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発明の名称 磁気記録再生装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−44833
公開日 平成7年(1995)2月14日
出願番号 特願平5−189579
出願日 平成5年(1993)7月30日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】石原 勝
発明者 伴 泰明 / 溝尾 嘉章 / 杉田 龍二
要約 目的
磁気ヘッドと磁気テープとの間のスペーシング量が、使用する磁気テープの剛性によって変化するのを抑え、常に安定した再生出力が得られるようにする。

構成
一つのヘッド窓2内に回転方向に沿って順次に配設され、磁気テープの隣り合う2トラックを同時に記録または再生する第1および第2の磁気ヘッド8、9の各ヘッドギャップ10、11が、それぞれの摺動面8a、9aを長手方向に走る中央軸線8b、9b上に中心を置く。両摺動面8a、9aの中央軸線8b、9b間に落差Dが設けられ、両摺動面8a、9aはその相互間において外方へ張り出す側の隅角部8c、9cが切除されている。
特許請求の範囲
【請求項1】 回転軸に同心の円筒面に適数個のヘッド窓を有する回転ヘッドシリンダーと、一つのヘッド窓内に回転方向に沿って順次に配設され、磁気テープの隣り合う2トラックを同時に記録または再生する第1および第2の磁気ヘッドとを備え、第1および第2の磁気ヘッドの各ヘッドギャップは、それぞれの摺動面を長手方向に走る中央軸線上に中心を置き、両摺動面の中央軸線間に落差が設けられ、両摺動面はその相互間において外方へ張り出す側の隅角部が切除されていることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項2】 回転軸に同心の円筒面に適数個のヘッド窓を有する回転ヘッドシリンダーと、一つのヘッド窓内に回転方向に沿って順次に配設され、磁気テープの隣り合う2トラックを同時に記録または再生する第1および第2の磁気ヘッドとを備え、第1および第2の磁気ヘッドの各ヘッドギャップは、それぞれの摺動面を長手方向に走る中央軸線から相反する方向にずれた位置に中心を置き、両摺動面の一方の長辺同士および他方の長辺同士がそれぞれほぼ一直線上に並んでいることを特徴とする磁気記録再生装置。
【請求項3】一つのヘッド窓内に第1および第2の磁気ヘッドのほかに、少なくとも第3の磁気ヘッドが配設されていることを特徴とする請求項1または2に記載の磁気記録再生装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、回転ヘッドシリンダーの一つのヘッド窓内に複数の磁気ヘッドを配設し、複数の磁気ヘッドを並行動作させて磁気テープの隣り合う複数のトラックを同時に記録または再生するマルチチャンネル方式の磁気記録再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、家庭用のVTRにはVHS(登録商標)、S−VHS(登録商標)、Hi8などの方式があり、次世代のVTRにはディジタルVTR、ハイビジョン用VTRなどがある。次世代のVTRにおいては、単位時間当たりのデータ処理量が飛躍的に増大するので、データ転送レートをより一層高める必要がある。
【0003】データ転送レートを高めるために回転ヘッドシリンダーの回転速度を高める方法をとると、騒音や振動が増加する。そこで、回転ヘッドシリンダーの一つのヘッド窓内に複数の磁気ヘッドを配設し、複数の磁気ヘッドを並行動作させて磁気テープの隣り合う複数のトラックを同時に記録または再生するマルチチャンネル方式の磁気記録再生装置が開発されている。
【0004】図7を用いてマルチチャンネル方式の概要を説明すると、回転ヘッドシリンダー1は、その回転軸(図示せず)に同心の円筒面に適数個のヘッド窓2を有し、一つのヘッド窓2内に2個の磁気ヘッド3、4が、回転方向5に沿って順次に配設されている(以下コンビネーション型ヘッドという)。両磁気ヘッド3、4は通常のシングルヘッド方式の磁気記録再生装置に使用されている磁気ヘッドと同様に、各摺動面3a、4aのほぼ中央にそれぞれのヘッドギャップ6、7を有している。両ヘッドギャップ6、7が磁気テープの同一面上を走行しないように、両ヘッドギャップ6、7の各中心間に、回転軸方向の落差Dが設けられている。
【0005】回転ヘッドシリンダー1が回転して、2個の磁気ヘッド3、4が磁気テープに対し同時に記録動作をする。先行する磁気ヘッド3がそのヘッドギャップ6のトラック幅で記録した部分と、後続の磁気ヘッド4がそのヘッドギャップ7のトラック幅で記録した部分とが一部で重なり合い、オーバーライトされる。両ヘッドギャップ6、7の落差Dに相当する幅だけ記録が残り、この幅がトラックピッチとなる。後続の磁気ヘッド4が記録した残余部分も、回転ヘッドシリンダー1が回転して次に磁気ヘッドが磁気テープに接触することによってオーバーライトされ、上述と同様にトラックピッチ相当分の記録が残る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】マルチチャンネル方式を採用すると、データ転送レートを高めることができる。しかし、磁気ヘッドと磁気テープとの間のスペーシング量が、使用する磁気テープの剛性に依存して変化するという課題は残る。これはマルチチャンネル方式固有の課題ではないが、とくにマルチチャンネル方式を採用した高データ転送レートのものにおいて看過し得ない課題となる。
【0007】前記スペーシング量を小さく保つことによって、とくに短波長の再生出力を低下させずにすむ。前記スペーシング量を小さく保つための磁気ヘッド摺動面の最適形状については、種々の研究報告がある。スペーシング量を小さくし得る磁気ヘッドの形状は、使用する磁気テープの剛性によって異なる。このため、ある剛性の磁気テープに合わせて磁気ヘッド摺動面の形状を最適に設定しても、剛性の異なる磁気テープを走行させるとスペーシング量が増え、十分な再生出力が得られない事態が発生する。
【0008】磁気テープの剛性は、テープのベース材料の質や厚さに依存する。家庭用VTRの場合、録画時間に合わせて厚みの異なる磁気テープを使用することが少なくないので、磁気テープの厚みが変わっても出力レベルに低下をきたさない配慮が必要となる。
【0009】回転ヘッドシリンダーの回転に伴って、磁気ヘッド上の磁気テープがどのように変形するかを調べてみると、磁気テープは回転ヘッドシリンダーのヘッド窓の部分で回転ヘッドシリンダー側へ吸い込まれて谷をつくる。そして、磁気ヘッドの突出部分では山をつくるので起伏が生じる。剛性の大きい磁気テープでは前記山が緩やかであるので、磁気ヘッドの摺動面の最適曲率半径は大きくなる。また、剛性の小さい磁気テープでは前記山が急峻になるので、磁気ヘッドの摺動面の最適曲率半径は小さくなる。
【0010】ある剛性の磁気テープに磁気ヘッドの形状を合わせるには、当該剛性の磁気テープを長時間にわたり走行させるのが最も安易な方法である。このようにすると、磁気ヘッドの摺動面が磁気テープによって研磨され(磨耗し)、当該磁気テープの走行形状に沿うようになる。しかし、その後に剛性の異なる磁気テープと交換すると、交換した磁気テープには適しない摺動面形状に磨耗しているので、スペーシング量が増えて再生出力に減少をきたす。このような再生出力の減少の現象は、とくに厚い磁気テープになじんだのちに薄い磁気テープと交換した場合に顕著に現れる。これは磁気ヘッド摺動面の端部によって磁気テープが支えられる結果として、ヘッドギャップ位置での磁気テープが浮き上がるからである。
【0011】従来のコンビネーション型ヘッドの場合、走行磁気テープはヘッド窓の付近において、走行方向に軸線が互いに一致しない2つの山をつくる。このため、磁気テープは最初の山から次の山に移る過程でねじれの力を受ける。ねじれの程度は使用する磁気テープの剛性によって異なるが、磁気テープに変形を生じる。このため、コンビネーション型ヘッドはシングルヘッド型のものに比べて磁気テープの剛性による変形差が大きくなる。
【0012】したがって本発明の目的は、磁気ヘッドと磁気テープとの間のスペーシング量が、使用する磁気テープの剛性の差によって大きく変化しないマルチチャンネル方式の磁気記録再生装置を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した目的を達成するために、回転軸に同心の円筒面に適数個のヘッド窓を有する回転ヘッドシリンダーと、一つのヘッド窓内に回転方向に沿って順次に配設され、磁気テープの隣り合う2トラックを同時に記録または再生する第1および第2の磁気ヘッドとを備え、第1および第2の磁気ヘッドの各ヘッドギャップは、それぞれの摺動面を長手方向に走る中央軸線上に中心を置き、両摺動面の中央軸線間に落差が設けられ、両摺動面はその相互間において外方へ張り出す側の隅角部が切除されていることを特徴とする磁気記録再生装置が提供される。
【0014】また、回転軸に同心の円筒面に適数個のヘッド窓を有する回転ヘッドシリンダーと、一つのヘッド窓内に回転方向に沿って順次に配設され、磁気テープの隣り合う2トラックを同時に記録または再生する第1および第2の磁気ヘッドとを備え、第1および第2の磁気ヘッドの各ヘッドギャップは、それぞれの摺動面を長手方向に走る中央軸線から相反する方向にずれた位置に中心を置き、両摺動面の一方の長辺同士および他方の長辺同士がそれぞれほぼ一直線上に並んでいることを特徴とする磁気記録再生装置が提供される。
【0015】
【作用】請求項1に記載の発明によると、第1の磁気ヘッドから第2の磁気ヘッドに移る過程での磁気テープが、ヘッド摺動面の切除部分に沿って走行するので、この部分での磁気テープの起伏が緩やかになる。なぜなら、この部分で発生する応力が急激に変化せず、切除部分に沿って緩慢に変化するからであり、磁気テープの剛性の差によるスペーシング量の変化量を小さく抑えることができる。
【0016】請求項2に記載の発明によると、磁気テープがつくる2つの山の軸線が一致するので、第1の磁気ヘッドから第2の磁気ヘッドに移る過程での走行磁気テープの変形が、請求項1に記載した構成のものよりも一層なめらかになる。
【0017】シングルヘッド型における走行磁気テープの形状をさらに詳細に観察すると、磁気ヘッド位置を通過したのちの磁気テープは外方へ張り出し、磁気ヘッド上におけるよりも緩やかな形状になる。これは、回転ヘッドシリンダが回転するのに伴い、その内部から吐出された空気が磁気テープを押し出すからである。この張り出しの量は剛性の小さい磁気テープほど大きく、この部分では剛性の小さい磁気テープでも緩やかな山をつくる。このため、磁気テープの剛性の大小による変形差は小さくなる。したがって、この部分に第2の磁気ヘッドを配設すると、第2の磁気ヘッドは磁気テープの剛性の差の影響を受け難くなる。
【0018】しかし、従来のコンビネーション型ヘッドでは、後続の磁気ヘッドは先行の磁気ヘッドがつくった磁気テープの山と軸線の異なる新たな山をつくるので、上述のような利点は得られない。これに対して請求項2に記載の発明では、第1および第2の磁気ヘッドの各摺動面の軸線が一致するので、後続の磁気ヘッドは先行する磁気ヘッドがつくった山の軸線にはいって上述のような利点を享受することができる。
【0019】以上に述べた作用は、同一のヘッド窓内に第3以降の磁気ヘッドを配設した構成においても成り立つ。ただし、請求項2に記載した発明では、ヘッドギャップの中心位置を摺動面の中央軸線から幅方向にずらす必要があるので、摺動面に要求される幅が請求項1に記載の発明における摺動面幅よりも大きくなることがある。一般に、機械的強度や再生効率などの面から、摺動面の幅をヘッドギャップの幅よりも大きくとるのが普通であるから、請求項2に記載の発明の実施が、直ちに摺動面の拡幅につながるわけではない。しかし、使用する磁気ヘッドの個数がさらに増えると、それだけヘッドギャップの中心位置を幅方向にずらす必要が生じるので、摺動面の幅を広げなければならない場合もある。
【0020】
【実施例】本発明の第1の実施例を図1に示す。回転ヘッドシリンダー1は、その回転軸に同心の円筒面に適数個のヘッド窓2を有し、一つのヘッド窓2内に第1の磁気ヘッド8および第2の磁気ヘッド9が、回転方向5に沿って順次に配設されている。第1および第2の磁気ヘッド8、9は、それぞれの摺動面8a、9aにヘッドギャップ10、11を有している。
【0021】各ヘッドギャップ10、11は、当該摺動面8a、9aを長手方向に走る中央軸線8b、9b上にそれぞれの中心を置いており、両中央軸線8b、9b間に落差Dが設けられている。第1および第2の磁気ヘッド8、9が磁気テープの隣り合う2トラックを同時に記録することによって、落差Dが磁気テープのトラックピッチとなるのは従来どおりである。
【0022】両摺動面8a、9aは、その相互間において外方へ張り出す側の隅角部8c、9cが切除されている。12、13は切除面を示す。両切除面12、13の各始端は、それぞれのヘッドギャップ10、11の近傍ないし相互間寄りの位置に選ぶのがよい。また、切除面の始端から終端に向かう方向線14、15が、他方の磁気ヘッドの隅角部8d、9d近傍ないし同磁気ヘッドのヘッドギャップ10、11近傍までの範囲に達するように設定するのが好ましい。
【0023】両切除面12、13を設けたことによって、両摺動面8a、9aとその相互間とにおける応力差が緩和される。すなわち、第1の磁気ヘッド8から第2の磁気ヘッド9にいたる間での磁気テープはなめらかに変形し、両磁気ヘッド8、9と磁気テープとの間におけるスペーシング量の変化を最小限に抑えることができる。なお、図示した切除面12、13は平面であるが、実際にはラッピング加工を施すなどして、なめらかな曲面に仕上げるのが望ましい。
【0024】上述のように構成されたコンビネーション型ヘッドを用いて厚さ10μmの磁気テープを長時間にわたり走行させ、十分になじませたのちに厚さ7μmの磁気テープと交換し、記録・再生動作をさせた。このときの再生出力の変化を図2に示す。なお、磁気ヘッドとしては、磁性膜を非磁性基板で挟み込んだラミネート型のものを用いた。第1および第2の磁気ヘッド8、9のトラック幅はいずれも14μm、両磁気ヘッド8、9の各幅は70μm、トラックピッチすなわち両ヘッドギャップ10、11の中心間落差Dは10μmであった。再生出力の値としては、当該磁気テープに十分になじませた状態のもとで定常的に得られる値を基準とし、相対差で示した。また、比較ヘッドとしては、前記切除面を有しない従来のコンビネーション型のものを用いた。いずれの場合も、コンビを組む2個の磁気ヘッドから得た再生信号レベルの平均値をとった。
【0025】本実施例のコンビネーション型ヘッドを用いたものは、従来のコンビネーション型ヘッドを用いたものに比べて、磁気テープ交換後の初期再生出力の減少が抑えられていることがわかる。また、再生出力が上昇して定常状態に達するまでの時間が短いことがわかる。これは、磁気テープの剛性(ここでは厚さ)の差による磁気ヘッド近傍での磁気テープの変形の差が少なくなり、磁気テープ交換後のスペーシング量の増加が抑えられた結果と思われる。なお、先行の磁気ヘッドと後続の磁気ヘッドとの再生出力差に大きな違いはみられなかった。
【0026】使用する磁気ヘッドが3個以上であっても、両摺動面の相互間で外方へ張り出す側の隅角部を切除することによって、前述と同様の効果を得ることができる。
【0027】本発明の第2の実施例を図3に示す。回転ヘッドシリンダー1の一つのヘッド窓2内に第1の磁気ヘッド16および第2の磁気ヘッド17が、回転方向5に沿って順次に配設され、両磁気ヘッド16、17はそれぞれの摺動面16a、17aにヘッドギャップ18、19を有している。各ヘッドギャップ18、19は、当該摺動面16a、17aを長手方向に走る中央軸線16b、17bから相反する方向にそれぞれ落差D/2だけずれた位置に中心を置いている。そして、摺動面16aの一方の長辺16cと摺動面17aの一方の長辺17cとがほぼ一直線上に並び、摺動面16aの他方の長辺16dと摺動面17aの他方の長辺17dとがほぼ一直線上に並んでいる。
【0028】一般に、薄い磁気テープになじんだのちの磁気ヘッドに対し、厚い磁気テープを走行させると、その逆の場合に比べて再生出力の減少は少ない。厚い磁気テープは薄い磁気テープに比べて磁気ヘッド上での変形が緩やかであるので、薄い磁気テープになじんだのちの磁気ヘッドの摺動面の幅方向曲率半径が小さいと、厚い磁気テープは磁気ヘッドの中央部で支えられた状態になる。このため、摺動面の中央部にヘッドギャップが位置する通常の磁気ヘッドでは、ヘッドギャップ部分での磁気テープとのスペーシング量が増えない。このことを考慮して、本実施例では両磁気ヘッドの各ヘッドギャップを摺動面の中央部寄りに位置させている。また、中央軸線16b、17bからヘッドギャップの中心までの距離は、2個の磁気ヘッド16、17ともD/2とするのが望ましい。このようにすると、トラック幅に比べて摺動面の幅が3〜5倍はある通常の磁気ヘッドでは、摺動面の幅に対してヘッドギャップの中心からのずれ量を小さくでき、薄い磁気テープになじんだ磁気ヘッドに対して、厚い磁気テープを走行させたときの再生出力の減少を、その逆の場合より少なくすることができる。
【0029】上述のように構成されたコンビネーション型ヘッドを用いて厚さ10μm の磁気テープを長時間にわたり走行させ、十分になじませた状態のもとで厚さ7μmの磁気テープと交換し、記録・再生動作をさせた。このときの再生出力の変化を図4に示す。使用した磁気ヘッドの構造やトラックピッチなどの諸条件は、実施例1におけると同様である。
【0030】本実施例のコンビネーション型ヘッドについは、先行の磁気ヘッドと後続の磁気ヘッドとの再生出力を区別して図示したが、いずれも、従来のコンビネーション型ヘッドを用いた場合に比べて、磁気テープ交換後における初期の再生出力の減少が少ない。また、再生出力が定常状態になるまでの時間も短く、第1の実施例よりもすぐれた改善効果が得られている。この理由は、磁気テープがつくる2つの山の軸線が互いに一致することに起因している。先行の磁気ヘッドから後続の磁気ヘッドへ移る部分での磁気テープが一層なめらかに変形することの効果が現れている。また、先行の磁気ヘッドよりも後続の磁気ヘッドの方が、磁気テープ交換後の初期再生出力の減少が少なく、再生出力が増えて定常状態になるまでの時間も短くなっている。この点は前述したように、先行の磁気ヘッドを通過させた直後の磁気テープが外方に張り出すためと考えられる。
【0031】2つの摺動面の一方の長辺同士および他方の長辺同士はそれぞれ、一直線状に並ぶのが望ましいが、製造上誤差等もあるので、完全に一致させるのは困難である。2μm以内の誤差に抑えることができたら十分である。また、使用する磁気ヘッドが3個以上であっても、前述のように、ヘッドの摺動面の幅を大きく広げたり、ヘッドギャップの中心位置と、摺動面の長手方向に走る中央軸線とのずれが大きくなければ同様の効果が得られる。
【0032】第3の実施例を図5に示す。ここでは、一つのヘッド窓2内に5個の磁気ヘッド20、21、22、23、24を配設している。この場合、隣接する2個の磁気ヘッド20、21を第1グループA、隣接する3個の磁気ヘッド22、23、24を第2グループBとしている。そして、両グループA、Bのそれぞれに第2の実施例におけると同様の構成をとっている。4番目に位置する磁気ヘッド23のヘッドギャップを当該摺動面の中央部に配し、その前後に位置する磁気ヘッド22、24の各ヘッドギャップを当該摺動面の中央部からずらしている。また、両グループA、B間にもっとも近い位置を占める2個の磁気ヘッド21、22の各ヘッドギャップの中心間ずれがトラックピッチ分となるように、両グループA、Bの摺動面の軸を相互にずらしている。そして、第1実施例におけると同様に、2個の磁気ヘッド21、22の相互間において外方へ張り出す側の隅角部を切除した構成となしている。
【0033】上述のように構成されたマルチチャンネル型ヘッドを前記と同様の条件で記録・再生動作させた。このときの再生出力の変化を図6に示す。比較ヘッドとしては、図7に示す従来のコンビネーション型ヘッドの磁気ヘッドを5個にした。再生出力は本発明に係るものを磁気ヘッドごとに示したが、比較例のものについては5個の磁気ヘッドの平均値を示した。本発明を実施したものでは、いずれの磁気ヘッドについても、磁気テープ交換後の初期再生出力の減少が少なく、再生出力が定常状態になるまでの時間も短いことがわかる。5つの再生出力のうち減少量が比較的大きいのは、2グループA、Bをつなぐ位置にあって、請求項1に記載の特徴を備えた磁気ヘッドであった。
【0034】ここで、トラックピッチが10μmと広い設定でヘッドを5個連ねる場合、全てのヘッドに請求項2に記載の特徴を備えると最先行の磁気ヘッド20と最後尾の磁気ヘッド24とのギャップずれが50μmに達する。これらの磁気ヘッドはヘッドギャップの位置が摺動面の中心から大きくずれてしまい、前述のように薄い磁気テープになじんだところに厚い磁気テープを走行させたときの再生出力の減少が大きくなり、かえって欠点が増えてしまうことになる。
【0035】本発明によるとこのようなことがなく、少なくとも請求項1に記載の特徴をマルチチャンネル型ヘッドに応用した場合と同等の性能を確保でき、それ以上に磁気ヘッドの再生出力の低減が少ない磁気ヘッドを盛り込むことができる。
【0036】なお、実施例では先行する第1グループAの磁気ヘッドを2個、第2グループBの磁気ヘッドを3個としたが、その逆であってもよい。使用する磁気ヘッドの個数については、5個に限定されず、4個または6個以上であってもよい。磁気ヘッドをグループ分けするさい、磁気ヘッドの機械的強度を考慮しつつ、なるべく摺動面の幅を狭くできるように分配するのがよい。
【0037】なお、上述した実施例では、回転ヘッドシリンダーの同一のヘッド窓内に、同時に動作をする磁気ヘッドを配設したが、そのほかの磁気ヘッドが同一ヘッド窓内にとりつけられていてもよい。また、実施例では記録および再生を同一の磁気ヘッドで行う場合について述べたが、スペーシング量の課題は、記録または再生専用のヘッドにおいても同様に存在するので、これらの場合についても本発明を適用することができる。また、磁気ヘッドはラミネート型以外の、フェライト型やメタルインギャップ型であってもよい。ただし、この場合は摺動面の隅角部を切除することによってフェライトコアの断面積が減少し、再生出力に減少をきたすことがあるので、限られた部分のみを切除するのがよい。また、使用する磁気ヘッドの相互間に、摺動面幅、ヘッドのトラック幅、トラックピッチ等の差が存在していてもよい。
【0038】
【発明の効果】以上のように本発明によると、剛性の異なる磁気テープと交換しても、それによるスペーシング量の変化が少なく、常に安定した状態で再生出力を得ることができる。




 

 


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