発明の名称 |
データ送出方法 |
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発行国 |
日本国特許庁(JP) |
公報種別 |
公開特許公報(A) |
公開番号 |
特開平7−38588 |
公開日 |
平成7年(1995)2月7日 |
出願番号 |
特願平5−183716 |
出願日 |
平成5年(1993)7月26日 |
代理人 |
【弁理士】 【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
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発明者 |
坂口 泰之 |
要約 |
目的 複数のデータ送出装置間で送出作業を混雑具合いを調節することによって、主制御装置の負担を軽くしたデータ送出方法を提供することを目的とする。
構成 主制御装置によって送出すべきデータを複数のデータ送出装置に分散させ、各データ送出時間間で未送出のデータの残量を格差が発生すると、余裕のあるデータ送出装置から、他のデータ送出装置に対してデータの要求を行うように構成する。 |
特許請求の範囲
【請求項1】データ送出装置からデータを送出する際に、複数のデータ送出装置がある場合、マスタデータをもつ主制御装置である程度データを分散させて、それぞれデータ送出装置にデータを発送し、各データ送出装置はそれぞれデータを送出するが、送出する回線やデータの受信側の状態により各データ送出装置で未送出データの残量の格差が発生すると、送出が完了したまたはある一定量の残量になったデータ送出装置は主制御装置にデータ要求を行った後、他のデータ送出装置に対し、余剰データの要求を行うことを特徴とするデータ送出方法。 【請求項2】データ送出装置上で優先順位をあげると、他局からの取り込み要求があった場合、自局の送出予定時間や状態と要求してきた他局での送出予定時間や状態を判断し、より早く送出できる方にデータを移動することを特徴とする請求項1記載のデータ送出方法。 【請求項3】データ送出装置上で再送を指定すると、電話番号と見出し文、送出時間の変更画面になり、再送条件を変更することを特徴とする請求項1又は2記載のデータ送出方法。 【請求項4】データ送出装置上で送出待ちデータを指定すると、電話番号と見出し文、送出時間の変更画面になり、送信条件を変更することを特徴とする請求項1、2又は3記載のデータ送出方法。
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発明の詳細な説明
【0001】 【産業上の利用分野】本発明は、低速データ線(電話線など)に対し、複数のデータ送出装置でデータを送出する際にすべてのデータを原則的に最短の時間で送出し、また使用者の要求によりデータの送出状態を制御出来るようにするデータ送出方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来、データ送出装置が複数台設置してあっても、データの制御権は主制御装置側に依存し、一度データを主制御装置のデータ送出装置に送られると、各データ送出装置間で格差があっても処理のしようがないか、主制御装置を介してデータの移動を行わなければならなかった。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】上記の方法ではデータ送出装置間でデータの格差がでてもそのデータについて他の送出装置が融通を聞かせることができないか、主制御装置を介してしか処理ができず主制御装置の処理が終了した後は融通処理が出来なくなるという問題を有していた。 【0004】本発明では、各送出装置間でデータを受け渡しし、主制御装置を介さずに、データ送出装置間のネットワークが有効な限り、各データ送出装置間でデータのやりとりを行ったり、使用者の制御により、その要求に対応する送出装置の設定が出来るようにすることを目的とする。 【0005】 【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明ではデータ送出装置間でデータを送受できるローカルエリアネットワークを用意する。 【0006】このネットワークを占有するという訳ではなく主制御装置とのデータの送受や他のシステムとの共存も出来るものとする。 【0007】データ送出装置は装置のデータ処理能力がデータ線の伝達能力を上回っているものとし、データ線への送出部にバッファを設けることで装置の処理能力をネットワーク処理やデータ管理処理に振り分けることが出来るようにしたものとする。 【0008】 【作用】この構成により、データ送出装置間で情報を送受することで、装置間の送出データの残量の格差を知ることができ、それにより処理能力の余裕ができた装置が他の装置の過剰なデータを取得し、全体としての処理を最短時間で完了することが可能になる。 【0009】また、使用者の要求により、データの処理内容や送出装置の設定ができる。 【0010】 【実施例】以下本発明の一実施例について、図面を参照しながら説明する。 【0011】図1において、10はデータ送出装置、11はデータ送出装置、12はデータ送出装置、20は主制御装置、30はネットワーク網を示す。 【0012】また、図2の40はデータ送出装置のブロック図を示す。データ送出装置は大きく分けて3つのブロックに別れ、41はネットワークから自局宛てのデータを受信したり他局に向けてデータを送信したりするためのネットワーク制御部である。 【0013】42は受け取ったデータを解析しデータを保管し、データを送出形態に変換した後、送出部にデータを送出したり、保管データを他局に送り出すかどうかの判断を行ったり、使用者の要求を解析実行するためのデータ管理部である。 【0014】43は接続処理をおこなうことと、先入先出(FirstIn−FirstOut)のバッファを持つものとし、データを最大保持量まで取り込んだ後、バッファからデータ線に対してデータを送出し、バッファが一定量まで減少すると42に対しデータ要求を行って連続性を保つようにするデータ送出部である。以上のように構成されたデータ送出装置群について、図3,図4および図5〜図10のフローチャートを用いてその動作を説明する。 【0015】44はデータ送出装置から外部に送り出すためのネットワークに比べ伝達速度の遅いデータ線(電話線)である。 【0016】まず、図3の各データ送出装置から主制御装置20のS1へデータ要求を発行する。 【0017】主制御装置20は各データ送出装置へそれぞれ指定された比率でデータを送出する。このとき図3中X%,Y%,Z%は主制御装置20での分配率である。 【0018】このとき、各データ送出装置は最大保持量までデータを取得する。主制御装置20にデータが無くなるか、最大保持量に達した場合、主制御装置20からのデータ取得を終了する。 【0019】一方、確保したデータを変換し、S2で送出を開始する。データ送出装置の処理能力はデータ線の伝達能力を上回るため、バッファが指定した量に減少するまで処理に余裕がでる。この余裕を使用者の要求処理や他局からの要求監視の処理に割り当てる。 【0020】図4は送出装置を行っているデータ送出装置と保持データがなくなったデータ送出装置がある状態を示している。 【0021】各データ送出装置には図3中のように最大保持件数としてデータ送出装置10ではA件、データ送出装置11ではB件、データ送出装置12ではC件と指定してある。この最大保持件数は他局から要求があっても、この件数以内しかデータを保持していない場合は、他局に対して渡せる件数を0件として返す。 【0022】このうちデータ送出装置10はデータをすべて送出した直後の状態で、データ送出装置11はB件以内のデータ件数が残っているものとし、データ送出装置12にはC件より多いデータ件数が残っているものとする。 【0023】この格差はデータ線の回線品質によるエラー率や接続先の回線の混雑率によりデータの送出でのリトライ回数の違いが発生するためにおきる。 【0024】これは、主制御装置で分散させておいても、その後の状態により大幅に変化する。 【0025】すべてのデータを送出したデータ送出装置10は、まずS3で主制御装置20にデータを要求する(図4中a)。主制御装置20にデータが無かった場合や保持件数内だった場合、S4で他局に対してデータ要求を行う。 【0026】この要求を受けた場合の制御手順を図8に示す。まず、データ送出装置11にデータ要求を行ったものとする(図4中b)。 【0027】データ送出装置11は最大保持件数の範囲内の件数しか保持していないので、データ送出装置11に対し、S8で0件のデータを返す(図4中b′)。 【0028】データ送出装置10は次にデータ送出装置12にデータ要求を行う(図4中c)。 【0029】データ送出装置12は最大保持件数を越えてデータを保持しているため、最大保持件数を越えた件数をS9でデータ送出装置10に返す(図4中c′)。 【0030】データ送出装置10は現在保有しているデータ件数と最大保持件数A件までの差分をとり、その件数とこれから取得するデータの内、最初のデータの送出予測時間をS5でデータ送出装置12のS10に対し送る(図4中c)。 【0031】データ送出装置12はデータ送出装置10から送られてきた情報をもとにデータ送出装置に渡すデータをS11で算出する。 【0032】この算出はデータの優先順位と全体の送出時間を判断し、移動した方が最短時間で送出できるデータを捜し出すことである。 【0033】データ送出装置12はS12でデータ送出装置10のS6に対しデータを送信する(図4中c′)。 【0034】このとき、データ送出装置12はデータ送出処理を優先して行うようにする。データの移動が終了した後、データ送出装置10では、取得したデータ全体をS13で優先順位順に並び変える。 【0035】主制御装置20にデータが無く、データ送出装置間で送受できるデータが無い場合は、送出装置は次のデータ要求まで指定した時間だけ待機状態になる。 【0036】また、使用者の要求処理は図9,図10のフローチャートに従う手順でデータ送出装置の入力装置から受付、出力装置を介して対話的に行う。 【0037】使用者が要求できる内容は、データの送出先変更、見出し分変更、再送出、順位変更、送出取り消し、データ送出装置固定が挙げられる。 【0038】この中で、再送出は過去のデータについては、データ送出装置10,11,12には情報だけを保持しておき、要求があった場合には、主制御装置20に対し、データを要求する。このとき、主制御装置20にもデータがない場合は、要求に対しエラーとして応答する。 【0039】 【発明の効果】以上のように本発明は、原則的に複数台のデータ送出装置が協調して、すべてのデータを最短時間で送出することができ、また使用者の要求により、送出データの条件を変更できる優れたデータ送出システムを構築できるものである。
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