発明の名称 |
画像通信端末装置 |
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発行国 |
日本国特許庁(JP) |
公報種別 |
公開特許公報(A) |
公開番号 |
特開平7−38872 |
公開日 |
平成7年(1995)2月7日 |
出願番号 |
特願平5−182591 |
出願日 |
平成5年(1993)7月23日 |
代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】岡田 和秀
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発明者 |
村山 正美 |
要約 |
目的 通信を独自モードで行えるかどうかを、呼を接続する時あるいは通信中に判定することができる画像通信端末装置を提供する。
構成 従来のテレビ電話/会議システムの構成に加え、ISDNのDチャネルの呼制御情報を用いて相手端末と独自モード(非標準モード)で通信可能かどうかを判定する機能を備えたものである。 |
特許請求の範囲
【請求項1】 映像,音声,データを多重伝送する機能を備えた画像通信端末装置において、ISDNのDチャネル上の呼制御情報である呼設定メッセージ内のユーザ・ユーザ情報要素および呼出メッセージあるいは応答メッセージ内のユーザ・ユーザ情報要素を用いて相手端末と独自モードで通信できるか否かを判定する手段を備えたことを特徴とする画像通信端末装置。 【請求項2】 映像,音声,データを多重伝送する機能を備えた画像通信端末装置において、ISDNのDチャネル上の呼制御情報である呼設定メッセージ内の発サブアドレス情報要素および解放完了メッセージ内の理由表示情報要素を用いて相手端末と独自モードで通信できるか否かを判定する手段を備えたことを特徴とする画像通信端末装置。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、映像,音声,データの多重伝送機能を備えた画像通信端末装置に関するものである。 【0002】 【従来の技術】近年、CCITT(国際電信電話諮問委員会)において、オーディオ・ビジュアル・サービス用のビデオ符号化方式、および多重化方式、通信手順が正式勧告化され、それに伴い各社からCCITT勧告に準拠した標準モードで通信を行うテレビ会議システムや動画テレビ電話などの画像通信端末装置が発売されている。 【0003】また、標準モードを用いずに、自社システムどうしにおける独自モード(非標準モード)で通信を行う画像通信端末装置もある。一般的に、独自モードを利用すれば、標準モードを利用した場合に比べて高品質な通信が可能となる。 【0004】さらに、上記2つのモードを兼ね備え、他社システムと通信を行う場合にはCCITT勧告に準拠した標準モードで通信を行い、同じ会社のシステムどうしの間の通信の場合にはより高品質な独自モードで通信を行うというような画像通信端末装置もある。 【0005】一方、相手側カメラの切り換え、モニタの制御等の遠隔操作に関しては、勧告が制定されておらず、これらを行う場合には独自モードで行わなければならないようになっている。 【0006】 【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従来の画像通信端末装置にあっては、独自モードで通信を行いたい場合、通信相手が同じ会社の製品であるときにしか行えないため、通信を開始する前に予め、相手端末が自社システムであるかどうかを確認しておかなければならないというわずらわしいがあった。 【0007】本発明は、このような事情に鑑みて創案されたものであって、通信開始前に相手端末が自社システムであることを確認しなくてもよい画像通信端末装置を提供することを目的とする。 【0008】 【課題を解決するための手段】本発明に係る第1の画像通信端末装置は、映像,音声,データを多重伝送する機能を備えた画像通信端末装置において、ISDNのDチャネル上の呼制御情報である呼設定メッセージ内のユーザ・ユーザ情報要素および呼出メッセージあるいは応答メッセージ内のユーザ・ユーザ情報要素を用いて相手端末と独自モードで通信できるか否かを判定する手段を備えたことを特徴とするものである。 【0009】また、本発明に係る第2の画像通信端末装置は、映像,音声,データを多重伝送する機能を備えた画像通信端末装置において、ISDNのDチャネル上の呼制御情報である呼設定メッセージ内の発サブアドレス情報要素および解放完了メッセージ内の理由表示情報要素を用いて相手端末と独自モードで通信できるか否かを判定する手段を備えたことを特徴とするものである。 【0010】 【作用】本発明は上記構成により、自社システムどうしにおける独自モードを利用して通信を行う場合に、通信を開始する前に相手端末が同じ会社の製品であるかどうかを予め確認していなくても、呼を接続する時あるいは通信中に、相手端末が自社システムであるかどうかを自動的に判定することができる。 【0011】 【実施例】以下、本発明に係る画像通信端末装置の実施例について、図面を参照しながら説明する。 【0012】図1は実施例に係る画像通信端末装置の機能ブロック図である。図1において、1は自画像を撮影するためのカメラ、2はマイク、3はスピーカ、4はテレライティングを行うためのタブレット、5は電話番号の入力および各種機能の選択を行うためのキー操作部、6は相手からの映像あるいは自画像を表示するモニタである。7は映像データ,音声データを圧縮・符号化しまた逆に伸長・復号化するコーデック部(コーダ/デコーダ)、8はタブレット4からのデータを変換してモニタ6に表示できるようにするテレライティング制御部、9はキー操作部5からの設定をもとに端末全体を制御する端末制御部、10はモニタ6への映像の表示の切り換え制御を行う表示制御部である。11は映像,音声,テレライティングデータを多重化あるいは分離する多重/分離部、12は発着呼,切断等の呼の管理を行う呼制御処理部、13はシステム全体を管理するシステム制御部、14はISDN(統合サービス・ディジタルネットワーク)との送受信を行う網インタフェース部、15は相手端末との間で独自モードにより通信が行えるかどうかを判定する通信判定部である。 【0013】第1の制御方式図2は、第1の制御方式におけるシステムを識別するために独自のコードを送信側で挿入する際に使用するユーザ・ユーザ情報要素のコーディング例、およびその応答の際に使用するユーザ・ユーザ情報要素のコーディング例を示すものであり、図の(a),(b)において、オクテット1は情報要素識別子、オクテット2は情報要素の内容長(オクテット3以降)、オクテット3はプロトコル識別子、オクテット4は独自コードを挿入する。 【0014】図3は第1の制御方式におけるシーケンス図である。 【0015】以上のように構成された画像通信端末装置について、以下にその動作を説明する。 【0016】図1において、発信側ユーザが発信するために発信側端末のキー操作部5より電話番号の入力および機能の選択を行うと、その情報は端末制御部9を介して呼制御処理部12に通知される。呼制御処理部12は、通信判定部15に独自コードを挿入したユーザ・ユーザ情報要素を作成するように要求する。通信判定部15は、システムを識別するための独自コードを挿入するために、ISDNユーザ間の情報の伝達に用いられるユーザ・ユーザ情報要素を図2(a)のように作成し、呼制御処理部12に通知する。呼設定メッセージはISDNのDチャネル上の呼制御情報であるが、呼制御処理部12は、前記ユーザ・ユーザ情報要素を含めて呼設定メッセージを作成し、システム制御部13、網インタフェース部14を介してISDNに送信する。 【0017】この呼設定メッセージを受信した着信側端末は、呼設定メッセージに応答して、図3に示すシーケンスのように呼出メッセージあるいは応答メッセージを送信する。このとき、受信した呼設定メッセージは着信側端末の呼制御処理部12で解析され、通信判定部15に通知される。通信判定部15は、独自コードが含まれているユーザ・ユーザ情報要素を検知し、相手端末と独自モードで通信が行えるか否かを判定する。この際、独自コードが含まれたユーザ・ユーザ情報要素を検知できなかった場合には、独自モードによる通信は行えないことになる。 【0018】相手端末と独自モードによる通信が可能であると判定された場合には、発信側端末にそのことを通知するために、着信側端末における通信判定部15は、独自コードを含めてユーザ・ユーザ情報要素を作成し、呼制御処理部12に通知する。呼制御処理部12は、呼出メッセージあるいは応答メッセージに、図2(b)のようにコーディングされたユーザ・ユーザ情報要素を含めて送信する。 【0019】さらに、このユーザ・ユーザ情報要素を含めた呼出メッセージあるいは応答メッセージを受信した発信側端末は、そのメッセージを呼制御処理部12により解析し、通信判定部15によって、ユーザ・ユーザ情報要素内の独自コードを検知し、通信が独自モードで行えることを確認する。そして、着信側端末に対して応答確認メッセージを送信する。一方、呼制御処理部12、通信判定部15でメッセージを解析した結果、独自コードが挿入されていなかった場合には、着信側端末とは独自モードによる通信が行えないことが判明する。この場合には、通常の呼接続のための手順を行い、呼を接続する。 【0020】第2の制御方式次に、第2の制御方式について説明する。ブロック構成については図1と同様である。 【0021】図4は、第2の制御方式においてシステムを識別するために独自のコードを挿入する際に使用する発サブアドレス情報要素のコーディング例、およびその応答の際に使用する理由表示情報要素のコーディング例を示したもので、図の(a),(b)において、オクテット1は情報要素識別子、オクテット2は情報要素の内容長(オクテット3以降)、オクテット3は各情報要素のプロトコル識別子、オクテット4は独自コードを挿入する。 【0022】図5は第2の制御方式におけるシーケンス図である。以下に、その動作を説明する。 【0023】図1において、発信側ユーザが発信するために発信側端末のキー操作部5より電話番号の入力および機能の選択を行うと、その情報は端末制御部9を介して呼制御処理部12に通知される。呼制御処理部12は、通信判定部15に独自コードを挿入した発サブアドレス情報要素を作成するように要求する。通信判定部15は、従来より発信側のサブアドレスを識別するために用いられている発サブアドレス情報要素を、それにシステムを識別するための独自コードを挿入するために図4の(a)のように作成し、呼制御処理部12に通知する。呼制御処理部12は、前記発サブアドレス情報要素を含めて呼設定メッセージを作成し、システム制御部13、網インタフェース部14を介してISDNに送信する。 【0024】この呼設定メッセージを受信した着信側端末は、呼設定メッセージに応答して、図5に示すシーケンスのように解放完了メッセージを送信する。このとき、着信側端末において受信した呼設定メッセージは呼制御処理部12で解析され、通信判定部15に通知される。通信判定部15は、独自コードが含まれている発サブアドレス情報要素を検知し、相手端末と独自モードで通信が行えるか否かを判定する。この際、独自コードが含まれた発サブアドレス情報要素を検知できなかった場合には、独自モードによる通信は行えない。したがって、通常の呼制御手順を行い、呼を接続する。 【0025】相手端末と独自モードによる通信が可能であると判定された場合には、発信側端末にそのことを通知するために、着信側端末の通信判定部15は、独自コードを含めて理由表示情報要素を作成し、呼制御処理部12に通知する。呼制御処理部12は、解放完了メッセージに、図4(b)のようにコーディングされた理由表示情報要素を含めて送信し、一旦、呼を切断する。 【0026】さらに、この理由表示情報要素を含めた解放完了メッセージを受信した発信側端末は、そのメッセージを呼制御処理部12により解析し、通信判定部15によって、理由表示情報要素内の独自コードを検知し、通信が独自モードで行えることを確認する。その後、再度、通常の呼設定メッセージを送信し、呼接続手順を開始して、通信のための呼を接続する。一方、呼制御処理部12、通信判定部15でメッセージを解析した結果、独自コードが挿入されていなかった場合には、着信側端末とは独自モードによる通信が行えないことが判明する。この場合には、通常の呼接続のための手順を続け、呼を接続する。 【0027】また、通信中に、相手側のカメラ1の切り換えやモニタ6の制御等の遠隔操作を行う場合においても、上記のような手順で、システムを識別するための独自コードを含んだ呼設定メッセージを送信し、その応答として解放完了メッセージを受信することにより、相手端末を独自モードによって遠隔操作できることを確認することができる。 【0028】 【発明の効果】以上のように本発明は、自社システムどうしにおける独自モードを利用して通信を行おうとする場合に、通信を開始する前に相手端末が同じ会社の製品であるかどうかを予め確認していなくても、呼を接続する時あるいは通信中に、ISDNのDチャネルの呼制御情報を用いて、相手端末と独自モードで通信が行えるかどうかを自動的に判定することができる。
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