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発明の名称 遊底駆動方法及び装置
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−139896
公開日 平成7年(1995)6月2日
出願番号 特願平5−309864
出願日 平成5年(1993)11月16日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】石戸 久子
発明者 津村 秀一郎 / 吉松 盛喜
要約 目的
砲身に弾薬を装てんする遊底が円滑に作動できるようにする。

構成
前進用チェーンホィール32、33には前進用チェーン16が巻き掛けられている。前進用チェーンには前進側つめ22が係合位置と非係合位置との間を回動可能に取り付けられている。後退用チェーンホィール34、35、36、37には後退用チェーン18、20がそれぞれ巻き掛けられている。後退用チェーンには後退側つめ24、26が係合位置と非係合位置との間を回動可能に取り付けられている。前進用チェーン及び後退用チェーンは動力伝達装置42、38、40を介してモータ44によって互いに反対方向に移動させられるようになっている。遊底12は、前進側つめに係合した状態(後退用つめとは非係合状態)で案内部材14の案内面に沿って前進方向に移動させられ、また後退用つめに係合した状態(前進用つめとは非係合状態)で後退方向に移動させられる。これにより、弾薬80を受け渡される後退位置と弾薬を砲身10に装てんする前進位置との間を移動可能である。
特許請求の範囲
【請求項1】 1つの動力源によってそれぞれ無端状の前進用チェーンと後退用チェーンとを互いに反対方向に駆動し、一方の前進用チェーンに取り付けた前進側つめを係合位置に位置させることによって遊底を前進方向に移動させ、遊底が前進している間は他方の後退用チェーンをこれに取り付けた後退側つめが遊底と係合しない空転状態とさせ、前進側つめを遊底から離脱させることにより前進用チェーンも空転状態として遊底を所定の前方位置に停止させ、次いで後退用チェーンに取り付けた後退側つめを係合位置に位置させることによって遊底を後退方向に移動させ、遊底が後退している間は前進用チェーンを空転状態とさせ、後退側つめを遊底から離脱させることにより後退用チェーンも空転状態として遊底を所定の後退位置に停止させることを特徴とする遊底駆動方法。
【請求項2】 遊底(12)と、チェーンホィールと、これに巻き掛けられたチェーンと、これに取り付けられたつめと、チェーンホィールを駆動する駆動源(44)と、遊底(12)の移動を案内する案内部材(14)と、を有しており、つめ、チェーン、及びチェーンホィールを介して駆動源(44)によって遊底(12)を駆動することにより、遊底(12)が弾薬(80)を引き渡される後退位置と弾薬(80)を砲身(10)に装てんする前進位置との間を移動するように構成されている遊底駆動装置において、駆動源(44)及びチェーンホィール間に配置された動力伝達装置(42、38、40)を有しており、上記チェーンが、互いに並列に配置された前進用チェーン(16)と、後退用チェーン(18)と、から構成されており、上記チェーンホィールが、前進用チェーンホィール(32、33)と、後退用チェーンホィール(34、35)と、から構成されており、前進用チェーンホィール(32)と、後退用チェーンホィール(34)とは、動力伝達装置(42、38、40)によって互いに反対方向に駆動されるものとされており、上記つめが、前進用チェーン(16)に取り付けられており遊底(12)と係合する係合位置とこれと係合しない非係合位置との間を回動可能な前進側つめ(22)と、後退用チェーン(18)に取り付けられており遊底(12)と係合する係合位置とこれと係合しない非係合位置との間を回動可能な後退側つめ(24)と、から構成されていることを特徴とする遊底駆動装置。
【請求項3】 前進用チェーン(16)及び後退用チェーン(18)のいずれか一方のチェーンが2つ設けられており、これらのチェーン(18、20)につめ(24、26)がそれぞれ設けられており、一方の2つのチェーンは他方のチェーンを挟んで等距離の位置に並列に配置されている請求項2記載の遊底駆動装置。
【請求項4】 上記遊底(12)には、これの案内部材(14)と対向する位置側にロック位置と非ロック位置との間を回動可能にそれぞれ取り付けられた前部ロック(28)、及び後部ロック(30)が設けられており、上記案内部材(14)には、前進位置において遊底(12)の前部ロック(28)と係合可能な前部くぼみ(14c)と、後退位置において遊底(12)の後部ロック(30)と係合可能な後部くぼみ(14d)と、前進位置において前進側つめ(22)を非係合位置に回動させる前部側の逃げ溝部(14e)と、後退位置において後退側つめ(24)を非係合位置に回動させる後部側の逃げ溝部(14f)と、がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項2又は3記載の遊底駆動装置。
【請求項5】 前進位置の遊底(12)の前部と対向する位置に配置された前部ブースタ(52、53)と、後退位置の遊底(12)の後部と対向する位置に配置された後部ブースタ(54、55)と、を有しており、前部ブースタ(52、53)は、前進位置近傍の遊底(12)に後退方向の力を作用させるように構成されており、後部ブースタ(54、55)は後退位置近傍の遊底(12)に前進方向の力を作用させるように構成されていることを特徴とする請求項2、3又は4記載の遊底駆動装置。
【請求項6】 上記ブースタ(52、53、54、55)は、固定部に固定されたケース(56)と、これに軸方向に移動可能にはめ合わされたピストン(58)と、ケース(56)内に配置されておりピストン(58)に伸長方向の力を作用させたばね(60)と、から構成されている請求項2、3、4又は5記載の遊底駆動装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、遊底駆動方法及び装置に関するものである。遊底は、前進動作することによって弾薬を砲身内に装てんするとともに砲身後部を閉鎖し、また発射後、後退動作することによって砲身後部を開放するとともに砲身内に残された空薬きょうを抜き取る部材である。
【0002】
【従来の技術】従来の遊底を駆動する方法としては、図11及び12に示すように、チェーンを介してモータによって駆動するものがある。4つのチェーンホィール104、106、108、及び110は、長方形の頂点位置にそれぞれ位置させられており、これらに無端状のチェーン112が掛け渡されている。チェーン112には、係合つめ114が設けてある。係合つめ114は遊底102に係合させてある。全体の配置は、遊底102の前進ストローク、及び後退ストロークが図示のように対向する2辺となるように設定してある。チェーン112は、モータ116によって一定方向に連続的に駆動されるようになっている。モータ116が駆動されることにより、係合つめ114が前進ストローク側の1辺に沿って砲100の軸線(砲軸線)方向に移動させられているときは、遊底102が砲100に向かって前進させられ、前方位置で遊底102が図示してない停止機構に押し付けられることよって停止させられた場合には、係合つめ114が遊底102に対して滑り運動し(係合つめ114が砲軸線と直交する方向に移動する)、係合つめ114が後退ストローク側の1辺に沿って砲軸線方向に移動させられているときは、遊底102が砲100から後退させられ、後方位置で遊底102が機械的に停止させられた場合には、係合つめ114が遊底102に対して滑り運動する(係合つめ114が砲軸線と直交する方向に移動する)、という1連の動作を連続的に行うことにより、遊底102が前進、停止、後退、停止のサイクルを繰り返すようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記のような従来のチェーンによる遊底の駆動方法には、摩擦力が大きく遊底102及び係合つめ114が摩耗しやすい、モータ116が大形のものになる、などの問題点がある。すなわち、図11から明らかなように、遊底102が砲軸線に沿って前進させられる場合には、係合つめ114が遊底102の一端部側を砲軸線方向に押すが、他端部側には押し力が作用せず、また、遊底102が砲軸線に沿って後退させられる場合には、上記と反対の押し状態となるので、前進、後退いずれの場合であっても、遊底102にひねり力が作用することになる。本発明はこのような課題を解決することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、前進時には前進用つめの押し力が遊底の中心部に作用するように、また後退時ににおいても後退用つめの押し力が遊底の中心部に作用するようにすることにより上記課題を解決する。すなわち本発明の遊底駆動方法は、1つの動力源によってそれぞれ無端状の前進用チェーンと後退用チェーンとを互いに反対方向に駆動し、一方の前進用チェーンに取り付けた前進側つめを係合位置に位置させることによって遊底を前進方向に移動させ、遊底が前進している間は他方の後退用チェーンをこれに取り付けた後退側つめが遊底と係合しない空転状態とさせ、前進側つめを遊底から離脱させることにより前進用チェーンも空転状態として遊底を所定の前方位置に停止させ、次いで後退用チェーンに取り付けた後退側つめを係合位置に位置させることによって遊底を後退方向に移動させ、遊底が後退している間は前進用チェーンを空転状態とさせ、後退側つめを遊底から離脱させることにより後退用チェーンも空転状態として遊底を所定の後退位置に停止させることを特徴としている。また、上記方法を実施する装置は、遊底(12)と、チェーンホィールと、これに巻き掛けられたチェーンと、これに取り付けられたつめと、チェーンホィールを駆動する駆動源(44)と、遊底(12)の移動を案内する案内部材(14)と、を有しており、つめ、チェーン、及びチェーンホィールを介して駆動源(44)によって遊底(12)を駆動することにより、遊底(12)が弾薬(80)を引き渡される後退位置と弾薬(80)を砲身(10)に装てんする前進位置との間を移動するように構成されているものを対象にしており、駆動源(44)及びチェーンホィール間に配置された動力伝達装置(42、38、40)を有しており、上記チェーンが、互いに並列に配置された前進用チェーン(16)と、後退用チェーン(18)と、から構成されており、上記チェーンホィールが、前進用チェーンホィール(32、33)と、後退用チェーンホィール(34、35)と、から構成されており、前進用チェーンホィール(32)と、後退用チェーンホィール(34)とは、動力伝達装置(42、38、40)によって互いに反対方向に駆動されるものとされており、上記つめが、前進用チェーン(16)に取り付けられており遊底(12)と係合する係合位置とこれと係合しない非係合位置との間を回動可能な前進側つめ(22)と、後退用チェーン(18)に取り付けられており遊底(12)と係合する係合位置とこれと係合しない非係合位置との間を回動可能な後退側つめ(24)と、から構成されている。なお、前進用チェーン(16)及び後退用チェーン(18)のいずれか一方のチェーンが2つ設けられており、これらのチェーン(18、20)につめ(24、26)がそれぞれ設けられており、一方の2つのチェーンは他方のチェーンを挟んで等距離の位置に並列に配置されているとよい。また、上記遊底(12)には、これの案内部材(14)と対向する位置側にロック位置と非ロック位置との間を回動可能にそれぞれ取り付けられた前部ロック(28)、及び後部ロック(30)が設けられており、上記案内部材(14)には、前進位置において遊底(12)の前部ロック(28)と係合可能な前部くぼみ(14c)と、後退位置において遊底(12)の後部ロック(30)と係合可能な後部くぼみ(14d)と、前進位置において前進側つめ(22)を非係合位置に回動させる前部側の逃げ溝部(14e)と、後退位置において後退側つめ(24)を非係合位置に回動させる後部側の逃げ溝部(14f)と、がそれぞれ形成されているとよい。さらに、前進位置の遊底(12)の前部と対向する位置に配置された前部ブースタ(52、53)と、後退位置の遊底(12)の後部と対向する位置に配置された後部ブースタ(54、55)と、を有しており、前部ブースタ(52、53)は、前進位置近傍の遊底(12)に後退方向の力を作用させるように構成されており、後部ブースタ(54、55)は後退位置近傍の遊底(12)に前進方向の力を作用させるように構成されているとよい。また、上記ブースタ(52、53、54、55)は、固定部に固定されたケース(56)と、これに軸方向に移動可能にはめ合わされたピストン(58)と、ケース(56)内に配置されておりピストン(58)に伸長方向の力を作用させたばね(60)と、から構成されているとよい。なお、かっこ内の符号は実施例の対応する部材を示す。
【0005】
【作用】モータは一定方向にのみ回転するが、モータに連結された動力伝達装置を介して前進用チェーンは前進方向に駆動され、また後退用チェーンは後退方向に駆動される。前進用チェーンに取り付けられた前進側つめが遊底の中心部を押すことによって、遊底が前進方向に移動させられる。すなわち、弾薬を砲身に装てんする動作が開始される。この状態で後退用チェーンに取り付けられた後退側つめは、遊底を押す位置には位置しておらず、したがって後退用チェーンは空転している。遊底が所定の前進位置に位置すると前進側つめが遊底と係合しない位置に移動させられるので前進用チェーンは空転し、遊底が停止される。これにより、装てん行程が終了する。発射終了後、所定のタイミングで後退側つめが遊底を押すことによって、遊底が後退方向に移動させられる。すなわち、砲身から空薬きょうを抜き取る動作が開始される。後退側つめの押し力は遊底の中心部に作用するようになっている。この状態で前進用チェーンに取り付けられた前進側つめは、遊底を押す位置には位置しておらず、したがって前進用チェーンは空転している。遊底が所定の後退位置に位置すると後退側つめが遊底と係合しない位置に移動させられるので両後退用チェーンは空転し、遊底が停止される。これにより、空薬きょう抜取行程が終了する。遊底にロックを設けた場合には、遊底を前進位置及び後退位置に確実に停止させることができる。また、ブースタを設けた場合には、遊底を緩衝させながら停止させることができるので、停止の衝撃を少なくすることができ、しかもブースタから遊底に始動力を作用させることができるので、駆動源の動力を小さいものとすることができる。
【0006】
【実施例】図1〜6に本発明の実施例を示す。砲身10の後部には遊底12が配置されている。図4に示すように、遊底12には、これの下部に段付き状の突出部12aが形成されている。遊底12より下方の位置には、尾筒(案内部材)14が配置されている。尾筒14は、とい状に形成されており(図6参照)、図示してないが砲身10と一体に結合されている。尾筒14には、図4中上面の遊底案内面14a(図6に示すように2箇所)、とい内底面のチェーンガイド面14b、遊底案内面14aの両側にそれぞれ配置された前部くぼみ14c及び後部くぼみ14d、及びチェーンガイド面14bの前後端部と接続する逃げ溝部14e、14fがそれぞれ形成されている。図6に示すように、遊底12は、これの突出部12aの底面が尾筒14の両側の遊底案内面14aに案内されて、図中紙面と直交する方向に移動できるように尾筒14によって支持されている。図1に示すように、遊底12の下端側には、図中左右方向に所定の間隔をおいて前進用チェーンホィール32、及び33が配置されている。前進用チェーンホィール32、及び33は、軸部材68、及び軸部材69にそれぞれ固定されている。軸部材68、69は、図示してない軸受装置によってそれぞれ回転可能に支持されている。前進用チェーンホィール32、及び33には、無端状の前進用チェーン16が巻き掛けられている。前進用チェーン16は、尾筒14のチェーンガイド面14bの中央部(図6参照)に案内されながら移動できるように配置されている。前進用チェーンホィール32の両側等距離の位置には2つの後退用チェーンホィール34、及び36がそれぞれ配置されている。同様に前進用チェーンホィール33の両側等距離の位置にはには2つの後退用チェーンホィール35、及び37がそれぞれ配置されている。図1中右側の後退用チェーンホィール34、及び36は軸部材70にそれぞれ固定されており、同様に、図中左側の後退用チェーンホィール35、及び37は軸部材71にそれぞれ固定されている。軸部材70、71は、図示してない軸受装置によってそれぞれ回転可能に支持されている。図中手前側の2つの後退用チェーンホィール34、及び35には、無端状の後退用チェーン20が巻き掛けられており、同様に図中奥側の2つの後退用チェーンホィール36、及び37には、無端状の後退用チェーン18が巻き掛けられている。後退用チェーン18、及び20は、チェーンガイド面14bの両端側に案内されながら移動できるようにそれぞれ配置されている。図6に示すように、前進用チェーン16には前進側つめ22が取り付けられており、後退用チェーン18、及び20には、後退側つめ24及び26がそれぞれ取り付けられている。前進側つめ22は、後退側つめ24、26とは位相がほぼ反対となるように配置されている。つめ22、24、及び26については後で詳しく説明する。図1に示すように、軸部材68には2つのギヤ38が固定されている。また軸部材70にはギヤ40が固定されている。ギヤ38及びギヤ40は同じものとされており、一方のギヤ38とギヤ40とがかみ合わされるようになっている。他方のギヤ38にはギヤ42がかみ合わされている。ギヤ42は、モータ44(駆動源)の軸に固定されている。モータ44は、一方向にだけ回転させられるようになっている。モータ44を駆動することにより、前進用チェーンホィール32が前進方向に駆動され、後退用チェーンホィール34、及び36がそれぞれ後退方向に駆動されるようになっている。すなわち、後述するように前進側つめ22が遊底12の突出部12aに係合している状態においては遊底12が前進方向に移動させられ、また、後退側つめ24及び26が遊底12の突出部12aに係合している状態においては遊底12が後退方向に移動させられるようになっている。これにより、遊底12が後退位置において後述する装弾トレイ50から弾薬80を引き渡され、前進行程において弾薬80を砲身10内に装てんし、発射後、後退行程において砲身10内の空薬きょうを抜き取り、図示してない空薬きょうトレイに引き渡すことができるようになっている。なお、図示してないが、尾筒14には、遊底12によって保持された状態の弾薬80(又は空薬きょう)が遊底12から落下しないように案内する下面側案内部材及び側面側案内部材(両側)がそれぞれ設けられている。
【0007】図8に示すように、前進側つめ22は、軸部材72によって前進用チェーン16に回動可能に取り付けられている。同様に図9に示すように、後退側つめ24、26は、軸部材74、76によって後退用チェーン18、20にそれぞれ回動可能に取り付けられている。前進側つめ22と、後退側つめ24、26とは同じものであり、取り付けの向きだけが互いに反対向きとされている。図8に示すように、遊底12には前部ロック部材28が軸部材64をもって回動可能に取り付けられており、同様に後部ロック部材30が軸部材66をもって回動可能に取り付けられている。前部ロック部材28と後部ロック部材30とは同じものであり、取り付けの向きだけが互いに反対向きとなるように配置されている。後部ロック部材30は、これの底面部30aが尾筒14の後部くぼみ14dにはまり込むことにより尾筒14と係合した場合には、遊底12の前進方向への移動を許さないが、前進側つめ22によって軸部材66回りに回動させられることにより尾筒14との係合が解除された場合には、遊底12の前進方向への移動を許すものとされている。同様に図9に示すように、前部ロック部材28は、これの底面部28aが尾筒14の前部くぼみ14cにはまり込むことにより尾筒14と係合した場合には、遊底12の後退方向への移動を許さないが、後退側つめ24、26によって軸部材64回りに回動させられることにより尾筒14との係合が解除された場合には、遊底12の後退方向への移動を許すものとされている。図8に示すように、前進側つめ22は、これの底面部22aが尾筒14のチェーンガイド面14bと互いに接触している状態(同図(b))においては、押し面22bによって遊底12の突出部12aを前進方向に押すことが可能であるが、底面部22aが尾筒14の前部側の逃げ溝14eに落ち込んで軸部材72回りに回動した状態(同図(c))においては、押し面22bが突出部12aよりも下方に位置して前進側つめ22が遊底12を押さない(前進用チェーン16が空転する)ような形状とされている。同様に、後退側つめ24、26も、これらの底面部24a、26aが尾筒14のチェーンガイド面14bと互いに接触している状態(図9(b))においては、押し面24b、26bによって遊底12の突出部12aを後退方向に押すことが可能であるが、底面部24a、26aが尾筒14の後部側の逃げ溝14fに落ち込んで軸部材74、76回りに回動した状態(同図(c))においては、押し面24b、26bが突出部12aよりも下方に位置して後退側つめ24、26が遊底12を押さない(後退用チェーン18、20が空転する)ようになっている。こうすることにより、前進用チェーン16及び後退用チェーン18、20が連続的に移動している状態で、遊底12が前進(装てん)、停止(発射)、後退(空薬きょうの引き抜き、及び排出)、停止(弾薬受け取り)の動作を順次繰り返すことができるようになっている。なお、2つの後退側つめ24、26による押し力の合力は、遊底12の中心部に作用するようになっている。
【0008】図1に示すように、遊底12の前部両側の前方位置には、前部ブースタ52、及び53がそれぞれ配置されている。また、遊底12の後部両側の後方位置には、後部ブースタ54、及び55がそれぞれ配置されている。図には示されてないが前部ブースタ52、及び53は、砲身10にそれぞれ取り付けられており、また、後部ブースタ54、及び55は、尾筒14にそれぞれ取り付けられている。前部ブースタ52、53、後部ブースタ54、及び55は、取り付けの方向は異なるが、いずれも同じ構造なので、後部ブースタ54のみを説明し、他のブースタの説明は省略する。図4に示すように、後部ブースタ54は、中空のケース56と、これにはめ合わされたピストン58と、ケース56内に配置されておりピストン58をケース56から押し出すように力を作用させたばね60と、から構成されている。遊底12が図4中仮想線で示す前進位置から実線で示す後退位置まで移動していく間に、後部ブースタ54、及び55の両ピストン58は、ばね60の力に抗してケース56にそれぞれ押し込まれるようになっており、これにより遊底12が緩衝されながら停止させられるようになっている。このようにして蓄積されたばね60の力は、次の前進行程の初期に遊底12を前進方向に押す力として作用するようになっている。すなわち、後部ブースタ54、55は、前進行程の初期に遊底12を前進方向に押すことが可能である。同様に前部ブースタ52、53は、後退行程の初期に遊底12を後退方向に押すことが可能である。このようにすることにより、遊底12をす早く始動させることができるとともに、遊底12を駆動するモータ44の動力を小さいものとすることができるようになっている。
【0009】なお、本発明の遊底駆動装置には直接関係ないので、詳細な説明は省略するが、図7に示すように、軸部材68には、歯車機構62も連結されており、これに、2つの装てん装置46、48、及び装弾トレイ50などが連結されている。装てん装置46、及び48は、互いに半サイクルずれたタイミングで順次装弾トレイ50に弾薬80を供給するように構成されており、また、装弾トレイ50は、所定のタイミングで遊底12に弾薬80を引き渡すように構成されている。また、図示してないが、空薬きょうトレイも設けられており、後退中の遊底12から所定のタイミングで空薬きょうを受け取るようになっている。
【0010】次に、この実施例の作用を説明する。図10に射撃の1サイクル中の遊底12の動作を示す。遊底12は、図4中実線で示す後退位置に位置させられており、これに装弾トレイ50から弾薬80が受け渡されているものとする。モータ44は一定方向にのみ回転しており、これに伴ってギヤー42、38、軸68、及び前進用チェーンホィール32を介して前進用チェーン16が前進方向に駆動され、またギヤー42、38、40、軸70、後退用チェーンホィール34、及び36を介して後退用チェーン18、及び20が後退方向に駆動されている。図8(a)に示すように、後退位置において遊底12は、これの後部ロック30が尾筒14の後部くぼみ14dにはまり込んでロック状態とされているので、前進位置方向への移動を阻止されているが、後部ブースタ54、及び55によって前進方向の力を作用させられている。前進用チェーン16に取り付けられた前進側つめ22が前進して遊底12の後部ロック30を後部くぼみ14dから押し上げてロックを解除した後、前進側つめ22が遊底12の突出部12aを押すことによって、遊底12が後部ブースタ54、及び55による前進力及び前進側つめ22を介したモータ44の駆動力によって前進方向に移動させられる。すなわち、弾薬80を砲身に装てんする動作が開始される。この状態で後退用チェーン18、及び20に取り付けられた後退側つめ24、及び26は、遊底12を押す位置には位置しておらず、したがって両後退用チェーン18、及び20は空転している。所定のストローク後は、後部ブースタ54、及び55による前進力はなくなり、モータ44の駆動力のみによって遊底12が駆動される。遊底12が図中仮想線で示す前進位置よりも手前の位置まで前進すると、遊底12が前部ブースタ52、及び53のピストン58をばね60の力に抗して前方に押すので、遊底12が緩衝されながら減速し、図中仮想線で示す前進位置まで移動すると、前進側つめ22が尾筒14の前部側の逃げ溝部14eに落ち込むように回動するので、前進側つめ22が遊底12を押さない位置に移動させられて前進用チェーン16は空転し、これと同時に遊底12の前部ロック28が尾筒14の前部くぼみ14cにはまり込んでロック状態とされるので遊底12が停止される。これにより、装てん行程が終了する。すなわち、弾薬80が砲身10に装てんされ、遊底12は砲身10の後部を閉鎖した状態となる。前進位置において遊底12は後退位置方向への移動を阻止されているが、前部ブースタ52、及び53によって後退方向の力を作用させられている。発射(撃発行程)終了後、所定のタイミングで後退側つめ24、及び26が、前部ロック28を尾筒14の前部くぼみ14cから脱出させてロック状態を解除した後、遊底12の突出部12aを押すことによって、遊底12が後退方向に移動させられる。すなわち、砲身10から図示してない空薬きょうを抜き取る(抽筒行程)動作が開始される。この場合も始動の初期には、前部ブースタ52、及び53による後退方向の力と、モータ44による駆動力とが作用して遊底12が後退させられ、所定のストローク後はモータ44による駆動力のみが遊底12に作用することになる。後退中、前進用チェーン16に取り付けられた前進側つめ22は、遊底12の突出部12aを押す位置には位置しておらず、したがって前進用チェーン16は空転している。後退途中で、遊底12に保持されていた空薬きょうは、図示してない空薬きょうトレイに受け渡されて(蹴筒行程)、空の状態になる。遊底12が図中実線で示す後退位置に近づくと、遊底12によって後部ブースタ54、及び55のピストン58をばね60の力に抗して後方に押すので、遊底12が緩衝されながら減速し、遊底12が後退位置に戻ると、後退側つめ24、及び26が尾筒14の後部側の逃げ溝部14fに落ち込むように回動するので、後退側つめ24、及び26が遊底12の突出部12aと係合しない位置にそれぞれ移動させられ、これと同時に遊底12の後部ロック30が尾筒14の後部くぼみ14dにはまり込むので、両後退用チェーン18、及び20はそれぞれ空転し、遊底12が停止される。これにより、空薬きょう抜取行程が終了し、1サイクルが終了することになる。この間に装てん装置46又は48から装弾トレイ50に弾薬80が送り込まれており、後退位置に位置した遊底12に装弾トレイ50から弾薬80が受け渡されて(装弾行程)、次の発射準備が整う。
【0011】なお、上記実施例の説明においては、後退動作用の後退用チェーン18、20などを2つ設けるものとしたが、後退動作用のチェーンなどは1つだけ設け、前進動作用のチェーンなどを2つ設けるようにすることもできる。
【0012】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、1つのモータで前進用チェーン及び後退用チェーンを駆動することができ、遊底を駆動する機構を簡単なものとすることができる。遊底は、これの中心部位置、又は中心部位置に対して対称的な位置に駆動力が加えられることになるので、左右にひねろうとするひねり力を受けないで済み、摩耗が少なく安定した動作をさせることができる。また、効率よく遊底を駆動することができるので、装置を小形のものとすることができる。ブースタを設けた場合には、チェーンの駆動力及びチェーンの駆動つめの付加を小さいものとすることができる。




 

 


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