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発明の名称 電熱化学砲弾
発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 公開特許公報(A)
公開番号 特開平7−91897
公開日 平成7年(1995)4月7日
出願番号 特願平6−129127
出願日 平成6年(1994)6月10日
代理人 【弁理士】
【氏名又は名称】曾我 道照 (外6名)
発明者 上原 靖 / 生田 一成
要約 目的
本発明は、特に、長期保存性に優れ、弾丸の駆動に最適な反応速度を容易に得るようにした電熱化学砲弾を提供することを目的とする。

構成
本発明による電熱化学砲弾は、基本水(13)と反応室(8)内の金属粉体状反応物体(7)との化学反応によって発生する高温高圧の反応生成物で弾丸(4)を発射するように構成した電熱化学砲弾において、前記金属粉体状反応物体(7)を、水に凝膠剤を添加して形成したゼリー体20内に封入するか又はこのゼリー体(20)内に金属線(21)又は金属板(21A)を設けることにより、長期の安定した保存が可能になると共に、ゼリー体内での金属粉体状反応物体の分散濃度を適宜に応じて変えることにより、弾丸の発射に最適な反応速度を容易につくり出すことができる構成である。
特許請求の範囲
【請求項1】 独立して設けられた基本水(13)と反応室(8)内の金属粉体状反応物体(7)との化学反応によって発生する高温高圧の反応生成物で弾丸(4)を発射するように構成した電熱化学砲弾において、前記金属粉体状反応物体(7)を、水に凝膠剤を添加して形成したゼリー体(20)内に封入したことを特徴とする電熱化学砲弾。
【請求項2】 反応室(8)内に設けられ水に凝膠剤を添加して形成したゼリー体(20)と、前記ゼリー体(20)内に封入された金属粉体状反応物体(7)と、前記基本水(13)を有する水収容室(9)内に設けられた電熱体(10)と、前記反応室(8)の端部に設けられた弾丸(4)とを備え、前記水と前記金属粉体状反応物体(7)との化学反応により得た高温高圧の反応生成物で前記弾丸(4)を発射するように構成したことを特徴とする電熱化学砲弾。
【請求項3】 前記ゼリー体(20)内で、前記金属粉体状反応物体(7)を均一又は所定の濃度で分散させたことを特徴とする請求項1又は2記載の電熱化学砲弾。
【請求項4】 前記ゼリー体(20)は、熱を加えることにより液化、蒸発して高温水蒸気になり、前記ゼリー体(20)中の前記金属粉体状反応物体(7)と激しく反応して、水素ガスと金属酸化物とからなる前記反応生成物で前記弾丸(4)を発射させるように構成したことを特徴とする請求項1ないし3の何れかに記載の電熱化学砲弾。
【請求項5】 前記凝膠剤の代わりに吸水性高分子材料を用いることを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の電熱化学砲弾。
【請求項6】 前記ゼリー体(20)中に、1本又は複数本の金属線(21)が設けられていることを特徴とする請求項1ないし5の何れかに記載の電熱化学砲弾。
【請求項7】 前記金属線(21)は、前記反応生成物と反応し、高温のガスを発生する構成としたことを特徴とする請求項6記載の電熱化学砲弾。
【請求項8】 前記金属線(21)の代わりに金属板(21A)を用いることを特徴とする請求項6又は7記載の電熱化学砲弾。
【請求項9】 前記金属線(21)又は金属板(21A)は、マグネシウム又はアルミニウムからなることを特徴とする請求項6ないし8の何れかに記載の電熱化学砲弾。
【請求項10】 前記金属線(21)又は金属板(21A)は、マグネシウムよりなり、かつ、パラフィン又は非水溶性塗料で被覆された構成よりなることを特徴とする請求項6ないし8の何れかに記載の電熱化学砲弾。
発明の詳細な説明
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電熱化学砲弾に関し、特に、長期保存性に優れ、弾丸の発射に最適な反応速度を容易に得るようにした新規な改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から一般的に利用されていたこの種の電熱化学弾としては、図6で示す構成が採用されている。すなわち、図6において、符号1で示すものは、全体が筒状をなし電気絶縁体よりなるケーシングであり、このケーシング1の後端部1aの後壁1aAの軸中心にはねじ孔1aBが形成されている。このねじ孔1aBには、後述する電熱体10の一端が接続された電極2が外部に露出するように螺合されている。前記ケーシング1の先端部1bの内壁面にはねじ孔部5が形成されており、このねじ孔部5内にはカップ状をなす導電性の連結子3のねじ部3aが螺着されている。
【0003】この連結子3の内壁3bには、カップ状をなすと共に導電性金属から形成された容器6が密着保持されている。この容器6の開口部6aには弾丸4が嵌入され、弾丸4の弾底4aは、内壁6bの長手方向における略中央位置まで挿入されている。その結果、弾丸4の弾底4aと容器6の内壁6bとの協働により、容器6内に、所定容積の反応室8が密閉状態で形成される。そして、この反応室8内には、アルミニウム又はボロン等からなる金属粉体状の反応物体7が封入されている。
【0004】前記反応室8の後方位置には基本水13が封入された水収容室9が形成され、この水収容室9は、連結子3の後壁3cとケーシング1と電極2の各壁面によって画成されると共に、連結子3の後壁3c及び容器6の後壁6cを介して反応室8から独立した構成になっている。更に、水収容室9内には、基本水13を加熱して高温高圧の水蒸気を発生させるための電熱線(アルミニウムや炭素等からなる電熱線)で構成した電熱体10が設けられている。この電熱体10は、その一端を電極2に接続し、その他端を連結子3の後壁3cに接続している。従って、連結子3と容器6と電極2は、電熱体10を介して電気的に導通状態をなしている。また、電極2と容器6との間に、スイッチ11及び電源12を介して直列に接続されている。
【0005】従来の電熱化学砲弾は上述のように構成されており、以下に、その動作について説明する。なお反応物体7としてアルミニウム粉体を用い、電熱体10としてアルミニウム線を用いた場合について説明する。
【0006】スイッチ11をONにすると、電極2と連結子3との間に電流が印加されて、水13を電熱体10で加熱する。この時、水素ガスを含んだ高温高圧の水蒸気が発生し、この水蒸気圧が水収容室9内で一定圧を越えると、図7に示すように、連結子3の後壁3c及び容器6の後壁6cがこの水蒸気圧によって破壊され、その結果、高温高圧の水蒸気が反応室8内に入射される。そして、基本水13からなる高温高圧の水蒸気によって反応物体7が加熱され、反応室8内で急激な化学反応を起こして、高温高圧の水素ガス14及び酸化アルミニウム15が発生し、これら高温高圧の反応生成物によって弾底4aは押圧され、弾丸4を発射させる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従来の電熱化学砲弾は、以上のように構成されていたため、次のような課題が存在していた。すなわち、電熱体10によって生成した高温高圧の水蒸気が、容器6中の反応物体7と化学反応を起こす場合、この反応速度は、この水蒸気と反応物体7とが反応室8内で混合する速度に依存する。従って、弾丸4を適切な速度で加速させるためには、水蒸気と反応物体7との混合速度を制御しなければならないが、粉体状の反応物体7を反応室8内に単に封入した場合や、反応室8内に水と反応物体7とを単に封入した場合は、反応室8内での反応物体7の濃度が一定せず、その結果、水蒸気は反応物体7との混合速度も一定せず、任意の反応速度や常に安定した弾丸の駆動を達成し難いといった課題があった。
【0008】本発明は、以上のような課題を解決するためになされたもので、特に、長期保存性に優れ、弾丸の駆動に最適な反応速度を容易に得るようにした電熱化学砲弾を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による電熱化学砲弾は、独立して設けられた基本水と反応室内の金属粉体状反応物体との化学反応によって発生する高温高圧の反応生成物で弾丸を発射するように構成した電熱化学砲弾において、前記金属粉体状反応物体を、水に凝膠剤を添加して形成したゼリー体内に封入した構成である。
【0010】本発明による電熱化学砲弾は、反応室内に設けられ水に凝膠剤を添加して形成したゼリー体と、前記ゼリー体内に封入された金属粉体状反応物体と、前記基本水を有する水収容室内に設けられた電熱体と、前記反応室の端部に設けられた弾丸とを備え、前記水と前記金属粉体状反応物体との化学反応により得た高温高圧の反応生成物で前記弾丸を発射するようにした構成である。
【0011】さらに詳細には、前記ゼリー体内で、前記金属粉体状反応物体を均一又は所定の濃度で分散させた構成である。
【0012】さらに詳細には、前記ゼリー体は、熱を加えることにより液化、蒸発して高温水蒸気になり、前記ゼリー体中の前記金属粉体状反応物体と激しく反応して、水素ガスと金属酸化物とからなる前記反応生成物で前記弾丸を発射させるようにした構成である。
【0013】さらに詳細には、前記凝膠剤の代わりに吸水性高分子材料を用いる構成である。
【0014】さらに詳細には、前記ゼリー体中に、1本又は複数本の金属線が設けられている構成である。
【0015】さらに詳細には、前記金属線は、前記反応生成物と反応し、高温のガスを発生する構成である。
【0016】さらに詳細には、前記金属線の代わりに金属板を用いる構成である。
【0017】さらに詳細には、前記金属線又は金属板は、マグネシウム又はアルミニウムからなる構成である。
【0018】さらに詳細には、前記金属線又は金属板は、マグネシウムよりなり、かつ、パラフィン又は非水溶性塗料で被覆した構成である。
【0019】
【作用】本発明による図1及び図2に示す電熱化学砲弾においては、ゼリー体内の反応物体の分散濃度を任意に固定することによって、反応室内に入射されるか又は反応室内で発生する高温高圧の水蒸気が、弾丸に向けて、ゼリー体を溶融しながら、ゼリー体中の水分を加熱して新たな水蒸気を発生させる。そして、溶融したゼリー体中の反応物体も高温高圧の水蒸気によって加熱されながら高圧の反応生成物を生成し続け、この反応生成物によって弾底を押圧する圧力を高めながら、ある一定の圧力に達した後、弾丸を所定の加速度で発射させることができる。また、本発明による図3及び図4で示す電熱化学砲弾においては、反応室内に入射された高温高圧の水蒸気によって、反応室内中の、ゼリー体と、ゼリー体中に配置された金属線が加熱される。この場合、マグネシウムの熱伝導率は、ゼリー体のそれに比べおよそ数百倍も大きいので、金属線は、ゼリー体よりもすみやかに加熱される。その結果、反応室に入射された高温高圧の水蒸気によって反応室後方のゼリー体(水蒸気入射側)が加熱されて溶融するのとほぼ同時に金属線周辺のゼリー体も、金属線を伝わって来た熱によって加熱され、溶融し始め、高温の水蒸気を発生する。この金属線周辺で発生した水蒸気は、高温の金属線と化学反応を起こし、水素ガスと、酸化マグネシウムを生成しながら発熱するので、さらに、ゼリー体を加熱、溶融し、反応が続く。さらに、高温高圧の水蒸気は金属線と反応するのみならず、溶融したゼリー体中の金属粉体反応物を加熱し、これと化学反応を呈して、水素ガス、酸化アルミニウム生成し続け、これら生成ガスによって、弾底押圧が高まり、ある所定の圧力になったところで、弾丸が発射される。
【0020】
【実施例】以下、図面と共に本発明による電熱化学砲弾の好適な実施例について詳細に説明する。なお、従来例と同一又は同等部分については、同一符号を用いて説明する。
【0021】図1において、符号1で示すものは、全体が筒状をなし電気絶縁体よりなるケーシングであり、このケーシング1の後端部1aの後壁1aAの軸中心にはねじ孔1aBが形成されている。このねじ孔1aBには、後述する電熱体10の一端が接続された電極2が外部に露出するように螺合されている。前記ケーシング1の先端部1bの内壁面にはねじ孔部5が形成されており、このねじ孔部5内にはカップ状をなす導電性の連結子3のねじ部3aが螺着されている。
【0022】この連結子3の内壁3bには、カップ状をなすと共に導電性金属から形成された容器6が密着保持されている。この容器6の開口部6aには弾丸4が嵌入され、この弾丸4の弾底4aは、内壁6bの長手方向における略中央位置まで挿入されている。その結果、弾丸4の弾底4aと容器6の内壁6bとの協働により、容器6内に、所定容積の反応室8が密閉状態で形成される。
【0023】前記反応室8内にはゼリー体20が配設され、このゼリー体20内には、アルミニウム又はボロン等の金属粉からなる金属粉体状反応物体7が均一な濃度で分散するように封入されている。このゼリー体20は、水に界面活性剤や凝膠剤を点火して固溶体化させたものである。なお、ゼリー体20内の金属粉体状反応物体7の濃度は、弾丸4の質量や発射速度等を考慮して適宜に変更することができることは言うまでもなく、凝膠剤の代わりに吸水性高分子材料(例えば、ポリアクリルアミドゲル又は/及びポリスチレンゲル)を用いても、初期の目的を達成することができる。
【0024】前記反応室8の後方位置には基本水13が封入された水収容室9が形成され、この水収容室9は、連結子3の後壁3cとケーシング1と電極2の各壁面によって画成されると共に、連結子3の後壁3c及び容器6の後壁6cを介して反応室8から独立した構成になっている。更に、水収容室9内には、基本水13を加熱して高温高圧の水蒸気を発生させるための電熱線(アルミニウムや炭素等からなる電熱線)で構成した電熱体10が設けられててる。この電熱体10は、その一端を電極2に接続し、その他端を連結子3の後壁3cに接続している。従って、連結子3と容器6と電極2は、電熱体10を介して電気的に導通状態をなしている。また、電極2と容器6との間は、スイッチ11及び電源12を介して直列に接続されている。
【0025】本発明の電熱化学砲弾は上述のように構成され、次に、その動作について説明する。なお金属粉体状反応物体7としてアルミニウム粉体を用い、電熱体10としてアルミニウム線を用いた場合について説明する。
【0026】スイッチ11をONにすると、電極2と連結子3との間に電流が印加されて、水13を電熱体10で加熱する。この時、水素ガスを含んだ高温高圧の水蒸気が発生し、この水蒸気圧が水収容室9内で一定圧を越えると、連結子3の後壁3c及び容器6の後壁6cがこの水蒸気圧によって破壊され、その結果、高温高圧の水蒸気が反応室8内に入射される。
【0027】この反応室8内に入射された高温高圧の水蒸気は、弾丸に向けて、ゼリー体20を溶融しながら、ゼリー体20中の水分を加熱して新たな水蒸気を発生させる。そして、溶融したゼリー体20中の金属粉体状反応物体7も高温高圧の水蒸気によって加熱されながら化学反応し、高圧の反応生成物、例えば、高温高圧の水素ガス及び酸化アルミニウム(金属酸化物)を生成し続け、この反応生成物によって弾底4aの押圧力を高めながら、ある一定の圧力に達した後、弾底4aは押圧され、弾丸4を所定速度で発射させる。
【0028】本発明は、前述した実施例に限定されるものではなく、図1に示した水収容室9内に基本水13を封入せず、ゼリー体20内の水分を、基本水13として利用するように構成してもよい。また、図2に示すように、容器6で弾丸4の弾底4aを完全に包囲し、更に、容器6の後壁6cを包囲するように連結子6をケーシング1に螺着させる。その結果、ケーシング1内には水収容室9が形成されず反応室8のみが設けられることになる。そして、この反応室8内に前述の組成のゼリー体20を配設し、このゼリー体20内に、アルミニウム又はボロン等からなる金属粉体状反応物体7を均一な濃度で分散させるように封入させて、連結子3の後壁3cと電極2とを、直線状の電熱体10で接続するように、電熱体10をゼリー体20内に埋設しても、本発明の初期の目的を達成することができる。なお、前述の場合、電熱体10は、点火用ヒューズとして機能することになる。
【0029】次に、図3は本発明による電熱化学砲弾の他の実施例を示すものである。図3において、符号1で示すものは、全体が筒状をなし電気絶縁体よりなるケーシングであり、このケーシング1の後端部1aの後壁1aAの軸中心にはねじ孔1aBが形成されている。このねじ孔1aBには、後述する電熱体10の一端が接続された電極2が外部に露出するように螺合されている。前記ケーシング1の先端部1bの内壁面にはねじ孔部5が形成されており、このねじ孔部5内にはカップ状をなす導電性の連結子3のねじ部3aが螺着されている。
【0030】この連結子3の内壁3bには、カップ状をなすと共に導電性金属から形成された容器6が密着保持されている。この容器6の開口部6aには弾丸4が嵌入され、この弾丸4の弾底4aは、内壁6bの長手方向における略中央位置まで挿入されている。その結果、弾丸4の弾底4aと容器6の内壁6bとの協働により、容器6内に、所定容積の反応室8が密閉状態で形成される。
【0031】前記反応室8内には、前述のゼリー体20が配置され、このゼリー体20内には、アルミニウム又はボロン等の金属粉からなる金属粉体状反応物体7が、均一な濃度で分散して封入されており、また、複数本の金属線21も、ゼリー体内20中に、配置されている。このゼリー体20は、水に界面活性剤や、凝膠剤を添加して固溶体化させたものである。
【0032】なお、このゼリー体20内中の金属粉体状反応物体7の濃度分布や、金属線21の太さや長さ、本数及び形状等は、弾丸4の発射速度等を考慮して、適宜に変更することができることは言うまでもなく、凝膠剤の代わりに、吸水性高分子材料(例えば、ポリアクリルアミドゲル又は/及び、ポリスチレンゲル)を用いても良い。また、さらには、金属線の代わりに金属板を用いても初期の目的を達成することができる。また、この金属線21はマグネシウムの場合、水との直接反応を避けるために、パラフィン又は非水溶性塗料で被覆されている。
【0033】前記反応室8の後方位置には基本水13が封入された水収容室9が形成され、この水収容室9は、連結子3の後壁3cとケーシング1と電極2の各壁面によって画成されると共に、連結子3の後壁3c及び容器6の後壁6cを介して反応室8から独立した構成になっている。更に、水収容室9内には、基本水13を加熱して高温高圧の水蒸気を発生させるための電熱線(アルミニウムや炭素等からなる電熱線)で構成した電熱体10が設けられている。この電熱体10は、その一端を電極2に接続し、その他端を連結子3の後壁3cに接続している。従って、連結子3と容器6と電極2は、電熱体10を介して電気的に導通状態をなしている。また、電極2と容器6との間は、スイッチ11及び電源12を介して直列に接続されている。
【0034】次に、その動作について説明する。なお、電熱体10と、金属粉体状反応物7に、アルミニウム、金属線21に、マグネシウムを用いた場合について説明する。スイッチ11をONにすると、電極2と連結子3との間に電流が印加されて、水13を電熱体10で加熱する。この時、水素ガスを含んだ高温高圧の水蒸気が発生し、この水蒸気圧が水収容室9内で一定圧を越えると、連結子3の後壁3c及び容器6の後壁6cがこの水蒸気圧によって破壊され、その結果、高温高圧の水蒸気が反応室8内に入射される。
【0035】この反応室8内に入射された高温高圧の水蒸気は、弾丸4に向けて、ゼリー体20を加熱するのと同時に、マグネシウムの金属線21をも加熱する。このマグネシウムの熱伝導率は、ゼリー体20のそれに比べはるかに大きい(およそ数百倍)ので、マグネシウム線21は、ゼリー体よりも、すみやかに加熱される。その結果、反応室8内に入射された高温高圧の水蒸気によって、反応室8内後方(水蒸気の入射側)のゼリー体20が溶融するのとほぼ同時に図4に示されるようにマグネシウムの金属線21の周囲でも、ゼリー体20が加熱され、溶融し始め、高温の水蒸気を発生する。この発生した水蒸気は、高温の金属線21と化学反応を呈し、水素ガスと酸化マグネシウムを生成し、また、熱が放出されるので、さらに、ゼリー体20は加熱、溶融される。
【0036】この場合、高温高圧の水蒸気は、金属線21と反応するのと同時に、溶融したゼリー体20内中の金属粉体状反応物7を加熱し、これと、化学反応を起こして、水素ガスと、酸化アルミニウムを生成し、熱を放出する。これらの反応生成ガスによって、弾底押圧が高まり、ある所定の圧力になった所で弾丸4がガスの圧力で発射される。なお、前述の実施例では、金属線21にマグネシウムを使用した例を示したが、金属線21としてアルミニウムを使用しても前述と同様の作用を得ることができる。また、図5に示すように、前記金属線21の代わりに、板状に形成されたマグネシウム又はアルミニウムよりなる金属板21Aを用いても良い。
【0037】
【発明の効果】本発明による電熱化学砲弾は、以上のように構成されているため、次のような効果を得ることができる。すなわち、図1及び図2の構成の場合、金属粉体状反応物体を、水に凝膠剤を添加して形成したゼリー体内に封入する構成にしたことにより、金属粉体状反応物体をゼリー体内の任意に分散濃度をもって分布させることができるので、反応室内に水と金属粉体状反応物体とを単に封入した場合のように、水と金属粉体状反応物体とが分離することなく、長期の安定した保存が可能になると共に、前記分散濃度を適宜に応じて変えることにより、弾丸の発射に最適な反応速度を容易につくり出すことができるといった優れた効果を有する。また、図3から図5の構成の場合、ゼリー体より熱伝導率の大きい金属線を、ゼリー体内中に配置し、この金属線の径や長さ、形状、本数等を変える事で、また、金属線自身の水蒸気との反応熱をも利用して、ゼリー体内中への熱の伝播速度を制御するように構成したので、弾丸の駆動に適した燃焼速度を容易に得られる効果がある。




 

 


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