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発明の名称 磁気記録媒体の製造方法
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−37242
公開日 平成7年(1995)2月7日
出願番号 特願平5−181404
出願日 平成5年(1993)7月22日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】石原 勝
発明者 後藤 良樹
要約 目的
磨耗が少なく、安定した記録・再生特性が得られる高C/N特性の金属薄膜型磁気テープの提供。

構成
非磁性材からなるベースフィルム1上に磁性金属薄膜2、保護膜としての薄膜カーボン層3および潤滑剤層4を順次に積層して磁気テープ8を形成する。一方向に回転する回転体6の表面上の研磨剤層(研磨テープ7)に磁気テープ8の潤滑剤層4を摺動させる。磁気テープ8は回転体6を屈曲点とするヘ字状の走行路を回転体6の回転に逆らう方向に走行して研磨剤層に当接する。潤滑剤層4は研磨処理後に積層形成してもよい。
特許請求の範囲
【請求項1】 非磁性材からなるベースフィルム上に磁性金属薄膜、保護膜としての薄膜カーボン層および潤滑剤層を順次に積層して磁気テープを形成する段階と、一方向に回転する回転体の表面上の研磨剤層に磁気テープの潤滑剤層を摺動させて研磨処理を施す段階とからなり、前記磁気テープは前記回転体を屈曲点とするヘ字状の走行路を前記回転体の回転に逆らう方向に走行して前記研磨剤層に当接することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
【請求項2】 非磁性材からなるベースフィルム上に磁性金属薄膜および保護膜としての薄膜カーボン層を順次に積層して磁気テープを形成する段階と、一方向に回転する回転体の表面上の研磨剤層に磁気テープの薄膜カーボン層を摺動させて研磨処理を施す段階と、研磨処理後の磁気テープの薄膜カーボン層上に潤滑剤層を積層する段階とからなり、前記磁気テープは前記回転体を屈曲点とするヘ字状の走行路を前記回転体の回転に逆らう方向に走行して前記研磨剤層に当接することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、VTR等に使用されるテープ状の磁気記録媒体、とくに金属薄膜型の磁気記録媒体の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、金属薄膜型の磁気記録媒体は図11に示すように、非磁性材からなるベースフィルム1上に順次に積層された磁性金属薄膜2、保護膜としての薄膜カーボン層3および潤滑剤層4を有し、背面にバックコート層5を有している。磁性金属薄膜2は直接めっき法、スパッタリング法、真空蒸着法またはイオンプレーティング法等によって形成され、薄膜カーボン層3はプラズマCVD法等によって形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】かかる金属薄膜型の磁気記録媒体は、高密度記録ができる反面、デッキ走行時に磁気ヘッドに接触することによって、ミクロ的な摩耗を生じやすく、磁気ヘッド面のギャップ近傍の部材にも摩耗を生じさせる。このような磨耗は、磁気記録媒体の記録密度をより一層高めるべく薄膜カーボン層3を比較的薄く形成した場合に顕著となり、磁気テ−プ表面の微細な突起に削れや変形を生じて、C/N特性に低下をきたし、所期の記録・再生特性を安定に得ることができなくなる。
【0004】したがって本発明の目的は、高密度記録の長所を損なうことなく平滑な磁気テープ表面が得られ、磨耗が少なく常に安定した記録・再生特性が得られる高C/N特性の金属薄膜型磁気記録媒体の製造方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は上述した目的を達成するために、非磁性材からなるベースフィルム上に磁性金属薄膜、保護膜としての薄膜カーボン層および潤滑剤層を順次に積層して磁気テープを形成する段階と、一方向に回転する回転体の表面上の研磨剤層に磁気テープの潤滑剤層を摺動させて研磨処理を施す段階とからなり、前記磁気テープは前記回転体を屈曲点とするヘ字状の走行路を前記回転体の回転に逆らう方向に走行して前記研磨剤層に当接することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法が提供される。
【0006】また、非磁性材からなるベースフィルム上に磁性金属薄膜および保護膜としての薄膜カーボン層を順次に積層して磁気テープを形成する段階と、一方向に回転する回転体の表面上の研磨剤層に磁気テープの薄膜カーボン層を摺動させて研磨処理を施す段階と、研磨処理後の磁気テープの薄膜カーボン層上に潤滑剤層を積層する段階とからなり、前記磁気テープは前記回転体を屈曲点とするヘ字状の走行路を前記回転体の回転に逆らう方向に走行して前記研磨剤層に当接することを特徴とする磁気記録媒体の製造方法が提供される。
【0007】
【作用】本発明によると、磁性金属薄膜を覆う保護膜としての薄膜カーボン層またはこの薄膜カーボン層を覆う潤滑剤層を単に摺動研磨するのではなく、表面に研磨剤層を有する回転体の回転に逆らう方向に磁気テープを走行させるとともに、前記回転体を屈曲点とするへ字状のテープ走行路となすので、比較的簡単な摺動研磨処理でありながら、磁気ヘッドに偏摩耗を生じさせる恐れのない平滑表面を備えた高C/N特性の磁気テープを効率よく製作することが可能となる。
【0008】
【実施例】図1に示すように、ローラ状の回転体6の表面上に張架されている研磨テープ7は、その研磨剤層を表面にして回転体6とともに一方向に回転する。このため、回転体6の表面上に研磨剤層ができる。一方、磁気テープ8は図11に示した断面形状と同様の断面形状を有し、回転体6の回転に逆らう方向に走行する。すなわち、磁気テープ8はその潤滑剤層4を回転体6上の研磨剤層に当接させて、回転体6を屈曲点とするへ字状の走行路を走行する。
【0009】磁気テープ8のベースフィルム1としては、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンナフタレ−トまたは塩化ビニル等の高分子材料を用いることができる。ヤング率、伸縮性・膨張率などの強度、熱物性、表面平滑性、入手の容易さおよびコスト等を勘案すると、ポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレートの使用が好ましい。
【0010】磁性金属薄膜2を形成する強磁性材としては、Fe、CoおよびNiの少なくとも1種を含む金属または合金を用いることができる。添加材としてはMn、Cr、Ti、P、Y、Sm、Biのほか、これらの酸化物を用いることができる。とりわけ、Co、CrおよびNiの少なくとも1種の元素を用いて形成された磁性金属薄膜は、すぐれた磁気異方性を示し、耐食性の面でもすぐれている。
【0011】磁性金属薄膜2は、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法または直接めっき法等を適用して、ベースフィルム1の表面上に積層形成される。磁性金属薄膜2はその総厚が0.2μmを越えない範囲で2層または3層に積層形成することができる。下層と上層との積層方向などに制約はない。
【0012】薄膜カーボン層3は、プラズマCVD法を適用して形成される。メタンまたはエタン等の低級炭化水素類と窒素ガスとを導入した雰囲気中で、磁性金属薄膜2上にC−N結合を含むカ−ボン層が形成される。このカ−ボン層はプロセス条件によって種々の状態に生成されるが、耐スクラッチ性や、潤滑剤層4の生成処理等を勘案すると、アモルファス状態の膜構造であるのが好ましい。層厚は使用する走行デッキの部材によっても左右されるが、耐スチル特性での磨耗性、スペ−シングロスを勘案すると、50Å〜100Åであるのが好ましい。
【0013】潤滑剤層4としては、常用の低分子潤滑剤を使用することができる。耐温度・湿度、耐保存性および薄膜カーボン層3との結合力などの面からは、長鎖アルキルシランの使用が好ましい。すなわち、γ−(N、N−ジオクタデシルスクシニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、γ−(N−ヘプタデシルスクシニルアミノ)プロピルトリエトキシシランまたはγ−[N−トリス(ヘプタデシルオキシメチル)メチルスクシニルアミノ]プロピルトリエトキシシランのアルキル鎖が2ないし3に分岐した長鎖アルキルシランの使用が、カ−ボン層との結合性、被覆性、とり扱いおよびコスト等の面から好ましい。
【0014】バックコ−ト層5としては、主としてウレタン、イソシアネ−ト、カ−ボン、研磨材等を混合した塗料たる熱硬化性樹脂が用いられる。
【0015】上述のように構成された磁気テープ8は、図1に示すへ字状の走行路を走行する過程において、その潤滑剤層4が回転体6の表面上の研磨剤層に摺動して研磨処理を受ける。回転体6に対する磁気テープ8の巻角θが適切であれば、磁気テープ8の表面を効率よく平滑に仕上げることができ、偏磨耗による出力低下を生じることのない高C/N特性の磁気記録媒体を得ることができる。
【0016】第1の実施例として、ベースフィルム1に厚み6.3μm、幅200mmのポリエチレンテレフタレ−ト(PET)を用いた。その表面上に総厚みが0.15μmの2層構造の磁性金属薄膜2を蒸着によって積層形成した。第1層はCoOを素材とし、第2層はCoCrを素材とする。蒸着条件は下表に示すとおりである。
【0017】
【表1】

【0018】つぎに、プラズマCVD法を適用して保護膜たる薄膜カーボン層3を積層形成した。このプロセスではメタンを原料ガスとし、アルゴンガスを同時に導入した。ガスの混合比はCH4:Ar=0.2:0.05(Torr比)で、真空度は1×10-4、基板温度は17℃であった。また、直流電圧700V、直流電流250mA、テ−プ走行速度は3m〜4m/分とした。得られた薄膜カーボン層3の層厚は60Åで、表面粗さはSTM分析で20〜30nmの範囲内にあった。
【0019】ついで、γ−(N、N−ジオクタデシルスクシニルアミノ)プロピルトリエトキシシランを800ppm溶解させた溶液を塗布して潤滑剤層4を形成した。その後、ウレタン等の熱硬化性樹脂を含む塗料を用いて厚み0.4μm〜0.5μmのバックコ−ト層5を形成した。このコ−ティングにはマイクログラビア法を適用した。テ−プ走行速度は10m/分であった。
【0020】以上のようにして作製した磁気記録媒体を8mm幅のテープに裁断し、カセットに納めて約20分長で走行試験をした。
【0021】つぎに、この磁気テープに図1に示す要領で研磨処理を施した。使用した研磨テ−プ7は15000メッシュのFeO2 の研磨剤層を有している。巻角θを90〜135度の範囲内で変えた試料(試料1、試料2および試料3)を研磨処理前の試料(試料4)と比較した。
【0022】デッキ走行の評価は8mm走行系で行った。ここで使用した磁気ヘッドはMIG型のもので、そのトラック幅は10μm、ギャップ長は0.2μm、コイルは20ターンであった。市販の8mmデッキ(図中の●印)も使用した。また、摩擦係数(μk )の変化も測定した。この測定装置には、バウデン・テ−バ−型の摩擦係数計(協和界面科学社の品番DF−PM)を用いた。摩擦子としては10mm角のステンレス製端子を用いた。荷重20gf、往復速度1mm/秒、ストロ−ク長20mmである。
【0023】図2は巻角θに対する摩擦係数および相対出力の関係を示す特性図である。ここで、μk1は初期値、μk50 は50回摩擦をくり返したのちの測定値を示す。これより分かるように、研磨処理を施していない試料4(Vir)では、初期出力の低下が大きく、市販の8mmデッキでの下げ幅は2dBに近い下げ値である。また、図中に〇印で示す7MHZ (記録電圧100mV)での初期出力は約3dBの下げ幅である。一方、摩擦係数は初期値0.2から約0.25に上昇している。
【0024】これに対し、摺動研磨処理を施した試料1(θ=90度)や試料3(θ=135度)では、試料4に比べて出力低下の抑制が認められるものの、7MHz での測定では、ともに2dBに近い出力低下がみられる。また、研磨処理によって表面の潤滑剤層が減少したこともあって、摩擦係数が大きく上昇している。
【0025】しかし、巻角θを120度として研磨処理した試料2では、1dB強の出力低下に抑えられており、市販デッキによる場合は1dB未満に抑えられている。また、ラフネスと潤滑剤層との作用によって、摩擦係数は初期値とほとんど変わっていない。
【0026】以上のことから、金属薄膜型磁気記録媒体の製造においては、研磨処理を適切に施せば出力低下を抑制でき、摩擦特性のすぐれた磁気テ−プを提供し得ることがわかる。
【0027】第2の実施例では、ベースフィルム1として厚み6.3μmのポリエチレンナフタレート(PEN)を用い、その表面上に総厚みが0.13μmの3層構造の磁性金属薄膜2を蒸着によって積層形成した。3層の素材はすべてCoOである。最大表面粗さは15nm〜30nmの範囲内にあった。このベースフィルム1の表面上に薄膜カーボン層3、潤滑剤層4およびバックコ−ト層5を第1の実施例におけると同様の条件で積層形成し、供試磁気テープを得た。そして、この磁気テープに研磨処理を施した。
【0028】20000メッシュFeO2 の研磨剤層を有する研磨テープを用いて研磨処理した試料(試料5、6)と、10000メッシュCrO2 の研磨剤層を有する研磨テ−プを用いて研磨処理した試料(試料7、8、9)とのそれぞれにつき、巻角θの適正値を調べた結果を図3ないし図8に示す。評価方法は第1の実施例におけると同じである。
【0029】試料5では図3に示すように、巻角θが120度の近傍で出力低下が少ない。市販デッキを使用した場合を含めて、7MHz での相対出力低下が1dB以内に抑制されている。また、巻角θを120度に設定したときの摩擦係数が経時的に安定していることがわかる。そのうえ、図4の(a)に示すように、信号のエンベロ−プ(ほう絡線)も、摺動研磨処理しない試料(b)に比べて平坦化している。
【0030】試料6の測定結果を示す図5をみても、巻角θが120度の近傍において良好な再現性が得られている。試料7の測定結果を図6に、試料8の測定結果を図7に、そして、試料9の測定結果を図8にそれぞれ示す。試料7〜9では研磨剤の粒径が比較的大きいので、摩擦係数の増加が比較的大きい。これは、研磨処理後潤滑剤層4を再形成することによって解決できる。
【0031】第3の実施例では、試料7の群のうち、巻角θを120度に設定して研磨処理したものに対し、γ−(N、N−ジオクタデシルスクシニルアミノ)プロピルトリエトキシシランを200ppm溶解させた溶液を塗布した(試料10)。この場合、図9に示すように出力低下の抑制効果を損なうことなく摩擦係数の増加を激減させ得、50pass後も初期値とほとんど変わることなく推移することがわかる。このことは、安定した走行性を得ることができるのみならず、高C/N特性が得られることを意味する。
【0032】試料10を市販の8mm幅磁気テ−プと比較するために、デッキ上で長期にわたり連続走行試験を行った。その結果は図10に示すように、100回くりかえし走行後の特性(a)は初期特性(b)に比べてほとんど劣化のないシリンダ−負荷特性が得られ、市販の磁気テ−プよりも大きい再生信号が得られることがわかった。
【0033】
【発明の効果】以上のように本発明によると、金属薄膜型磁気テープを特定の巻角で摺動研磨処理するラフネスの均一化により、磁気ヘッドの摩耗による出力低下の抑制と、くりかえし走行しても安定した記録・再生特性を維持できる高C/Nの磁気テ−プを得ることができる。




 

 


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