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発明の名称 等化・復号装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−6511
公開日 平成7年(1995)1月10日
出願番号 特願平5−149387
出願日 平成5年(1993)6月21日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】武田 元敏
発明者 太田 潤 / 池谷 章
要約 目的
低域ノイズを取り除くことにより復号誤りを低減し、さらに高密度の記録再生または高レートの伝送を実現する。

構成
入力端101に入力された再生信号は、等化器102で波形干渉が取り除かれる。等化器102の出力は、遅延器103でクロック周期分だけ遅延される。減算器104には、その正入力に等化器102の出力、また負入力に遅延器103の出力がそれぞれ入力され、減算が実行される。減算器104の出力は、遅延器105でクロック周期分だけ遅延される。減算器106には、その正入力に減算器104の出力、また負入力に遅延器105の出力がそれぞれ入力され、減算が実行される。減算器106の出力は復号器107に入力され、復号された復号信号が出力端108に出力される。これにより、低域ノイズを低減することによりS/Nが改善され、復号誤りを減少させることができる。また、同じS/Nに対する誤り率を低減することができる。
特許請求の範囲
【請求項1】 任意の入力データ系列を記録符号または伝送符号とする符号系列を用い、再生または受信により前記符号系列と同一の符号系列からなる信号系列を発生する再生装置または受信装置において、劣化した信号成分を補正するとともに低周波成分が減衰する特性を有する等化手段と、この等化手段の出力と前記信号系列とから状態遷移の確からしさを算出する尤度算出手段と、この尤度算出手段の出力と1つ前の時点での各状態の各々の確からしさを表すメトリックとから現時点での新たなメトリックを算出するメトリック算出手段と、各状態のそれぞれに至る最も確からしい状態遷移に対応するデータ系列を順次更新保持する生き残りデータ保持手段とを有することを特徴とする等化・復号装置。
【請求項2】 任意の入力データ系列を記録符号または伝送符号とする符号系列を用い、再生または受信により前記符号系列と同一の符号系列からなる信号系列を発生する再生装置または受信装置において、劣化した信号成分を補正するとともに低周波成分が減衰する特性を有する等化手段と、この等化手段の出力と前記信号系列と予測雑音とから状態遷移の確からしさを算出する尤度算出手段と、この尤度算出手段の出力と1つ前の時点での各状態の各々の確からしさを表すメトリックとから現時点での新たなメトリックを算出するメトリック算出手段と、各状態のそれぞれに至る最も確からしい状態遷移に対応するデータ系列を順次更新保持する生き残りデータ保持手段と、前記等化手段の出力を複数個、順次、更新保持する出力保持手段と、この出力保持手段と前記生き残りデータ保持手段とから雑音系列を抽出する雑音抽出手段と、この雑音抽出手段の雑音系列を用いて前記予測雑音を算出する予測雑音算出手段とを有することを特徴とする等化・復号装置。
【請求項3】 等化手段が、現時点でのデータと2つ前の時点でのデータの加算結果から1つ前の時点でのデータの2倍を減算した結果をゼロ以外の定数倍して得る信号系列を出力することを特徴とする請求項1または2記載の等化・復号装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高レートでディジタル記録または伝送された信号を誤りを少なく効果的に復号する等化・復号装置に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば、光ディスクなどの記録媒体にディジタルデータを記録再生する場合、アナログデータをディジタル化することにより、データ量は増加し、記録媒体への記録密度を高くすることが求められる。記録密度を高くするために、短波長化や狭トラック化が行われる。
【0003】光ディスクの場合、記録した記録符号系列を{bk}とすると、波形干渉がないと仮定した場合の理想的な再生出力系列{xk}は{bk}と同一である。実際には、高周波成分減衰特性のために、再生波形はなまった形となる。ここで、孤立再生波形をh(t)、TRを1ビット長とし、hi=h(i・TR)とすると、実際の受信系列{yk}は(数1)で表される。
【0004】
【数1】

【0005】ただし、nk′は雑音のサンプル値である。(数1)を周波数成分で書き換えると、(数2)になる。
【0006】
【数2】

【0007】なお、X(f),H(f),N′(f)およびY(f)は、それぞれx(t),h(t),n′(t)およびy(t)のフーリエ変換により得られる。
【0008】再生信号の振幅レベルに基づいた復号を行うためには、波形干渉を除去しなければならない。(数2)から分かるように、再生過程で減衰した高周波成分を補正する1/H(f)の特性を有する波形等化を行うことにより、(数3)に示す等化出力Z(f)が得られ、波形干渉を除去できる。
【0009】
【数3】

【0010】ただし、【0011】
【数4】

【0012】であり、N(f)は等化雑音である。
【0013】再生系の周波数特性H(f)は高周波減衰特性であるから、この逆特性1/H(f)は当然高周波強調特性になる。したがって、(数4)における等化雑音N(f)は高域強調特性を示す。記録密度が高くなればなる程、波形干渉量が大きくなり等化雑音の高域強調量は強まるので、信号対雑音(S/N)は著しく劣化する。
【0014】この等化雑音を抑制するために、高域の雑音成分を抑制する種々の方法が考えられている。一例として、PR(1,1)をあげる。図7は従来例の等化・復号装置の構成を示すブロック図である。図7において、701は再生信号の入力端、702は波形干渉除去のための等化器、703は遅延器、704は加算器、705は復号器、706は復号信号の出力端である。
【0015】入力端701に入力された再生信号は、等化器702で波形干渉が取り除かれる。等化器702の出力は、遅延器703でクロック周期分だけ遅延される。加算器704には、等化器702と遅延器703の出力がそれぞれ入力され、加算が実行される。加算器704の出力は、復号器705に入力され、復号された復号信号が出力端706に出力される。
【0016】時刻t=k・TRにおける等化器702の出力をxkとすると、遅延器703の出力は、等化器702の時刻t=(k−1)・TRの出力であるから、xk-1である。したがって、時刻t=k・TRにおける加算器704の出力をpkとすると、【0017】
【数5】

【0018】である。(数5)を、遅延演算子D=exp(−j2πfTR)を用いて書き換えると、【0019】
【数6】

【0020】であり、さらに周波数成分で表すと、【0021】
【数7】

【0022】である。ただし、fR=1/TRであり、クロック周波数である。したがって、図7中の等化器702,遅延器703,加算器704での、{pk}が得られる等化器全体の周波数特性E(f)は次式で与えられる。
【0023】
【数8】

【0024】このように、等化器の周波数特性E(f)は高域減衰特性となり、高域の雑音は除去される。これによって、高域の等化雑音が雑音全体に占める割合が多い場合には、雑音電力を減少させることになり、復号誤りの減少が可能となる。
【0025】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記等化・復号装置の構成に基づく等化・復号方法では、高域の等化雑音は抑制されるものの、低域のノイズは逆に強調され、低域ノイズが雑音全体に占める割合が多い場合には、高域の等化雑音の抑制量より低域のノイズの強調量が多くなってしまい、雑音電力の増加を招くことから、復号誤りの増加につながってしまう。図6は本発明(実線)と従来例(破線)の誤り率特性を示し、従来は復号誤り率が増加していることが分かる。
【0026】本発明は、上記従来の課題を解決し、より一層の高密度記録を可能にする等化・復号装置を提供することを目的とする。
【0027】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達成するため、次の(1),(2)の手段により、等化・復号装置を実現している。
【0028】(1) 任意の入力データ系列を記録符号または伝送符号とする符号系列を用い、再生または受信により前記符号系列と同一の符号系列からなる信号系列を発生する再生装置または受信装置において、劣化した信号成分を補正するとともに低周波成分が減衰する特性を有する等化手段と、この等化手段の出力と前記信号系列とから状態遷移の確からしさを算出する尤度算出手段と、この尤度算出手段の出力と1つ前の時点での各状態の各々の確からしさを表すメトリックとから現時点での新たなメトリックを算出するメトリック算出手段と、各状態のそれぞれに至る最も確からしい状態遷移に対応するデータ系列を順次更新保持する生き残りデータ保持手段とを有することを特徴とする。
【0029】(2) 任意の入力データ系列を記録符号または伝送符号とする符号系列を用い、再生または受信により前記符号系列と同一の符号系列からなる信号系列を発生する再生装置または受信装置において、劣化した信号成分を補正するとともに低周波成分が減衰する特性を有する等化手段と、この等化手段の出力と前記信号系列と予測雑音とから状態遷移の確からしさを算出する尤度算出手段と、この尤度算出手段の出力と1つ前の時点での各状態の各々の確からしさを表すメトリックとから現時点での新たなメトリックを算出するメトリック算出手段と、各状態のそれぞれに至る最も確からしい状態遷移に対応するデータ系列を順次更新保持する生き残りデータ保持手段と、前記等化手段の出力を複数個、順次、更新保持する出力保持手段と、この出力保持手段と前記生き残りデータ保持手段とから雑音系列を抽出する雑音抽出手段と、この雑音抽出手段の雑音系列を用いて前記予測雑音を算出する予測雑音算出手段とを有することを特徴とする。
【0030】
【作用】本発明の上記第1の手段によれば、低周波雑音成分を大きく低減することができ、記録密度の向上が可能となる。
【0031】また、本発明の上記第2の手段によれば、前記第1の手段に、雑音に含まれる相関性を除去する機能を付加したものであり、雑音の相関が大きい場合には、状態遷移の確からしさを一層高めることができる。したがって、雑音の相関が高い場合に効果があり、さらに記録密度の向上を可能にする。
【0032】
【実施例】まず、本発明の構成概要を示した後、第1の発明の概要および具体的実現手段を述べ、続いて、第2の発明の概要および具体的実現手段を述べる。
【0033】図1は本発明の構成概要を示したブロック図である。図1において、101は再生信号の入力端、102は波形干渉除去のための等化器、103,105は遅延器、104,106は減算器、107は復号器、108は復号信号の出力端である。
【0034】入力端101に入力された再生信号は、等化器102で波形干渉が取り除かれる。等化器102の出力は、遅延器103でクロック周期分だけ遅延される。減算器104には、その正入力に等化器102の出力、また負入力に遅延器103の出力がそれぞれ入力され、減算が実行される。減算器104の出力は、遅延器105でクロック周期分だけ遅延される。減算器106には、その正入力に減算器104の出力、また負入力に遅延器105の出力がそれぞれ入力され、減算が実行される。減算器106の出力は復号器107に入力され、復号された復号信号が出力端108に出力される。
【0035】時刻t=k・TRにおける等化器102の出力をxkとすると、遅延器103の出力は、等化器102の時刻t=(k−1)・TRにおける出力であるから、xk-1である。したがって、時刻t=k・TRにおける減算器104の出力をqkとすると、【0036】
【数9】

【0037】である。同様に、時刻t=k・TRにおける減算器106の出力をpkとすると、【0038】
【数10】

【0039】である。(数9)と(数10)から、【0040】
【数11】

【0041】である。(数11)を、遅延演算子D=exp(−j2πfTR)を用いて書き換えると、【0042】
【数12】

【0043】であり、さらに周波数成分で表すと、【0044】
【数13】

【0045】である。ただし、fR=1/TRであり、クロック周波数である。したがって、図1中の等化器102、遅延器103,105、減算器104,106の{pk}が得られる等化器全体の周波数特性E(f)は次式で与えられる。
【0046】
【数14】

【0047】(数14)でわかるように、等化器によって低周波成分が大幅に取り除かれ、低域ノイズがかなり排除できる。
【0048】また、孤立再生波形のピーク値をA、雑音の実効値をσとして、S/N値aを、【0049】
【数15】

【0050】と定義し、雑音に相関がないと仮定すると、本発明の等化・復号装置を用いたときの復号誤り率P1は、【0051】
【数16】

【0052】である。ちなみに、従来の技術の項で一例としてあげたPR(1,1)を用いた場合の誤り率P2は、【0053】
【数17】

【0054】である。ここで、関数Qは、【0055】
【数18】

【0056】で表される誤差補関数である。図6は、この本発明と従来例におけるS/Nと誤り率の関係を示したものである。ただし、図6におけるS/Nは、【0057】
【数19】

【0058】で定義している。このように、本発明によれば、低域ノイズが除去されるのみならず、同じS/Nに対しても、従来より低い誤り率を達成できる。例えば、S/Nが15dBの場合、雑音に相関がないと仮定すると、本発明の等化・復号装置では誤り率が2.8×10~8あるのに対し、PR(1,1)では誤り率が1.4×10~4であり、誤り率は大きく改善されている。
【0059】xk=bkであるから、(数11)は次のように書き換えられる。
【0060】
【数20】

【0061】本発明は、このような復号に適しているビタビ復号法を利用して復号を行う。
【0062】図4は、図1の動作を示す状態遷移図であり、図5は図1の動作を示すトレリス線図である。本実施例においては、(数20)に示すように、2ビット前の時点までの状態を保持するので、図4,図5に示す4個の状態Si(i=0〜3)を定める。それぞれの状態Si(i=0〜3)について、(bk-2,bk-1)とすると、S0は(0,0)、S1は(0,1)、S2は(1,0)、S3は(1,1)である。図4および図5において、矢印に付した記号は、bk/pkを表す。
【0063】等化器出力での雑音のサンプル値をnkとすると、等化器102の出力zkは(数21)で表され、これが復号器107の入力となる。
【0064】
【数21】

【0065】次に、第1の発明について説明する。
【0066】時刻t=k・TRにおける状態をS(k)とし、ビットセルごとの雑音のサンプル値が互いに独立であると仮定すると、【0067】
【外1】

【0068】
【数22】

【0069】(数22)より、与えられたパスの負の対数尤度関数は、パスを構成する個々の枝の負の対数尤度関数の和として表されることが分かる。したがって、枝の長さを負の対数尤度関数で表せば、長さが最小となるパスを選択し、それに対応するデ−タ系列、つまり最尤系列を、以下のような方法で復号できる。
【0070】ある時刻で、各状態に至るパスの長さの最小値はメトリックと呼ばれるが、本発明に対しては、t=k・TRにおける状態Si(i=0〜3)に対するメトリックをmk(Si)(i=0〜3)で表すと、図4より次のような(数23)を得る。
【0071】
【数23】

【0072】ここで、雑音のサンプル値nkを平均値0,分散σ2のガウス雑音と仮定すると、(数23)より復号器107の入力zkは平均値pk,分散σ2のガウス変数となる。したがって、例えば、状態S(k-1)=S0からbk=1が入力することにより、状態S(k)=S1に遷移する場合には、図4よりpk=1であるから、【0073】
【数24】

【0074】となる。ただし、Aは再生波形の振幅(0-P)である。同様にして(数23)における他の負の対数尤度関数も計算でき、これらすべてに(数24)の右辺第1項および第2項が共通項として現れる。そこで、この共通項を除き、更に1/σ2で割ることにより正規化しても一般性を失わない。このようにして、次式のように正規化されたメトリックmk′(Si)(i=0〜3)が得られる。
【0075】
【数25】

【0076】
【数26】

【0077】
【数27】

【0078】
【数28】

【0079】ここに、lkijは状態S(k-1)=Si(i=0〜3)から状態S(k)=Sj(j=0〜3)に遷移する場合の枝の長さを表し、(数29)により与えられる。
【0080】
【数29】

【0081】ただし、初期状態としてS0を選ぶものとすると、【0082】
【数30】

【0083】である。
【0084】時刻t=k・TRにおいて、状態Sj(j=0〜3)に至るパスのうちで、(数25)〜(数28)で与えられるメトリックmk′(Sj)(j=0〜3)を持つパスのみが最尤パスとなる可能性を有するパスとして残され、他は捨てられる。このパスが生き残りパスと呼ばれ、時刻k・TRの生き残りパスが時刻(k−1)・TRにおいて一本化している確率はkと共に大となる。この一本化したパスを最尤パスとして復号する。
【0085】ここで、理論的には、(数25)〜(数28)によりメトリックを計算できるが、実用的には、メトリックがオーバーフローすることを防ぐために、次のようなオーバーフロー防止策が必要である。(数25)〜(数28)からわかるように、メトリックの絶対的な大きさは重要ではなく、メトリック相互の相対的な大小関係が重要なだけである。つまり、メトリック相互の尤度差を保つことができれば正しい復号が可能である。これは、mk-1′(S0)のゼロに対する相対値としてmk-1′(Si)(i=0〜3)を表しても、尤度の大小関係は正確に保たれることを示す。したがって、(数25)〜(数28)の計算を終了後、mk′(Si)(i=0〜3)からmk′(S0)を引き、あらためてmk′(Si)(i=0〜3)とすることにより、上記メトリックのオーバーフローを防止できる。新たに得られるmk′(S0)はゼロであるからメトリック計算に関して省略でき、メトリックの計算式は、次式となる。
【0086】
【数31】

【0087】
【数32】

【0088】
【数33】

【0089】
【数34】

【0090】次に、本実施例の実現化手段について説明する。図2は本発明の第1の発明の一実施例における等化・復号装置の構成を示すブロック図である。図2において、201は等化器、202〜205は枝長さ計算器、206〜210は加算器、211〜214は比較選択器、215〜217は減算器、218〜221はシフトレジスタ、222〜225はスイッチである。
【0091】図2における等化器201は(数14)で表される特性を有するフィルタであり、例えば、ディジタルフィルタなどにより容易に実現できる。枝長さ計算器202〜205は(数29)における正規化した枝の長さを計算するもので、枝長さ計算器202は0.5−zkを、枝長さ計算器203は同じく2・(1−zk)を、枝長さ計算器204は2・(1+zk)を、枝長さ計算器205は0.5+zkをそれぞれ計算する。この後、加算器206は(数31)のmin関数の右項を、加算器207は(数32)のmin関数の右項を、加算器208は(数33)のmin関数の左項を、加算器209は(数33)のmin関数の右項を、加算器210は(数34)のmin関数の左項をそれぞれ計算する。
【0092】比較選択器211は(数31)を実現し、比較選択器212は(数32)を実現し、比較選択器213は(数33)を実現し、比較選択器214は(数34)を実現する。なお、比較選択器211〜214は、いずれも比較結果の小さい方を出力する他に、第2出力として、左項が選ばれるならば0、右項が選ばれるならば1を出力する。
【0093】減算器215は比較選択器212の出力から比較選択器211の出力を引き、減算器216は比較選択器213の出力から比較選択器211の出力を引き、減算器217は比較選択器214の出力から比較選択器211の出力を引く。
【0094】シフトレジスタ218〜221は、図4,図5に示す各状態S0〜S3へのビット列をそれぞれ保持し、シフトレジスタ218は状態S0へ至る生き残りパスに対応するビット列、シフトレジスタ219は状態S1へ至る生き残りパスに対応するビット列、シフトレジスタ220は状態S2へ至る生き残りパスに対応するビット列、シフトレジスタ221は状態S3へ至る生き残りパスに対応するビット列をそれぞれ保持する。
【0095】スイッチ222は、比較選択器211の出力に基づき、(数31)においてmin関数の左項が選ばれる場合には、シフトレジスタ218の内容をそのまま保持し、min関数の右項が選ばれる場合には、シフトレジスタ218にシフトレジスタ220の内容をコピーする。この後、いずれの場合もシフトレジスタ218の内容を1ビット右へシフトし、状態S0に対応する2進値0をフィードする。
【0096】スイッチ223は、比較選択器212の出力に基づき、(数32)においてmin関数の左項が選ばれる場合には、シフトレジスタ219にシフトレジスタ218の内容をコピーし、min関数の右項が選ばれる場合には、シフトレジスタ219にシフトレジスタ220の内容をコピーする。この後、いずれの場合もシフトレジスタ219の内容を1ビット右へシフトし、状態S1に対応する2進値1をフィードする。
【0097】スイッチ224は、比較選択器213の出力に基づき、(数33)においてmin関数の左項が選ばれる場合には、シフトレジスタ220にシフトレジスタ219の内容をコピーし、min関数の右項が選ばれる場合には、シフトレジスタ220にシフトレジスタ221の内容をコピーする。この後、いずれの場合もシフトレジスタ220の内容を1ビット右へシフトし、状態S2に対応する2進値0をフィードする。
【0098】スイッチ225は、比較選択器214の出力に基づき、(数34)においてmin関数の左項が選ばれる場合には、シフトレジスタ221にシフトレジスタ219の内容をコピーし、min関数の右項が選ばれる場合には、シフトレジスタ221の内容をそのまま保持する。この後、いずれの場合もシフトレジスタ221の内容を1ビット右へシフトし、状態S3に対応する2進値1をフィードする。
【0099】なお、各シフトレジスタにはバッファを設けておき、このバッファには、更新されたシフトレジスタの内容を常時保持させる。また、シフトレジスタAからシフトレジスタBへコピーする場合には、シフトレジスタAのバッファの内容をシフトレジスタBにコピーするものとする。こうすることで、シフトレジスタ間のコピーをスムーズに行える。
【0100】以上の結果、各シフトレジスタの長さが十分長ければ、シフトレジスタの最終段付近では生き残りパスは一本化しており、どのシフトレジスタから出力を取り出しても等しい結果が得られる。しかしながら、シフトレジスタの長さが十分でない場合には、出力するシフトレジスタによってその値が異なる場合がある。このような場合には、最小のメトリックを有する生き残りパスから出力を選ぶのが最も合理的である。すなわち、(数31)〜(数34)に基づいて計算したメトリックのうち、最小の値が得られる、つまり最も確からしい生き残りパスを求め、この生き残りパスを保持しているシフトレジスタから出力を取り出す。例えば、メトリックの最小値がmk′(S0)である場合は、出力は状態S0に至る生き残りパスを保持しているシフトレジスタ218から取り出せばよい。
【0101】以上説明したように、等化器出力における低域ノイズの影響を大きく除去し、しかも最尤復号系列が得られる等化・復号装置が容易に実現される。
【0102】ここまで述べてきた第1の発明の等化・復号装置は、(数22)が成り立つような無相関雑音に対してのみ最尤系列を復号でき、有相関雑音に対しては(数22)そのものが成り立たず、最尤系列を復号できない。ただし、雑音の相関が比較的小さい場合には、第1の発明の等化・復号装置の実施例でも準最尤系列を復号でき、雑音の相関が復号誤り率に及ぼす悪影響は十分小さいので、実用上はほとんど問題ない。しかしながら、相関が大きい場合にはこの影響は無視し難く、さらに改善の余地がある。
【0103】そこで、第2の発明として、等化雑音に相関がある場合にも、最尤系列を復号できる等化・復号装置について、以下説明する。
【0104】第1の発明の等化・復号装置の実施例では、記録符号に関する4個の状態Si(i=0〜3)の各々に至る生き残りパスを保持している。したがって、等化器出力系列{zk}と、この生き残りパスにより、各生き残りパスに対する雑音系列{nki}(i=0〜3)が得られるが、このうち真の雑音系列は唯一つである。真の雑音系列の統計的性質に関しては、事前に知り得る本来の雑音の統計的性質と一致する。この場合、真の雑音系列から予測した予測雑音系列と、真の雑音系列との差の残留雑音はランダム雑音になる。逆に、誤った生き残りパスに対する雑音系列の統計的性質は、本来の雑音の統計的性質とは異なる。このような誤った雑音系列に関しては、本来の雑音の統計的性質を用いて予測した雑音を等化器出力から引くことは、全体として雑音を増幅させる働きをし、また、当然雑音の相関性も取り除かれない。したがって、真の雑音系列からの予測雑音を引いた信号系列に対する負の尤度関数の値は、誤った雑音からの予測雑音を引いた信号系列の負の尤度関数の値よりも小さくなり、従来よりも高い確率で正しい復号が可能となる。
【0105】以上示した本実施例の原理は、(数35)を具体化することにより実現できる。
【0106】
【数35】

【0107】ここに、(数35)におけるzki(i=0〜3)は、等化器出力zkから、状態Si(i=0〜3)に至る生き残りパスに対応する雑音系列{nki}からの予測雑音nki′を引いた値であり、(数36)で与えられる。
【0108】
【数36】

【0109】また、予測雑音nki′は、(数37)で与えられる。
【0110】
【数37】

【0111】ここに、{cm}は予測係数、qは予測に用いる雑音の個数である。残留雑音は平均値0、分散σ2の無相関のガウス雑音と見なせるから、(数35)における尤度関数は(数38)で表される。
【0112】
【数38】

【0113】第1の発明の実施例の場合と同様に、(数38)の右辺第1項は共通であり、また、右辺第2項の1/2σ2も共通因子であるから削除できる。このようにして、次式のように正規化されたメトリックが得られる。
【0114】
【数39】

【0115】
【数40】

【0116】
【数41】

【0117】
【数42】

【0118】ここに、lkijは状態S(k-1)=Si(i=0〜3)から状態S(k)=Sj(j=0〜3)に遷移する正規化された枝の長さを表し、(数43)により与えられる。
【0119】
【数43】

【0120】なお、本実施例でも、メトリックのオ−バ−フロ−を防ぐために、第1の発明の実施例と同様の対策を行なうものとする。すなわち、【0121】
【数44】

【0122】
【数45】

【0123】
【数46】

【0124】
【数47】

【0125】である。
【0126】次に、本実施例の実現化手段について説明する。図3は本発明の第2の発明の一実施例における等化・復号装置の構成を示すブロック図である。図3において、301は等化器、302〜305、324〜326は減算器、306〜313は枝長さ計算器、314〜319は加算器、320〜323は比較選択器、327〜330はシフトレジスタ、331〜334はスイッチ、335はメモリ、336〜339は雑音抽出予測器である。
【0127】図3における等化器301は図2の等化器201と同じであり、(数14)に示す周波数特性を有する。
【0128】次いで、減算器302では、等化器301の出力から、状態S0に至る生き残りパスに対応する雑音系列{nk0}からの予測雑音nk0′を引く。減算器303では、等化器301の出力から、状態S1に至る生き残りパスに対応する雑音系列{nk1}からの予測雑音nk1′を引く。減算器304では、等化器301の出力から、状態S2に至る生き残りパスに対応する雑音系列{nk2}からの予測雑音nk2′を引く。減算器305では、等化器301の出力から、状態S3に至る生き残りパスに対応する雑音系列{nk3}からの予測雑音nk3′を引く。
【0129】枝長さ計算器306〜313は(数43)における正規化した枝の長さを計算するもので、枝長さ計算器306はlk00を、枝長さ計算器307はlk01を、枝長さ計算器308はlk20を、枝長さ計算器309はlk21を、枝長さ計算器310はlk12を、枝長さ計算器311はlk13を、枝長さ計算器312はlk32を、枝長さ計算器313はlk33をそれぞれ計算する。
【0130】加算器314では(数44)のmin関数の右項、加算器315では(数45)のmin関数の右項、加算器316では(数46)のmin関数の左項、加算器317では(数46)のmin関数の右項、加算器318では(数47)のmin関数の左項、加算器319では(数47)のmin関数の右項がそれぞれ得られる。
【0131】比較選択器320は枝長さ計算器306と加算器316の出力を比較し、小さい方を出力すると共に、枝長さ計算器306の出力を選んだ場合は2進値0を、加算器316の出力を選んだ場合は2進値1をも出力する。比較選択器321は枝長さ計算器307と加算器317の出力を比較し、小さい方を出力すると共に、枝長さ計算器307の出力を選んだ場合は2進値0を、加算器317の出力を選んだ場合は2進値1をも出力する。比較選択器322は加算器314と加算器318の出力を比較し、小さい方を出力すると共に、加算器314の出力を選んだ場合は2進値0を、加算器318の出力を選んだ場合は2進値1をも出力する。比較選択器323は加算器315と加算器319の出力を比較し、小さい方を出力すると共に、加算器315の出力を選んだ場合は2進値0を、加算器319の出力を選んだ場合は2進値1をも出力する。
【0132】これら4つの比較選択器320〜323は、(数44)〜(数47)におけるmin関数を実現し、その構成は図2の比較選択器と同様である。
【0133】減算器324では、比較選択器321の出力から比較選択器320の出力を引く。減算器325では、比較選択器322の出力から比較選択器320の出力を引く。減算器326では、323の出力から比較選択器320の出力を引く。
【0134】シフトレジスタ327〜330と、スイッチ331〜334は第1の発明の場合と全く同様の構成で、同様の動作をする。すなわち、シフトレジスタ327は状態S0に至る生き残りパスに対応するビット列を保持し、シフトレジスタ328は状態S1に至る生き残りパスに対応するビット列を保持し、シフトレジスタ329は状態S2に至る生き残りパスに対応するビット列を保持し、シフトレジスタ330は状態S3に至る生き残りパスに対応するビット列を保持する。また、スイッチ331〜334は、生き残りパスに対応するビット列を順次更新するための、シフトレジスタ間のコピー経路を形成する。
【0135】メモリ335は、最新のq個の等化器301の出力を常に保持している。雑音抽出予測器336は、メモリ335の出力と、シフトレジスタ327の出力から得られる状態S0に至る生き残りパスに対応するq個の理想的な再生出力から、状態S0に至る生き残りパスに対応するq個の雑音を求め、これらの雑音と(数37)より予測雑音nk0′を算出する。雑音抽出予測器337は、メモリ335の出力と、シフトレジスタ328の出力から得られる状態S1に至る生き残りパスに対応するq個の理想的な再生出力から、状態S1に至る生き残りパスに対応するq個の雑音を求め、これらの雑音と(数37)より予測雑音nk1′を算出する。雑音抽出予測器338は、メモリ335の出力と、シフトレジスタ329の出力から得られる状態S2に至る生き残りパスに対応するq個の理想的な再生出力から、状態S2に至る生き残りパスに対応するq個の雑音を求め、これらの雑音と(数37)より予測雑音nk2′を算出する。雑音抽出予測器339は、メモリ335の出力と、シフトレジスタ330の出力から得られる状態S3に至る生き残りパスに対応するq個の理想的な再生出力から、状態S3に至る生き残りパスに対応するq個の雑音を求め、これらの雑音と(数37)より予測雑音nk3′を算出する。
【0136】これらの予測雑音nki′(i=0〜3)は、先に示したように、減算器302〜305を用いて等化器301の出力から引かれ、上述の動作を繰り返す。この結果、雑音の相関は効果的に除去され、真の最尤復号系列が得られる復号器を実現できる。第1の発明の場合と同様に、各シフトレジスタの長さが十分長ければ、シフトレジスタの最終段付近では生き残りパスは一本化しており、どのシフトレジスタから出力を取り出しても等しい結果が得られる。しかしながら、シフトレジスタの長さが十分でない場合には、最小のメトリックを有する生き残りパスから出力を選ぶのが最も合理的である。すなわち、(数44)〜(数47)に基づいて計算したメトリックのうち、最小の値が得られる、つまり最も確からしい生き残りパスを求め、この生き残りパスを保持しているシフトレジスタから出力を取り出せばよい。
【0137】このように、雑音に相関がある場合にも、第1の発明と同様に、低域ノイズの影響を除去する等化・復号装置を実現することができる。
【0138】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の等化・復号装置は、低周波領域の雑音の影響を抑圧できる結果、従来よりも低周波雑音によるS/Nの劣化を抑えることができる。また、従来よりも、同じS/Nにおける誤り率を、図6に示すように低減させることができる。したがって、同じ記録密度または伝送レートであるならば、誤り率を低減させることができる。また、同じ誤り率を達成するS/Nを低くすることができるので、さらに高密度の記録再生または高レートの伝送が行える。しかも、従来とほとんど同じ回路規模で、本発明が実施できる。




 

 


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