高くする必要がある。
【0003】従来の光記録媒体として、円盤状の樹脂基板表面に幅0.8μm、ピッチ1.6μmという微小な凹凸状の溝トラックをスパイラル状に形成し、この基板表面上にスパッタリング等の手法でTe、Sb、Geを主成分とした3元系の相変化型記録材料の薄膜を形成し、この薄膜上に保護層を設けたもが知られている。この樹脂基板は、凹凸の溝トラックがカッティングされている原盤に基づいてスタンパーを作製し、このスタンパーを用いてインジェクション等の手法で大量に複製される。
【0004】この従来の光記録媒体は凹または凸のどちらか一方の溝トラック上に情報を記録するように構成されているために、トラックピッチを狭くするとトラック幅が狭くなり、原盤あるいは樹脂基板の複製が困難となる。また、溝トラック上に記録されている情報を再生する場合、溝トラックからの反射光量または透過光量が低下するために再生信号品質が悪化する。
【0005】また、凹凸状の溝を設けている1つの目的は、光記録媒体上に照射されている光ビームと溝トラックとの位置ずれ信号を検出して光ビームが溝トラック上に正確に位置するように制御するためである。一般的に、光記録媒体上の光ビームと溝トラックとの位置ずれ信号、すなわちトラックずれ信号はプッシュプル法で検出されている。プッシュプル法とは、光記録媒体からの反射光または透過光のファーフィールドパターンを2つの受光領域を有する2分割の光検出器で検出し、両受光領域で検出された光電流の差より光記録媒体上の溝トラックと光ビームとの位置ずれを検出する方法である。このトラックずれ信号の大きさ及びダイナミックレンジは溝トラックの幅とピッチで決まる。狭ピッチ化するために溝トラックの幅を狭くするとトラックずれ信号の振幅が小さく、かつダイナミックレンジも狭くなり、トラックずれ信号の品質が低下するためにトラッキング制御が不安定となり、振動衝撃等の外乱に対してトラック飛びが発生しやすくなる。
【0006】上述した課題を解決するものとして、光記録媒体の半径方向に凹状のトラックと凸状のトラックが交互に並ぶように形成し、凹及び凸状のトラックの双方に情報を記録することによって高密度化を実現しようとする提案がなされている(例えば、特開昭57ー50330号公報)。この場合にも、プッシュプル法でトラックずれ信号を検出し、この信号に基づいて光記録媒体上の光ビームが凹凸の溝トラック上に位置するようにトラッキング制御する。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上述したように、従来の凹または凸のどちらか一方の溝トラック上に情報を記録するように構成された光記録媒体は、トラックピッチを狭くすると原盤あるいは樹脂基板の複製が困難となる。また、溝トラックからの反射光量または透過光量が低下するために再生信号品質が悪化し、トラックずれ信号の振幅が小さく、かつダイナミックレンジも狭くなるためにトラッキング制御が安定しなかった。
【0008】また、凹及び凸状のトラックの双方に情報を記録する光記録媒体においては、凹及び凸状のトラックの双方に記録領域を識別する識別情報を設けると、識別情報用のピット幅を凹及び凸状のトラックの幅の半分以下にする必要があり、凹または凸のトラックをカッティングする光ビーム、凹のトラックの識別情報をカッティングする光ビーム、凸のトラックの識別情報をカッティングする光ビームの3つの光ビームを必要とするために、カッティングマシンが複雑かつ高価であった。さらに、プッシュプル法で検出したトラックずれ信号に基づいて溝トラック上に光ビームが位置するようにトラッキング制御すると、溝トラックの偏心に応じて光検出器上に照射されている光ビームが移動して疑似信号が発生する。このために、プッシュプル法で検出したトラックずれ信号が零であっても光記録媒体上の光ビームが溝トラックの中心に位置しない。この疑似信号は光記録媒体の面の傾斜(チルト)によっても発生する。トラックピッチを狭くすると、必然的にトラッキング制御の精度も高めなければならない。しかしながら、プッシュプル法で検出したトラックずれ信号には光記録媒体の偏心あるいはチルトによる疑似信号が含まれているために高精度なトラッキング制御ができず、狭ピッチ化することができなかった。
【0009】本発明は上記課題に鑑み、狭ピッチ化しても高精度なトラッキング制御ができ、かつ容易に製造できる高密度記録に好適な光記録媒体を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、本発明は、凹凸状の溝トラックを有する基板上に記録薄膜が形成され、凹状の溝トラック上と凸状の溝トラック上の双方に情報が記録される円盤状の光記録媒体において、記録領域を識別するために凹状の溝トラックと凸状の溝トラックの双方にまたがるように形成された識別情報用のピットと凹状または凸状の溝トラックの中心線に対して対称でかつトラック方向に離間した2つのウオブルピットを設けたものである。
【0011】
【作用】本発明は上記した構成によって、識別情報用ピットが凹状の溝トラックと凸状の溝トラックの双方にまたがるように形成されているのでピット幅を広くすることができ、凹または凸状の溝トラックをカッティングする光ビームで識別情報用ピットをカッティングすることができる。また、凹状または凸状の溝トラックの中心線に対して対称でかつトラック方向に離間した2つのウオブルピットが設けられているのでウオブルピットより凹状または凸状の溝トラックの中心を正確に検出することができ、高精度なトラッキング制御を容易に行うことができる。
【0012】
【実施例】以下本発明の一実施例の光記録媒体について、図面を参照しながら説明する。
【0013】図1は本発明の一実施例における光記録媒体の概観図を示したものである。図1(a)は光記録媒体101の平面図であり、凸状の溝トラック102と凹状の溝トラック103の2本のスパイラル状の溝トラック104が設けられ、情報は凸状の溝トラック102と凹状の溝トラック103の双方に記録されるように構成されている。105はID領域、106はサーボ領域、107は情報領域であり、一周の溝トラック104は4つのセクタ108に分割されている。図1(b)はID領域105、サーボ領域106の部分を拡大した部分拡大図である。ID領域105に設けられている識別情報用のピット109は凸状の溝トラック102と凹状の溝トラック103のほぼ境界線上に配置され、隣接する凸状の溝トラック102と凹状の溝トラック103の情報領域は同じ識別情報に基づいて識別するように形成されている。すなわち、凸状の溝トラック102aと凹状の溝トラック103a、凸状の溝トラック102bと凹状の溝トラック103bは同じ識別情報に基づいて識別されるように設けられている。凸状の溝トラック102と凹状の溝トラック103はプッシュプル法でトラックずれ信号を検出してトラッキング制御を行うとトラックずれ信号の極性が反対となる。
【0014】従って、凸状の溝トラック102と凹状の溝トラック103の情報領域の識別情報ピットが同一であっても、トラッキング制御の極性から凸状の溝トラック102と凹状の溝トラック103の判定ができるので何ら問題無い。一点鎖線110は凸状の溝トラック102と凹状の溝トラック103のセンターである。サーボ領域106にはトラックセンター110に対して対称的に第1のウォブルピット111と第2のウォブルピット112が設けられている。この第1、第2のウォブルピット111、112はプッシュプル法で検出したトラックずれ信号に含まれている疑似信号を補正するためのものである。第1、第2のウォブルピット111、112より検出するウォブルトラックずれ信号は、第1のウォブルピット111と第2のウォブルピット112のピーク振幅のレベル差で行う。このためには、第1のウォブルピット111と第2のウォブルピット112の信号のピーク検出を行う必要があり、このために第1のウォブルピット111と第2のウォブルピット112の位置を指定するゲート信号が必要である。図1の光記録媒体101では識別情報に基づいて位置を指定するゲート信号を容易に作製できるように識別情報の後に第1のウォブルピット111と第2のウォブルピット112を配置している。すなわち、再生信号で言うならば、時間的に識別情報の後に第1のウォブルピット111と第2のウォブルピット112の信号が出現するように配置している。
【0015】本発明の図1の実施例の光記録媒体101は、2つのスパイラル状の溝トラック104を有する。2スパイラルの溝トラック104をカッティングする場合、例えば、連続した凸状の溝トラック102をスパイラル状にカッティングすれば、凸状の溝トラック102間が連続した凹状の溝トラック103となる。凸状の溝トラック102と凹状の溝トラック103に別個に識別情報を設けると、凸状の溝トラック102用と凸状の溝トラック102用の識別情報をカッティングする光ビームの他に少なくとも凹状の溝トラック103用の識別情報をカッティングする光ビームが必要となる。しかしながら、図1の実施例のように識別情報を凸状の溝トラック102と凹状の溝トラック103で兼用するすれば、凸状の溝トラック102と識別情報をカッティングする光ビームのみとすることができる。また、図1(b)に示すように、凸状の溝トラック102の幅あるいは凹状の溝トラック103の幅、ID領域105内のピット109の幅及び第1及び第2のウォブルピット111、112の幅をほぼ等しくすれば、ピット109、第1及び第2のウォブルピット111、112をカッティングする際に光偏向器等を用いて光記録媒体101の半径方向に微少に移動させる必要があるが、溝トラック104をカッティングする光ビームと同じ光ビーム、すなわち1本の光ビームでカッティングすることがでる。このように、図1の実施例の本発明の光記録媒体101は、1本の光ビームでカッティングすることがでるのでカッティングマシンの構成が簡単となり、またピットが大きくできるので容易に成形できる。
【0016】図2は光記録媒体101を半径方向に切断したときの断面図を拡大誇張して示したものである。ポリカーボネイト樹脂等の基板201の一方の表面上には凸状の溝トラック102、凹状の溝トラック103が形成されている。そして、その上にSiO2 等の誘電体膜202、記録材料膜203、誘電体膜204、アルミニウム等の反射層205を順次設け、さらに反射層205と保護層207を接着剤により接着したものである。206は接着剤よりなる接着層である。反射層205は、感度を向上させ、かつ放熱を良好にして熱衝撃より記録材料膜203を保護するために設けられている。記録材料膜203は、例えば、Te(テルル)、Sb(アンチモン)、Ge(ゲルマニウム)を主成分とした相変化型記録材料をスパッタリング等の手法で形成したものである。誘電体膜202、204は記録材料膜203を湿度あるいは熱衝撃より保護するためのものであり、省略することができる。
【0017】相変化型記録材料は、加熱した後に徐冷すると結晶質となり、溶融した後に急冷すると非晶質となる性質を持っている。この性質を利用して、相変化型記録媒体は結晶状態と非晶状態を可逆的に変化させ、フロッピーディスクあるいはハードディスク等の磁気記録媒体と同じように、同じ場所に何回でも情報を重ね書きできる。相変化型記録媒体上に情報を記録する場合、記録媒体を所定の速度で回転させ、溝トラック上に光ビームが位置するようにトラッキング制御しながら、記録する信号に応じて光ビームの強度を非晶化レベルと結晶化レベルの間で強弱に変調して行う。例えば記録マークが非晶状態となるように記録する場合には、薄膜を溶融する程度の光量の光ビームを照射して非晶状態のマークを形成し、記録マーク以外の期間は溶融しない程度の光量の光ビームを照射して結晶化する。従って、記録マーク以外の期間は、以前の状態が非晶質であろうと結晶質であろうと結晶状態となり、情報が既に記録されている場所であってもオーバライトできる。この相変化型記録媒体上に記録されている情報を再生するには、非晶状態と結晶状態で反射率または透過率が異なることを利用して行う。例えば、弱い一定の光ビームを照射し、記録媒体からの反射光を光検出器で受光して、反射光量の変化で情報の再生を行う。
【0018】上述した光記録媒体101を装填して情報を記録または再生する装置に関して図3を参照しながら簡単に説明する。図3において、光記録媒体101はモ−タ301の回転軸に取り付けられて所定の回転数で回転されている。半導体レ−ザ等の光源302より発生した光ビ−ムは、カップリングレンズ303で平行光にされた後に、偏光ビ−ムスプリッタ−304、1/4波長板305を通過し、全反射鏡306で反射され、収束レンズ307により光記録媒体101上に収束して照射されている。光記録媒体101により反射された反射光は、収束レンズ307を通過して全反射鏡306で反射され、1/4波長板305を通過した後に偏光ビ−ムスプリッタ−304で反射され、光検出器308上に照射される。収束レンズ307はアクチュエ−タ309の可動部に取り付けられている。アクチュエ−タ309は可動部に設けられているトラッキング用のコイルと固定部に取り付けられている永久磁石より構成されている。そしてこのコイルに電流を流すと、コイルが受ける電気磁気力によって収束レンズ307は光記録媒体101の半径方向、すなわち光記録媒体101上の溝トラックを横切るように移動する。また、アクチュエ−タ309の可動部にはフォ−カス用のコイルも取り付けられており、このコイルに電流を流すとコイルが受ける電気磁気力によって収束レンズ307は光記録媒体101の面と垂直な方向に移動できるように構成されている。収束レンズ307は光記録媒体101上に照射されている光ビ−ムが常に所定の収束状態となるようにフォ−カス制御されている。
【0019】移送台310には、光源302、カップリングレンズ303、偏光ビ−ムスプリッタ−304、1/4波長板305、全反射鏡306、光検出器308及びアクチュエ−タ309の固定部が取り付けられており、移送台310はリニアモータ311によって光記録媒体101の半径方向に一体となって移動するように構成されている。光検出器308は2分割構造になっており、この出力は電流を電圧に変換するI/V変換器312、313にそれぞれ入力されている。I/V変換器312、313の出力信号は差動増幅器314に入力されており、差動増幅器314は両信号の差に応じた信号を出力する。差動増幅器314の出力信号は、光記録媒体101上に収束されている光ビ−ムと溝トラック104との位置ずれを表わす信号、即ちトラックずれ信号となるが、このトラックずれ信号の検出方法はプッシュプル法と呼ばれている。
【0020】315は加算回路であり、I/V変換器312と313の信号を加算した信号を出力する。この加算回路315は、図1に示したID領域105内のピット109、サーボ領域106内の第1のウォブルピット111、第2のウォブルピット112に応じた信号、及び情報領域107内に記録された情報マークの非晶状態と結晶状態の反射率の差に応じた信号を出力する。識別情報の読み取り、情報領域に記録されている情報の読み取りはこの出力信号より行う。また、加算回路315の加算信号はウォブルマークよりトラックずれを検出するウォブルトラックずれ検出回路316に入力されている。ウォブルトラックずれ検出回路316は識別情報に基づいて図1のサーボ領域に設けられている第1のウォブルピット111と第2のウォブルピット112のピーク振幅を検出し、両レベルの差に応じた信号を差動増幅器317へ送る。差動増幅器317は差動増幅器314の出力信号とウォブルトラックずれ検出回路316の信号の差を演算する。差動増幅器317の出力信号は、トラッキング制御の極性を反転させるための極性切り換え回路318、トラッキング制御系の位相を補償するための位相補償回路319及び電力増幅するための駆動回路320を介してアクチュエ−タ309のトラッキング用コイルに加えられ、光記録媒体101上に収束されている光ビ−ムは常に溝トラック104上に位置するようにトラッキング制御される。また、差動増幅器317の信号は、極性切り換え回路318、位相補償回路319、321及び電力増幅するための駆動回路322を介してリニアモータ311に加えられ、収束レンズ307が自然の状態を中心に移動するように移送制御されている。端子323には凸状の溝トラック102上に光ビームを位置させるのか凹状の溝トラック103上に位置させるのかを選択する選択信号が入力され、極性切り換え回路318はこの選択信号に応じて極性を切り換える。例えば、凸状の溝トラック102上に光ビームを位置させる場合には端子323がロウレベルとなり極性切り換え回路318は差動増幅器317の出力信号と同相の信号を出力し、凹状の溝トラック103上に光ビームを位置させる場合には端子323がハイレベルとなり極性切り換え回路318は差動増幅器317の出力信号と逆相の信号を出力する。
【0021】図4を参照してプッシュプル法によるトラックずれ信号検出の原理を簡単に説明する。図4は光検出器308上の光ビームの照射状態を図示したものである。光検出器308は分割線405により受光領域308aと308bに2分割されている。分割線405は光検出器308上におけるトラック方向、すなわち矢印404の方向に設定されている。401は反射光ビームの零次光を示し、402a、402bは+1次光、ー1次光をそれぞれ示している。403は零次光401と±1次光とが重なって干渉する部分を示している。干渉部分403は光記録媒体101上の溝トラック104と光ビームの位置に応じて左右の干渉パターン、すなわち光強度分布が変化する。従って、受光領域308aと308bの光電流差を求めれば干渉部分403の左右の光強度分布の差に対応したものとなり、光記録媒体101上の溝トラック104と光ビームとの位置ずれに対応したトラックずれ信号が得られる。
【0022】次にプッシュプル法で検出したトラックずれ信号に混入する疑似信号について図5を参照して説明する。図5は図4と同様に光検出器308上の光ビームの照射状態を示したものであるが、簡略して零次光401のみを図示している。光記録媒体101上の溝トラック104は一般的に偏心を有している。従って、溝トラック104上に光ビームが位置するようにトラッキング制御すると、図3に示した収束レンズ307は光記録媒体101の偏心に応じてトラック方向と垂直な方向に移動する。収束レンズ307が偏心に応じて移動すると、光検出器308上の零次光401は401a、401bのように移動する。光検出器308上の零次光401が移動すると、受光領域308aと308bの光電流に零次光401の移動に対応した光電流の変化が生じ、これが疑似信号となる。この疑似信号が本来のトラックずれ信号に混入するために受光領域308aと308bの光電流差が零となるようにトラッキング制御しているにもかかわらず溝トラック104のセンター上に光ビームが位置しない。実際には収束レンズ307が移動すると、収束レンズ307等による光ビームのけられ状態も変化し、これによっても疑似信号が発生する。このような疑似信号は光記録媒体101の面の傾斜によっても発生する。光記録媒体101の面の傾斜によって発生する疑似信号は、光検出器308上の反射光ビームの移動、反射光ビームのけられ状態の変化、光記録媒体101上の光ビームの収差によるものである。
【0023】一方、サーボ領域106のウォブルピットより検出するウォブルトラックずれ信号は、受光領域308aと308bの光電流和より検出するので光検出器308上の光ビームが移動しても疑似信号が発生することはない。また、光ビームのけられ状態の変化、光記録媒体101上の光ビームの収差によるものは極めて小さい。従って、プッシュプル法で検出したトラックずれ信号すなわち図3に示す差動増幅器314の出力信号とウォブルトラックずれ信号すなわちウォブルトラックずれ検出回路316の出力信号との差を差動増幅器317で求めれば前述した疑似信号が相殺されるので正確なトラッキング制御を行うことができる。
【0024】次に、図1に示した溝トラック104、ID領域105内のピット109、第1及び第2のウォブルピット111、112のより好適な幅の関係について図6を参照して説明する。図6において、W1は凸状の溝トラック102の幅、W2は凹状の溝トラック103の幅、W3はピット109の幅、W4は第1及び第2のウォブルピット111、112の幅をそれぞれ示している。凸状の溝トラック102と凹状の溝トラック103の識別情報を兼用しているので、過度にピット109の幅W3が小さいと識別情報の読み取りが困難となる。W3≧W1あるいはW3≧W2とすれば、凸状の溝トラック102または凹状の溝トラック103上を光ビームが走査している状態で光ビームスポットの略半分以上がピット109上を走査するので品質の良い識別情報が得られる。また、過度にピット109の幅W3を大きくすると隣接した識別情報からのクロストークが大きくなり、このクロストークによって識別情報の読み取りが困難となる。実験によれば、W3≦(W1+W2)×0.8とすれば信頼性良く識別情報が読み取れるという結果が得られている。また、第1及び第2のウォブルピット111、112より溝トラック104のセンター110と光ビームの位置ずれ検出を行うには、光ビームが溝トラック104のセンター110よりずれた時に一方のウォブルピットの信号振幅が減少し、他方のウォブルピットの振幅が増大する必要がある。そして、単位トラックずれに対する第1及び第2のウォブルピット111、112の振幅差が大きいほどより正確な信号が得られる。第1及び第2のウォブルピット111、112の幅W4は溝トラック102の幅W1、凹状の溝トラック103の幅W2より多少小さくする方が単位トラックずれに対する第1及び第2のウォブルピット111、112の振幅差が大きくなる。すなわち、W4<W1または、W4<W1とすればより品質の良いウォブルトラックずれ検出信号が得られる。実験によれば、W4をW1またはW2の0.5から0.8の範囲で品質の良いウォブルトラックずれ検出信号が得られている。以上の説明より明かなように、第1及び第2のウォブルピット111、112の幅W4とピット109の幅W3の関係はW4<W3とすることが望ましい。
【0025】以上述べたように、溝トラック104、ピット109、第1及び第2のウォブルピット111、112の幅は同一にするよりも多少異ならせた方が良いが、カッティング時に光ビームのパワーを下げるあるいは記録パルス幅を小さくすすれば第1及び第2のウォブルピット111、112の幅は多少狭くなり、また光ビームのパワーを上げるあるいは記録パルス幅を大きくすればピット109幅は多少広くなるので、本発明の光記録媒体101は1つの光ビームで溝トラック104、識別情報ピット109、第1及び第2のウォブルピット111、112をカッティングすることができる。
【0026】以上本発明を詳細に説明したが、本発明は実施例により何ら限定されない。例えば、図1の実施例の光記録媒体101は一周当り4つのセクタを有する、4つに限定されるものでない。一周当りのセクタ数が多いほどウォブルトラックずれ検出信号による補正がより正確となる。また、例えば凸状の溝トラックと凹状の溝トラックを一周毎に切り換えて1本のスパイラルトラックを形成する光記録媒体にも本発明は適応できる。さらに、半径方向に複数のゾーンに分割し、内周のゾーンから外周のゾーンに向かって一周当りのセクタ数を変えた光記録媒体にも本発明は適応できるものである。本発明は記録材料に関係するものでなく、例えば光磁気記録材料であっても適応できることは言うまでもない。
【0027】
【発明の効果】本発明の光記録媒体は、記録領域を識別するために凹状の溝トラックと凸状の溝トラックの双方にまたがるように識別情報用のピットと凹状または凸状の溝トラックの中心線に対して対称でかつトラック方向に離間した2つのウオブルピットが設けられているので、識別情報用のピット幅を広くすることができ、凹または凸状の溝トラックをカッティングする光ビームで識別情報用ピットをカッティングすることができる。また、凹状または凸状の溝トラックの中心線に対して対称でかつトラック方向に離間した2つのウオブルピットが設けられているのでウオブルピットより凹状または凸状の溝トラックの中心を正確に検出することができ、高精度なトラッキング制御を容易に行うことができる。




 

 


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