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発明の名称 磁気記録媒体
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−29162
公開日 平成7年(1995)1月31日
出願番号 特願平5−173096
出願日 平成5年(1993)7月13日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】小鍜治 明 (外2名)
発明者 香月 俊幸
要約 目的
強磁性金属薄膜層の上にCr,Ti,Zrから選ばれる少なくとも1種類の元素を第1の保護層として設け、更にZrと炭素からなる第2の保護層を設けることにより、保護層の剥離をなくす。

構成
非磁性基板6の上に鍍金等によってNiP合金を中間層7として10μmの厚さに設け、この中間層7の上にスパッタリング或いは真空蒸着等によってCoNi合金等からなる強磁性金属薄膜層8を0.05μmの厚さに設け、強磁性金属薄膜層8の表面にArガスの雰囲気でスパッタリングによってCr,Ti,Zrから選ばれる少なくとも1種類の元素からなる第1の保護層9を設け、更に、第1の保護層9の上にArガスとO2 ガスとからなる雰囲気でZrCをターゲットとしたスパッタリングによってZrと炭素からなる第2の保護層10を設け、第2の保護層10上に潤滑層11を設けた。
特許請求の範囲
【請求項1】 強磁性金属薄膜層の上にCr,Ti,Zrのうち少なくとも1種類の元素からなる第1の保護層を設け、前記第1の保護層の上にZrと炭素の化合物からなる第2の保護層を設け、前記第1の保護層と前記第2の保護層の厚みの和が0.05μm以下で、且つ、前記第1の保護層の厚みを0.006μm〜0.045μm、前記第2の保護層の厚みを0.005μm〜0.044μmにしたことを特徴とする磁気記録媒体。
【請求項2】 第2の保護層はZrと炭素がそれぞれ5〜95原子量%であることを特徴とする請求項1記載の磁気記録媒体。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、情報産業分野等で利用される高密度磁気記録の磁気記録媒体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの外部記録装置は軽薄短小の市場の要請に沿って開発が進められている。このような外部記録装置に用いられる磁気記録媒体には、磁気記録媒体の磁気記録層を強磁性金属薄膜とする金属薄膜型が、塗布型に比べて磁束密度が大きく、かつ薄型、保持力が大きいために高密度磁気記録に適している。ところで、磁気記録媒体を用いた外部記録装置では、停止した状態で磁気記録媒体に磁気ヘッドが接触しており、回転の開始時と停止時に、磁気記録媒体に磁気ヘッドが摺動を行うコンタクト・スタート・ストップ(以下、CSSと呼ぶ)方式が主流をなしている。従って、金属薄膜型磁気記録媒体には、強磁性金属薄膜に直接磁気ヘッドを摺動させないように強磁性金属薄膜の表面に保護層を設け、保護層の上に潤滑層が設けられている。
【0003】以下、従来の金属薄膜型磁気記録媒体について説明する。図2は従来の磁気記録媒体の断面図である。図において、1は非磁性のアルミニウム合金等の基板、2は基板1の上に設けられたNiPからなる中間層、3は中間層2の上に設けられたCoNi或いはCoCr等からなる強磁性金属薄膜層、4は強磁性金属薄膜層3の上に設けられた炭素膜からなる保護層、5は保護層4の上に設けられた有機系のフオンブリンからなる潤滑層である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来の磁気記録媒体では、強磁性金属薄膜層3を構成する強磁性金属と保護層4を構成する炭素膜との熱膨脹率の差が大きい両者を接合している。このように接合した接合面が使用するにつれて膨脹収縮を繰り返した時に、強磁性金属薄膜層3と保護層4との歪みが大きいので接合面の付着力が低下する。又、磁気ヘッドの摺動によって保護層4上の潤滑層5が消耗、消滅して潤滑性が劣化する。潤滑性が劣化すると潤滑性は保護層4の滑性に依存する。しかしながら、保護層4の滑性がもともと良くないので潤滑性が劣化する。このように保護層4表面の潤滑性が劣化し、しかも、強磁性金属薄膜層3と保護層4との付着力が低下した状態で使用すると保護層4に亀裂が生じ、強磁性金属薄膜層3と保護層4との接合面から保護層4が剥離し脱落する。このように保護層4が剥離脱落すると強磁性金属薄膜層3が露出するので磁気ヘッドの摺動によって強磁性金属薄膜層3が損傷され、磁気記録されたデータの再生出力が低下するという問題点がある。
【0005】本発明は上記の問題点を解決するもので、保護層の付着の耐久性を向上させた磁気記録媒体を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するために本発明の磁気記録媒体は、強磁性金属薄膜層の上にCr,Ti,Zrのうち少なくとも1種類の元素からなる第1の保護層を設け、前記第1の保護層の上にZrと炭素の化合物からなる第2の保護層を設けた。
【0007】
【作用】この構成によって、強磁性金属薄膜層から第1の保護層が剥離しにくくなり、第2の保護層によって潤滑性を悪くするようなことはない。
【0008】
【実施例】以下本発明の一実施例について図を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施例における磁気記録媒体の断面図である。図において、6は非磁性の基板、7は中間層、8は強磁性金属薄膜層、9は第1の保護層、10は第2の保護層、11は潤滑層である。
【0009】本発明による磁気記録媒体の形成方法について説明する。アルミニウム合金からできた直径3.5インチの基板6の上に、先ず、蒸着或いは鍍金等によってNiPからなる中間層7を10μmの厚みに形成する。この中間層7の上にスパッタリング、或いは真空蒸着等によってCoNiからなる強磁性金属薄膜層8を0.05μmの厚みに形成する。次に、強磁性金属薄膜層8の上にArガスの雰囲気のスパッタリングによって炭素より大きな膨脹係数を有したCr,Ti,Zrのうち少なくとも1種類の元素からなる第1の保護層9を形成する。更に、第1の保護層9の上にArガスとO2 ガスとの雰囲気で第1の保護層9の摩擦抵抗より小さいZrCをターゲットとしたスパッタリングによってZrと炭素の化合物からなる第2の保護層10を形成する。更に、第2の保護層10の上に有機系のフオンブリンからなる潤滑層11を形成する。
【0010】このように形成した磁気記録媒体の試験について説明する。先ず、薄膜磁気ヘッドを用いたCSS動作の試験について説明する。試験に用いた薄膜磁気ヘッドは浮上面に2本のレールが設けられている。それぞれのレールの大きさは幅0.4mm、長さ3.3mmである。このような薄膜磁気ヘッドに9.5gの荷重を加えた状態で浮上面を磁気記録媒体に接触させる。この状態で磁気記録媒体を回転させると摺動しながら5秒間で薄膜磁気ヘッドが浮上する。浮上した状態(周速7m/s)で薄膜磁気ヘッドを5秒間保持した後に、5秒間で磁気記録媒体の回転が減少し浮上した薄膜磁気ヘッドの浮上量が低下し薄膜磁気ヘッドが接触し摺動しながら停止する。このCSS動作のサイクルを1回として、磁気記録媒体はCSS動作を4万回行なった後、磁気ヘッドが摺動した軌跡の剥離と脱落の状態を調べた。
【0011】更に、動摩擦係数の測定について説明する。CSS動作を試験するヘッド支持機構に動摩擦係数計を取り付け、薄膜磁気ヘッドに9.5gの荷重を加えた状態で薄膜磁気ヘッドの浮上面を磁気記録媒体に接触させ、磁気記録媒体を4.3mm/sの速度で走行させて、初期とCSS動作が4万回後とでそれぞれ動摩擦係数を測定する。更に、耐湿試験方法について説明する。CSS動作の試験を行なった磁気記録媒体を温度80℃、湿度90%の恒温槽に240時間放置した後、磁気記録媒体を取り出して磁気ヘッドが摺動した軌跡の腐食の状態を調べた。
【0012】以上のように試験した本実施例の磁気記録媒体の試験結果と従来品の試験結果を(表1)に比較して示している。
【0013】
【表1】

【0014】次に、強磁性金属薄膜層8の上に第1の保護層9をCrで0.02μmの厚みに形成し、その上に第2の保護層10をZrと炭素の化合物で0.02μmの厚みに形成した。このように形成した磁気記録媒体を用いてCSS動作の回数を20万回まで行なった。その際、それぞれの初期状態の磁気記録媒体は周波数1.25MHzの信号を磁気記録する。その後、初期状態の再生出力特性を測定し、それぞれのCSS動作の所定回数で再生出力特性を測定した。更に、前述と同じ条件で磁気記録媒体の動摩擦係数を測定し、その後、磁気記録媒体の磁気ヘッドが摺動した軌跡の剥離と脱落の状態を調べた。その後、耐湿試験をそれぞれ行ない磁気ヘッドが摺動した軌跡の腐食の状態を調べた。その試験結果を(表2)に示している。
【0015】
【表2】

【0016】以下(表1)(表2)の結果について説明する。(表1)でも明らかなように、第1の保護層と第2の保護層の厚みの和が0.05μm以下で、且つ、Cr,Ti,Zrのうち少なくとも1種類の元素からなる第1の保護層の厚みを0.006μm〜0.045μm、その上にZrと炭素がそれぞれ5〜95原子量%で第2の保護層の厚みを0.005μm〜0.044μmに形成すると、CSS動作試験後において剥離や脱落が認められなかった。更に、動摩擦係数は初期状態とCSS動作試験後とでほとんど変化が認められない。又、それらを耐湿試験しても腐食、変色は認められない。
【0017】次に(表2)でも明らかなように、磁気記録媒体はそれぞれのCSS動作の所定回数後で剥離や脱落が認められなかった。更に、磁気記録媒体の再生出力特性は、初期状態に対してCSS動作が20万回後で5%程度の低下であり、十分な出力特性が得られている。更に、動摩擦係数は、CSS動作の20万回後で動摩擦係数が若干増大するもののその値が低い。又、それらを耐湿試験しても腐食及び変化が認められない。
【0018】しかしながら、(表1)の従来品の磁気記録媒体において、CSS動作後になると摩擦抵抗が増大し、保護層に剥離と脱落が発生した。このように剥離と脱落が発生した磁気記録媒体を耐湿試験すると磁気ヘッドが摺動した軌跡に腐食が発生した。
【0019】
【発明の効果】以上のように本発明は、強磁性金属薄膜層上に設けた保護層の剥離脱落が無くなり、磁気記録されたデータの再生出力を安定させた信頼性の高い磁気記録媒体が実現できるものである。




 

 


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