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発明の名称 ヘッド駆動装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−44839
公開日 平成7年(1995)2月14日
出願番号 特願平5−189980
出願日 平成5年(1993)7月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 三谷 浩 / 國平 宰司 / 柳川 良文 / 本杉 昌広
要約 目的
ピエゾアクチュエータを用いたヘッド駆動装置での指令信号に対する応答特性を改善する。

構成
ピエゾアクチュエータ101は、駆動アンプ102の出力する駆動電圧によって変位を発生させ、ヘッドを目的の位置に位置決めする。ピエゾアクチュエータ101の変位量は歪みセンサ103で検出される。非線形性補償器104は、ピエゾアクチュエータ101の電圧−変位特性の非線形性を補償する。速度オブザーバ105は、非線形性補償器104の入力信号と歪みセンサ103の出力信号から、ピエゾアクチュエータ101の速度情報を推定する。駆動装置への指令信号は入力端106から与えられ、差動アンプ107では指令信号と歪みセンサ103の出力から偏差信号を発生する。偏差補償器108は偏差信号を積分し制御信号に変換する。加算アンプ109では、前記制御信号と前記推定速度信号を加算し、非線形性補償器104の入力に加える。
特許請求の範囲
【請求項1】磁気録再生装置におけるダイナミックトラッキングに供される装置であって、磁気ヘッドを駆動するヘッドアクチュエータ手段と、前記へッドアクチュエータ手段の変位特性の非線形性を補償する非線形性補償手段と、前記ヘッドアクチュエータ手段の変位量を検出する変位量検出手段と、前記変位量検出手段の出力に応じて前記ヘッドアクチュエータ手段の位置決めを行なう制御手段とを備えることを特徴とするヘッド駆動装置。
【請求項2】磁気録再生装置におけるダイナミックトラッキングに供される装置であって、磁気ヘッドを駆動するピエゾアクチュエータと、前記ピエゾアクチュエータに印加する駆動電圧を発生する駆動手段と、前記駆動手段への入力信号を与える非線形性補償手段と、前記ピエゾアクチュエータの変位量を検出する変位量検出手段と、ヘッド位置指令信号と前記変位量検出手段の出力する変位量信号の偏差を出力する偏差検出手段と、前記偏差検出手段の出力を受けて制御量を出力する偏差補償手段と、前記変位量検出手段の出力と前記非線形性補償手段への入力から前記ピエゾアクチュエータの速度情報を推定する推定手段と、前記偏差補償手段の出力と前記推定手段の出力を合成し、前記非線形性補償手段への入力とする合成手段とを備えてなることを特徴とするヘッド駆動装置。
【請求項3】磁気録再生装置におけるダイナミックトラッキングに供される装置であって、磁気ヘッドを駆動するピエゾアクチュエータと、前記ピエゾアクチュエータに印加する駆動電圧を発生する駆動手段と、前記ピエゾアクチュエータの変位量を検出する変位量検出手段と、前記変位量検出手段の出力する変位量信号に応じてその入出力特性を変化させ前記駆動手段への入力信号を与える非線形性補償手段と、ヘッド位置指令信号と前記変位量検出手段の出力する変位量信号の偏差を出力する偏差検出手段と、前記偏差検出手段の出力を受け制御量を出力する偏差補償手段と、前記変位量検出手段の出力と前記非線形性補償手段への入力から前記ピエゾアクチュエータの速度情報を推定する推定手段と、前記偏差補償手段の出力と前記推定手段の出力を合成し前記非線形性補償手段への入力とする合成手段とを備えてなることを特徴とするヘッド駆動装置。
【請求項4】駆動手段は、その出力抵抗とピエゾアクチュエータのキャパシタンスで構成される低域通過フィルタのカットオフ周波数を、ピエゾアクチュエータの共振周波数の2倍以上に設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載のヘッド駆動装置。
【請求項5】推定手段は、その極周波数をピエゾアクチュエータの共振周波数の2倍以上に設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載のヘッド駆動装置。
【請求項6】ヘッド駆動装置への指令信号からピエゾアクチュエータの変位までの伝達特性が、略々ベッセル低域通過フィルタの極配置に一致することを特徴とする請求項1または請求項2記載のヘッド駆動装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ピエゾアクチュエータによる可動のヘッドを持ち、ダイナミックトラッキング機能を有するヘッド駆動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ピエゾアクチュエータは小型で効率がよいため、ダイナミックトラッキング用のヘッドアクチュエータとして広く利用されている。しかし、ピエゾアクチュエータは内部損失が極めて小さいため、鋭い共振特性を有するという特徴がある。図10はピエゾアクチュエータの印加電圧の周波数と振幅(変位量)の関係を示したものである。
【0003】ピエゾアクチュエータの共振周波数ωo付近では、低い周波数領域の10倍を越える共振ピークがあり、わずかな印加電圧でも大きな変位を生じる。このピエゾアクチュエータに、ダイナミックトラッキング動作に必要なノコギリ波状の指令信号を与えたときの応答波形を図11に示す。1101は指令信号波形であり、1102がピエゾアクチュエータの応答波形である。応答波形にはピエゾアクチュエータの共振周波数ωo付近の不要な振動が重畳しており、このままでは正しくダイナミックトラッキングの動作をさせることはできない。
【0004】そこで、従来のヘッド駆動装置では図12のような構成をとっていた。すなわち、ピエゾアクチュエータ1201の変位量は変位量検出手段1202によって検出され、偏差検出手段1203によって、外部からの指令信号との偏差が偏差信号として検出される。偏差補償手段1204ではこの偏差信号をもとに制御量を出力する。偏差補償手段1204と駆動手段1205の間にはノッチフィルタ1206を挿入する。ノッチフィルタの特性は、ある周波数付近の信号成分を除去するもので、ここではピエゾアクチュエータ1201の共振周波数にその除去周波数を一致させる。これにより、ピエゾアクチュエータ1201にその共振周波数付近の信号が加わることがなく、図11の1102のような不要な振動が重畳した応答波形となることを防ぐことができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従来の構成では、次のような問題点がある。
【0006】一つは、図12のノッチフィルタ1206によって、ヘッド駆動装置全体の周波数特性が制限されてしまうことである。これは、ノッチフィルタが偏差補償手段1204の出力する制御量のうち、ピエゾアクチュエータ1201の共振周波数付近の成分は無条件に除去してしまうことからも容易に理解することができるように、ヘッド駆動装置としての周波数特性の上限はノッチフィルタの信号除去周波数の下限以下に制限される。
【0007】もう一つの問題点は、ピエゾアクチュエータの共振周波数が変動した場合、ノッチフィルタの除去周波数もそれに応じて調整しなければならないことである。ピエゾアクチュエータの共振周波数は個々にばらつきを持ち、さらに時間とともにずれていく可能性がある。ピエゾアクチュエータの共振特性は鋭いので、その共振周波数がノッチフィルタが除去する周波数とずれを生じると、ノッチフィルタの効果がなくなってしまう。このため調整は難しく、性能的な妥協をせざるを得なかった。
【0008】本発明は上記従来の問題点を解決するもので、ヘッド駆動装置の性能向上の阻害要因となっていたノッチフィルタを不要とし、従来に比べてヘッド駆動装置としての周波数特性を改善できるヘッド駆動装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために本発明の駆動装置は、アクチュエータの非線形性を補償する非線形性補償手段と、アクチュエータの駆動信号に対応した信号とアクチュエータの変位量に対応した信号からアクチュエータの速度情報を推定する推定手段と、偏差補償手段の出力と推定手段の出力を合成する合成手段と、その出力抵抗とピエゾアクチュエータのキャパシタンスとで構成される低域通過フィルタのカットオフ周波数をピエゾアクチュエータの共振周波数の2倍以上の周波数に設定できる駆動手段とを備えている。
【0010】
【作用】この構成によって、本発明のヘッド駆動装置は推定手段の出力するピエゾアクチュエータの推定速度情報をフィードバックすることで、ピエゾアチュエータが有する鋭い共振特性をダンピングすることが可能となり、共振特性を避けるために必要であったノッチフィルタを不要とすることができる。これにより、ヘッド駆動装置としての周波数特性を改善することができる。
【0011】さらに、偏差補償手段の出力と推定手段の出力を合成して駆動手段への入力とする際、ヘッド駆動装置への指令信号からピエゾアクチュエータの変位までの伝達関数を略々ベッセル型の低域通過フィルタの極配置とすることで、指令信号に対する応答特性を改善することができる。また、その出力抵抗に特徴のある駆動手段と非線形性補償手段の作用により、精度の高い推定速度情報を得ることができる。
【0012】
【実施例】以下、図を参照しながら、本発明の実施例について説明する。
【0013】図1は本発明の一実施例におけるヘッド駆動装置の構成を示すブロック図である。図1において、101はピエゾアクチュエータであって、駆動手段である駆動アンプ102の出力する駆動電圧によって変位を発生させ、ヘッドを目的の位置に位置決めする。ピエゾアクチュエータ101の変位量は、変位量検出手段である歪みセンサ103で検出される。104は非線形性補償器であり、ピエゾアクチュエータ101の電圧−変位特性の非線形性を補償する。
【0014】推定手段である速度オブザーバ105は、非線形性補償器104の入力信号と歪みセンサ103の出力信号から、ピエゾアクチュエータ101の速度情報を推定する。駆動装置への指令信号は入力端106から与えられ、偏差検出手段である差動アンプ107では指令信号と歪みセンサ103の出力する変位信号から偏差信号を発生する。偏差補償手段である偏差補償器108は積分器から構成され、偏差信号を積分し制御信号に変換する。合成手段である加算アンプ109では、偏差補償器108の出力する制御信号と速度オブザーバ105の出力する推定速度信号を加算し、非線形性補償器104の入力に加える。図1からわかるように、本発明のヘッド駆動装置には2つのフィードバックループが存在する。
【0015】まず内側の、駆動アンプ102、ピエゾアクチュエータ101、歪みセンサ103、速度オブザーバ105、加算アンプ109、非線形性補償器104で構成されるフィードバックループは、速度オブザーバ105で推定した速度情報をフィードバックすることでピエゾアクチュエータ101の共振特性をダンピングする。ピエゾアクチュエータ101単独の伝達特性は、【0016】
【数1】

【0017】と現すことができる。分母多項式のsの1次の係数が他の項より小さいため、周波数が共振周波数ωoに近づくと急激に分母が小さくなり、全体のゲインが急激に大きくなる。すなわち鋭い共振特性を示す。ここで、ピエゾアクチュエータ101の速度を検出し、その入力にフィードバックするとその伝達特性は、【0018】
【数2】

【0019】となる。ここで、Kvはフィードバックゲインである。Kvを大きくすることによって、分母多項式のsの1次の係数を大きくすることができるので、周波数がωoに近づいても、急激にゲインが大きくなることを防ぐことができる。すなわち、速度情報をフィードバックすることで鋭い共振特性をダンピングすることができる。
【0020】図3はピエゾアクチュエータ101の電圧−変位特性である。ピエゾアクチュエータは小振幅領域では線形な特性を示すが、大振幅領域では機械的変形が大きいため、図3のように非線形な特性を示す。等価的に大振幅領域では小振幅領域よりゲインが大きくなっている。このように、ピエゾアクチュエータへの印加電圧によって電圧−変位特性が変わると、制御系の設計が煩雑になると共に特性変化を許容するため性能的な妥協を強いられる。そこで、駆動アンプ102の前に非線形性補償器104を挿入することによって、制御系からみたピエゾアクチュエータの線形化を行う。
【0021】図4はオペアンプ401を用いた非線形性補償器の例である。小振幅領域では逆方向に並列接続したダイオード402は非導通状態にあるので、このときのゲインは入力抵抗403と帰還抵抗404の比で決まる。大振幅領域ではダイオード402が導通状態となり、帰還抵抗は404と405の並列抵抗となることで帰還抵抗の値が小さくなるため、大振幅領域ではゲインが小振幅領域に比べて減少する。これをピエゾアクチュエータ101の特性と組み合わせると、非線形性補償器104の入力信号からピエゾアクチュエータ101の変位までの入出力特性が線形化される。このように線形化されることで、ピエゾアクチュエータ101本来の非線形性を考慮することなく、制御系の設計を行うことができる。
【0022】図6は、前述の内側のフィードバックループで重要な役割を果たす速度オブザーバ105の構成を示すブロック図である。入力端601には非線形性補償器104への入力信号が、入力端602には歪みセンサ103によって検出されたピエゾアクチュエータ101の変位量信号が加えられる。まず、差動アンプ603によってこれらは合成され、1次の低域通過フィルタ604に与えられる。低域通過フィルタ604の出力は加算アンプ605で再び変位量信号と加算され、アンプ606でKv倍されて速度オブザーバ105の出力となる。
【0023】図7は速度オブザーバ105の動作を理解し易くするために、図6の2つの合流点を1つにまとめて書き直したものである。入力端701に加えられた非線形性補償器104の入力信号は、1次の低域通過フィルタ704に入力される。1次の低域通過フィルタ704は、その遮断周波数ωより上の周波数で積分特性を示す。非線形性補償器104の入力信号はピエゾアクチュエータ101の発生力に対応しており、さらに発生力は加速度に対応している。従って、低域通過フィルタ704の出力には、ωより上の周波数域においてピエゾアクチュエータ101の速度情報が得られることになる。一方、入力端702に加えられた歪みセンサ103からの変位量信号は、1次の高域通過フィルタ707に加えられる。1次の高域通過フィルタ707はその遮断周波数ωより下の周波数において微分特性を示す。従って、高域通過フィルタ707の出力には、ωより下の周波数においてピエゾアクチュエータ101の速度情報が得られることになる。加算アンプ705では、低域通過フィルタ704の出力と高域通過フィルタ707の出力を加算することによって、全周波数域にわたってピエゾアクチュエータ101の速度情報を得ることができる。
【0024】ここで注意しなければならないのは、低域通過フィルタ704では、因果関係でいうところの、原因であるピエゾアクチュエータ101の発生力から、結果である速度情報を推定する。ピエゾアクチュエータ101の速度を決める要素は発生力だけではなく、外部から加わる力も存在する。また構造的な原因によって、発生力が加速度と1対1に対応しない条件も有り得る。一方、高域通過フィルタ707では、因果関係でいうところの、結果である変位量から、原因である速度情報を推定している。この関係は1対1であり、他の要因が入る余地はない。従って、速度情報の推定量としては高域通過フィルタから得られる情報の方が信頼性が高い。ωは速度情報を低域通過フィルタ704、高域通過フィルタ707のいずれから取り出すかを切り替える周波数であり、速度オブザーバの極周波数と呼ばれるパラメータである。速度情報の精度を高めるには、極周波数ωはできるだけ高い方が望ましい。少なくともピエゾアクチュエータ101の共振周波数ωoより高くなければならないが、実験によれば極周波数ωはピエゾアクチュエータ101の共振周波数の2倍以上の値とする必要があることが確認された。
【0025】次に、図1の外側のフィードバックループ、すなわち駆動アンプ102、ピエゾアクチュエータ101、歪みセンサ103、差動アンプ107、偏差補償器108、加算アンプ109、非線形性補償器104で構成されるフィードバックループについて説明する。このフィードバックループは、外部から与えられるヘッド駆動装置への指令信号に応じてピエゾアクチュエータ101を目的の位置へ位置決めを行う。
【0026】外側のフィードバックループからみて、内側のフィードバックループは2次遅れ系であり、これに1次の積分要素である偏差補償器108を前置し、閉ループとすることで3次系となる。ここに現れる3つの極は、内側のループの速度オブザーバ105のゲインと偏差補償器108のゲインによってその極配置を設定することができる。極配置には、最大振幅平坦特性として知られるバターワース低域通過フィルタの極配置、位相特性の平坦なベッセル低域通過フィルタの極配置などがある。一般の制御系では、同じ条件のもとでより制御帯域を広く取れるバターワース低域通過フィルタの極配置が取られることが多い。しかし、本発明のヘッド駆動装置では、ベッセル低域通過フィルタの極配置に略々一致する極配置となるよう、速度オブザーバ105、偏差補償器108のゲインを設定している。これはヘッド駆動装置に与えられる指令信号の特徴によるものである。
【0027】ヘッド駆動装置には、図8の801のようなのこぎり波状の指令信号が与えられる。この指令信号に対してバターワース低域通過フィルタの極配置にした場合の応答特性は802のようになる。オーバーシュートを生じ整定時間が長い。指令波形の形状の再現性も必ずしも良好ではない。これに対して、803は極配置をベッセル低域通過フィルタとした場合の応答波形である。全体としての応答時間遅れはバターワース低域通過フィルタに比べて大きいものの、オーバーシュートがなく整定時間も短い。また、指令信号に対する波形の再現性も良好である。このように極配置されたヘッド駆動装置は、従来のノッチフィルタを使用したヘッド駆動装置に比べて同一のアクチュエータでありながら、2倍以上の制御帯域を得ることができる。
【0028】図9は、駆動手段である駆動アンプ102の説明のための等価回路図である。駆動アンプ102には出力抵抗が存在するが、これを等価回路で表現すると、出力抵抗が0の理想的なアンプ902の出力に出力抵抗903が直列に挿入されたものと見ることができる。この状態で、負荷であるピエゾアクチュエータ101を駆動することになる。ピエゾアクチュエータ101は、電気的に見ると誘電体を電極で挟んだコンデンサと同じ構造であるため比較的大きなキャパシタンスを持っている。このピエゾアクチュエータ101のキャパシタンス906と駆動アンプの出力抵抗903は1次の低域通過フィルタ907を構成する。この低域通過フィルタの存在は速度オブザーバ105での速度推定の精度を低下させる。それは速度オブザーバ105は入力される2点間の伝達特性、すなわち非線形性補償器104から、駆動アンプ102、ピエゾアクチュエータ101を経て歪みセンサ103までの伝達特性が2次系であることを仮定して構成されているためである。新たな低域通過フィルタ907の存在はこの仮定に違いを生じ、推定速度情報の精度低下につながる。また、この低域通過フィルタ907は、内側のフィードバックループに挿入されることになるので、その位相特性によってフィードバックループの位相余裕を減少させ、安定性を阻害する要因になる。このため本発明のヘッド駆動装置においては、駆動アンプの出力抵抗903とピエゾアクチュエータ101のキャパシタンス906とで構成される低域通過フィルタの、カットオフ周波数を少なくともピエゾアクチュエータ101の共振周波数の2倍以上の周波数に設定している。
【0029】図2は、本発明の一実施例におけるヘッド駆動装置の別の構成例を示すブロック図である。図1との相違点は非線形性補償手段104に関する部分である。図1の実施例においては、非線形性補償手段104はその入力信号の大きさによって、伝達特性を変化させることでピエゾアクチュエータ101の非線形性を補償した。図2の実施例では、非線形補償手段104は歪みセンサ103の出力する変位量信号に応じてその伝達特性を変化させることで、ピエゾアクチュエータの非線形性を補償する。
【0030】図5は、図2の実施例における非線形性補償器104の具体的な構成を示すブロック図である。変位量信号は入力端501に入力され、絶対値アンプ502で絶対値化される。その出力は差動アンプ503で基準値をあたえる電圧源504から減算される。差動アンプ503の出力は、ピエゾアクチュエータ101の振幅が0で最大となり、振幅が大きくなるにつれ減少する。合成手段109の出力信号は入力端506に与えられ、ゲインコントロールアンプ507に入力される。ゲインコントロールアンプ507は差動アンプ503の出力信号に応じてそのゲインが制御され、差動アンプ503の出力信号が大きいとゲインが高く、小さいとゲインが低くなる。従って、ピエゾアクチュエータ101の振幅が小さいときはゲインが高く、振幅が大きくなるにつれてゲインが低くなる。ゲインコントロールアンプ507の出力は出力端508を経て駆動アンプ102に伝えられる。これにより、ピエゾアクチュエータ101の非線形性は図1の実施例と同様に補償されることとなる。図5に示す非線形性補償器104の利点としては、絶対値アンプ502の動作原点を移動させることでピエゾアクチュエータ101のヒステリシスに対応できることである。ヒステリシスが大きくない場合には図4の構成の非線形性補償器で十分である。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明のヘッド駆動手段は、アクチュエータの速度情報を推定する推定手段と、偏差補償手段の出力と推定手段の出力を合成し駆動手段への入力とする合成手段とを備えることにより、制御帯域を大幅に制限し、調整の煩雑なノッチフィルタを使うことなくアクチュエータの鋭い共振特性の影響を抑えることができる。さらに推定手段と偏差補償手段のゲイン設定を適切に選ぶことでベッセル低域通過フィルタの極配置とすることによりヘッド駆動装置特有ののこぎり波状の指令信号に対して優れた応答特性を得ることができる。またアクチュエータの非線形性を駆動アンプの前段に備えた非線形性補償手段によって線形化するとともに、駆動アンプの出力抵抗を適切に設定することにより簡単な構造で精度の高い速度推定を可能とすることができる。




 

 


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