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機関砲の遊底閉鎖方法及びその装置 - 株式会社日本製鋼所
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発明の名称 機関砲の遊底閉鎖方法及びその装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−146093
公開日 平成7年(1995)6月6日
出願番号 特願平5−319205
出願日 平成5年(1993)11月26日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】前田 宏之
発明者 吉松 盛喜
要約 目的
送弾ホイールを弾薬の横方向のガイドとして利用でき、遊底が簡素な形状・構造である機関砲の遊底閉鎖方法及びその装置の提供。

構成
砲身1の後端部に放射方向の移動自在なロック部材10を設け、ロック部材10を内方向に押し込み可能な押込カム9bを有するカムリング9を砲身1側に回転自在に支持すると共に、歯状カム9cに係合してカムリング9を間欠的に回転駆動する第1,第2突起カム8c,8c’をカムドラム8に設け、遊底5が前進行程から前進停止行程に移行する際に、第1突起カム8cによつてカムリング9を所定角度回転させ、ロック部材10を遊底5の係合凹部5bに係合させて遊底5を閉鎖状態に保ち、更にカムドラム8が回転し、遊底5が前進停止行程から後退行程に移行する際に、第2突起カム8c’によつてカムリング9を所定角度回転させ、ロック部材10を外方向に復帰させる。
特許請求の範囲
【請求項1】 回転するカムドラム(8)によつて砲身(1)の中心軸線方向に前進、前進停止、後退、後退停止の作動を順次に行うように、砲架(2)に移動自在に収容され、係合凹部(5b)を有する遊底(5)を備える機関砲の遊底閉鎖方法であつて、砲身(1)の後端部に放射方向の移動自在なロック部材(10)を設け、ロック部材(10)を内方向に押し込み可能な押込カム(9b)を有するカムリング(9)を砲身(1)側に回転自在に支持すると共に、歯状カム(9c)に係合してカムリング(9)を間欠的に回転駆動する第1,第2突起カム(8c,8c’)をカムドラム(8)に設け、カムドラム(8)の回転に伴つて遊底(5)が前進行程から前進停止行程に移行する際に、第1突起カム(8c)によつてカムリング(9)を所定角度(α)回転させて前記押込カム(9b)によつてロック部材(10)を内方向に押し込み、該ロック部材(10)を遊底(5)の係合凹部(5b)に係合させて遊底(5)を閉鎖状態に保ち、更にカムドラム(8)が回転し、遊底(5)が前進停止行程から後退行程に移行する際に、第2突起カム(8c’)によつてカムリング(9)を所定角度(α)回転させ、前記押込カム(9b)とロック部材(10)との係合を解除させてロック部材(10)を外方向に復帰させ、ロック部材(10)と遊底(5)の係合凹部(5b)との係合を解除させることを特徴とする機関砲の遊底閉鎖方法。
【請求項2】 回転するカムドラム(8)によつて砲身(1)の中心軸線方向に前進、前進停止、後退、後退停止の作動を順次に行うように、砲架(2)に移動自在に収容され、係合凹部(5b)を有する遊底(5)を備える機関砲の遊底閉鎖装置であつて、砲身(1)の後端部に放射方向の移動自在なロック部材(10)を設け、ロック部材(10)を内方向に押し込み可能な押込カム(9b)を有し、歯状カム(9c)を有するカムリング(9)を砲身(1)側に回転自在に支持すると共に、カムドラム(8)の回転に伴つて遊底(5)が前進行程から前進停止行程に移行する際に、歯状カム(9c)に係合してカムリング(9)を所定角度(α)回転させ、ロック部材(10)を押込カム(9b)によつて押圧して内方向に押し込み、ロック部材(10)を遊底(5)の係合凹部(5b)に係合させる第1突起カム(8c)と、遊底(5)が前進停止行程から後退行程に移行する際に、カムリング(9)を所定角度(α)回転させてロック部材(10)の押込カム(9b)との係合を解除させ、ロック部材(10)と遊底(5)の係合凹部(5b)との係合を解除可能とする第2突起カム(8c’)とをカムドラム(8)に設けることを特徴とする機関砲の遊底閉鎖装置。
【請求項3】 ロック部材(10)を外方向に復帰付勢する弾性体(12,13)を設けることを特徴とする請求項2の機関砲の遊底閉鎖装置。
【請求項4】 ロック部材(10)と遊底(5)の係合凹部(5b)とが係合する状態で、カムリング(9)の回転を拘束するように、カムドラム(8)の第2カム面(8d)と係合し、ロック部材(10)と遊底(5)の係合凹部(5b)との係合が解除された状態で、カムリング(9)の回転を拘束するように、カムドラム(8)の第1カム面(8d’)と係合する係合カム(9d)が、カムリング(9)に形成されることを特徴とする請求項2又は3の機関砲の遊底閉鎖装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、機関砲の遊底閉鎖方法及びその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の機関砲において、カムドラムによつて駆動される遊底によつて砲身を閉鎖する装置として、次のものがある。
(1)図5に示すようにカムドラム59に閉鎖カム部59aを設け、遊底55が前進している間、この閉鎖カム部59aが回転しながら砲身51を閉鎖状態に保つ。61は弾薬である。
【0003】(2)図6に示すように遊底55を遊底本体55aと揺底55bとから構成し、遊底本体55aを揺底55bに対し回転可能に保持し、一方、砲身51の後端部に異形断面の通孔52a及び環状空間52bを創成した砲尾環52を備え、この通孔52aに適合するカム部55cを遊底本体55aの前端部に設け、遊底本体55aを回転させて、砲尾環52の通孔52aと遊底本体55aのカム部55cとを一致させてカム部55cを環状空間52b内に挿入させ、その後、カム部55cを回転させることで閉鎖状態を得る。
(3)上記(2)とほぼ同様の構造であるが、遊底本体に代えて砲尾環を回転させることで閉鎖状態を得る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このような従来の機関砲の遊底閉鎖装置にあつては、下記の技術的課題がある。図5に示す機関砲の遊底閉鎖装置にあつては、弾薬61が撃発され、弾丸が発射されたとき、遊底55に負荷される力はカムドラム59の閉鎖カム部59aで受けることになる。このため、カムドラム59はこれに耐えるように頑丈に造る必要があり、必然的に重くなる。また、カムドラム59を外部動力にて駆動する方式にあつては、この負荷の掛かつている間もカムドラム59を回転させる必要がある。このため、カムドラム59の駆動に要するトルクは大となり、モータ容量も大となる。
【0005】図6に示す機関砲の遊底閉鎖装置にあつては、弾薬61の撃発時に遊底55を駆動するカムドラムに駆動トルクの増大は生じない。しかしながら、遊底55を遊底本体55aと揺底55bとに分割し、かつ、遊底本体55aが回転可能な構造となるため、遊底55が複雑な構造となり、部品点数が増加する。そのため、耐久性、信頼性の面で不利となつている。更に、遊底本体55aに設けた閉鎖のためのカム部55cは、弾薬61の径よりも大となる。このことは、送弾ホイールにて送弾する方式の機関砲において、送弾ホイールが装填中の弾薬61の横方向のガイドとなり得ないことを意味する。このため、送弾ホイールとは別に装填中の弾薬61の横方向のガイドを必要とする不利な点がある。更に、遊底本体に代えて砲尾環を回転させる構造にあつては、遊底の構造が簡単になるという利点はあるが、図6に示す機関砲の遊底閉鎖装置と同様、装填中の弾薬の横方向のガイドとして、送弾ホイールを利用することができないという不利が残る。
【0006】そして、いずれの装置によつても、特に外部動力によつてカムドラム59を駆動する場合、カムドラム59及び遊底55の軽量化が強く望まれている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、このような従来の技術的課題に鑑みてなされたものであり、請求項1の発明の構成は、回転するカムドラム8によつて砲身1の中心軸線方向に前進、前進停止、後退、後退停止の作動を順次に行うように、砲架2に移動自在に収容され、係合凹部5bを有する遊底5を備える機関砲の遊底閉鎖方法であつて、砲身1の後端部に放射方向の移動自在なロック部材10を設け、ロック部材10を内方向に押し込み可能な押込カム9bを有するカムリング9を砲身1側に回転自在に支持すると共に、歯状カム9cに係合してカムリング9を間欠的に回転駆動する第1,第2突起カム8c,8c’をカムドラム8に設け、カムドラム8の回転に伴つて遊底5が前進行程から前進停止行程に移行する際に、第1突起カム8cによつてカムリング9を所定角度α回転させて前記押込カム9bによつてロック部材10を内方向に押し込み、該ロック部材10を遊底5の係合凹部5bに係合させて遊底5を閉鎖状態に保ち、更にカムドラム8が回転し、遊底5が前進停止行程から後退行程に移行する際に、第2突起カム8c’によつてカムリング9を所定角度α回転させ、前記押込カム9bとロック部材10との係合を解除させてロック部材10を外方向に復帰させ、ロック部材10と遊底5の係合凹部5bとの係合を解除させることを特徴とする機関砲の遊底閉鎖方法である。請求項2の発明の構成は、回転するカムドラム8によつて砲身1の中心軸線方向に前進、前進停止、後退、後退停止の作動を順次に行うように、砲架2に移動自在に収容され、係合凹部5bを有する遊底5を備える機関砲の遊底閉鎖装置であつて、砲身1の後端部に放射方向の移動自在なロック部材10を設け、ロック部材10を内方向に押し込み可能な押込カム9bを有し、歯状カム9cを有するカムリング9を砲身1側に回転自在に支持すると共に、カムドラム8の回転に伴つて遊底5が前進行程から前進停止行程に移行する際に、歯状カム9cに係合してカムリング9を所定角度α回転させ、ロック部材10を押込カム9bによつて押圧して内方向に押し込み、ロック部材10を遊底5の係合凹部5bに係合させる第1突起カム8cと、遊底5が前進停止行程から後退行程に移行する際に、カムリング9を所定角度α回転させてロック部材10の押込カム9bとの係合を解除させ、ロック部材10と遊底5の係合凹部5bとの係合を解除可能とする第2突起カム8c’とをカムドラム8に設けることを特徴とする機関砲の遊底閉鎖装置である。請求項3の発明の構成は、ロック部材10を外方向に復帰付勢する弾性体12,13を設けることを特徴とする請求項2の機関砲の遊底閉鎖装置である。請求項4の発明の構成は、ロック部材10と遊底5の係合凹部5bとが係合する状態で、カムリング9の回転を拘束するように、カムドラム8の第2カム面8dと係合し、ロック部材10と遊底5の係合凹部5bとの係合が解除された状態で、カムリング9の回転を拘束するように、カムドラム8の第1カム面8d’と係合する係合カム9dが、カムリング9に形成されることを特徴とする請求項2又は3の機関砲の遊底閉鎖装置である。
【0008】
【作用】請求項1又は2の発明によれば、遊底5が後退停止の状態から前進行程を採る際には、ロック部材10は外方向に復帰させた状態にあり、砲身1の後端部を大きく開放している。カムドラム8の回転によつて遊底5が充分に前進し、前端部が砲身1の後端部内に進入して遊底5が前進停止行程を採れば、その際にカムドラム8の第1突起カム8cが歯状カム9cを一歯送り、押込カム9bがロック部材10を内方向に押し込む。内方向に押し込まれたロック部材10の内端部は、遊底5の係合凹部5bに進入し、遊底5を閉鎖状態に保つ。
【0009】この遊底5が前進停止行程を採る状態にて更にカムドラム8が回転すれば、弾薬が撃発されて弾丸が発射される。弾丸が発射された後、カムドラム8が更に回転し、遊底5が前進停止行程から後退行程に移行する際に、カムドラム8の第2突起カム8c’が歯状カム9cを一歯送り、カムリング9が角度α回転するので、押込カム9bのロック部材10との係合状態が解除され、ロック部材10が自由の状態となる。このロック部材10は外方向に復帰させ、遊底5の閉鎖状態を解除する。
【0010】請求項3の発明によれば、遊底5が前進行程から前進停止行程に移行する際に、押込カム9bがロック部材10を内方向に押し込むとき、弾性体12,13が弾性変形する。また、遊底5が前進停止行程から後退行程に移行する際に、押込カム9bのロック部材10との係合状態が解除されたとき、弾性体12,13の弾発力によつてロック部材10が外方向に復帰する。
【0011】請求項4の発明によれば、遊底5が前進停止行程を採る状態にて弾薬が撃発されて弾丸が発射される。そのとき、カムドラム8の第2カム8dがカムリング9の係合カム9dに係合しているので、カムドラム8の回転によつてカムリング9が回転することは抑制され、カムリング9は停止状態を維持し、ロック部材10を押し込んだ位置にロックされる。その後、カムドラム8の回転によつて遊底5が後退行程に移行し、後退停止後に再び前進行程に移行する。この間、つまり遊底5が後退を開始した後、前進を終了するまでの間は、カムドラム8の第1カム8d’がカムリング9の係合カム9dと係合した状態にあり、従つて、ロック部材10が外方向に確実に復帰して遊底5の前端部が砲身1の後端部内に進入可能となる。
【0012】
【実施例】以下、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1〜図4は、本発明に係る機関砲の遊底閉鎖装置の1実施例を示す。先ず、図1,図2を参照して機関砲の要部について説明する。機関砲は、砲身1を固着する砲架2を有し、カムドラム8により、砲身1の中心軸線方向に前進、前進停止、後退、後退停止の作動を順次に行うように、砲架2に摺動自在に収容される遊底5と、遊底5と砲身1との間(装填準備位置)に弾薬11を間欠的に供給する周知の送弾ホイール4とを備える。遊底5の前端部には、環状の係合凹部5bが形成されている。
【0013】送弾ホイール4は、図1に示すようにその中心軸4aが砲架2に軸受3を介して回転自在に支持され、図外の間欠連動機構により、カムドラム8の回転に連動する間欠回転運動を行う。また、送弾ホイール4は、4個の切欠き部4bを周方向に所定間隔にて有し、図外の給弾機から給弾通路を経て各切欠き部4bに送り込まれた弾薬11を、2点鎖線にて示すように後退停止行程を採る遊底5と砲身1との間に間欠的に送り込む。すなわち、送弾ホイール4は、遊底5が後退位置を採るとき、間欠連動機構により1/4回転、つまり1ピッチ回転し、遊底5の前方に弾薬11を送り込み、遊底5が前進位置を採るときは停止している。そして、送弾ホイール4の切欠き部4bは、遊底5が通過できる形状、寸法となつており、送弾ホイール4は、停止中に遊底5が支障なく前進又は後退の運動が可能であると共に、遊底5の横方向のガイドとなる。すなわち、図4に示すように遊底5の幅Bは、弾薬11の径とほぼ同じであり、送弾ホイール4の切欠き部4bの幅Aは弾薬11の径よりもわずかに大きくなつている。
【0014】カムドラム8は、図1に示すように前後両端部が軸受7を介して砲架2に回転自在に支持され、モータ等の外部の駆動装置6と連結し、回転力を受けて回転する。カムドラム8の外周面には、遊底5に前進−前進停止−後退−後退停止の一連の動作を繰り返し与えるカム溝8aが形成され、カムドラム8のカム溝8aに遊底5の係合突起5aが係合している。しかして、カムドラム8の一方向の回転駆動により、遊底5が上記一連の動作を行うように駆動される。
【0015】このカムドラム8の前端部外周面には、図2に示すように後側の第1,第2突起カム8c,8c’及び前側の第2カム8d及び第1カム8d’が形成されている。第1,第2突起カム8c,8c’は、カムドラム8の円筒面に所定間隔を設けてそれぞれ突設され、後記するカムリング9の歯状カム9cに係合可能である。第1,第2突起カム8c,8c’の間隔は、遊底5が前進停止するカム溝8aの長さにほぼ対応している。第1カム8d’及び第2カム8dは、第1,第2突起カム8c,8c’の間に位置する円筒面からなり、第1,第2カム8d’,8dの間となる第1,第2突起カム8c,8c’の付近は、適当長さだけ切除され、後記する係合カム9dと干渉してカムドラム8が回転不可能となることを防止してある。
【0016】一方、砲身1の砲架2内に突出する後端部、具体的には図2に示す砲身1の環状溝部1aに位置させて、複数個(本実施例では4個)の穴部1bが放射状に貫通させて設けられ、各穴部1bにはロック部材10が摺動自在に配置されている。ロック部材10は、図3に示すように砲身1との間に圧縮して介装した弾性体であるリングばね12,13(リングばね以外のばね又は弾性ゴムによつて構成することも可能)によつて、常時外方向に弾性的に付勢されている。また、ロック部材10の外側には、環状のカムリング9が配置される。カムリング9は、図3に示すように前後両端部の環状内面9e,9fが砲身1の外周面に回動摺動自在に支持され、後記する中間部の押込カム9bの前後両側面が砲身1の環状溝部1aに係合して、砲身1の中心軸線方向の移動が拘束されている。なお、カムリング9は、砲身1側に回転自在に支持されていればよく、砲架2に支持することも可能である。なお、図1,図2はロック部材10が外方向に復帰した状態を示し、図3はロック部材10が内方向に押し込まれた状態を示している。
【0017】カムリング9は、図2に示すように内周面に、ロック部材10を当接支持する円筒面部9aと、内方に突出し、ロック部材10を内方向に押し込む押込カム9bとを所定間隔にて交互に配置し、外周面に、カムドラム8の第1,第2突起カム8c,8c’に係合して間欠的に回転駆動される歯状カム9c及びカムドラム8の第2カム8d又は第1カム8d’に係合して回転が拘束される係合カム9dが形成される。歯状カム9cは、円筒面部9a及び押込カム9bに対応させて形成されている。第1突起カム8cは、カムドラム8の回転に伴つて遊底5が前進行程から前進停止行程に移行する際(好ましくは移行した直後)に、歯状カム9cのいずれかに係合してカムリング9を所定角度α回転させ、図2に仮想線にて示すように押込カム9bによつてロック部材10を内方向に押し込み、ロック部材10を遊底5の係合凹部5bに係合させて遊底5を砲身1の閉鎖状態に保つように機能する。また、第2突起カム8c’は、更にカムドラム8が回転し、遊底5が前進停止行程から後退行程に移行する際(好ましくは移行する直前)に、歯状カム9cのいずれかに係合してカムリング9を所定角度α回転させ、押込カム9bとロック部材10との係合を解除させるように機能する。押込カム9bとロック部材10との係合が解除されれば、リングばね12,13の弾発力によつてロック部材10が外方向に復帰し、ロック部材10と遊底5の係合凹部5bとの係合が解除される。係合カム9dは、第2カム8d及び第1カム8d’と適合する凹湾曲面からなり、第1,第2突起カム8c,8c’が歯状カム9cと係合しない間であつて、ロック部材10と遊底5の係合凹部5bとが係合する状態で、カムリング9の回転を拘束するように、カムドラム8の第2カム面8dと係合し、また、ロック部材10と遊底5の係合凹部5bとの係合が解除された状態で、カムリング9の回転を拘束するように、カムドラム8の第1カム面8d’と係合する。
【0018】次に、上記実施例の作用について説明する。カムドラム8の回転によつて、遊底5は前進−前進停止−後退−後退停止の動きを与えられ、前進停止している間に遊底5によつて砲身1の後端部を閉鎖し、弾丸が発射される。遊底5が後退停止の状態から前進行程を採る際には、カムドラム8の前側の第1カム8d’がカムリング9の係合カム9dに係合してカムリング9の回転が拘束されている。このとき、カムリング9は、図2に示す状態にあり、リングばね12,13によつて外方向に付勢されるロック部材10は、カムリング9の円筒面部9aに当接し、これによつて砲身1の後端部を大きく開放している。
【0019】カムドラム8の回転によつて遊底5が充分に前進し、前端部が砲身1の後端部内に進入して遊底5が前進停止行程を採れば、その際にカムドラム8の第1突起カム8cが歯状カム9cを一歯送り、各押込カム9bが各ロック部材10の外面を押圧して、リングばね12,13の弾発力に抗して各ロック部材10を内方向に押し込む。内方向に押し込まれた各ロック部材10の内端部は、図3に示すように遊底5の係合凹部5bに進入し、遊底5を閉鎖状態に保つ。
【0020】この遊底5が前進停止行程を採る状態にて更にカムドラム8が回転すれば、弾薬11が撃発されて弾丸が発射される。そのとき、カムドラム8の第2カム8dがカムリング9の係合カム9dに係合しているので、カムドラム8の回転によつてカムリング9が回転することは抑制され、カムリング9は停止状態を維持し、ロック部材10を押し込んだ位置にロックされている。弾丸が発射された後、カムドラム8が更に回転すれば、カムドラム8の第2突起カム8c’が歯状カム9cを一歯送り、カムリング9が角度α回転するので、各押込カム9bの各ロック部材10との係合状態が解除され、ロック部材10が自由の状態となる。これにより、ロック部材10は直ちにリングばね12,13の弾発力によつてカムリング9の円筒面部9aに当接するように外方向に復帰し、遊底5の閉鎖状態を解除する。
【0021】その後、カムドラム8の回転によつて遊底5が後退行程に移行し、後退停止後に再び前進行程に移行する。この間、つまり遊底5が後退を開始した後、前進を終了するまでの間は、カムドラム8の第1カム8d’がカムリング9の係合カム9dと係合した状態にあり、従つて、ロック部材10が外方向に復帰して遊底5の前端部が砲身1の後端部内に進入可能である。ところで、上記実施例にあつてはロック部材10を外方向に復帰させる手段として、リングばね12,13を使用したが、カムリング9とロック部材10との間に確動カムを設け、各押込カム9bと各ロック部材10との係合状態が解除された際、この確動カムによつてロック部材10を外方向に復帰させるように構成し、リングばね12,13を省略することも可能である。
【0022】
【発明の効果】以上の説明によつて理解されるように、本発明に係る機関砲の遊底閉鎖方法及びその装置によれば、次の効果が得られる。
(1)閉鎖のために遊底の径が増加することがないため、弾薬を装填するときに送弾ホイールを弾薬の横方向のガイドとして利用できる。このため、別途の弾薬ガイド機構は不要となつた。
【0023】(2)遊底は遊底本体と揺底とに分割する必要がないため、遊底の部品点数は少ない。また、遊底の閉鎖のために遊底にカム部を設ける必要はなく、単に係合凹部を設けるだけでよい。その結果、遊底が簡素な形状・構造となり、信頼性及び耐久性が向上すると共に、遊底の重量を軽減できた。一方、カムドラムは、第1,第2突起カム及び第1,第2カム面を設けるのみであるので、重量の増加をほとんど伴わない。




 

 


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