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発明の名称 光記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−37273
公開日 平成7年(1995)2月7日
出願番号 特願平5−181489
出願日 平成5年(1993)7月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】松田 正道
発明者 吉岡 一己 / 秋山 哲也 / 磯村 秀己
要約 目的
記録、消去特性に優れ記録、消去の繰り返し特性の安定した光記録媒体を提供することを目的とする。

構成
透明基板1の一方の面に第1の誘電体層9、第2の誘電体層2、光を吸収し情報の書き込み及び消去をする記録層3、第3の誘電体層4、第4の誘電体層5、反射層6を順次形成し、第2、第3の誘電体層2、4よりも低線膨張の材料の第1、第4の誘電体層9、5を用いて、基板1の熱変形や第2、第3の誘電体層の熱変形を抑制する光記録媒体。
特許請求の範囲
【請求項1】 透明基板の一方の面に第1の誘電体層、第2の誘電体層、光を吸収し情報の書き込み及び消去をする記録層、第3の誘電体層、第4の誘電体層、反射層を順次形成した光記録媒体であって、前記第1の誘電体層は、前記第2の誘電体層より低線膨張の材料で構成され、また、前記第4の誘電体層は、前記第3の誘電体層より低線膨張の材料で構成されていることを特徴とする光記録媒体。
【請求項2】 第1、第4の誘電体層が酸化物、窒化物または炭化物からなり、3×10-6-1以下の線膨張係数を有する材料からなることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【請求項3】 第3の誘電体層と第4の誘電体層の膜厚の和が40nm以下であって、前記第1と第2の誘電体層の和の膜厚よりも薄いことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【請求項4】 第3の誘電体層の膜厚が10nm以下であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【請求項5】 第1の誘電体層の膜厚が50nm以下であって、前記第2の誘電体層の膜厚よりも薄いことを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【請求項6】 第1、第4の誘電体層が、SiO2 材料からなることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【請求項7】 第2及び第3の誘電体層が、金属のカルコゲン化亜鉛と酸化物、または金属のカルコゲン化亜鉛と窒化物を主たる成分とする材料からなることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【請求項8】 第2と第3の誘電体層が、ZnSとSiO2 の混合膜からなり、SiO2 の配合比率が5〜40mol%であることを特徴とする請求項1記載の光記録媒体。
【請求項9】 透明基板の一方の面に、第1の誘電体層、光を吸収し情報の書き込み及び消去をする記録層、第1の誘電体層と同一材料からなる第2の誘電体層、反射層を順次形成した光記録媒体であって、前記第1、第2の誘電体は膜厚方向に成分組成の分布勾配が設けられていることを特徴とする光記録媒体。
【請求項10】 第1、第2の誘電体層が、前記記録薄膜層より遠ざかる方向にその構成成分である酸化物の分布率を増加させ、前記透明基板との境界面近傍と反射層との境界面近傍において実質上100%の分布率をもつように分布勾配が設けられていることを特徴とする請求項9記載の光記録媒体。
【請求項11】 第1及び第2の誘電体層の構成成分としての酸化物が、SiO2 であることを特徴とする請求項10記載の光記録媒体。
【請求項12】 第1及び第2の誘電体層が、ZnSとSiO2 の混合膜からなり、SiO2 の配合比率が5〜40mol%であることを特徴とする請求項9記載の光記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、レーザービーム等の光により、情報を高密度、大容量で記録・再生及び消去できる光記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】光記録媒体としての光ディスクは、使用する記録薄膜に応じて追記型ディスクと、書換型ディスクとに分類される。追記型ディスクは記録再生が可能であるが、一度データを書き込むと消去するこができず、再度データを書き込むことはできない。これに対し、書換型ディスクは同一のデータ領域に何度もデータを書き換えることが可能である。
【0003】追記型ディスクは、レーザー光の照射によって記録薄膜にデータを記録し、記録薄膜からの反射光量の変化をフォトダイオードによって検出することによりデータを再生するものである。ここで使用される記録薄膜は、Teと、TeO2 を主成分とするTeOx (0<x<2.0)成分とからなる薄膜であり、レーザー光の照射によって膜温度が上昇することにより、その状態が非晶状態(アモルファス状態)から結晶状態に変化するものである。この現象を利用してデータの記録が行われる。一方この記録薄膜は、逆に結晶状態からアモルファス状態へ変化することはできない。従って、追記型ディスクでは記録再生は可能であるが、書換(オーバーライト)を行うことはできない。
【0004】他方、書換型ディスクとしては、光磁気記録ディスクと相変化記録ディスクが主流である。光磁気記録ディスクにおいては、記録薄膜として希土類遷移金属からなる非晶質合金膜(アモルファス合金膜)である磁性薄膜が用いられる。ここに、磁性薄膜ではレーザ光が照射された部分において膜温度が上昇し、保磁力が減少する。このため、かかる磁性薄膜に弱い外部磁界を与えた場合、その部分が磁化反転を起こし、スポット状の磁区となって保持される。従って、この現象を利用することによってデータの記録が行われている。また再生にあたっては、磁化の向きによりレーザー光の偏光面が回転するため、かかる現象を利用し、記録時よりは弱いパワーのレーザー光を磁性薄膜に照射し、レーザー光の偏光面の変化状態を検出することにより行われている。なお、レーザー光における偏光面の変化状態については、検光子(直線偏光板)と呼ばれる偏光面回転を光強度の変化に替える素子を用いることによって検出される。一方、磁化反転した上記スポット状磁区については、強い磁界を与えることによって元の状態に戻すことができるため、書換が可能となる。
【0005】また、記録ディスクは通常円盤形状をなし、これを回転させて使用するものであるが、相変化記録ディスクにおいては、記録薄膜を予め結晶化させておき、これに対し約1μmに絞ったレーザー光を情報に対応させて強度変調させ、照射している。この場合、ピークパワーレーザー光照射部位は記録薄膜の融点以上に加熱・融解され、その後急冷される。こうすることにより、記録薄膜上には非晶質化したマークが形成される。そこで、かかるマークを記録マークとして情報の記録が行われることになる。
【0006】また、この記録薄膜上に形成された非晶質状態の記録マークに対し、同じくレーザー光を照射し、そのガラス転移点(融点よりは低い)以上の結晶化し易い温度に加熱して所定の時間を保つと、結晶化が行われる。こうすることにより、記録マーク即ち、既記録信号情報が消去される。なお、再生にあたっては、上記追記型ディスクと同様に、記録薄膜からの反射光量の変化をフォトダイオードで検出して行われる。
【0007】ところで、記録・再生及び書換が可能な相変化記録ディスクにおいては、図3のような構成が一般的である。すなわち、基板1の上に順に、誘電体層12、記録薄膜3、誘電体層13、反射層6、接着剤層7、保護板8が形成されてなるものである。その記録薄膜3の材料としては、S.R.オブシンスキー氏等が提案したGe15Te81Sb2 2 等カルコゲン材料や、As2 3 、As2 Se3 或いはSb2 Se3 等カルコゲン元素と周期律表第V族若しくは第IV族の元素等の組合せからなる材料が広く知られている。
【0008】また上述したように、記録薄膜は加熱及び冷却が頻繁に繰り返されるものであるから、通常その上下面には耐熱性の優れた誘電体12、13からなる保護層が設けられている。従って、かかる保護層の熱伝動特性によって記録薄膜における昇温・急冷・徐冷特性が変化するため、その材質や層構成を選ぶことにより記録・消去特性を向上させることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、相変化記録方式による書換型ディスクを使用する場合には、記録・消去が繰り返し行われるため、記録薄膜における相変化回数が極めて多くなり、情報読取りに必要な信号品質が変動するという不具合が発生する。これは、レーザー光からなる記録スポット光及び消去スポット光の照射により、記録薄膜が400℃以上に急速に加熱され、しかる後急速に冷却されるという厳しい熱的操作が繰り返されるため、記録薄膜自身及びその上下面に設けた保護層が熱損傷を受けることに加え、かかる保護層が膨張・収縮を繰り返し、脈動することにより、記録薄膜の膜厚変化を引起し、記録状態を不均一にするためである。
【0010】上記不具合を解消するために、従来記録薄膜の膜厚を薄くしてその熱容量を小さくすると共に、その上下面に設けた保護層の膜厚を厚くすることにより、機械強度を強くした所謂厚膜構成が提案されている。
【0011】しかしながらこのような対策案では、その厚膜構成のため、多数回の記録・消去の繰り返しによって、かえって保護層に熱が籠もるという現象を招くこととなり、結局その熱が原因して信号品質の劣化を引き起こしてしまうという課題がある。
【0012】本発明は、このような従来の光記録媒体の課題を考慮し、記録・消去特性が良好であり、しかも繰り返し特性の安定した光記録媒体を提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1の本発明は、透明基板の一方の面に第1の誘電体層、第2の誘電体層、光を吸収し情報の書き込み及び消去をする記録層、第3の誘電体層、第4の誘電体層、反射層を順次形成した光記録媒体であって、前記第1の誘電体層は、前記第2の誘電体層より低線膨張の材料で構成され、また、前記第4の誘電体層は、前記第3の誘電体層より低線膨張の材料で構成されている光記録媒体である。
【0014】また、請求項2の本発明は、第1、第4の誘電体層が酸化物、窒化物または炭化物からなり、3×10-6-1以下の線膨張係数を有する材料からなることを特徴としている。
【0015】また、請求項3の本発明は、第3の誘電体層と第4の誘電体層の膜厚の和が40nm以下であって、第1と第2の誘電体層の和の膜厚よりも薄いことを特徴としている。
【0016】また、請求項4の本発明は、第3の誘電体層の膜厚が10nm以下であることを特徴としている。
【0017】また、請求項5の本発明は、第1の誘電体層の膜厚が50nm以下であって、第2の誘電体層の膜厚よりも薄いことを特徴としている。
【0018】また、請求項6の本発明は、第1、第4の誘電体層が、SiO2 材料からなることを特徴としている。
【0019】また、請求項7の本発明は、第2及び第3の誘電体層が、金属のカルコゲン化亜鉛と酸化物、または金属のカルコゲン化亜鉛と窒化物を主たる成分とする材料からなることを特徴としている。
【0020】また、請求項8の本発明は、第2と第3の誘電体層が、ZnSとSiO2 の混合膜からなり、SiO2 の配合比率が5〜40mol%であることを特徴としている。
【0021】また、請求項9の本発明は、透明基板の一方の面に第1の誘電体層、を吸収し情報の書き込み及び消去をする記録層、第2の誘電体層、射層を順次形成した光記録媒体であって、前記第1、第2の誘電体が膜厚方向に成分組成の分布勾配を設けたことを特徴としている。
【0022】また、請求項10の本発明は、第1、第2の誘電体層が、記録薄膜層より遠ざかる方向にその構成成分である酸化物の分布率を増加させ、透明基板との境界面近傍と反射層との境界面近傍において100%の分布率をもつように分布勾配を設けたことを特徴としている。
【0023】また、請求項11の本発明は、第1及び第2の誘電体層の構成成分としての酸化物が、SiO2 であることを特徴としている。
【0024】また、請求項12の本発明は、第1及び第2の誘電体層が、ZnSとSiO2 の混合膜からなり、SiO2 の配合比率が5〜40mol%であることを特徴としている。
【0025】
【作用】上記請求項1〜8の本発明によれば、第2の誘電体層よりも第1の誘電体層が低線膨張の材料を用い、第3の誘電体層よりも第4の誘電体層が低線膨張の材料を用いているので、記録、消去時の記録膜の熱による誘電体層2、3の変形を抑制する。
【0026】また、上記第2及び第3の誘電体層は、熱伝動率の低い金属のカルコゲン化物であるカルコゲン化亜鉛と酸化物或いは窒化物を主たる成分とする材料で形成されているか又は、ZnSとSiO2 (SiO2 の配合比率は5〜40mol%)の混合膜から形成されている。従って、記録薄膜層は第2及び第3の誘電体層に挟まれ、その熱変化特性即ち、記録感度を調整される。
【0027】一方、上記第3の誘電体層と第4の誘電体層の膜厚の和は、第1、第2の誘電体層の膜厚の和よりも薄く、40nm以下に形成されている。従って、記録薄膜層と反射層との離隔距離はより接近し、記録・消去に伴って記録薄膜層で発生した熱は速やかに反射層に伝達され除去される。
【0028】また、第3の誘電体層の膜厚は更に第4の誘電体層の膜厚よりも薄く、10nm以下に形成されていると共に、上記第4の誘電体層は、第3の誘電体層に比べて、より小さい線膨張係数(3×10-6-1以下の線膨張係数)を有する材料である酸化物、窒化物、炭化物材料或いはSiO2 材料により形成されている。従って、記録薄膜に接する第3の誘電体層の熱変形(熱膨張及び収縮)を第4の誘電体層が抑制すると共に、記録薄膜で発生した熱は第3の誘電体層を介して第4の誘電体層に伝達された後、速やかに第4の誘電体層に接する反射層に伝達され除去される。
【0029】また、基板と第2の誘電体層の間にも低線膨張係数(3×10-6-1以下の線膨張係数)を有する材料である酸化物、窒化物、炭化物材料或いはSiO2 材料により第1の誘電体層が形成されている。従って、記録薄膜に接する第2の誘電体層の熱変形(熱膨張及び収縮)を第1の誘電体層が抑制すると共に、記録薄膜で発生した熱は第の2誘電体層を介して第1の誘電体層に伝達され速やかに除去される。このため基板の熱変形を抑制できる。
【0030】上記請求項9〜12の本発明によれば、前記第1、第2の誘電体が膜厚方向に成分組成の分布勾配を設けている。
【0031】また、ここで使用される第1及び第2の誘電体層は、熱伝動率の低い金属のカルコゲン化物であるカルコゲン化亜鉛とSiO2 等の酸化物或いは窒化物を主たる成分とする材料で形成されているか又は、ZnSとSiO2 (SiO2 の配合比率は5〜40mol%)の混合膜から形成されている。
【0032】すなわち、言い替えれば、第1、第2の誘電体層については、膜厚方向にその成分組成の分布勾配が設けられている。具体的には、ZnSとSiO2 を構成成分として、記録薄膜層より遠ざかる方向にSiO2 の分布率が増加し、基板と反射層とのそれぞれの境界面近傍においてその分布率が100%となるように連続した分布勾配が設けられている。このため、TeとGeとSbの3成分を含有する記録薄膜との境界近傍における第1、第2の誘電体層では、同様な成分からなるZnSがリッチ状態となり、逆に記録薄膜層より遠ざかるにつれ、線膨張係数の小さなSiO2 がリッチ状態となる。従って、記録・消去に伴って記録薄膜層で発生する熱により熱変形を起こすことが緩和され、疲労破壊が起こりにくくなる。また、分布勾配を変化させることにより、記録感度を調整することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。
【0034】図1は、本発明に係る光記録媒体の一実施例の構成を示す縦断面図である。この光記録媒体は、図に示すように多層構造をなし、矢印Aで示す方向より、情報に応じて強度変調を施したレーザー光の照射を受け、記録・消去及び再生が行われるものである。すなわち、矢印Aで示す方向に、下方よりポリカーボネイト樹脂等の透明樹脂材料からなる基板1、SiO2 からなり膜厚が約30nmの第1の誘電体層9、その上に膜厚が約150nmであって、耐熱性の優れたZnS−SiO2 の混合膜からなる第2の誘電体層2、膜厚が約30nmであって、Te−Ge−Sbからなる記録薄膜層3、膜厚が約10nmであって、第2の誘電体層2の材料と同じ材料からなる第3の誘電体層4、膜厚が約20nmであって、第1の誘電体層9と同一材料のSiO2 からなる第4の誘電体層5、膜厚が約150nmであってAl合金からなる反射層6、接着剤層7、保護板8とが積層状態に形成されている。
【0035】ここで、第1、第4の誘電体層9、5は、第2、第3の誘電体層2、4よりも低線膨張の材料で出来ている。それによって、SiO2 からなる第1の誘電体層9は記録、消去時の熱による基板1、第2の誘電体層2の変形を抑制でき、また第4の誘電体層5は第3の誘電体層4の熱変形を抑制する。
【0036】なお、基板1については、予めレーザー光案内用の溝を形成した樹脂基板であるか又は2P法で溝を形成したガラス板基板であるか或いはガラス板に直接溝を形成したガラス板基板であってもよい。
【0037】また、第2の誘電体層2、記録薄膜層3、第3の誘電体層4、第1の誘電体層9及び第4の誘電体層5、反射層6の形成方法については、真空蒸着法か或いはスパッタリング法が用いられる。
【0038】(実験例)
(1)第3の誘電体層4及び第4の誘電体層5の膜厚について:第3の誘電体層4の膜厚については、3〜15nmの範囲において、記録感度が及びサイクル特性が良好であった。さらに好ましくは5〜10nmの範囲が良い。
【0039】また、第4の誘電体層5としてSiO2 を使用した場合の膜厚については、15〜30nmの範囲が適当であった。即ち、膜厚を15nm以下とした場合には、記録・消去に伴って第3の誘電体層4が熱膨張及び収縮して変形を抑制する効果が小さく、さらに記録薄膜3と反射層6との距離が近くなるために記録薄膜3の熱が逃げ易くなり記録感度が下がるため良くない。逆に、膜厚を30nm以上とした場合には、記録薄膜3と反射層6との距離が遠くなるために記録薄膜3の熱が逃げにくくなり記録・消去に伴って第4の誘電体層5の部分で熱が籠もってしまい、サイクル特性が劣化した。
【0040】更に、第3及び第4の誘電体層4、5の膜厚の和を約40nmとした場合は、反射層6への熱伝達が良好であり、記録薄膜3を急冷するに効果的であった。具体的には記録不良が起こらなかったので、ノイズの発生がなかった。
(2)第1の誘電体層9の膜厚について:低線膨張率のSiO2 を用いた第1の誘電体層9の膜厚については、10〜50nmの範囲において、さらに好ましくは20〜30nmの範囲がサイクル特性が良好であった。また、第2の誘電体層2の膜厚については、130〜200nmの範囲が適当であった。さらに好ましくは150〜180nmがよい。
(3)第2及び第3の誘電体層2、4を形成するZnS−SiO2 混合膜におけるSiO2 の配合比率について:5mol%以下にした場合には、結晶粒径を小さくする効果が薄れてしまった。また、40mol%以上にした場合には、SiO2 膜の性質が大きくなり、膜強度が十分ではなくなってしまった。従って、SiO2 のモル分率については、5〜40mol%の範囲にするのが適当であると言える。
(4)オーバライト特性について:本実施例で示す光記録媒体(外径130mm)を、回転数1800rpm、線速度8m/secのところで、fl=3.43MHzの信号及びf2=1.25MHzの信号のオーバーライト特性を測定した。なお、オーバーライトは、1個のサークルスポットで約1μmのレーザー光により、高いパワーレベル16mW、低いパワーレベル8mWの間の変調で、高いパワーレベルで非晶質化記録マークを形成し、低いパワーレベルで非晶質化記録マークを結晶化して消去する同時消録方法で行った。
【0041】その結果、記録信号のC/N比(ノイズの評価尺度のこと)として、55dB以上の値が得られた。また、オーバライト消去率として30dB以上の値が得られ、従来の光記録媒体に比べて記録消去特性が向上した。
【0042】更に、オーバーライトのサイクル特性については、ビットエラー・レイト特性を測定した結果、106 サイクル以上において劣化が見られなかった。
【0043】図2は、光記録媒体の構成の第2の実施例を示す縦断面図である。なお、図1で示す同一構成要素については同一番号で示す。図1との相違点は、記録薄膜層3を挟んでいる第2、第3の誘電体層10、11の膜厚を大きくし、更にZnSとSiO2 の組成比を膜厚方向に連続的に変化させ、事実上、上記第1、第4の誘電体層9、5の役割を果たす部分を形成させている点である。具体的には、記録薄膜層3と接する界面ではZnSを80%とし、SiO2 を20%としてある。また、基板1、反射層6との界面においてはSiO2 を100%となるように形成してある。もちろん、このような組成に限定されるものではなく、その組成比を変えることによって記録薄膜層3の熱伝動率を制御することができる。即ち、記録感度を調整することができることになる。なお、この実施例においても実験の結果、上述したオーバーライト特性を満足することが確認できた。
【0044】なお、上記実施例では、第1と第4の誘電体層は、第2と第3の誘電体層より低線膨張の材料で構成されていたが、本発明は、これに限らず、第1の誘電体層は、第2の誘電体層より低線膨張の材料で構成され、あるいはまた、第4の誘電体層は、第3の誘電体層より低線膨張の材料で構成されているものであればよい。
【0045】
【発明の効果】以上述べたところから明らかなように、本発明によれば、記録薄膜層の上下に設けた誘電体層が記録・消去に伴って熱膨張及び収縮する脈動現象がなくなるので、記録薄膜層がディスク回転方向案内溝に沿って移動する物質移動現象が大幅に抑制される。このため、記録薄膜層における厚さムラが無くなり、信号品質の劣化を防止することが可能となる。その結果、記録・消去の繰り返し特性が格段に向上する。
【0046】また、記録薄膜層と反射層との間に設けた誘電体層の厚みを薄くすることにより、記録薄膜層の急冷効果が顕著に向上するため、均一な非晶質化、即ち、均一な記録マークの形成が可能となる。従って、光記録媒体における記録並びに消去特性が極めて良好となる。その結果、106 回以上の書換にも対応できる耐久性の優れた光記録媒体を得ることが可能となる。




 

 


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